私が生きるゾンビ世界

春紗

文字の大きさ
19 / 23

第十八話 今日の暑さ

しおりを挟む
ミンミンミーン…ジー…ミーンミンミンミーン
バタッ…
「あちぃー…」
「そうですね」
梅雨もすっかりと明け本格的な夏が来た。毎日が25度以上あった。
「マリーエアコン入れよう」
「入れたら動かなくなるじゃないですか」
「う~ご~く~か~ら~」
「扇風機で十分でしょ」
「む~り~」
扇風機で遊びながら言っているその光景は大丈夫そうに見えるのだが…
「とけちゃ~う~」
「その時は固め直しますよ」
「マリー様お願いします」
「……………つけっぱなしはダメですよ」
「はい」
ピッ!
グウォォォ…
スイッチを入れた途端博士は、エアコンの前に立ち風を仰ぎ始めた。
「はぁぁぁあー、生きかえる~」
「よかったですね」
「エアコンがいない夏は生きれられません」
エアコンにラブコールをし始めた。
「そうですね、エアコンが無いと困りますものね」
「ふふふふっ、やっとエアコンの魅力が分かったか扇風機派閥め!」
博士は自信満々にこちらを振り向いた。
「だって、エアコンが無いと博士は使い物にならないじゃないですか」
「当たり前じゃん」
自身を持って言わないで頂きたい。使い物にならない博士を何とかする為に活動するのはそれこそ暑苦しい。…面倒くさい。
「大袈裟ですね…」
「何言ってんの!!扇風機はその場のあっつい空気をかき回しているだけ!」
「冷たい風もいますよ」
「極たまにじゃん」
「十分ですよ」
「だがしかし、エアコンはその場で冷たい風を送ってくれるのだぁぁ!!」
ドヤッ…
「そうですか」
博士は自信満々にいるが、
「でもエアコンの方が発電に時間かかりますよね」
「うっ…」
エアコンは機能がいい分、発電力を多くためておく必要がある。この世界の電力は使えないのでほぼ太陽光で補っている。太陽光だって、節約しなければ使えなくなってしまう。そんな中エアコンをガンガンつけっぱなしにするのはよくない。
「それに博士はすぐにエアコンに頼り、つけっぱなし、平均を下回る余計な温度調節、温度差により体調を崩す、これを散々繰り返してきたではないですか」
「た、たしかに、そんなことあったような、、、」
博士、目が泳いでますよ
「扇風機なら、そうならないですし」
だからこそ、低燃費で使い勝手良い扇風機なら安心だ。…温い部屋だと冷たい風はそうそうないけれど。
「マリーは暑さがわからないから言えるんだよ」
「当たり前じゃないですか」
ロボットは外気の温度を測ることはできるが、その温度が冷たいのか暑いのか判断はできない。もちろん、マリーはわからない。博士が「暑い」「死ぬ」と叫んでも「そうですね」で終わる。
「マリーえもん~何か冷たくなる道具出して~」
「無理です」
「なんかあるでしょ~」
「博士は私にポケットをくれましたか?」
「あ、あげた」 
「おかしいですね。そんなポケット見当たらないですが」
「こ、今度くっつけてやる」
「そんなもの作る暇があるのなら、他の事してください」
家事を手伝うとか。
「ちえっ~」
拗ねるように
「そういえば…」
物置の方に向かい。何かを取り出した。
デッデデェーン!
細長い形態。ボタンが一つ。大きめの穴。
「そ、それは」
「はい、かき氷機です」
「普通かき氷機って、クマとかハンドル付きじゃないの?」
「そんな夢があるものはうちには存在しません」
「なんと夢がない形のかき氷機!」
現代に風の自動かき氷機だった。
「よし、作ろう!!」
「暑さを紛らわせましょう」
冷凍庫から大きめの氷を取り出す。中に入れる。皿を設置。ボタンを押す。終わり。
「簡単だね…」
博士バカでもできますね」
博士と書いてバカと読んだことは聞かなかったことにしよう。
「ポチッとな」
グウォォォ…
無言の空間に音が鳴り響く。音からして氷が削られていることがよく分かる。よく分かるのだが、
「マリー…」
「後ちょっとですよ」
「マリー…」
「ガンバレ、ガンバレ」
「もう、むり、」
「まだ皿一つ分ですよ」
「つ~か~れ~た~」
「……………」
たしかにこのかき氷機は楽だ。ボタン一つでできて…だが、これはボタンを押して持ち上げる必要がある。持ち上げる間に氷が落ちていくのだが、腕に力がない人がやると
「皿一つが限界ですね」
「マリ~やって…」
「自分でやってください」
「けち…」
「働かずもの食うべからず」
「それ、今使う、」
「どうせ、すぐに食べ終わって後から作るんですから今のうちに食べる分作っておきましょう」
「ガンバレ、ガンバレ」
「うぅぅ…」
マリーに応援され+3つ分作った。
「もう、つか、れた」
「お疲れ様です」
マリーはかき氷を作っている間に必要なものを準備した。
「あぁ~美味しい」
「よかったですね」
シャキシャキでキーンとして美味い!!
三つにはイチゴ、ブルーハワイ、メロン
どれもマリーの手作りシロップ。ほんとうにありがたい。
「見てみて!!」
べっ!
舌を出し色の違いを見せる。
「博士、舌の色が死んでます」
「青いシロップだからね」
エアコンの涼しい風。冷たいかき氷。マリーと共にいる夏。
「マリーもかき氷食べれたらよかったのに」
「見てるだけで十分です」
だって、舌の色を変えて楽しむ博士面白いんですもの。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! 仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。 カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜

KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞 ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。 諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。 そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。 捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。 腕には、守るべきメイドの少女。 眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。 ―――それは、ただの不運な落下のはずだった。 崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。 その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。 死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。 だが、その力の代償は、あまりにも大きい。 彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”―― つまり平和で自堕落な生活そのものだった。 これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、 守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、 いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。 ―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

あの日、幼稚園児を助けたけど、歳の差があり過ぎてその子が俺の運命の人になるなんて気付くはずがない。

NOV
恋愛
俺の名前は鎌田亮二、18歳の普通の高校3年生だ。 中学1年の夏休みに俺は小さい頃から片思いをしている幼馴染や友人達と遊園地に遊びに来ていた。 しかし俺の目の前で大きなぬいぐるみを持った女の子が泣いていたので俺は迷子だと思いその子に声をかける。そして流れで俺は女の子の手を引きながら案内所まで連れて行く事になった。 助けた女の子の名前は『カナちゃん』といって、とても可愛らしい女の子だ。 無事に両親にカナちゃんを引き合わす事ができた俺は安心して友人達の所へ戻ろうとしたが、別れ間際にカナちゃんが俺の太ももに抱き着いてきた。そしてカナちゃんは大切なぬいぐるみを俺にくれたんだ。 だから俺もお返しに小学生の頃からリュックにつけている小さなペンギンのぬいぐるみを外してカナちゃんに手渡した。 この時、お互いの名前を忘れないようにぬいぐるみの呼び名を『カナちゃん』『りょうくん』と呼ぶ約束をして別れるのだった。 この時の俺はカナちゃんとはたまたま出会い、そしてたまたま助けただけで、もう二度とカナちゃんと会う事は無いだろうと思っていたんだ。だから当然、カナちゃんの事を運命の人だなんて思うはずもない。それにカナちゃんの初恋の相手が俺でずっと想ってくれていたなんて考えたことも無かった…… 7歳差の恋、共に大人へと成長していく二人に奇跡は起こるのか? NOVがおおくりする『タイムリープ&純愛作品第三弾(三部作完結編)』今ここに感動のラブストーリーが始まる。 ※この作品だけを読まれても普通に面白いです。 関連小説【初恋の先生と結婚する為に幼稚園児からやり直すことになった俺】     【幼馴染の彼に好きって伝える為、幼稚園児からやり直す私】

鐘ヶ岡学園女子バレー部の秘密

フロイライン
青春
名門復活を目指し厳しい練習を続ける鐘ヶ岡学園の女子バレー部 キャプテンを務める新田まどかは、身体能力を飛躍的に伸ばすため、ある行動に出るが…

処理中です...