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悍ましき眷属達
猫?
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『連絡です。本日の対妖異戦は、初見での対応を評価とする目的があるため、教師以外に中継は行われません』
ついにやって来た猫君のデビュー戦。今回のマップ、じゃなかった訓練場は、なんと森の中を想定して作られた森林訓練場だ。このエリア丸ごと、訓練用の式符が活動できる結界を張るなんて手間だったろうに。
まあそれはいい。問題なのはだ。
「ふむ始まるようだな」
どうして俺は宰相室で、学園長と一緒に観戦してるんだ? いやまあ、俺が一番猫君に詳しいからなのは分かるが、なんというかこう、違うくない? ほら、例え中継は無くても、控室に帰ってくる友達を必死に待ってたりとかさ。
「猫ちゃんようやく働けるのね」
「そうですねお姉様!」
これでお姉様が居なかったら俺は逃げてたから、お姉様に感謝しろよ学園長。それと、ちゃんとコーヒーとお菓子を準備している辺り、我が帝国の宰相としてポイントが高いぞ。
「これ、何かしらの監視用の御札とかで映像出てるんです?」
「ああそうだ。少し画像が粗くなるが、森林訓練場の隅々までカメラで見ようと思ったら大変だからな」
どうやってか監視用の御札からの映像をテレビに映している様で、学園長の言う通り少し画像が粗いものの、あんな森の中に電線引っ張って監視カメラを置きまくるより、お手軽気軽で大量に貼れる御札の方がいいだろう。古い技法なのに、コストと手間を考えたら、現代機具に未だに負けていないのが凄いところだ。
「あ、最初は集団戦なんですね」
「あの式符が一つな事を考えたら、単独戦は時間的に無理だからな」
森の外に立っている先輩5人が映像に映し出される。お、ネズミやら小鳥やら、小さな式神が大量に森の中へ消えていった。どうやら籠の中のカナリげふん、式神で索敵する様だ。
「あれじゃあ猫ちゃんは見つけられないわね」
「ですねえ」
足を組んでコーヒーを飲んでいるお姉さまに、視線が釘付けになりそうだ。今もどうしてもチラチラ見てしまう。あ、お姉さまそんな笑顔を向けられたら僕はああああ!
『ダメだ見つけられない』
『分かった。なら直接見つけるしかない』
思った通り、カナリアは猫君を見つけられなかったようだ。まあそれも仕方ない。森で訓練とか抜きに、本気で隠れた猫君を見つけるのは、多分蜘蛛君と猿君でも無理だ。尤もあの2人は、森を丸裸にしていいなら見つけれるが。
『あれ?』
『どうした裕太?』
『木の上で何かが光った様な……』
『なに? どこだ?』
『……あそこだ。一応式神を飛ばしてくれるか?』
『分かった……何もいないな』
「あ、猫君早速仕掛けましたね」
「うむ。ほんの少し光っただけで、即座に臨戦態勢を取れというのは2年生には酷か」
木の上で何か光ったと呟いた先輩は実は正しい。もう猫君は先制攻撃の準備万端だ。
『一応固まって全方位を警戒しよう。進むのはそれからだ』
『分かった』
『式神も周りに飛ばす』
『裕太は中心にいてくれ。神官が真っ先にやられたらきつい』
『ああ』
『ああ』
『待て今誰が喋った!?』
「うふふ面白くなってきたわね」
お姉さまがそれはそれは楽しそうに笑って、テレビの向こうにいる6人の先輩達を見ていた。
見えた光に集中しすぎたな。即座に臨戦態勢に入っていたら、混ざり込んでいたのに気が付いただろう。
『裕太が2人!?』
『幻覚攻撃を受けているぞ!』
『裕太祓ってくれ!』
パーティーに1人しかいなかったはずの神官さんが、何故かもう1人増えていた。一体あれは誰なんだ……。
『ああ!六根清浄大祓!』
『ああ!六恨障呪大禍!』
『な、なにがあああ!? ジェットコースター!? ぎゃあああああああ!?』
『なんだこの黒い靄は!? ちょっと待ってくれ母ちゃん! そのベッドの下は覗かないでくれ!』
『どこだここは!? 納豆工場!? おえっ!?』
『げえっ!? 高いところだめなんだ! 誰か助けてくれ!』
あちゃ、幻覚だと思って唱える隙を与えちゃったな。しかも猫君がターゲットにしたのは、チーム唯一の神道関係の人だ。その人が幻覚を解こうとしたと同時に、その人に変身していた猫君が幻覚に誘う禍詞を唱え切っちゃった。
猫君め、確実に、そして一度に仕留めるために変身して近づいたな。あんな至近距離で大鬼クラスの幻術を受けたら、自力で解くのは無理だ。ウチの猫君がすいませんね先輩方、ちょっとだけトラウマツアーを体験してください。
「うむ。この厭らしさこそ授業に必要なものだ」
学園長もこう言っている事ですし。
『今こいつは何だと思ったな?』
『!?』
『今、覚妖怪だと思ったな?』
『くそ!』
あ、変身されてる先輩だけ残ってる。猫君の幻術を食らって生き残ってるとはやるな。だけど今思っている通り、猫君は覚状態なんだ。自分の心を読んでくる妖異を相手にする以上、仲間達が倒れて飽和攻撃できないなら、学園長みたいに知るかボケって、猫君が反応出来ない速度で攻撃するアホ戦法しかない。
「あの先輩凄いですね」
「ああ、百田は2年の中でもかなりやる。踏ん張れよ百田」
『今袖に隠した寸鉄で!?』
『かあッ!』
『ぎぃっ!?』
すげえ! 猫君の顔に寸鉄がぶっ刺さった! 猫君の読心を一瞬だけ無我の状態になって無効化したんだ!
「よくやった百田。百田は忍術の心得のある神官でな。ある程度自衛できるんだ。しかし、少し浅かったか……」
すげえ変わり種な先輩だな。忍者神官……か。邪神官よりずっといいよな……。
『祓い給い清め給え。忍法鎌鼬の術!』
「なかなか面白い人ね。神道と忍法、二つとも両方高い次元でこなしてるわね」
あ、この先輩忍法まで使えるのか。マジで凄いな。お姉さまの言う通り、二つ三つの系統を修めてる人は結構いるけど、あの先輩は両方高度に使いこなしている。
憐れ猫君は、鎌鼬の術で出来た風の刃で真っ二つ。
『変わ!?』
と、思いきや、真っ二つになったのは木の丸太だ。
『忍法鎌鼬の術! 今ドッペルゲンガーだと思ったな?』
『がはっ……』
そしていつの間にか後ろに回り込んだ猫君に、変わり種先輩は打ち倒されてしまった。
これで全滅か。流石は猫君だ。心を読む覚妖怪と、相手の技術をそのままコピーするドッペルゲンガーの力を使って、先輩達を訓練するという仕事を見事にこなした。
それと、まだまだ他に能力はあるが、このめんどくささの二大巨頭が合体したと言ってもいい状態の猫君に、一矢報いた変わり種先輩は誇っていい。
「やはり経験だな。とにかく妖異には、様々な能力がある事を知らねばならん」
ですね学園長。猫君、聞こえますか猫君? そうです社長の四葉貴明です。とにかく能力です。ありとあらゆる能力を使って、先輩達のトレーニングをするのです。 帝国の臣民である限り、常に強くなければならないのです。という訳で頑張ってね!
◆
『こいつカメレオンだ! 妖力を遮蔽して、光学迷彩で隠れてやがった!』
『ちょっと待て! ここはさっきも通ったぞ!』
『美里がいないぞ!? どこにいったんだ!?』
『木だ! 木に擬態しているんだ!』
『待て止まれ! 合言葉を言え! ふう、なんだ本物ぐあっ!?』
『どうして両方とも、俺と本人しか知らない事を知っているんだ!?』
阿鼻叫喚な先輩達に対して、学園長はうんうんと満足気だ。こいつ猿君に今日も挑むつもりなドMな癖に、生徒に対してSなんじゃないだろうな? 猫君にその辺でって言うべきか?
「うふ、うふふふ」
ああお姉様! その楽しそうな笑い方がとっても素敵です! 猫君もっと頑張るんだ! え? ダブルスタンダード? お姉様と学園長を比べるなんて失礼だよ猫君! さあ仕事を頑張るんだ!
ついにやって来た猫君のデビュー戦。今回のマップ、じゃなかった訓練場は、なんと森の中を想定して作られた森林訓練場だ。このエリア丸ごと、訓練用の式符が活動できる結界を張るなんて手間だったろうに。
まあそれはいい。問題なのはだ。
「ふむ始まるようだな」
どうして俺は宰相室で、学園長と一緒に観戦してるんだ? いやまあ、俺が一番猫君に詳しいからなのは分かるが、なんというかこう、違うくない? ほら、例え中継は無くても、控室に帰ってくる友達を必死に待ってたりとかさ。
「猫ちゃんようやく働けるのね」
「そうですねお姉様!」
これでお姉様が居なかったら俺は逃げてたから、お姉様に感謝しろよ学園長。それと、ちゃんとコーヒーとお菓子を準備している辺り、我が帝国の宰相としてポイントが高いぞ。
「これ、何かしらの監視用の御札とかで映像出てるんです?」
「ああそうだ。少し画像が粗くなるが、森林訓練場の隅々までカメラで見ようと思ったら大変だからな」
どうやってか監視用の御札からの映像をテレビに映している様で、学園長の言う通り少し画像が粗いものの、あんな森の中に電線引っ張って監視カメラを置きまくるより、お手軽気軽で大量に貼れる御札の方がいいだろう。古い技法なのに、コストと手間を考えたら、現代機具に未だに負けていないのが凄いところだ。
「あ、最初は集団戦なんですね」
「あの式符が一つな事を考えたら、単独戦は時間的に無理だからな」
森の外に立っている先輩5人が映像に映し出される。お、ネズミやら小鳥やら、小さな式神が大量に森の中へ消えていった。どうやら籠の中のカナリげふん、式神で索敵する様だ。
「あれじゃあ猫ちゃんは見つけられないわね」
「ですねえ」
足を組んでコーヒーを飲んでいるお姉さまに、視線が釘付けになりそうだ。今もどうしてもチラチラ見てしまう。あ、お姉さまそんな笑顔を向けられたら僕はああああ!
『ダメだ見つけられない』
『分かった。なら直接見つけるしかない』
思った通り、カナリアは猫君を見つけられなかったようだ。まあそれも仕方ない。森で訓練とか抜きに、本気で隠れた猫君を見つけるのは、多分蜘蛛君と猿君でも無理だ。尤もあの2人は、森を丸裸にしていいなら見つけれるが。
『あれ?』
『どうした裕太?』
『木の上で何かが光った様な……』
『なに? どこだ?』
『……あそこだ。一応式神を飛ばしてくれるか?』
『分かった……何もいないな』
「あ、猫君早速仕掛けましたね」
「うむ。ほんの少し光っただけで、即座に臨戦態勢を取れというのは2年生には酷か」
木の上で何か光ったと呟いた先輩は実は正しい。もう猫君は先制攻撃の準備万端だ。
『一応固まって全方位を警戒しよう。進むのはそれからだ』
『分かった』
『式神も周りに飛ばす』
『裕太は中心にいてくれ。神官が真っ先にやられたらきつい』
『ああ』
『ああ』
『待て今誰が喋った!?』
「うふふ面白くなってきたわね」
お姉さまがそれはそれは楽しそうに笑って、テレビの向こうにいる6人の先輩達を見ていた。
見えた光に集中しすぎたな。即座に臨戦態勢に入っていたら、混ざり込んでいたのに気が付いただろう。
『裕太が2人!?』
『幻覚攻撃を受けているぞ!』
『裕太祓ってくれ!』
パーティーに1人しかいなかったはずの神官さんが、何故かもう1人増えていた。一体あれは誰なんだ……。
『ああ!六根清浄大祓!』
『ああ!六恨障呪大禍!』
『な、なにがあああ!? ジェットコースター!? ぎゃあああああああ!?』
『なんだこの黒い靄は!? ちょっと待ってくれ母ちゃん! そのベッドの下は覗かないでくれ!』
『どこだここは!? 納豆工場!? おえっ!?』
『げえっ!? 高いところだめなんだ! 誰か助けてくれ!』
あちゃ、幻覚だと思って唱える隙を与えちゃったな。しかも猫君がターゲットにしたのは、チーム唯一の神道関係の人だ。その人が幻覚を解こうとしたと同時に、その人に変身していた猫君が幻覚に誘う禍詞を唱え切っちゃった。
猫君め、確実に、そして一度に仕留めるために変身して近づいたな。あんな至近距離で大鬼クラスの幻術を受けたら、自力で解くのは無理だ。ウチの猫君がすいませんね先輩方、ちょっとだけトラウマツアーを体験してください。
「うむ。この厭らしさこそ授業に必要なものだ」
学園長もこう言っている事ですし。
『今こいつは何だと思ったな?』
『!?』
『今、覚妖怪だと思ったな?』
『くそ!』
あ、変身されてる先輩だけ残ってる。猫君の幻術を食らって生き残ってるとはやるな。だけど今思っている通り、猫君は覚状態なんだ。自分の心を読んでくる妖異を相手にする以上、仲間達が倒れて飽和攻撃できないなら、学園長みたいに知るかボケって、猫君が反応出来ない速度で攻撃するアホ戦法しかない。
「あの先輩凄いですね」
「ああ、百田は2年の中でもかなりやる。踏ん張れよ百田」
『今袖に隠した寸鉄で!?』
『かあッ!』
『ぎぃっ!?』
すげえ! 猫君の顔に寸鉄がぶっ刺さった! 猫君の読心を一瞬だけ無我の状態になって無効化したんだ!
「よくやった百田。百田は忍術の心得のある神官でな。ある程度自衛できるんだ。しかし、少し浅かったか……」
すげえ変わり種な先輩だな。忍者神官……か。邪神官よりずっといいよな……。
『祓い給い清め給え。忍法鎌鼬の術!』
「なかなか面白い人ね。神道と忍法、二つとも両方高い次元でこなしてるわね」
あ、この先輩忍法まで使えるのか。マジで凄いな。お姉さまの言う通り、二つ三つの系統を修めてる人は結構いるけど、あの先輩は両方高度に使いこなしている。
憐れ猫君は、鎌鼬の術で出来た風の刃で真っ二つ。
『変わ!?』
と、思いきや、真っ二つになったのは木の丸太だ。
『忍法鎌鼬の術! 今ドッペルゲンガーだと思ったな?』
『がはっ……』
そしていつの間にか後ろに回り込んだ猫君に、変わり種先輩は打ち倒されてしまった。
これで全滅か。流石は猫君だ。心を読む覚妖怪と、相手の技術をそのままコピーするドッペルゲンガーの力を使って、先輩達を訓練するという仕事を見事にこなした。
それと、まだまだ他に能力はあるが、このめんどくささの二大巨頭が合体したと言ってもいい状態の猫君に、一矢報いた変わり種先輩は誇っていい。
「やはり経験だな。とにかく妖異には、様々な能力がある事を知らねばならん」
ですね学園長。猫君、聞こえますか猫君? そうです社長の四葉貴明です。とにかく能力です。ありとあらゆる能力を使って、先輩達のトレーニングをするのです。 帝国の臣民である限り、常に強くなければならないのです。という訳で頑張ってね!
◆
『こいつカメレオンだ! 妖力を遮蔽して、光学迷彩で隠れてやがった!』
『ちょっと待て! ここはさっきも通ったぞ!』
『美里がいないぞ!? どこにいったんだ!?』
『木だ! 木に擬態しているんだ!』
『待て止まれ! 合言葉を言え! ふう、なんだ本物ぐあっ!?』
『どうして両方とも、俺と本人しか知らない事を知っているんだ!?』
阿鼻叫喚な先輩達に対して、学園長はうんうんと満足気だ。こいつ猿君に今日も挑むつもりなドMな癖に、生徒に対してSなんじゃないだろうな? 猫君にその辺でって言うべきか?
「うふ、うふふふ」
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