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第3章<怪物と少女>編
88話「世界、破る」
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俺はマリーネ、イブさんと一緒に狂死郎と戦っていたはずなんだけど、今僕の目の前には林檎がいて、一真と花菜もいる……俺が見てきた異世界は夢だったのかな……でも、俺を抱きしめる林檎の温かさで記憶が段々薄れていくような……なんか眠たく……なって___。
◇
良太郎の目の前に現れた野原林檎は、狂死郎が化けた姿だった。
彼は魔術によって良太郎を長い眠りにつかせたのだ。
自分が世界を支配した時まで良太郎に眠っていてもらう為に……。
「___やった。良太郎君にはこのまま事が終わるまでずっとずっと眠っててもらおう。闇のティアマト、君が僕の為に用意してくれた、いくつもの駒が絡み合うこのゲームはとても面白いと思ったし、僕は良太郎君をこちら側にスカウトしたかった……けど彼自身がそれを拒むと言うなら、こうしても仕方ないよね。」
狂死郎はそう言いながら自分の後ろにいた一真と花菜の幻影を消し去り、眠りについた良太郎をそっと床に寝かせた。
そして魔術を解除し、元の世界に戻ろうとする。
良太郎の精神と肉体は狂死郎が作り出したこの空間に閉じ込められ、狂死郎が再び魔術を発動し、良太郎をこの世界から解放する事でしか元の世界に戻る事はできない。
だがその時、狂死郎にとって想定外の出来事が発生してしまった……。
「良太郎……君……?」
「!?」
そこに現れたのは野原林檎だった。
狂死郎が良太郎を化かす為に擬態した林檎ではなく、他でもない野原林檎本人であった。
「なんで君がここにいる……?」
「え……?え?私……?」
「馬鹿な……異世界の人間の精神がこちら側にいる僕の、しかも僕の固有魔術に干渉してきた?」
「何を……言ってるの……?」
狂死郎にも林檎にも、ただただ理解しがたい状況。
両者の根幹にあるものは違う。
方や善性、方や悪性。
林檎は状況を理解できずとも、その口は動いた。
「貴方は……良ちゃんに何をしたの……?」
「……僕は良太郎君と同じ鬼人族だ。僕は人間を食糧にする為に人間を支配しようと思っていて、良太郎はそれを止めようとする。だからここで眠っててもらう事にしたんだ。」
「……」
「君こそなんだ?僕の術に干渉してきて……何がしたい?」
「分からない……でも、これが夢だとしても、私は良ちゃんが困ってるなら、良ちゃんを助けたい……貴方が良ちゃんに何か悪い事をするって言うのなら、それを止めたい!」
林檎が感情を高ぶらせそう叫んだ時、林檎の身体から眩い光が発せられ、それによって狂死郎の魔術で作られた世界は崩壊した。
その光に当てられ、良太郎は目を覚ます……。
「ッ……!?林檎が……2人……!?」
「くっ……まさかこんな……!」
「良ちゃん!」
「良……ちゃん……そうだ、林檎は俺をそう呼ぶ……でもこっちの林檎は俺の事を良太郎君って……やっぱりこれは狂死郎の魔術による攻撃!俺が見ていたのは林檎の偽物!」
良太郎は目覚めたばかりの頭でそう決断し、林檎の元へとかけ出した。
「君は本物の林檎……だよね?」
「う、うん!でもこれって夢なのかな?私には何がなんだか……。」
林檎自身なぜ自分がこの状況に置かれているかは理解できておらず、良太郎にもなぜ目の前に林檎がいるのか理解できなかった。
この狂死郎の作り出した世界が崩壊ふるまで残りわずか。
だがらまずこの場で確認するべき事を林檎に確認する。
「林檎……俺はこの世界であの少年を見殺しにしてしまった……あの偽物の林檎は人の為に俺が死ぬ事はないって言ってたけど……林檎はどう思う?」
「……私は良ちゃんがいなくなって、とても寂しかった……でもそれは良ちゃんが人を助ける為で、良ちゃんは昔からヒーローに憧れてて……だからこれは仕方ない事だと思った。だけど……君が自分のやりたい事をやるって言うなら……できれば自分も大事にして欲しい、と思った。」
「……ごめん、ありがとう。」
「だから、良ちゃんは自分のやりたい事をやれる範囲で頑張って!私はそれを応援するから!あと……また会えるかな?」
「……絶対会える。会いたい!だから待ってて___」
次の瞬間、狂死郎の世界が完全に崩壊し、良太郎と狂死郎、そして林檎は気がついた時、元の世界に戻っていた。
◇
「リョータロー君!?」
「マリーネ!?イブ!?」
「狂死郎の魔術を食らっていたのか……無事か?」
「は、はい!」
俺はイブさんの質問に即座にそう返す。
林檎と話した事、幻影とは言え一真と花菜を久しぶりに見れた事、狂死郎が俺を化かしていた事、どれも鮮明に覚えている。
そして俺が振り向くとそこには狂死郎が立っていたが、彼の顔は少し焦っているような気がした。
「狂死郎……?」
「ははっ、予想外だ……向こうの人間がこちらに干渉してくるなんて……闇のティアマト、これは面白いゲームだ……!」
狂死郎は焦ったような表情を浮かべつつも、嬉しそうに上擦った声でそう呟く。
こいつは前から思ってたけど本当に恐ろしい、というか底が見えない奴だ……。
「センジュ、今日は充分楽しませてもらった。センジュ、コアゴーレムは破壊したのだろ?」
「何ッ……!?」
「あぁ。」
「じゃあもういいや。今日はここまでだ。良太郎君、またね。」
コアゴーレムは破壊した……だって!?
それじゃあ巨大ゴーレムは起動できないって事なのか……!
そう考えている内に狂死郎は僕に手を振ってその場から消えてしまった。
そして彼を追うようにセンジュもその場から消え去る。
「コアゴーレムが……破壊されたなんて……。」
「また作ってもらえないかしら……。」
「壊した破片が転がってればいいんだがな……破片でもいいから城の中に回収しに行くぞ。」
「「はい!」」
戦いが終わって、俺はマリーネとイブさんと共にレイキ城の中へ入っていきセンジュが壊したと言ったコアゴーレムを回収しに行く事にする。
いつの間にかゴーレムから元の肉体に戻っていた事はさっき気づいた。
◇
「野原林檎が異世界に干渉してきたのか……禁断の花園、アヴァロンに成るとされる果実……そんなおとぎ話が伝えられてるとかと言うんだったかな?まぁ何にせよ……楽しくなりそうだ。」
神の間に1人残された闇のティアマトはそう呟く……彼が思い描くゲームの行く末は神であるティアマトのみぞ知る……。
◇
良太郎の目の前に現れた野原林檎は、狂死郎が化けた姿だった。
彼は魔術によって良太郎を長い眠りにつかせたのだ。
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狂死郎はそう言いながら自分の後ろにいた一真と花菜の幻影を消し去り、眠りについた良太郎をそっと床に寝かせた。
そして魔術を解除し、元の世界に戻ろうとする。
良太郎の精神と肉体は狂死郎が作り出したこの空間に閉じ込められ、狂死郎が再び魔術を発動し、良太郎をこの世界から解放する事でしか元の世界に戻る事はできない。
だがその時、狂死郎にとって想定外の出来事が発生してしまった……。
「良太郎……君……?」
「!?」
そこに現れたのは野原林檎だった。
狂死郎が良太郎を化かす為に擬態した林檎ではなく、他でもない野原林檎本人であった。
「なんで君がここにいる……?」
「え……?え?私……?」
「馬鹿な……異世界の人間の精神がこちら側にいる僕の、しかも僕の固有魔術に干渉してきた?」
「何を……言ってるの……?」
狂死郎にも林檎にも、ただただ理解しがたい状況。
両者の根幹にあるものは違う。
方や善性、方や悪性。
林檎は状況を理解できずとも、その口は動いた。
「貴方は……良ちゃんに何をしたの……?」
「……僕は良太郎君と同じ鬼人族だ。僕は人間を食糧にする為に人間を支配しようと思っていて、良太郎はそれを止めようとする。だからここで眠っててもらう事にしたんだ。」
「……」
「君こそなんだ?僕の術に干渉してきて……何がしたい?」
「分からない……でも、これが夢だとしても、私は良ちゃんが困ってるなら、良ちゃんを助けたい……貴方が良ちゃんに何か悪い事をするって言うのなら、それを止めたい!」
林檎が感情を高ぶらせそう叫んだ時、林檎の身体から眩い光が発せられ、それによって狂死郎の魔術で作られた世界は崩壊した。
その光に当てられ、良太郎は目を覚ます……。
「ッ……!?林檎が……2人……!?」
「くっ……まさかこんな……!」
「良ちゃん!」
「良……ちゃん……そうだ、林檎は俺をそう呼ぶ……でもこっちの林檎は俺の事を良太郎君って……やっぱりこれは狂死郎の魔術による攻撃!俺が見ていたのは林檎の偽物!」
良太郎は目覚めたばかりの頭でそう決断し、林檎の元へとかけ出した。
「君は本物の林檎……だよね?」
「う、うん!でもこれって夢なのかな?私には何がなんだか……。」
林檎自身なぜ自分がこの状況に置かれているかは理解できておらず、良太郎にもなぜ目の前に林檎がいるのか理解できなかった。
この狂死郎の作り出した世界が崩壊ふるまで残りわずか。
だがらまずこの場で確認するべき事を林檎に確認する。
「林檎……俺はこの世界であの少年を見殺しにしてしまった……あの偽物の林檎は人の為に俺が死ぬ事はないって言ってたけど……林檎はどう思う?」
「……私は良ちゃんがいなくなって、とても寂しかった……でもそれは良ちゃんが人を助ける為で、良ちゃんは昔からヒーローに憧れてて……だからこれは仕方ない事だと思った。だけど……君が自分のやりたい事をやるって言うなら……できれば自分も大事にして欲しい、と思った。」
「……ごめん、ありがとう。」
「だから、良ちゃんは自分のやりたい事をやれる範囲で頑張って!私はそれを応援するから!あと……また会えるかな?」
「……絶対会える。会いたい!だから待ってて___」
次の瞬間、狂死郎の世界が完全に崩壊し、良太郎と狂死郎、そして林檎は気がついた時、元の世界に戻っていた。
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「リョータロー君!?」
「マリーネ!?イブ!?」
「狂死郎の魔術を食らっていたのか……無事か?」
「は、はい!」
俺はイブさんの質問に即座にそう返す。
林檎と話した事、幻影とは言え一真と花菜を久しぶりに見れた事、狂死郎が俺を化かしていた事、どれも鮮明に覚えている。
そして俺が振り向くとそこには狂死郎が立っていたが、彼の顔は少し焦っているような気がした。
「狂死郎……?」
「ははっ、予想外だ……向こうの人間がこちらに干渉してくるなんて……闇のティアマト、これは面白いゲームだ……!」
狂死郎は焦ったような表情を浮かべつつも、嬉しそうに上擦った声でそう呟く。
こいつは前から思ってたけど本当に恐ろしい、というか底が見えない奴だ……。
「センジュ、今日は充分楽しませてもらった。センジュ、コアゴーレムは破壊したのだろ?」
「何ッ……!?」
「あぁ。」
「じゃあもういいや。今日はここまでだ。良太郎君、またね。」
コアゴーレムは破壊した……だって!?
それじゃあ巨大ゴーレムは起動できないって事なのか……!
そう考えている内に狂死郎は僕に手を振ってその場から消えてしまった。
そして彼を追うようにセンジュもその場から消え去る。
「コアゴーレムが……破壊されたなんて……。」
「また作ってもらえないかしら……。」
「壊した破片が転がってればいいんだがな……破片でもいいから城の中に回収しに行くぞ。」
「「はい!」」
戦いが終わって、俺はマリーネとイブさんと共にレイキ城の中へ入っていきセンジュが壊したと言ったコアゴーレムを回収しに行く事にする。
いつの間にかゴーレムから元の肉体に戻っていた事はさっき気づいた。
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