45 / 51
悍ましき眷属達
呪いに詳しい主席
しおりを挟む
『ブラジルの現地時間で昨日の深夜3時過ぎ頃、呪術師として指名手配されていたペドロ容疑者と、逮捕の為に派遣された警察の突入部隊が交戦しました。激しい抵抗をしたペドロ容疑者は死亡しましたが、その余波で民間人も含め、死者30名を超す大惨事となり』
あっちゃあ……。
昼食を食べるためお姉様と宰相室を出た後、一旦戻った教室のテレビからニュースが流れていた。この伊能学園は学園長の方針で、勉強だけでなく世情も知るべきだという考えのもと、休み時間にはニュース番組限定だがテレビが映るのだ。
そしてそのニュースによると、人類の面汚し、人に害を加える事に対して、あまりにも特化した呪術師を逮捕しようとした現地の警察が、殆ど相討ちと言う形で始末したものの、その余波で民間人も死者が出たらしい。
あ、生き残りの隊員の姿が映った。単なる武装テロリストを相手にする延長上の装備だ。いやー、ちょっとそれで呪術師相手にするのはダメだよ。
「さあ屋上に行きましょう」
「はいお姉様!」
おっと、お姉様の手作り弁当が待っている! いやあ、俺って幸せ者だなあ!
◆
「昼休みに長時間テレビでやっていたから知っているだろうが、ブラジルで呪術師と警察部隊が交戦して大きな被害が出た。本来、我々異能者が想定しているのは対妖異だが、警察機関が手に負えないと判断した異能者の逮捕には、我々にも要請が来る事がある。私が伝手を使ってそれなりの情報を入手したから、この時間はその情報を使って授業を行う。ではそれを記した物を配る」
やっぱりそうなると思っていましたよ学園長。学園長のいいところは、何事にも反応が早い事ですね。っつうか昼前のが第一報としたら、これだけ短時間で情報を集められるってどんなデカイ伝手だよ。名家の皆さんが、学園長の伝手も使ったらよりビッグになれるぜって思うのも無理ないな。
あ、お姉様ありがとうございます! さてなになに? ふんふん。あっちゃあ……これむしろよく相討ちに持ち込んだな。
「読み終わったか? では藤宮、呪術師の危険性を軽くでいいから述べてみろ」
「はい。呪術師は我々異能者とは全く違い、対妖異の事を想定していない代わりに、対人に対して特化した危険極まりない存在です。しかも殆どが知られていない裏の技術なため、適切な対処が出来ない事がそれに拍車をかけています」
「よろしい」
そうなんだよなあ。使ってるだけで危ない存在と見られるから、呪術師は裏の一番暗い所に潜んでるのだ。
日本でもバンバン使ってた陰陽寮最盛期が終わると、南北朝やら応仁の乱やらで、日本の呪術もその殆どが失伝してしまって、使ってるのはよっぽど後ろ暗い連中が新たに作り出したり、ひっそりと受け継がれていたりで、かなり対処が難しいのだ。
そのせいで、俺の知識は名家の皆さんほどではないと入学前まで勘違いしていたが、実は皆さんはかなり呪術に対して知らない事が多い。
「装備について意見があるものは? よし東郷」
「小鬼、もしくは弱い能力者程度なら制圧できるでしょうが、呪術に対する浄力での防御が全くありません。十字架もです」
「そうだ。攻撃の方はあくまで、火器の集中投入で対処できるものとして想定している事が分かる。これは間違ってはいない。呪力呪術は、異能の中で最も防御に向いていないからだ。しかし東郷も言った通り、外部からの衝撃に対する装備は一見優秀だが、呪術に対してはそれではだめなのだ」
仰る通り。昔の呪術はまじないとしての魔除けとかの効果があったが、現代の呪術はそういったものを削ぎ落して、研磨して、より鋭く、より殺傷能力があるものに変化しているのだ。そのため対人攻撃力は最強だと胸を張って言えるのだが、逆に防御力に関しては、水に濡らしたティッシュより役立たないモノと化している。
マジで銃弾一発で死ぬ可能性がある異能者なんて呪術師だけだろう。他の皆さんは普通に避けたり、そもそも効かなかったりするのに。
「以前にも述べたが、呪術とは視線、吐息、声、その全てがこちらの命を奪う毒なのだ。それが何の対処もしていないなら猶更だ」
何て恐ろしい力なんだ。こんな力使ってる奴には近づきたくないね。おおこわっ。
「先生、術者が使った術は何だったのでしょう?」
「そこまで詳しくは分かっていないが、術者の体は酷く爛れていたそうだ。これは突入した者達に覚えが無いらしい」
ははぁん、呪術として数少ない防御系統の術だが、術者としては3流以下だな。ここは主席として手を挙げてやるか。
真っ直ぐ堂々と!
「貴明、何か分かるか?」
「はい先生。恐らく自分の身に対する災いに対して呪う術だと思います」
「つまり呪詛返しだと?」
それだけ聞いたらそう思うよな。でも呪詛返しみたいな、スマートさなんてどこにもない危なっかしい術なんだなこれが。
「いえ、自分を呪う事によって、その後に与えられた術や痛み、苦痛を増幅して、無差別に攻撃的な呪いとして周囲に撒き散らすんです。恐らく周囲への被害が発生したのもこれが原因かと」
「なんだそれ無敵じゃないのか?」
「いや、ダメージが通っているなら死にはする筈」
「被害を考えると市街地じゃ相手に出来ないじゃないか」
ざわざわする教室内。そうだよな、自分の攻撃がそのまま跳ね返ってくるような物なのだ。一見すると。
「対処法は?」
「この術には致命的と言っていい欠陥があります。他者から攻撃を受けないと周囲に攻撃として発せない上、非常に緻密な制御を行わないと、行き場をなくした呪いが術者を呪い殺すんです。つまり最高位の術者でもないなら、放っておくと勝手に自滅するんです」
誰だよ、こんな欠陥抱えてるのに初見殺しの極みみたいな術開発したの。呪術ってこんなのばっかりだ。やっぱり近寄らんとこ。しかもだ、多分それこそ呪詛返しに発想を得たんだろうけど、やってることは自爆と変わらんぞ。その犯人も制御に失敗して爛れ死んだんだろう。
「なるほど。諸君ノートを取りなさい」
皆さんこれが主席ですよ!しゅ!せ!き!
でも呪いの事以外は平均ですし、魔法とか超能力はチンプンカンプンなんで、呪いの事以外聞かないでくださいね! 冗談抜きにマジで! 超力の発生手順なんて、日本語と思えなかったんですから!
「ほかに気が付いた事はないか?」
「はい、時間が最悪です。恐らく眠っている所に奇襲しようとしたんでしょうけど、日本に限らず世界でも丑三つ時の呪術師は非常に活発化して、その能力も強化されます。恐らくその犯人も起きていた可能性が高いです」
深夜3時なら、丑三つ時から30分程過ぎているが、丑の刻と考えたら殆ど誤差の様な物だ。単なる人間ならそれでよかったんだろうが、呪術師ならまず起きてる。突入した警察は、いきなり攻撃された可能性もあるな。つまり自爆とはいえ、犯人が死亡したのは非常に運がよかったと言わざるを得ない。
「なるほど時間か」
学園長もそれは盲点だったと頷いている。どうですか学園長? ちゃんと主席として頑張ってるでしょ? たまに主席か呪いの専門家か分からなくなる時があるけど……。
と言うか最近思ったけど、皆さん呪いについてかなり知らない事が多い。まあ、俺は生まれた時から知っているという、まさにチートを使っている訳だが……これが学園チート物か。だが呪いで人生楽勝ものどころか、バレたら全人類から追放されてしまうんだがな!
冗談は置いておいて、やっぱ作るか? 今日から出来る呪いと呪術師への対処法って本作っちゃうか? 現代の呪いなんて99%悪事だから作っちゃうか? 残り1%は俺が使ってるんだし。それに俺と親父の呪いは人類にとげふん! 別に痛くもかげふんげふん!
よし作るか! 目指せ一家に一冊! えいえいおー!
あっちゃあ……。
昼食を食べるためお姉様と宰相室を出た後、一旦戻った教室のテレビからニュースが流れていた。この伊能学園は学園長の方針で、勉強だけでなく世情も知るべきだという考えのもと、休み時間にはニュース番組限定だがテレビが映るのだ。
そしてそのニュースによると、人類の面汚し、人に害を加える事に対して、あまりにも特化した呪術師を逮捕しようとした現地の警察が、殆ど相討ちと言う形で始末したものの、その余波で民間人も死者が出たらしい。
あ、生き残りの隊員の姿が映った。単なる武装テロリストを相手にする延長上の装備だ。いやー、ちょっとそれで呪術師相手にするのはダメだよ。
「さあ屋上に行きましょう」
「はいお姉様!」
おっと、お姉様の手作り弁当が待っている! いやあ、俺って幸せ者だなあ!
◆
「昼休みに長時間テレビでやっていたから知っているだろうが、ブラジルで呪術師と警察部隊が交戦して大きな被害が出た。本来、我々異能者が想定しているのは対妖異だが、警察機関が手に負えないと判断した異能者の逮捕には、我々にも要請が来る事がある。私が伝手を使ってそれなりの情報を入手したから、この時間はその情報を使って授業を行う。ではそれを記した物を配る」
やっぱりそうなると思っていましたよ学園長。学園長のいいところは、何事にも反応が早い事ですね。っつうか昼前のが第一報としたら、これだけ短時間で情報を集められるってどんなデカイ伝手だよ。名家の皆さんが、学園長の伝手も使ったらよりビッグになれるぜって思うのも無理ないな。
あ、お姉様ありがとうございます! さてなになに? ふんふん。あっちゃあ……これむしろよく相討ちに持ち込んだな。
「読み終わったか? では藤宮、呪術師の危険性を軽くでいいから述べてみろ」
「はい。呪術師は我々異能者とは全く違い、対妖異の事を想定していない代わりに、対人に対して特化した危険極まりない存在です。しかも殆どが知られていない裏の技術なため、適切な対処が出来ない事がそれに拍車をかけています」
「よろしい」
そうなんだよなあ。使ってるだけで危ない存在と見られるから、呪術師は裏の一番暗い所に潜んでるのだ。
日本でもバンバン使ってた陰陽寮最盛期が終わると、南北朝やら応仁の乱やらで、日本の呪術もその殆どが失伝してしまって、使ってるのはよっぽど後ろ暗い連中が新たに作り出したり、ひっそりと受け継がれていたりで、かなり対処が難しいのだ。
そのせいで、俺の知識は名家の皆さんほどではないと入学前まで勘違いしていたが、実は皆さんはかなり呪術に対して知らない事が多い。
「装備について意見があるものは? よし東郷」
「小鬼、もしくは弱い能力者程度なら制圧できるでしょうが、呪術に対する浄力での防御が全くありません。十字架もです」
「そうだ。攻撃の方はあくまで、火器の集中投入で対処できるものとして想定している事が分かる。これは間違ってはいない。呪力呪術は、異能の中で最も防御に向いていないからだ。しかし東郷も言った通り、外部からの衝撃に対する装備は一見優秀だが、呪術に対してはそれではだめなのだ」
仰る通り。昔の呪術はまじないとしての魔除けとかの効果があったが、現代の呪術はそういったものを削ぎ落して、研磨して、より鋭く、より殺傷能力があるものに変化しているのだ。そのため対人攻撃力は最強だと胸を張って言えるのだが、逆に防御力に関しては、水に濡らしたティッシュより役立たないモノと化している。
マジで銃弾一発で死ぬ可能性がある異能者なんて呪術師だけだろう。他の皆さんは普通に避けたり、そもそも効かなかったりするのに。
「以前にも述べたが、呪術とは視線、吐息、声、その全てがこちらの命を奪う毒なのだ。それが何の対処もしていないなら猶更だ」
何て恐ろしい力なんだ。こんな力使ってる奴には近づきたくないね。おおこわっ。
「先生、術者が使った術は何だったのでしょう?」
「そこまで詳しくは分かっていないが、術者の体は酷く爛れていたそうだ。これは突入した者達に覚えが無いらしい」
ははぁん、呪術として数少ない防御系統の術だが、術者としては3流以下だな。ここは主席として手を挙げてやるか。
真っ直ぐ堂々と!
「貴明、何か分かるか?」
「はい先生。恐らく自分の身に対する災いに対して呪う術だと思います」
「つまり呪詛返しだと?」
それだけ聞いたらそう思うよな。でも呪詛返しみたいな、スマートさなんてどこにもない危なっかしい術なんだなこれが。
「いえ、自分を呪う事によって、その後に与えられた術や痛み、苦痛を増幅して、無差別に攻撃的な呪いとして周囲に撒き散らすんです。恐らく周囲への被害が発生したのもこれが原因かと」
「なんだそれ無敵じゃないのか?」
「いや、ダメージが通っているなら死にはする筈」
「被害を考えると市街地じゃ相手に出来ないじゃないか」
ざわざわする教室内。そうだよな、自分の攻撃がそのまま跳ね返ってくるような物なのだ。一見すると。
「対処法は?」
「この術には致命的と言っていい欠陥があります。他者から攻撃を受けないと周囲に攻撃として発せない上、非常に緻密な制御を行わないと、行き場をなくした呪いが術者を呪い殺すんです。つまり最高位の術者でもないなら、放っておくと勝手に自滅するんです」
誰だよ、こんな欠陥抱えてるのに初見殺しの極みみたいな術開発したの。呪術ってこんなのばっかりだ。やっぱり近寄らんとこ。しかもだ、多分それこそ呪詛返しに発想を得たんだろうけど、やってることは自爆と変わらんぞ。その犯人も制御に失敗して爛れ死んだんだろう。
「なるほど。諸君ノートを取りなさい」
皆さんこれが主席ですよ!しゅ!せ!き!
でも呪いの事以外は平均ですし、魔法とか超能力はチンプンカンプンなんで、呪いの事以外聞かないでくださいね! 冗談抜きにマジで! 超力の発生手順なんて、日本語と思えなかったんですから!
「ほかに気が付いた事はないか?」
「はい、時間が最悪です。恐らく眠っている所に奇襲しようとしたんでしょうけど、日本に限らず世界でも丑三つ時の呪術師は非常に活発化して、その能力も強化されます。恐らくその犯人も起きていた可能性が高いです」
深夜3時なら、丑三つ時から30分程過ぎているが、丑の刻と考えたら殆ど誤差の様な物だ。単なる人間ならそれでよかったんだろうが、呪術師ならまず起きてる。突入した警察は、いきなり攻撃された可能性もあるな。つまり自爆とはいえ、犯人が死亡したのは非常に運がよかったと言わざるを得ない。
「なるほど時間か」
学園長もそれは盲点だったと頷いている。どうですか学園長? ちゃんと主席として頑張ってるでしょ? たまに主席か呪いの専門家か分からなくなる時があるけど……。
と言うか最近思ったけど、皆さん呪いについてかなり知らない事が多い。まあ、俺は生まれた時から知っているという、まさにチートを使っている訳だが……これが学園チート物か。だが呪いで人生楽勝ものどころか、バレたら全人類から追放されてしまうんだがな!
冗談は置いておいて、やっぱ作るか? 今日から出来る呪いと呪術師への対処法って本作っちゃうか? 現代の呪いなんて99%悪事だから作っちゃうか? 残り1%は俺が使ってるんだし。それに俺と親父の呪いは人類にとげふん! 別に痛くもかげふんげふん!
よし作るか! 目指せ一家に一冊! えいえいおー!
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
罰ゲームから始まった、五人のヒロインと僕の隣の物語
ノン・タロー
恋愛
高校2年の夏……友達同士で行った小テストの点を競う勝負に負けた僕、御堂 彼方(みどう かなた)は、罰ゲームとしてクラスで人気のある女子・風原 亜希(かざはら あき)に告白する。
だが亜希は、彼方が特に好みでもなく、それをあっさりと振る。
それで終わるはずだった――なのに。
ひょんな事情で、彼方は亜希と共に"同居”することに。
さらに新しく出来た、甘えん坊な義妹・由奈(ゆな)。
そして教室では静かに恋を仕掛けてくる寡黙なクラス委員長の柊 澪(ひいらぎ みお)、特に接点の無かった早乙女 瀬玲奈(さおとめ せれな)、おまけに生徒会長の如月(きさらぎ)先輩まで現れて、彼方の周囲は急速に騒がしくなっていく。
由奈は「お兄ちゃん!」と懐き、澪は「一緒に帰らない……?」と静かに距離を詰める。
一方の瀬玲奈は友達感覚で、如月先輩は不器用ながらも接してくる。
そんな中、亜希は「別に好きじゃないし」と言いながら、彼方が誰かと仲良くするたびに心がざわついていく。
罰ゲームから始まった関係は、日常の中で少しずつ形を変えていく。
ツンデレな同居人、甘えたがりな義妹、寡黙な同クラ女子、恋愛に不器用な生徒会長、ギャル気質な同クラ女子……。
そして、無自覚に優しい彼方が、彼女たちの心を少しずつほどいていく。
これは、恋と居場所と感情の距離をめぐる、ちょっと不器用で、でも確かな青春の物語。
美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする
夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】
主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。
そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。
「え?私たち、付き合ってますよね?」
なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。
「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
手が届かないはずの高嶺の花が幼馴染の俺にだけベタベタしてきて、あと少しで我慢も限界かもしれない
みずがめ
恋愛
宮坂葵は可愛くて気立てが良くて社長令嬢で……あと俺の幼馴染だ。
葵は学内でも屈指の人気を誇る女子。けれど彼女に告白をする男子は数える程度しかいなかった。
なぜか? 彼女が高嶺の花すぎたからである。
その美貌と肩書に誰もが気後れしてしまう。葵に告白する数少ない勇者も、ことごとく散っていった。
そんな誰もが憧れる美少女は、今日も俺と二人きりで無防備な姿をさらしていた。
幼馴染だからって、とっくに体つきは大人へと成長しているのだ。彼女がいつまでも子供気分で困っているのは俺ばかりだった。いつかはわからせなければならないだろう。
……本当にわからせられるのは俺の方だということを、この時点ではまだわかっちゃいなかったのだ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる