20 / 51
半人半神性
内政
しおりを挟む
「ではこの時間は式神符の作成について学ぶ。空いている席の者達は実家等の関係で、元から陰陽道に通じているため、一つ上の学生に混じって授業を受けている」
ははあ、知ってるなら時間がもったいないから、ある程度上の授業に出ろって事かあ、合理的ですね。学科限定の飛び級みたいなもんかな? でも意外なのはお姉さまがいる事だ。実家の方は結構式神の気配がしたのに、いや、ご親族を思えば学ばせてもらえなかったのでは……。
「私はちょっと特殊なのよ。一応授業だから出てるけど、多分いる意味は無いでしょうね」
ひょっとして心配気に見てたことが分かったのか、お姉さまがそう説明してくれる。でも授業中に堂々と後ろを見て話すのはマズいですよお姉さま! でもお話しできて嬉しい。でへへ。うん? 特殊とは?
「では教科書通りに書き込んでみろ。これは非常に大雑把でも起動できるタイプのものだから、多少ミスしても全く問題ない」
いやあ、今更主席の僕がこれやる意味ありますかね?
学園長先生、僕とお姉さまは今から上級生に混じった方がいいんじゃないですか? なんたって僕は非鬼の蜘蛛君を作り上げた天才ですから。先生も知ってるでしょ?僕が、しゅ!せ!き! で て!ん!さ!い! なのは。まあでも、皆のお手本になる人が2人は必要か。さあやるか! えーここをこうして、これがこうで、こうこうっと。なんだ、やっぱり蜘蛛君に比べたら超楽勝じゃん。
「全員出来た様だな。では力を流し込んでみろ。小さな小鳥の様な式神が出て来る」
はいはいっと。呪力どばあっと。
さあ出て来い小鳥君!
もしもし? 小鳥君?
ボンッ!
なんだ!? 前で小さな爆発が! お姉さま大丈夫ですか!?
「やっぱりね」
「お姉さま大丈夫です?」
「ええ。昔っから式神を作ろうとしたらこうなるのよ」
見ると符はそのほとんどが燃え尽きたかのようになっていた。
学園長これは一体!?
「稀にだが、彼女の様に非常に強い力を持った能力者が式神を作ろうとすると、あのように符が耐え切れずに燃え尽きてしまう事がある。余談だが、最上位の単独者もだいたいがこうで、仕方なく式神符を買っているが、購入費で余計な経費が嵩むと嘆いてる者が多い」
すげえ話がすげえ世知辛い話に変わりませんでした? まあいいや。という事はお姉さまは最上位の単独者と同じ悩みを抱えてるんですね! 流石ですお姉さま! ですよね皆さん? はああああ、どうしてそこでびびるんですかねえ? 橘お姉さまと佐伯お姉さまを見習って下さいよ。お二人とも負けてなるものかって目をしてらっしゃるじゃないですか。
あ、ところで僕の式符が反応しないのも同じ理由ですかね? いやあ、夫婦揃ってなんだかすいませんね。あれ? 皆さんどうして僕の式符見てらっしゃるんです? なんだか、こいつの式符反応すらしてないじゃん。やっぱり……って目をしていませんか? まあちょっと見ててくださいよ。今から燃え尽きますから。そいや!
あれ?
そいやあああ!
あれ?
あれ? あれ?
ひょっとしてひょっとするとですよ? 俺って恨みパワーマックスの式神を強化出来ても、式神をゼロから作り出す才能ゼロ?
ああああああああああ主席なのにいいいいいいい! もうやだああああああああ! 普通の学校に通ううううう!
「うん? ああ、四葉貴明の様に、同じ理由で燃え尽きるのではなく起動出来ない場合もある。敢えて回路と言うが、ショートするのではなく、機能そのものが完全に壊れるのだ」
学園長ナイスフォロォォォォ! あんた最高だよ! お礼に……そうだ!非鬼擬きとかさんざん言われてる式符を強化してあげましょう! うん、我ながらナイスアイデア! 僕はいい事してスッキリ、学園長は教材が増えてニッコリ、式符は恨み解消してスッキリニッコリ。誰も損してないでしょ? うむ、考えれば考える程完璧なプランだ。
あ、それか浄化失敗したらしゃっくりが出る呪いの品物とかどうです? あ、ちょっとリスクが無いと集中できませんかね? それなら箪笥の角に思いっきり足の小指ぶつけた痛みにしときましょうか? それと一定時間たったら学園の負の感情を吸収して再使用できるようにしときましょう。そうすれば教材として使いまわせるでしょ? やっべ、昔やってた箱庭系のゲームを思い出してテンション上がって来た。やりましょう学園長、内政です! 設備を充実させて伊能学園を世界一の能力者育成所にするんです! えいえいおー!
◆
「その浄化授業用の教材は喉から手が出るほど欲しい……しかし、非鬼擬きの方はな……」
場所を移して学園長室。
どき! 生徒と企む学園改造計画を話したが、おまけプランの方が感触がいい。腕を組んで唸ってる学園長の脳から、マジでそれ欲しい波が出てるのが分かるもん。
「結構ボロクソ言ってませんでした? あれは非鬼じゃない、雑魚、面汚しみたいな感じで。今は蜘蛛君が頑張ってるから本格的に役立たずなんじゃないですか?」
「そう、あの蜘蛛のお陰で非鬼の何たるかを教育できたから四葉には非常に感謝している。だからこそ擬きの方は別の使い道というか、蜘蛛へ挑戦するための前段階や、登竜門的な役割と考えたなら丁度いい位置にいるのだ」
「ははあ、非鬼としては不合格ですけど、そこへのステップとしてならいい塩梅と」
「その通りだ。いやはや、君のお陰で贅沢な使い方になった。それに、擬きとはいえ非鬼は非鬼だ。四葉が強化すると特鬼の最上位なんかが出来かねない。流石に訓練としては過剰だろう」
まあ確かに、国家規模の演習なんて時しか使われんだろう。学園内の内政とは言えんな。ん? 最上位はダメという事は?
「普通の特鬼なら需要はあるんですか?」
「それは勿論ある。生徒は流石に無理があるから、学園内で主に使用するのは教員職にある単独者になるな。単独者として教員にいる以上鈍るという事は困るのだ。ああ、それに研修として各国の単独者や凄腕が来る可能性が高いな。そうなると人材交流の面でも活発になる。それは卒業していく者には非常にありがたいし、こちらも余所のやり方を学べるのだ。学園として得るものは多いだろう」
なら話は決まり!
◆
ここが大鬼の保管場所ね?
さーて、ああいたいた。恨みマックスいなかったらどうしようかと思ってたけど居ましたよ。
おはようございまーす。
いいよ、君すっごい素質あるよ。蜘蛛君が呪力型になったから、君みたいな筋肉モリモリタイプ探してたんすよ。
それで君の恨みは何だい話してごらん?
いやあやっぱり素質あるよ君。これはもうトップアイドル。間違いないね。
なんたって弱い自分が許せないから自分に恨みが向いてるんだもの。
ああそうともそうとも、怒りも恨みだとも。立派な立派な恨みだ。それが自分に向いていてもだよ。
だから君には力を送ろう。力強い、力強い、力を。
うむ素晴らしい。今日から君は猿君だ。
という訳で猿君。わが校の誇る世界級トップアイドルとして頑張ってくれたまえ。
あ、シフトだけど週7勤で1日24時間だからそこんとこよろしく。え、聞いてない? アイドルに休みなんかないに決まってるじゃない。ほら、契約書のここにもそう書いてある。え? 小さすぎて読めない? ともかく頑張ってくれたまえ。
ははあ、知ってるなら時間がもったいないから、ある程度上の授業に出ろって事かあ、合理的ですね。学科限定の飛び級みたいなもんかな? でも意外なのはお姉さまがいる事だ。実家の方は結構式神の気配がしたのに、いや、ご親族を思えば学ばせてもらえなかったのでは……。
「私はちょっと特殊なのよ。一応授業だから出てるけど、多分いる意味は無いでしょうね」
ひょっとして心配気に見てたことが分かったのか、お姉さまがそう説明してくれる。でも授業中に堂々と後ろを見て話すのはマズいですよお姉さま! でもお話しできて嬉しい。でへへ。うん? 特殊とは?
「では教科書通りに書き込んでみろ。これは非常に大雑把でも起動できるタイプのものだから、多少ミスしても全く問題ない」
いやあ、今更主席の僕がこれやる意味ありますかね?
学園長先生、僕とお姉さまは今から上級生に混じった方がいいんじゃないですか? なんたって僕は非鬼の蜘蛛君を作り上げた天才ですから。先生も知ってるでしょ?僕が、しゅ!せ!き! で て!ん!さ!い! なのは。まあでも、皆のお手本になる人が2人は必要か。さあやるか! えーここをこうして、これがこうで、こうこうっと。なんだ、やっぱり蜘蛛君に比べたら超楽勝じゃん。
「全員出来た様だな。では力を流し込んでみろ。小さな小鳥の様な式神が出て来る」
はいはいっと。呪力どばあっと。
さあ出て来い小鳥君!
もしもし? 小鳥君?
ボンッ!
なんだ!? 前で小さな爆発が! お姉さま大丈夫ですか!?
「やっぱりね」
「お姉さま大丈夫です?」
「ええ。昔っから式神を作ろうとしたらこうなるのよ」
見ると符はそのほとんどが燃え尽きたかのようになっていた。
学園長これは一体!?
「稀にだが、彼女の様に非常に強い力を持った能力者が式神を作ろうとすると、あのように符が耐え切れずに燃え尽きてしまう事がある。余談だが、最上位の単独者もだいたいがこうで、仕方なく式神符を買っているが、購入費で余計な経費が嵩むと嘆いてる者が多い」
すげえ話がすげえ世知辛い話に変わりませんでした? まあいいや。という事はお姉さまは最上位の単独者と同じ悩みを抱えてるんですね! 流石ですお姉さま! ですよね皆さん? はああああ、どうしてそこでびびるんですかねえ? 橘お姉さまと佐伯お姉さまを見習って下さいよ。お二人とも負けてなるものかって目をしてらっしゃるじゃないですか。
あ、ところで僕の式符が反応しないのも同じ理由ですかね? いやあ、夫婦揃ってなんだかすいませんね。あれ? 皆さんどうして僕の式符見てらっしゃるんです? なんだか、こいつの式符反応すらしてないじゃん。やっぱり……って目をしていませんか? まあちょっと見ててくださいよ。今から燃え尽きますから。そいや!
あれ?
そいやあああ!
あれ?
あれ? あれ?
ひょっとしてひょっとするとですよ? 俺って恨みパワーマックスの式神を強化出来ても、式神をゼロから作り出す才能ゼロ?
ああああああああああ主席なのにいいいいいいい! もうやだああああああああ! 普通の学校に通ううううう!
「うん? ああ、四葉貴明の様に、同じ理由で燃え尽きるのではなく起動出来ない場合もある。敢えて回路と言うが、ショートするのではなく、機能そのものが完全に壊れるのだ」
学園長ナイスフォロォォォォ! あんた最高だよ! お礼に……そうだ!非鬼擬きとかさんざん言われてる式符を強化してあげましょう! うん、我ながらナイスアイデア! 僕はいい事してスッキリ、学園長は教材が増えてニッコリ、式符は恨み解消してスッキリニッコリ。誰も損してないでしょ? うむ、考えれば考える程完璧なプランだ。
あ、それか浄化失敗したらしゃっくりが出る呪いの品物とかどうです? あ、ちょっとリスクが無いと集中できませんかね? それなら箪笥の角に思いっきり足の小指ぶつけた痛みにしときましょうか? それと一定時間たったら学園の負の感情を吸収して再使用できるようにしときましょう。そうすれば教材として使いまわせるでしょ? やっべ、昔やってた箱庭系のゲームを思い出してテンション上がって来た。やりましょう学園長、内政です! 設備を充実させて伊能学園を世界一の能力者育成所にするんです! えいえいおー!
◆
「その浄化授業用の教材は喉から手が出るほど欲しい……しかし、非鬼擬きの方はな……」
場所を移して学園長室。
どき! 生徒と企む学園改造計画を話したが、おまけプランの方が感触がいい。腕を組んで唸ってる学園長の脳から、マジでそれ欲しい波が出てるのが分かるもん。
「結構ボロクソ言ってませんでした? あれは非鬼じゃない、雑魚、面汚しみたいな感じで。今は蜘蛛君が頑張ってるから本格的に役立たずなんじゃないですか?」
「そう、あの蜘蛛のお陰で非鬼の何たるかを教育できたから四葉には非常に感謝している。だからこそ擬きの方は別の使い道というか、蜘蛛へ挑戦するための前段階や、登竜門的な役割と考えたなら丁度いい位置にいるのだ」
「ははあ、非鬼としては不合格ですけど、そこへのステップとしてならいい塩梅と」
「その通りだ。いやはや、君のお陰で贅沢な使い方になった。それに、擬きとはいえ非鬼は非鬼だ。四葉が強化すると特鬼の最上位なんかが出来かねない。流石に訓練としては過剰だろう」
まあ確かに、国家規模の演習なんて時しか使われんだろう。学園内の内政とは言えんな。ん? 最上位はダメという事は?
「普通の特鬼なら需要はあるんですか?」
「それは勿論ある。生徒は流石に無理があるから、学園内で主に使用するのは教員職にある単独者になるな。単独者として教員にいる以上鈍るという事は困るのだ。ああ、それに研修として各国の単独者や凄腕が来る可能性が高いな。そうなると人材交流の面でも活発になる。それは卒業していく者には非常にありがたいし、こちらも余所のやり方を学べるのだ。学園として得るものは多いだろう」
なら話は決まり!
◆
ここが大鬼の保管場所ね?
さーて、ああいたいた。恨みマックスいなかったらどうしようかと思ってたけど居ましたよ。
おはようございまーす。
いいよ、君すっごい素質あるよ。蜘蛛君が呪力型になったから、君みたいな筋肉モリモリタイプ探してたんすよ。
それで君の恨みは何だい話してごらん?
いやあやっぱり素質あるよ君。これはもうトップアイドル。間違いないね。
なんたって弱い自分が許せないから自分に恨みが向いてるんだもの。
ああそうともそうとも、怒りも恨みだとも。立派な立派な恨みだ。それが自分に向いていてもだよ。
だから君には力を送ろう。力強い、力強い、力を。
うむ素晴らしい。今日から君は猿君だ。
という訳で猿君。わが校の誇る世界級トップアイドルとして頑張ってくれたまえ。
あ、シフトだけど週7勤で1日24時間だからそこんとこよろしく。え、聞いてない? アイドルに休みなんかないに決まってるじゃない。ほら、契約書のここにもそう書いてある。え? 小さすぎて読めない? ともかく頑張ってくれたまえ。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
罰ゲームから始まった、五人のヒロインと僕の隣の物語
ノン・タロー
恋愛
高校2年の夏……友達同士で行った小テストの点を競う勝負に負けた僕、御堂 彼方(みどう かなた)は、罰ゲームとしてクラスで人気のある女子・風原 亜希(かざはら あき)に告白する。
だが亜希は、彼方が特に好みでもなく、それをあっさりと振る。
それで終わるはずだった――なのに。
ひょんな事情で、彼方は亜希と共に"同居”することに。
さらに新しく出来た、甘えん坊な義妹・由奈(ゆな)。
そして教室では静かに恋を仕掛けてくる寡黙なクラス委員長の柊 澪(ひいらぎ みお)、特に接点の無かった早乙女 瀬玲奈(さおとめ せれな)、おまけに生徒会長の如月(きさらぎ)先輩まで現れて、彼方の周囲は急速に騒がしくなっていく。
由奈は「お兄ちゃん!」と懐き、澪は「一緒に帰らない……?」と静かに距離を詰める。
一方の瀬玲奈は友達感覚で、如月先輩は不器用ながらも接してくる。
そんな中、亜希は「別に好きじゃないし」と言いながら、彼方が誰かと仲良くするたびに心がざわついていく。
罰ゲームから始まった関係は、日常の中で少しずつ形を変えていく。
ツンデレな同居人、甘えたがりな義妹、寡黙な同クラ女子、恋愛に不器用な生徒会長、ギャル気質な同クラ女子……。
そして、無自覚に優しい彼方が、彼女たちの心を少しずつほどいていく。
これは、恋と居場所と感情の距離をめぐる、ちょっと不器用で、でも確かな青春の物語。
美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする
夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】
主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。
そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。
「え?私たち、付き合ってますよね?」
なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。
「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
手が届かないはずの高嶺の花が幼馴染の俺にだけベタベタしてきて、あと少しで我慢も限界かもしれない
みずがめ
恋愛
宮坂葵は可愛くて気立てが良くて社長令嬢で……あと俺の幼馴染だ。
葵は学内でも屈指の人気を誇る女子。けれど彼女に告白をする男子は数える程度しかいなかった。
なぜか? 彼女が高嶺の花すぎたからである。
その美貌と肩書に誰もが気後れしてしまう。葵に告白する数少ない勇者も、ことごとく散っていった。
そんな誰もが憧れる美少女は、今日も俺と二人きりで無防備な姿をさらしていた。
幼馴染だからって、とっくに体つきは大人へと成長しているのだ。彼女がいつまでも子供気分で困っているのは俺ばかりだった。いつかはわからせなければならないだろう。
……本当にわからせられるのは俺の方だということを、この時点ではまだわかっちゃいなかったのだ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる