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第7話 死闘
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月光に照らされた森の奥。
木々の間から姿を現した一頭の魔獣。
グレイウルフより遥かに巨大な、濡れたように漆黒の毛皮を持つ狼。
その金色の瞳が、ゴミを見るかのような侮蔑を俺に向けていた。
鑑定スキルが脳内に叩きつけた絶望的な情報。
【ブラックウルフ】ランク:B。
「……嘘、だろ」
MPは残1割。
そんな俺の目の前に現れたのは、単体で騎士団が出張るレベルの、本物の化け物だった。
金色の瞳が俺を捉えた瞬間、全身が凍り付いた。
蛇に睨まれた蛙とはこのことか。
恐怖で指一本動かせない。
手足どころか、思考までが鉛のように重く、鈍っていく。
気持ちが沈み、生きていることがひどく面倒くさく思えてくる。
(なんだ、この絶望感は……スキルか!)
並列思考が何とか機能し、相手の状態異常スキル「威圧」の効果で自分が恐慌状態に陥っていることに気付くことができた。
しかし、それが分かったからといって、このままでは嬲り殺されるだけだ。
俺は震える意識を必死に奮い立たせ、脳内でスキル画面を開く。
(さっきの……レベルアップで得たポイントが、まだ残っているはずだ!)
先のグレイウルフ戦で得たスキルポイント。
これを、今使うしかない。
状態異常耐性Lv1 → Lv5
ポイントを一気に注ぎ込むと、全身を縛り付けていた見えない鎖が霧散し、思考がクリアになる。
まだ本能的な恐怖心はある。
だが、動ける!
「グルルゥ……」
ブラックウルフが、俺が「威圧」を克服したことに気づいたように、低く唸り声を上げた。
相手が一歩踏み出した、その足元を狙って俺は即座に魔法を発動させた。
「――泥沼(クァグマイア)!」
グレイウルフの群れを葬った切り札。
しかし、ブラックウルフは沈みかけた足を、まるで散歩でもするかのように軽々と引き抜き、悠然とこちらへ歩みを進めてくる。
圧倒的なパワーの差。
小細工は通用しない。
くそっ!
俺は地面を蹴り、その巨体の側面へと回り込む。
「石弾(ストーンバレット)!火球(ファイヤーボール)!」
子供の身体ならではの小回りを活かし、相手の側面回り込むようにして、至近距離から魔法を叩き込んだ。
ヒットアンドアウェイだ。
しかし、手応えはあまりに浅い。
魔力をまとった分厚い毛皮が、俺の攻撃をほとんど無効化している。
何度も攻撃を繰り返すが、毛皮に少し傷がつく程度。
逆に、ブラックウルフが戯れに振るう爪の一撃が地面を抉り、木々をなぎ倒していく。
掠めただけで致命傷だ。
(MPが……MPさえあれば……!)
再びスキル画面を開く。残るポイントはわずか。これで取得できるスキルは限られている。
だが、選択肢は一つしかない。
ーースキル【魔力変換】を取得しました。
保有スキルポイントを完全に使い果たして手に入れたのは、HPをMPに変換する禁断のスキル。
「ガァッ!」
ブラックウルフの猛攻が勢いを増す。
これまで何とかブラックウルフの攻撃をかわし続けてきたが、それもそろそろ難しくなったようだ。
背面を崖に遮られ、もう俺に退路はない。
ブラックウルフが、ゆっくりと俺に歩み寄る。
もう避けられない。
俺など丸呑みにできそうなほど巨大な頭が、目の前に迫る。
熱く湿った呼気と、死の匂いがした。
(――今だ!)
俺は最後の気力を振り絞り、スキルを発動した。
「魔力変換!」
心臓を直接握りつぶされるような冷たくドロっとした感覚と共に、命そのものが魔力へと変換されていくのが分かった。
HPの大半を使って回復したMPはおよそ半分……
そして、その全てを、この一撃に注ぎ込む。
「――爆裂(エクスプロージョン)!!」
超至近距離。いや、もはやゼロ距離。
ブラックウルフが俺を喰らおうと開いたその顎の中で、規模は小さく威力は高く、魔力を練りに練って高め上げた渾身の一撃を放った。
轟音で地面が揺れ、落雷のような閃光が闇夜の森を白く染め上げた。
同時に凄まじい衝撃波が俺の体を吹き飛ばし、そのおかげで辛うじて魔獣の牙から逃れる事ができた。
「がはっ」
だが、受け身も取れず背面の崖に叩きつけられ、地面を転がった俺の身体は、もうピクリとも動かなかった。
HPもMPも、すっからかんだ。
しかし、一方のブラックウルフもただでは済まなかった。
口内で魔法を炸裂させられたのだ。
下顎の一部は無残に吹き飛び、その巨体からは強烈な生焼け肉の臭いが漂ってくる。
意識も朦朧としているのか、巨体がぐらりと揺れていた。
文字通り押せば倒れるほど弱っているのは明らかだ。
しかし、俺にはもう指一本動かす力も残っていない。
(くそっ、あと一歩だったのに……父さん、母さん、アンリ……ごめん……)
そして俺の意識は深い闇に沈んでいった。
◇
男は数名の部下を連れ、夜の森を駆けていた。
静寂に包まれた森に鎧のこすれる金属音が反響する。
そのとき、近くで爆音が鳴り響き、森が一瞬昼間のように明るくなった。
「な、なんだ!?」
男たちはあわてる馬を制止し、音の方に目を向ける。
部下が魔道具で明かりを灯すと、彼らの前方には無数のグレイウルフの死体が転がっていた。
死体はまだ新しく、辺りに飛び散る血痕もまだ乾ききってはいない。
「!これは……さっきの音は戦闘音か!」
男はグレイウルフが何か他の魔物と戦っているのだと推測した。
群れたグレイウルフを屠る相手だとすれば、相手は間違いなくB級以上の化け物だ。
男たちが目指す辺境の村まではもう目と鼻の先、そんな化け物を放っておくわけにもいかない。
「お前たち、すまん。グレイウルフよりヤバい敵に出くわしたかも知れん」
部下たちの顔に緊張が走る。
「いくぞ、俺に続け!」
男は音のした方に進路を変え、馬を走らせた。
そして、しばらく進むと崖の麓にたどり着いた。
姿はよく見えないがふらつく巨大な魔物と、その少し先に転がっているのは……小さなシルエット……まさか子供か?
男の部下が続き、辺りを照らす。
「団長、こいつはブラックウルフです!」
男たちの眼前には震える足でぜぇぜぇと呼吸をする、漆黒の毛皮に包まれた魔物の姿があった。
顔面は半分以上吹き飛んで原形をとどめていない。
「まさか……この少年が……?にわかには信じられんが……」
「う…うぅ…」
目の前の光景に言葉を失う男の足元で、微かだがたしかに少年の呻く声が聞こえた。
「息がある!?おい!大丈夫か!?」
男は倒れている少年の傍らに膝をつき、かろうじて息があることを確認すると、安堵の息を漏らした。
「誰か!この少年にポーションをやってくれ!」
そして男は、苦痛に悶えるブラックウルフを一瞥すると、静かに背中の大剣を構え、渾身の一振りでその首を落とした。
「すまんボウズ、お前の手柄を横取りするような格好になってしまったかもしれんが、許してくれ」
◇
次に俺が目を覚ましたのは、見慣れた自宅のベッドの上だった。
窓から差し込む光が、朝であることを告げている。
「「シリウス!!」」
俺が目を開けたことに気づいた母クレアと親友のアンリが、泣きながら抱きついてきた。
二人の温もりが、俺が生きて帰ってきたことを、そして守りたかった日常がまだここにあることを、何よりも強く教えてくれていた。
「む…村は平気?それに魔獣は」
「ええ、父さんたちが必死に守ってくれたわよ。魔獣も退治できたみたい。でも、そんなことより、あなたが無事でよかった」
「そっか……良かった」
そう言って俺は再び眠りについた。
木々の間から姿を現した一頭の魔獣。
グレイウルフより遥かに巨大な、濡れたように漆黒の毛皮を持つ狼。
その金色の瞳が、ゴミを見るかのような侮蔑を俺に向けていた。
鑑定スキルが脳内に叩きつけた絶望的な情報。
【ブラックウルフ】ランク:B。
「……嘘、だろ」
MPは残1割。
そんな俺の目の前に現れたのは、単体で騎士団が出張るレベルの、本物の化け物だった。
金色の瞳が俺を捉えた瞬間、全身が凍り付いた。
蛇に睨まれた蛙とはこのことか。
恐怖で指一本動かせない。
手足どころか、思考までが鉛のように重く、鈍っていく。
気持ちが沈み、生きていることがひどく面倒くさく思えてくる。
(なんだ、この絶望感は……スキルか!)
並列思考が何とか機能し、相手の状態異常スキル「威圧」の効果で自分が恐慌状態に陥っていることに気付くことができた。
しかし、それが分かったからといって、このままでは嬲り殺されるだけだ。
俺は震える意識を必死に奮い立たせ、脳内でスキル画面を開く。
(さっきの……レベルアップで得たポイントが、まだ残っているはずだ!)
先のグレイウルフ戦で得たスキルポイント。
これを、今使うしかない。
状態異常耐性Lv1 → Lv5
ポイントを一気に注ぎ込むと、全身を縛り付けていた見えない鎖が霧散し、思考がクリアになる。
まだ本能的な恐怖心はある。
だが、動ける!
「グルルゥ……」
ブラックウルフが、俺が「威圧」を克服したことに気づいたように、低く唸り声を上げた。
相手が一歩踏み出した、その足元を狙って俺は即座に魔法を発動させた。
「――泥沼(クァグマイア)!」
グレイウルフの群れを葬った切り札。
しかし、ブラックウルフは沈みかけた足を、まるで散歩でもするかのように軽々と引き抜き、悠然とこちらへ歩みを進めてくる。
圧倒的なパワーの差。
小細工は通用しない。
くそっ!
俺は地面を蹴り、その巨体の側面へと回り込む。
「石弾(ストーンバレット)!火球(ファイヤーボール)!」
子供の身体ならではの小回りを活かし、相手の側面回り込むようにして、至近距離から魔法を叩き込んだ。
ヒットアンドアウェイだ。
しかし、手応えはあまりに浅い。
魔力をまとった分厚い毛皮が、俺の攻撃をほとんど無効化している。
何度も攻撃を繰り返すが、毛皮に少し傷がつく程度。
逆に、ブラックウルフが戯れに振るう爪の一撃が地面を抉り、木々をなぎ倒していく。
掠めただけで致命傷だ。
(MPが……MPさえあれば……!)
再びスキル画面を開く。残るポイントはわずか。これで取得できるスキルは限られている。
だが、選択肢は一つしかない。
ーースキル【魔力変換】を取得しました。
保有スキルポイントを完全に使い果たして手に入れたのは、HPをMPに変換する禁断のスキル。
「ガァッ!」
ブラックウルフの猛攻が勢いを増す。
これまで何とかブラックウルフの攻撃をかわし続けてきたが、それもそろそろ難しくなったようだ。
背面を崖に遮られ、もう俺に退路はない。
ブラックウルフが、ゆっくりと俺に歩み寄る。
もう避けられない。
俺など丸呑みにできそうなほど巨大な頭が、目の前に迫る。
熱く湿った呼気と、死の匂いがした。
(――今だ!)
俺は最後の気力を振り絞り、スキルを発動した。
「魔力変換!」
心臓を直接握りつぶされるような冷たくドロっとした感覚と共に、命そのものが魔力へと変換されていくのが分かった。
HPの大半を使って回復したMPはおよそ半分……
そして、その全てを、この一撃に注ぎ込む。
「――爆裂(エクスプロージョン)!!」
超至近距離。いや、もはやゼロ距離。
ブラックウルフが俺を喰らおうと開いたその顎の中で、規模は小さく威力は高く、魔力を練りに練って高め上げた渾身の一撃を放った。
轟音で地面が揺れ、落雷のような閃光が闇夜の森を白く染め上げた。
同時に凄まじい衝撃波が俺の体を吹き飛ばし、そのおかげで辛うじて魔獣の牙から逃れる事ができた。
「がはっ」
だが、受け身も取れず背面の崖に叩きつけられ、地面を転がった俺の身体は、もうピクリとも動かなかった。
HPもMPも、すっからかんだ。
しかし、一方のブラックウルフもただでは済まなかった。
口内で魔法を炸裂させられたのだ。
下顎の一部は無残に吹き飛び、その巨体からは強烈な生焼け肉の臭いが漂ってくる。
意識も朦朧としているのか、巨体がぐらりと揺れていた。
文字通り押せば倒れるほど弱っているのは明らかだ。
しかし、俺にはもう指一本動かす力も残っていない。
(くそっ、あと一歩だったのに……父さん、母さん、アンリ……ごめん……)
そして俺の意識は深い闇に沈んでいった。
◇
男は数名の部下を連れ、夜の森を駆けていた。
静寂に包まれた森に鎧のこすれる金属音が反響する。
そのとき、近くで爆音が鳴り響き、森が一瞬昼間のように明るくなった。
「な、なんだ!?」
男たちはあわてる馬を制止し、音の方に目を向ける。
部下が魔道具で明かりを灯すと、彼らの前方には無数のグレイウルフの死体が転がっていた。
死体はまだ新しく、辺りに飛び散る血痕もまだ乾ききってはいない。
「!これは……さっきの音は戦闘音か!」
男はグレイウルフが何か他の魔物と戦っているのだと推測した。
群れたグレイウルフを屠る相手だとすれば、相手は間違いなくB級以上の化け物だ。
男たちが目指す辺境の村まではもう目と鼻の先、そんな化け物を放っておくわけにもいかない。
「お前たち、すまん。グレイウルフよりヤバい敵に出くわしたかも知れん」
部下たちの顔に緊張が走る。
「いくぞ、俺に続け!」
男は音のした方に進路を変え、馬を走らせた。
そして、しばらく進むと崖の麓にたどり着いた。
姿はよく見えないがふらつく巨大な魔物と、その少し先に転がっているのは……小さなシルエット……まさか子供か?
男の部下が続き、辺りを照らす。
「団長、こいつはブラックウルフです!」
男たちの眼前には震える足でぜぇぜぇと呼吸をする、漆黒の毛皮に包まれた魔物の姿があった。
顔面は半分以上吹き飛んで原形をとどめていない。
「まさか……この少年が……?にわかには信じられんが……」
「う…うぅ…」
目の前の光景に言葉を失う男の足元で、微かだがたしかに少年の呻く声が聞こえた。
「息がある!?おい!大丈夫か!?」
男は倒れている少年の傍らに膝をつき、かろうじて息があることを確認すると、安堵の息を漏らした。
「誰か!この少年にポーションをやってくれ!」
そして男は、苦痛に悶えるブラックウルフを一瞥すると、静かに背中の大剣を構え、渾身の一振りでその首を落とした。
「すまんボウズ、お前の手柄を横取りするような格好になってしまったかもしれんが、許してくれ」
◇
次に俺が目を覚ましたのは、見慣れた自宅のベッドの上だった。
窓から差し込む光が、朝であることを告げている。
「「シリウス!!」」
俺が目を開けたことに気づいた母クレアと親友のアンリが、泣きながら抱きついてきた。
二人の温もりが、俺が生きて帰ってきたことを、そして守りたかった日常がまだここにあることを、何よりも強く教えてくれていた。
「む…村は平気?それに魔獣は」
「ええ、父さんたちが必死に守ってくれたわよ。魔獣も退治できたみたい。でも、そんなことより、あなたが無事でよかった」
「そっか……良かった」
そう言って俺は再び眠りについた。
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