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北方への探索行
第154話 聖剣の鞘の捜索6
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月の魔女と聖剣
第154話 聖剣の鞘の捜索6
辺境から北方への街道は王都への街道はやはり細く、人通りもほぼいない状況であった。道を歩いて行きつつも、寂しい感じが否めないのを肌で感じざるを得ない。
「この状態なら交流が少ないのも分かるかな」
「街道は細いし、重要視されていないのがよく分かります」
王国の中でも辺境と北方はあまり開発されていない土地であったが、沙更たちが尽力して以後大分状況は変わっていた。そんな中でも取り残されたのが北方で、ミリアも沙更も納得するしか出来ない。
寂れた街道をエアウォークで加速しつつ、駆け抜ける。今のところモンスターは感知出来ていないが探知魔法とミリアの気配察知極と同時に使って移動していくのはもういつもの対応となっていた。
辺境と北方の境の関所は、辺境の兵士たちが十数名詰めているが北方側では数人いるかどうか、その辺りも状況の差が出ていた。関所の兵士たちはパウエルたちを見ると珍しいものを見る目をした。なかなか北方に向かう人間はいないらしい。
「これから北方に行くのかい?」
「カタリーナ様にも許可は得ています。」
兵士たちに聞かれるのは分かっていたので、カタリーナに貰った書状を兵士に見せると納得された。領主の許可を貰えるほどの冒険者ならば、実力はお墨付きもいい所だからだ。
「印に問題もなし、通るのも戻ってくるのも問題ないが北方は治安が悪い。気をつけて行きなよ」
兵士にそう言われ、頷くと関を開けてくれる。木製ながら大型な門は北方からの不法侵入を防ぐ為のものらしい。辺境へはこの関所以外には道は無く、周囲は深い森に囲まれていて下手に通ろうとすればモンスターに襲われるだろうと推測はできた。
関所を超えて、しばらくは細いながらも道があったがそれも途切れていた。使われていないのがよく分かるほどに草で覆われていたからだ。だが、そこは沙更が一気に切り払っていく。ウィンドカッターの魔法を使えば、多少硬い草程度では抵抗すら出来ないほどに鋭い切れ味を発揮していたから。
「道も維持出来ていないとなるとかなりまずい気がします」
「領主が怠慢なのか、私腹を肥やす事しか興味がないのかにもよるがいい感じはしないな」
「街道を整備出来ないほど貧乏と言うこともありますが、これだと10年位は放置されてそう」
パウエルとヘレナの意見に頷きつつも情報が足りなさすぎることも頭に入れつつ、魔法で草を刈りつつ進む。草を狩れば細いながらの道が出てくるのがせめてもの救いと言えた。
そのまま、草に埋もれた道を進むと集落らしい住居が見えてきた。村らしいが人気を感じない。建物もいくつか朽ち果ててしまった物も見える。
「かなり前にあった村かな?」
「打ち捨てられてかなり経ってるとは思うよ。でも、そろそろ夜になるし強行軍する?」
ミリアの言葉に沙更は首を振る。下手に無茶をする必要はない。一回月のコンパスを確認する必要もあった。聖剣の鞘の場所の方角を確認しておかなければ無駄足になってしまう。
月のコンパスを見てみれば、北の方角から北東へと変わっていた。辺境からこの村跡地までは馬車なら二、三日はかかるだろう。距離をかなり縮めたことで聖剣の鞘の場所までかなり近づいたのは確かなようだった。
第154話 聖剣の鞘の捜索6
辺境から北方への街道は王都への街道はやはり細く、人通りもほぼいない状況であった。道を歩いて行きつつも、寂しい感じが否めないのを肌で感じざるを得ない。
「この状態なら交流が少ないのも分かるかな」
「街道は細いし、重要視されていないのがよく分かります」
王国の中でも辺境と北方はあまり開発されていない土地であったが、沙更たちが尽力して以後大分状況は変わっていた。そんな中でも取り残されたのが北方で、ミリアも沙更も納得するしか出来ない。
寂れた街道をエアウォークで加速しつつ、駆け抜ける。今のところモンスターは感知出来ていないが探知魔法とミリアの気配察知極と同時に使って移動していくのはもういつもの対応となっていた。
辺境と北方の境の関所は、辺境の兵士たちが十数名詰めているが北方側では数人いるかどうか、その辺りも状況の差が出ていた。関所の兵士たちはパウエルたちを見ると珍しいものを見る目をした。なかなか北方に向かう人間はいないらしい。
「これから北方に行くのかい?」
「カタリーナ様にも許可は得ています。」
兵士たちに聞かれるのは分かっていたので、カタリーナに貰った書状を兵士に見せると納得された。領主の許可を貰えるほどの冒険者ならば、実力はお墨付きもいい所だからだ。
「印に問題もなし、通るのも戻ってくるのも問題ないが北方は治安が悪い。気をつけて行きなよ」
兵士にそう言われ、頷くと関を開けてくれる。木製ながら大型な門は北方からの不法侵入を防ぐ為のものらしい。辺境へはこの関所以外には道は無く、周囲は深い森に囲まれていて下手に通ろうとすればモンスターに襲われるだろうと推測はできた。
関所を超えて、しばらくは細いながらも道があったがそれも途切れていた。使われていないのがよく分かるほどに草で覆われていたからだ。だが、そこは沙更が一気に切り払っていく。ウィンドカッターの魔法を使えば、多少硬い草程度では抵抗すら出来ないほどに鋭い切れ味を発揮していたから。
「道も維持出来ていないとなるとかなりまずい気がします」
「領主が怠慢なのか、私腹を肥やす事しか興味がないのかにもよるがいい感じはしないな」
「街道を整備出来ないほど貧乏と言うこともありますが、これだと10年位は放置されてそう」
パウエルとヘレナの意見に頷きつつも情報が足りなさすぎることも頭に入れつつ、魔法で草を刈りつつ進む。草を狩れば細いながらの道が出てくるのがせめてもの救いと言えた。
そのまま、草に埋もれた道を進むと集落らしい住居が見えてきた。村らしいが人気を感じない。建物もいくつか朽ち果ててしまった物も見える。
「かなり前にあった村かな?」
「打ち捨てられてかなり経ってるとは思うよ。でも、そろそろ夜になるし強行軍する?」
ミリアの言葉に沙更は首を振る。下手に無茶をする必要はない。一回月のコンパスを確認する必要もあった。聖剣の鞘の場所の方角を確認しておかなければ無駄足になってしまう。
月のコンパスを見てみれば、北の方角から北東へと変わっていた。辺境からこの村跡地までは馬車なら二、三日はかかるだろう。距離をかなり縮めたことで聖剣の鞘の場所までかなり近づいたのは確かなようだった。
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