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第6話 王都観光
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寮には食堂があるから、食事はそこで済ませるように言われた。クイズ作成魔道士トイに引き連れられ、特殊クラスの面々は夕食を食べに食堂へ向かった。ロビーの端にある魔法陣に乗ると、食堂の目の前にいた。食堂は校舎の一階の端にあるそうだ。
食堂には制服を着た少年少女が食事をしていた。制服の色が五種類あるようで、赤色、青色、黄色、白色、緑色の制服を着た生徒がそれぞれいた。制服を着た生徒たちは僕たちを見るとひそひそしだした。
「制服着ているのは一般クラスの生徒だよ。特殊クラスのメンバーは制服がないから、どうしても浮くんだよね」
赤色は火魔法クラス、青色は水魔法クラス、黄色は土魔法クラス、白色は風魔法クラス、緑色は草魔法クラスの生徒なんだそうだ。
食事はバイキング形式で好きなものを取って食べられる。僕たちはそれぞれ好きな料理を取り、一つのテーブルを特殊クラスの面々で陣取って食べた。料理は美味しかったが、一般クラス生徒の視線が落ち着かなかった。一般クラスの生徒は特殊クラスの僕たちをただの好奇心で見ているだけで、嫌な感じの見方ではないのは雰囲気でわかったが、それでもやりにくかった。まだ僕の他に四人いたからいいものの、僕一人なら逃げ出したい。退化魔道士ネルとクイズ作成魔道士トイが留年したのも無理ないのかもしれない。
このように特殊クラスの面々はこの学校で浮きがちなので、特殊魔道士同士は結束が固くなるようだ。僕は新しい学校の人間関係が上手くやれるか心配していたが、その点はそこまで問題なくやれそうで安心した。
翌日も、朝食を食堂で皆で食べていると、クイズ作成魔道士トイが
「みんな、今日は何するの?」
と聞いてきたので、僕はとりあえず王都の宿にいる両親に顔を出すことだけしか予定がないことを伝えた。他のメンバーも特に予定はないらしい。
「じゃあ、王都案内しようか? 俺は王都育ちだし、いろいろ知ってるぜ! どこか行ってみたいところない?」
「僕はやっぱり、音楽が聞けるところに行ってみたいな」
音楽魔道士カランドが答える。僕は王都のことはさっぱりわからないのでどこでもよいが王都観光はしたいと言った。
「僕は、王都の隣町出身だから、王都は今更観光しなくてもいいや。ここのロビーの魔導書を読むことにするよ」
複合魔道士ポールトーマスは言った。
「わたしはロビーで寝るー」
退化魔道士ネルもこう言うので、ポールトーマスとネルはロビーに残し、僕、トイ、カランドの三人で王都観光に行くことになった。
王都はどこも大変賑やかで街道はすごい人だ。道端には露店が並んでいる。
「今月は式典で若者がたくさん王都に来てるから、王都全体祭りみたいな状態なんだよ。今の時期しか見れない店とかショーも多いんだぜ」
トイが説明する。適性検査が終わるまで王都の様子を楽しむどころじゃなかったが、今は楽しい雰囲気の王都を充分に満喫出来ていた。故郷の町では見られない露店や建物が目白押しで歩くだけでわくわくした。綺麗に舗装された石畳の道に、カラフルな壁の家が並ぶ街並み、洒落たデザインの街灯、これから、こんな洒落た街で過ごせるなんて、夢のようだった。適性検査でもし、なにも見つかってなかったら、僕はどうなっていただろう。
カランドの希望に沿って、路上の楽器演奏者が集まる通りに行く。演奏者の前に置かれた箱に小銭を投げると一曲奏でてくれる。僕は田舎者だったから芸術に疎かったため、どの曲も聞いたことがなかった。どの曲も新鮮な響きがする。カランドも興味深く聞いていた。
僕の両親が滞在している宿の側に来たため、二人に断って、両親に顔を出そうとした。
「おや、キルル、来てたのね!」
宿の入口で母さんに呼び止められた。せっかくの王都なので少し観光していたようだ。父さんも母さんの近くにいて、僕に気がつき駆け寄ってきた。
「キルルのご両親?」
トイとカランドが聞いてきた。僕が頷く。このやり取りを見て両親はびっくりしていた。
「キルル、この子たちは?」
「僕と同じ特殊魔道士だからクラスメイトだよ。トイと、カランド。トイは王都に詳しいから案内してもらってたんだ」
トイとカランドか僕の両親に挨拶する。
「まあまあ! 早速うちのキルルと仲良くしてくださって! どうもありがとう!」
母さんは涙目になって感激した。僕はいじめられっ子だったから、友達と連れ立っているところを見たのはこれが初めてだったのだ。
「これからもどうかキルルと仲良くしてやってください。お願いします」
母さんと父さんはトイとカランドにペコペコした。少し気恥ずかしかったが、
「これで安心して町に帰れるわ」
と母さんが言ったので、これで良いのだろうと思った。今までかなり心配かけていたのだろう。両親のためにも、上手く学園生活を送らねばいけないと思った。
こうして第一週は観光中心で過ごしたが、王都は広く、どれだけ歩いても飽きなかった。
そして第二週になり、東地方の15歳の式典と適性検査が行われた。
特殊クラスには、さらに二名クラスメイトが増えることになる。
食堂には制服を着た少年少女が食事をしていた。制服の色が五種類あるようで、赤色、青色、黄色、白色、緑色の制服を着た生徒がそれぞれいた。制服を着た生徒たちは僕たちを見るとひそひそしだした。
「制服着ているのは一般クラスの生徒だよ。特殊クラスのメンバーは制服がないから、どうしても浮くんだよね」
赤色は火魔法クラス、青色は水魔法クラス、黄色は土魔法クラス、白色は風魔法クラス、緑色は草魔法クラスの生徒なんだそうだ。
食事はバイキング形式で好きなものを取って食べられる。僕たちはそれぞれ好きな料理を取り、一つのテーブルを特殊クラスの面々で陣取って食べた。料理は美味しかったが、一般クラス生徒の視線が落ち着かなかった。一般クラスの生徒は特殊クラスの僕たちをただの好奇心で見ているだけで、嫌な感じの見方ではないのは雰囲気でわかったが、それでもやりにくかった。まだ僕の他に四人いたからいいものの、僕一人なら逃げ出したい。退化魔道士ネルとクイズ作成魔道士トイが留年したのも無理ないのかもしれない。
このように特殊クラスの面々はこの学校で浮きがちなので、特殊魔道士同士は結束が固くなるようだ。僕は新しい学校の人間関係が上手くやれるか心配していたが、その点はそこまで問題なくやれそうで安心した。
翌日も、朝食を食堂で皆で食べていると、クイズ作成魔道士トイが
「みんな、今日は何するの?」
と聞いてきたので、僕はとりあえず王都の宿にいる両親に顔を出すことだけしか予定がないことを伝えた。他のメンバーも特に予定はないらしい。
「じゃあ、王都案内しようか? 俺は王都育ちだし、いろいろ知ってるぜ! どこか行ってみたいところない?」
「僕はやっぱり、音楽が聞けるところに行ってみたいな」
音楽魔道士カランドが答える。僕は王都のことはさっぱりわからないのでどこでもよいが王都観光はしたいと言った。
「僕は、王都の隣町出身だから、王都は今更観光しなくてもいいや。ここのロビーの魔導書を読むことにするよ」
複合魔道士ポールトーマスは言った。
「わたしはロビーで寝るー」
退化魔道士ネルもこう言うので、ポールトーマスとネルはロビーに残し、僕、トイ、カランドの三人で王都観光に行くことになった。
王都はどこも大変賑やかで街道はすごい人だ。道端には露店が並んでいる。
「今月は式典で若者がたくさん王都に来てるから、王都全体祭りみたいな状態なんだよ。今の時期しか見れない店とかショーも多いんだぜ」
トイが説明する。適性検査が終わるまで王都の様子を楽しむどころじゃなかったが、今は楽しい雰囲気の王都を充分に満喫出来ていた。故郷の町では見られない露店や建物が目白押しで歩くだけでわくわくした。綺麗に舗装された石畳の道に、カラフルな壁の家が並ぶ街並み、洒落たデザインの街灯、これから、こんな洒落た街で過ごせるなんて、夢のようだった。適性検査でもし、なにも見つかってなかったら、僕はどうなっていただろう。
カランドの希望に沿って、路上の楽器演奏者が集まる通りに行く。演奏者の前に置かれた箱に小銭を投げると一曲奏でてくれる。僕は田舎者だったから芸術に疎かったため、どの曲も聞いたことがなかった。どの曲も新鮮な響きがする。カランドも興味深く聞いていた。
僕の両親が滞在している宿の側に来たため、二人に断って、両親に顔を出そうとした。
「おや、キルル、来てたのね!」
宿の入口で母さんに呼び止められた。せっかくの王都なので少し観光していたようだ。父さんも母さんの近くにいて、僕に気がつき駆け寄ってきた。
「キルルのご両親?」
トイとカランドが聞いてきた。僕が頷く。このやり取りを見て両親はびっくりしていた。
「キルル、この子たちは?」
「僕と同じ特殊魔道士だからクラスメイトだよ。トイと、カランド。トイは王都に詳しいから案内してもらってたんだ」
トイとカランドか僕の両親に挨拶する。
「まあまあ! 早速うちのキルルと仲良くしてくださって! どうもありがとう!」
母さんは涙目になって感激した。僕はいじめられっ子だったから、友達と連れ立っているところを見たのはこれが初めてだったのだ。
「これからもどうかキルルと仲良くしてやってください。お願いします」
母さんと父さんはトイとカランドにペコペコした。少し気恥ずかしかったが、
「これで安心して町に帰れるわ」
と母さんが言ったので、これで良いのだろうと思った。今までかなり心配かけていたのだろう。両親のためにも、上手く学園生活を送らねばいけないと思った。
こうして第一週は観光中心で過ごしたが、王都は広く、どれだけ歩いても飽きなかった。
そして第二週になり、東地方の15歳の式典と適性検査が行われた。
特殊クラスには、さらに二名クラスメイトが増えることになる。
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