月の魔女と聖剣

空流眞壱

文字の大きさ
186 / 211
対公爵 対邪神

第171話 白い直刀の変化

しおりを挟む
月の魔女と聖剣

第171話 白い直刀の変化

 防具を新しくした後で、パウエルやガレムの武器を確認していく。ヘレナのメイスは見たところ問題は無さそうだったので、パウエルとガレムを優先的に見ていく。ガレムの聖鋼の斧に関して刃こぼれは見えないが、パウエルの魔鉄の青い剣はところどころ刃こぼれがあったため、修復魔法で元通りにはした。けれど、無茶をすれば今後いきなり折れる可能性を否定出来なかった。

「パウエルさん、この剣に愛着があるのは知っていますがこのまま使い込むのなら折れる可能性を頭に入れて置いてください」

「高ランクモンスター相手なら、魔鉄では厳しいか」

「魔力で保護したとしても、硬さの問題が出てきます。ガレムさんの斧は材質的に優良なので大丈夫だと思いますが、パウエルさんのは魔鉄なので限界があります」

 沙更として、そこは言っておく必要があった。とは言っても魔鉄の青い剣はパウエルの相棒である。言われて新しい剣を買えるかと言えば否だろう。王都が廃墟となった今では高級装備品もなかなかウエストエンドに入って来ない。

 パウエルとガレムの武器は特別で、進化した物だけに再度同じことが起きないとは言えないのも悩みどころであった。元が鉄の武器でガレムのに至っては量産品であったし、パウエルの鉄の剣も数打ち物に比べれば若干マシと言うような品物であったから。

 二人の武器を確認してからミリアに渡していた白の直刀を預かると沙更の魔力に反応して、少しずつ形を変えていく。直刀であることに変わりはないが、魔法で刀身を変化させなければ全長48cmほどと大きいナイフの域を超えなかったが今では全長60cmほどと大きくなっていたし、刀身に淡い光を纏っている。
 
 明らかに強くなったのを感じさせる直刀に、ヘレナが頭を抱えた。

「セーナちゃん、今度はなにをやったの?」

「私の魔力が強くなったことで変化したみたいです。ミリアお姉さんもかなりのモンスターとやり合って来ましたから直刀の方が反応してこうなりました」

「修復魔法なしで変化したのは、元々セーナちゃんの魔力で作られた物だからかもしれないな。確かにミリアもガレムに負けないくらいモンスターを倒しているから不思議とは言えないな」

「時期が来たって事なんだろうぜ。ヘレナはあまりに考えすぎなんだ。ミリアが驚いてないのにあたふたしてどうするんだ?」

 ガレムが呆れた顔をするとヘレナはその言葉に噛み付く。

「人を超えていることは良いことばかりじゃないのは分かっているでしょう?」

「警戒しすぎだ。何のために俺らがいると思ってる。セーナちゃんが人間を超えてるのは知った話だろう。ミリアまで気にかけてる。ヘレナは常識に囚われすぎだ」

 ガレムはヘレナにそう言うとミリアも首を傾げる。

「ヘレナがピリピリするのは分かるけど、今回の件は今までのモンスター退治に直刀が応えてくれただけ。セーナちゃんを責めるようなこと?」

 ミリアの言葉にヘレナは答えない。沙更としてはやりたいようにやっているだけなので、ヘレナがそう思っているのは知っているし警戒しているのも分かっていた。

 受け入れられるかで揉めるようならばそろそろ移るべきかもしれないと思う。今回の件が終わったら、ミリアに相談することを決めていた。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

異世界子供ヤクザ【ダラムルバクト】

忍絵 奉公
ファンタジー
孤児院からスラムで育ったバクト。異空間収納と鑑定眼のダブルギフト持ちだった。王都西地区20番街では8割を縄張りとする先代のじいさんに拾われる。しかしその爺さんが死んだときに幹部同士のいざこざが起こり、組は解散。どさくさにまぎれてバクトが5・6番街の守役となった。物語はそこから始まる。7・8番街を収めるダモンとの争い。また後ろ盾になろうと搾取しようとする侯爵ポンポチーコ。バクトは彼らを越えて、どんどん規格外に大きくなっていく。

没落領地の転生令嬢ですが、領地を立て直していたら序列一位の騎士に婿入りされました

藤原遊
ファンタジー
魔力不足、財政難、人手不足。 逃げ場のない没落領地を託された転生令嬢は、 “立て直す”以外の選択肢を持たなかった。 領地経営、改革、そして予想外の縁。 没落から始まる再建の先で、彼女が選ぶ未来とは──。 ※完結まで予約投稿しました。安心してお読みください。

無能妃候補は辞退したい

水綴(ミツヅリ)
ファンタジー
貴族の嗜み・教養がとにかく身に付かず、社交会にも出してもらえない無能侯爵令嬢メイヴィス・ラングラーは、死んだ姉の代わりに15歳で王太子妃候補として王宮へ迎え入れられる。 しかし王太子サイラスには周囲から正妃最有力候補と囁かれる公爵令嬢クリスタがおり、王太子妃候補とは名ばかりの茶番レース。 帰る場所のないメイヴィスは、サイラスとクリスタが正式に婚約を発表する3年後までひっそりと王宮で過ごすことに。 誰もが不出来な自分を見下す中、誰とも関わりたくないメイヴィスはサイラスとも他の王太子妃候補たちとも距離を取るが……。 果たしてメイヴィスは王宮を出られるのか? 誰にも愛されないひとりぼっちの無気力令嬢が愛を得るまでの話。 この作品は「小説家になろう」「カクヨム」にも掲載しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

覚悟は良いですか、お父様? ―虐げられた娘はお家乗っ取りを企んだ婿の父とその愛人の娘である異母妹をまとめて追い出す―

Erin
恋愛
【完結済・全3話】伯爵令嬢のカメリアは母が死んだ直後に、父が屋敷に連れ込んだ愛人とその子に虐げられていた。その挙句、カメリアが十六歳の成人後に継ぐ予定の伯爵家から追い出し、伯爵家の血を一滴も引かない異母妹に継がせると言い出す。後を継がないカメリアには嗜虐趣味のある男に嫁がられることになった。絶対に父たちの言いなりになりたくないカメリアは家を出て復讐することにした。7/6に最終話投稿予定。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

イジメられっ子世に憚る。

satomi
ファンタジー
主人公須藤正巳はぼんやりと教室で授業を受けていた。その時、突然教室中に物凄い量の光が…。 正巳が属する2-C全員が異世界転移することとなってしまった。 その世界では今まで正巳が陰キャとして読み漁ったラノベともゲームとも異なり、レベルがカウントダウン制。つまりレベル999よりレベル1の方が強い。という世界だった。 そんな中、クラスのリーダー的陽キャである神谷により全員で教室の外に出ることに。 いきなりドラゴンに出会い、クラスの全員がとった行動が『正巳を囮にして逃げること』だった。 なんとか生き延びた正巳は、まず逃げた連中へ復讐を誓う。

処理中です...