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第二王子との邂逅
第106話 リエットとウィリアムの思惑の交差
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月の魔女と聖剣
第106話 リエットとウィリアムの思惑の交差
沙更が王立学園に編入して二週間が過ぎた。荒野の狼の護衛の元、学園生活は平穏無事に過ぎていった。貴族クラスでは、公爵家と侯爵家がいなくなったことで高位貴族クラスが解消されてしまったことで王族がそこに混ざることになったが、海を渡った第二王子は有名で遠巻きにされている状況であった。
リエットは、このクラスの最高位の貴族の子女であるが王都に来たことが無い為、不敬と分かっていたが王族の顔を知らない。カタリーナもあまり王都に来ないことから、王の顔を知っていても王子の顔を詳しくは知らない。辺境伯と言う役目柄か領地を離れることが少ない。
逆に言うと王族も辺境伯の子女たるリエットの事を知らないと言う事になる。アランの子息などは王立学園で辺境伯だと大きい顔をしていたが、リエットはそういうことをしない。大体伯爵家以上で、王宮での役目を持つ家柄は大体偉そうにしていたりするが宰相ガーゼルベルトを始め、辺境伯カタリーナは偉そうな態度を取ったことがなかった。
学園は基本的には、身分をあまり考慮せずとも学べると言う事を理念としていたがそれもここ二百年ほどは形骸化してしまっていた。それでも、尊重しようとしていたのは力を失った王族と辺境伯家くらいな物だろう。
それに、リエット自身貴族クラスでは浮いている。他の貴族達と仲良くなると言う事もなく、まるで腫れ物に触るかのような状態が続いていた。王族として編入した第二王子ウィリアムは、貴族達の空気を感じて異国よりも自分の国の方が住みづらいとは思ってもみなかったことに苦笑を浮かべるしかない。
「これが自分の国かと思うと嘆きたくなるな」
一度は、国を出た身ではあるがそれでもここまでひどいとは思ってみなかった。王族の力が失われて久しいとは言え、この国がここまでとは思っていなかったのだ。
『父と喧嘩別れしたとは言え、ここまで生きにくいとは思いもしなかった』
父ジョージ41世は、凡夫の王。それでもその前のジョージ40世よりも国に尽くしている王であり、ガーゼルベルトに託しただけの事はあったと言うことだろう。それでも、貴族たちの横やりを受けて意見を通しきれないなどの辛さを背中を通して見ていたウィリアムとしては、王になる気は一切無い。
が、他の貴族達は兄を排除するつもりかと思っていたりするのがさらに厄介であった。野心があるのならわざわざ海を越えた隣国に留学しに行くことなどしないだろう。そこの辺りを酌んでくれないのがこの国の貴族であり、ガーゼルベルトが頭を抱えることになっている元凶でもあった。
それに、王族自体の力は無くても象徴としてなら使えると考える貴族は多い。そして、王族との婚姻となれば伯爵家以上であれば前例があるだけに、伯爵家の女子生徒たちからの熱い視線がウィリアムに注がれる羽目になった。
そもそも、ウィリアムに結婚の意思はない。それだけに、ここまで女生徒からの視線を感じるとなると居心地が悪すぎた。
『流石に、こうなるのが嫌で隣国に留学していたんだがな。これはこれで困ったものだ』
そう考えるウィリアムは王族としては珍しい。本来ならば、学園に通う前に婚約者を決めておくものだが、隣国へ留学を決めたこともあり、婚約者を決めないでいた。基本的に政略結婚は貴族として普通であり、恋愛結婚などあり得ないと言える状態だったからである。そして、王子妃となればそれなりの貴族からでなければなることも出来ない。だが、ウィリアムはそれを拒否していた。
「ウィリアム王子様よ」
「隣国に留学されていたけれど戻ってきたのは知っていたけれど、第一王子様とは容姿が違うのですね」
そんな風に噂されるのも隣国ではなかったことで、ウィリアム自身として煩わしいとしか思わなかったし、なんというか女性から迫られると言う図が呆れ果ててしまっていた。
『流石にこれは参ったな。ここまでの事になるとは予想もしていなかった』
ウィリアムとして、この状況が良いとは思っていない。そんな状況下で、王子として見ていないのはリエットくらいだった。
『ウィリアム王子様、いろいろと大変そう。いつも女性に追われて、王族に嫁ぎたいと思う人は多いのでしょうね』
そう思いつつも動かないのはリエットの毎度の事である。だが、ウィリアムにとっては自分を追い回さない女性がいると言うだけで特別になるとは、この時のリエットは思ってもみなかった。
第106話 リエットとウィリアムの思惑の交差
沙更が王立学園に編入して二週間が過ぎた。荒野の狼の護衛の元、学園生活は平穏無事に過ぎていった。貴族クラスでは、公爵家と侯爵家がいなくなったことで高位貴族クラスが解消されてしまったことで王族がそこに混ざることになったが、海を渡った第二王子は有名で遠巻きにされている状況であった。
リエットは、このクラスの最高位の貴族の子女であるが王都に来たことが無い為、不敬と分かっていたが王族の顔を知らない。カタリーナもあまり王都に来ないことから、王の顔を知っていても王子の顔を詳しくは知らない。辺境伯と言う役目柄か領地を離れることが少ない。
逆に言うと王族も辺境伯の子女たるリエットの事を知らないと言う事になる。アランの子息などは王立学園で辺境伯だと大きい顔をしていたが、リエットはそういうことをしない。大体伯爵家以上で、王宮での役目を持つ家柄は大体偉そうにしていたりするが宰相ガーゼルベルトを始め、辺境伯カタリーナは偉そうな態度を取ったことがなかった。
学園は基本的には、身分をあまり考慮せずとも学べると言う事を理念としていたがそれもここ二百年ほどは形骸化してしまっていた。それでも、尊重しようとしていたのは力を失った王族と辺境伯家くらいな物だろう。
それに、リエット自身貴族クラスでは浮いている。他の貴族達と仲良くなると言う事もなく、まるで腫れ物に触るかのような状態が続いていた。王族として編入した第二王子ウィリアムは、貴族達の空気を感じて異国よりも自分の国の方が住みづらいとは思ってもみなかったことに苦笑を浮かべるしかない。
「これが自分の国かと思うと嘆きたくなるな」
一度は、国を出た身ではあるがそれでもここまでひどいとは思ってみなかった。王族の力が失われて久しいとは言え、この国がここまでとは思っていなかったのだ。
『父と喧嘩別れしたとは言え、ここまで生きにくいとは思いもしなかった』
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が、他の貴族達は兄を排除するつもりかと思っていたりするのがさらに厄介であった。野心があるのならわざわざ海を越えた隣国に留学しに行くことなどしないだろう。そこの辺りを酌んでくれないのがこの国の貴族であり、ガーゼルベルトが頭を抱えることになっている元凶でもあった。
それに、王族自体の力は無くても象徴としてなら使えると考える貴族は多い。そして、王族との婚姻となれば伯爵家以上であれば前例があるだけに、伯爵家の女子生徒たちからの熱い視線がウィリアムに注がれる羽目になった。
そもそも、ウィリアムに結婚の意思はない。それだけに、ここまで女生徒からの視線を感じるとなると居心地が悪すぎた。
『流石に、こうなるのが嫌で隣国に留学していたんだがな。これはこれで困ったものだ』
そう考えるウィリアムは王族としては珍しい。本来ならば、学園に通う前に婚約者を決めておくものだが、隣国へ留学を決めたこともあり、婚約者を決めないでいた。基本的に政略結婚は貴族として普通であり、恋愛結婚などあり得ないと言える状態だったからである。そして、王子妃となればそれなりの貴族からでなければなることも出来ない。だが、ウィリアムはそれを拒否していた。
「ウィリアム王子様よ」
「隣国に留学されていたけれど戻ってきたのは知っていたけれど、第一王子様とは容姿が違うのですね」
そんな風に噂されるのも隣国ではなかったことで、ウィリアム自身として煩わしいとしか思わなかったし、なんというか女性から迫られると言う図が呆れ果ててしまっていた。
『流石にこれは参ったな。ここまでの事になるとは予想もしていなかった』
ウィリアムとして、この状況が良いとは思っていない。そんな状況下で、王子として見ていないのはリエットくらいだった。
『ウィリアム王子様、いろいろと大変そう。いつも女性に追われて、王族に嫁ぎたいと思う人は多いのでしょうね』
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