異世界帰りの邪神の息子~ざまあの化身が過ごす、裏でコソコソ悪巧みと異能学園イチャイチャ生活怨怨怨恩怨怨怨呪呪祝呪呪呪~

福郎

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悍ましき眷属達

主席?

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「それでは授業を終える。解散」

 しゃあ! この仕事が終わった解放感は比べる物がないね! まだ時間はあるけど、それは戦闘会の対人部門だから関係なし!

「やっぱり学園長が担任って恵まれてるよな」

「だな」

 学園長が教室から出て行くと、最近出来始めたお友達同士で話している方々がいた。俺ひょっとして学園デビューに乗り遅れてる? い、いや、俺にはお姉様がいるんだ!

「特鬼と相討ちとかすごすぎるだろ」

「実家でもかなり騒ぎになってるみたいだ」

 今日一日、学園の何処もかしこも話題と言えば、伊能学園学園長にして、我がブラックタール帝国宰相の事ばかりだ。原因と話題の内容は至極単純。学園長が猿君と相討ちになった事だ。

 それもまあ当然だろう。非鬼を一人で倒して単独者と呼ばれ、世の異能者から尊敬の念を受けるというのに、特鬼と言うのはそんな単独者を複数ぶつけて、その後ろで大勢のベテラン達が支援して戦う必要がある怪物なのだ。そんな怪物と相討ちになった学園長の評価は、ただでさえ高かったのに更に爆上がり中なのだ。

「学園長が出したあの阿修羅、俺震えたからな」

「俺も俺も」

「あんな精度の阿修羅を出せるなんてなあ」

「すっげえ霊力だったよな」

 節穴共めええええ! 学園長よりもお姉様の霊力の方が高いのに、なんでお姉様も誉めないんだよ! まあ、学園長の霊力が、がっしりした大地の様な安定感があるのは認める。だがお姉様の霊力は、蟻がナイアガラの滝を見たくらいのすげえ霊力なんだぞ! だからお姉様も誉めろ!

「ウチの実家は、学園長が独身だから年頃の娘を使って取り込もうとしてるみたいだ」

「ウチもだ。昔からチラホラそういう話はあったみたいだけど、特鬼を倒したとなるとなりふり構わずといった感じだ」

 学園長てめええええええ! もう50近いくせに若い娘と結婚するのかあああ!? 許さん!

「あなたには私がいるじゃない」

「はふはふはふ!」

 お姉様そうやって僕の顎をクイっとしたらあああああ!

 全く! お姉様に感謝しろよ学園長。皇帝よりも人望と人気があって有能だなんて、それだけで追放間違いなしなんだぞ。だがまあ、これまでブラックタール帝国発展の為に、一緒に肩を組んだ仲なんだ。素晴らしい皇帝陛下に追放されましたが、これも全て自分が悪いんです。の執筆をする事態は勘弁してやろう。

 おっと、皇帝自らも執筆活動しないといけないんだった。タイトルを呪術師のぶっ殺し方に変えた方がいいかな? 第一話、小銃の乱射で呪術師死す。第二話、呪術師の変体的生態。第三話、本当は怖くない呪術師の殺し方。こんな感じか? ついでにどんな呪術があるかの呪術大百科も作らないと。ここ大百科に載ってたって世間様に言って貰えればいいなあ。

「なあ四葉、少しいいか?」

「はい!」

 なんだ!? クラスメイトに声を掛けられるなんて初めての経験だから、思わず上擦った声が出てしまった! き、君は!?

「なにかな藤宮雄一君!」

 藤宮雄一君! 佐伯お姉様と同じで、急成長した会社の御曹司の藤宮雄一君じゃないか! そのせいで名家サロンから、若干浮いてる藤宮雄一君じゃないか!

「俺の名前覚えてくれてたんだな」

「勿論さ!」

 いつでも友達が出来るように、クラスメイトの顔と名前は暗記済みだからね!
 それでイケメンボーイの藤宮君が一体何の用なんだろ?

「その、四葉は呪いに詳しいんだよな?」

「ちょっとね!」

 嘘だ。
 ちょっとどころか全部知ってます。でもこれを言うと、ドン引きされるのは間違いないから黙っておこう。

「実はその事で相談したいことがあるんだ。少しついて来てくれないか?」

「分かったよ! お姉様、僕ちょっと行ってきます!」

「ええ、行ってらっしゃい」

 く、く、クラスメイトに頼られている!? なんてことだ! なんてことだ! 

「この辺でいいか……」

「それで相談って?」

 一体誰を呪うんだい!? さあ主席の僕になんでも相談してごらん! 今なら絶対バレない100の呪い方について教えるよ!

「実は先週、急に母親が倒れて意識が戻らないんだ。医者はどこにも異常はないって言うから、ひょっとして呪われたんじゃないかと父親が思って神官を呼んだんだけど、その神官もどこにも異常はないって言うんだ。でも呪いに詳しい四葉なら、何か分かるんじゃないかと思って……ほら、ウチも商売仇がいないわけじゃないから……」

「ははあ」

 どこか思い詰めてる顔してると思ったけど、すっごい真剣な相談を受けてしまった。

 よろしい! この主席、四葉貴明が一肌脱いで差し上げましょう!

「お母さん地元?」

「いやこっちの病院に来てる。親父もまだ呪いを疑ってるから、異能者が多いこっちが都合がいいんだ」

 グゥゥゥッド。それなら今日中に終わるな。次の時間は戦闘会の対人部門だし、抜け出しても問題ない。

「それなら今からお母さんの所へ行こう! すぐ行こう!」

「い、いいのか!?」

「勿論! 僕達クラスメイトじゃないか!」

「あ、ありがとう四葉!」

「いいってことよ!」

 万事この四葉貴明にお任せあれ! なあに負ける気せえへん邪神やし! お母さんも今日中に退院できるよ! あ、お姉様に、今日の晩御飯サラダが欲しいですって頼んでおかないと!

 大船に乗ったつもりで安心してね藤宮君!
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