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第58話 勇者パーティーあらわる
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目の前には、草に覆われた広大な平原が広がっている。『わたし』はその平原に、マッドゴーレムやクレイゴーレムの群れを引き連れて立っていた。
「ふむ、だが単に立って待っているのも芸が無いかなあ。」
とりあえず『わたし』は、超感覚で周囲の地下を調べる。するとちょうど良い大きさの岩の塊が見つかった。『わたし』は念動魔法『テレキネシス』を行使し、その岩を地上へと引きずり出す。そして水系洗浄魔法『ウォッシング』でもって、泥にまみれた岩を洗った。
次にその岩を、素手でもって殴りつけ、削り取り抉り取って形を整える。やがて岩は粗削りではあるが、3mの巨躯を持つ『わたし』に相応しいサイズの、立派な椅子へと姿を変えていった。……椅子が出来上がってから、錬金術系の魔法を使って変形させれば、もっと楽だったことに気付いたのは秘密である。
何はともあれ、『わたし』は椅子に腰かけた。マッドゴーレム、クレイゴーレムはその前に整然と並び、まさに魔王の親征と言った雰囲気を醸し出している。と、ここで鉄之丞から念話で連絡が入った。
『魔王様、それがしが派遣いたした低位の骸骨や動死体が、倒されたのを感知いたしもうした。位置は地図上の、え、ええああるいちさんにいよん?地点にござれば』
『あー、AR-1324地点だね』
『申し訳ござらん。それがし、漢数字や漢字であらば大丈夫なのでござるが……』
『いや大丈夫、伝わったよ。助かった、ありがとう』
少しの間『わたし』は考え、そして『空間歪曲庫』の魔術を行使、虚空から1枚の呪符を取り出す。『わたし』はキーワードを唱えた。
「Ggl37DmL22ASb……」
『クックルー……』
「あ、間違えた。烏じゃなしに鳩の使い魔出しちゃったよ。……まあ、いいか」
『わたし』は、使い魔の鳩を目標地点の上空へと飛ばす。そして使い魔と視界共有を行い、警備の不死怪物を倒した相手を探した。果たして、それはすぐに見つかる。それは4人の人間族の集団……。勇者ミズホの一行だった。
集団の先頭に立っているのは、12歳前後と見ゆる、やや赤っぽい髪と茶色の瞳の、アオイと同レベルぐらいの美少女だ。ちなみに髪型はナチュラルショートで、ネオウルフ型カットにしているアオイとはちょっと感じが違う。
着用している鎧は、美麗な装飾を施されてはいるが軽装で、動きやすさを優先している。そして彼女は、以前アオイが先代魔王戦で用いていた聖剣を両手に構えていた。以前ザウエルより見せられた絵姿とも一致する。間違いなく、彼女が勇者ミズホであろう。
残りの3人には、見覚えがあった。こいつらは以前『過去知』の魔術で見た、アオイを裏切ったパーティーメンバーだ。ただし4年の歳月が流れているため、相応に歳を食っているが。なお、装備品も以前使っていた性能優先の見た目質素な物とは違い、華美な装飾を施された物品になっている。
更に『わたし』は、1人ずつ詳しく様子を見てみる。まずは隊列の最後尾で殿を務めている戦士の男だ。防御を優先した全身鎧に身を固め、長剣と方形盾、外套を装備している。何れの品も、美しい見かけに相応な魔力を持っていることが、使い魔の眼からは判別できる。こいつがジャン・ブラッドバーン男爵だろう。
そして隊列の中衛に2人並んでいるその片方、見た目からして奢った紫色の長衣に、細かい魔法文字を金糸で刺繍してある薄手の革鎧を纏っている男だが、これが宮廷魔道士エセルバート・クレリヒューだろうか。その手には、魔王軍魔道軍団の装備を基準にしてもそこそこな魔力を放つ、ねじくれた樫の杖を携えている。
中衛のもう1人、パーティーの最後の1人は、他の2人よりは質素に見える、しかしてよく見るとなかなか豪華な法衣を着込んだ男である。法衣の裾からは、高級そうな鎖帷子が覗いており、防御にも気を配っている様だ。その手には、美しい彫刻の施された鎚矛と中盾を持っている。この男がディンク・ジェレマイア司祭か。
「……くくく、来たか。さて、まずはどう持て成すかなあ。……おや?進行方向が少しだけこちらとズレているね。ふむ……。
この場を素通りされてしまっては、ちょっと面白く無いことになるなあ。本部基地を荒らされたくないから、わざわざここまで出向いたと言うのに。……少し呼び出しをかけさせてもらうとするかね」
そして『わたし』は、彼女らの元に届く様に、強圧的な魔力の波動を放った。勇者ミズホ一行は、間違いなくその波動を感知した様だ。使い魔の視界内では、魔法的素養の無い戦士ジャンですらもが、慌てふためいているのが見てとれる。
「よしよし、間違いなくこちらに進行方向を変えたね。では最初は歓迎の言葉から始めて見るとしようか」
使い魔の鳩は、正確に勇者一行を追尾している。彼女らは正面からこちらの方向へと向かって来ていた。
「ふむ、だが単に立って待っているのも芸が無いかなあ。」
とりあえず『わたし』は、超感覚で周囲の地下を調べる。するとちょうど良い大きさの岩の塊が見つかった。『わたし』は念動魔法『テレキネシス』を行使し、その岩を地上へと引きずり出す。そして水系洗浄魔法『ウォッシング』でもって、泥にまみれた岩を洗った。
次にその岩を、素手でもって殴りつけ、削り取り抉り取って形を整える。やがて岩は粗削りではあるが、3mの巨躯を持つ『わたし』に相応しいサイズの、立派な椅子へと姿を変えていった。……椅子が出来上がってから、錬金術系の魔法を使って変形させれば、もっと楽だったことに気付いたのは秘密である。
何はともあれ、『わたし』は椅子に腰かけた。マッドゴーレム、クレイゴーレムはその前に整然と並び、まさに魔王の親征と言った雰囲気を醸し出している。と、ここで鉄之丞から念話で連絡が入った。
『魔王様、それがしが派遣いたした低位の骸骨や動死体が、倒されたのを感知いたしもうした。位置は地図上の、え、ええああるいちさんにいよん?地点にござれば』
『あー、AR-1324地点だね』
『申し訳ござらん。それがし、漢数字や漢字であらば大丈夫なのでござるが……』
『いや大丈夫、伝わったよ。助かった、ありがとう』
少しの間『わたし』は考え、そして『空間歪曲庫』の魔術を行使、虚空から1枚の呪符を取り出す。『わたし』はキーワードを唱えた。
「Ggl37DmL22ASb……」
『クックルー……』
「あ、間違えた。烏じゃなしに鳩の使い魔出しちゃったよ。……まあ、いいか」
『わたし』は、使い魔の鳩を目標地点の上空へと飛ばす。そして使い魔と視界共有を行い、警備の不死怪物を倒した相手を探した。果たして、それはすぐに見つかる。それは4人の人間族の集団……。勇者ミズホの一行だった。
集団の先頭に立っているのは、12歳前後と見ゆる、やや赤っぽい髪と茶色の瞳の、アオイと同レベルぐらいの美少女だ。ちなみに髪型はナチュラルショートで、ネオウルフ型カットにしているアオイとはちょっと感じが違う。
着用している鎧は、美麗な装飾を施されてはいるが軽装で、動きやすさを優先している。そして彼女は、以前アオイが先代魔王戦で用いていた聖剣を両手に構えていた。以前ザウエルより見せられた絵姿とも一致する。間違いなく、彼女が勇者ミズホであろう。
残りの3人には、見覚えがあった。こいつらは以前『過去知』の魔術で見た、アオイを裏切ったパーティーメンバーだ。ただし4年の歳月が流れているため、相応に歳を食っているが。なお、装備品も以前使っていた性能優先の見た目質素な物とは違い、華美な装飾を施された物品になっている。
更に『わたし』は、1人ずつ詳しく様子を見てみる。まずは隊列の最後尾で殿を務めている戦士の男だ。防御を優先した全身鎧に身を固め、長剣と方形盾、外套を装備している。何れの品も、美しい見かけに相応な魔力を持っていることが、使い魔の眼からは判別できる。こいつがジャン・ブラッドバーン男爵だろう。
そして隊列の中衛に2人並んでいるその片方、見た目からして奢った紫色の長衣に、細かい魔法文字を金糸で刺繍してある薄手の革鎧を纏っている男だが、これが宮廷魔道士エセルバート・クレリヒューだろうか。その手には、魔王軍魔道軍団の装備を基準にしてもそこそこな魔力を放つ、ねじくれた樫の杖を携えている。
中衛のもう1人、パーティーの最後の1人は、他の2人よりは質素に見える、しかしてよく見るとなかなか豪華な法衣を着込んだ男である。法衣の裾からは、高級そうな鎖帷子が覗いており、防御にも気を配っている様だ。その手には、美しい彫刻の施された鎚矛と中盾を持っている。この男がディンク・ジェレマイア司祭か。
「……くくく、来たか。さて、まずはどう持て成すかなあ。……おや?進行方向が少しだけこちらとズレているね。ふむ……。
この場を素通りされてしまっては、ちょっと面白く無いことになるなあ。本部基地を荒らされたくないから、わざわざここまで出向いたと言うのに。……少し呼び出しをかけさせてもらうとするかね」
そして『わたし』は、彼女らの元に届く様に、強圧的な魔力の波動を放った。勇者ミズホ一行は、間違いなくその波動を感知した様だ。使い魔の視界内では、魔法的素養の無い戦士ジャンですらもが、慌てふためいているのが見てとれる。
「よしよし、間違いなくこちらに進行方向を変えたね。では最初は歓迎の言葉から始めて見るとしようか」
使い魔の鳩は、正確に勇者一行を追尾している。彼女らは正面からこちらの方向へと向かって来ていた。
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