58 / 172
蛇
幕間 蠢く者 企む者 潜む者 恐れる者 恐るべきモノ
しおりを挟む
人里離れた廃教会の暗がりに複数の男女の姿があった。
「ようやく大陸が荒れそうになってるけどどうするの?」
「知れた事、種火を守り大火にする。我々の位階を上げるには更なる大火、更なる争いが必要だ」
「そうとも。今のままでは殺し過ぎると目立つ。単なる人を殺すだけでは微々たる強化だが、戦争となれば塵も積もればだ。それに強者もいるだろう」
「ほっほっほ。お主等効率が悪いのう。儂の様に死霊術を使えれば魂も活用できるというのに、死んだ瞬間の魔力しか取り込めんとは」
「うるさいわね骸骨ジジイ。私は私のやり方で"8つ目"に到達するのよ」
「お喋りは終わりだ。騎士の国に入り焚きつける。行くぞ」
共通点があった。
皆、祈りの国の最優先抹殺対象であるという共通点が…。
◆
???
明かりも灯らぬ部屋に、数人の男女が円卓に座っていた。年頃は様々で、年老いた者もいれば、子供の様な見た目の者まで様々であった。
「騎士の国と魔法の国に何があったか、大体の事は分かって来た。6つ相当の魔法も効かん大蛇の化け物とやりあったせいらしい」
「それほんとに蛇か?神話にいた竜とかじゃ?」
「冗談はおよし。竜が本当に実在したなら儂等は生まれてもおらんよ」
「夢がねえ婆さんだ」
「話を戻すぞ。その蛇が何故か死んでいた事、これは気にはなるが我々には関係ない」
「え?そんな化け物が死んでたんですか?」
「そうだ。千切れた尻尾だけがあったそうだ。話を戻すぞ、次は誰も口を挟むな。これによって騎士の国が揺らいでいる。多くの戦死者と勇者の死亡、次いで軍大臣の処刑。軍大臣については何があったか分からんが…。ともかく王権が揺らいでいるのだ、付け入る隙がある」
「そんじゃやるのか?」
「やる。騎士の国がこれ以上勢力を伸ばすと、人間種の勢力が大きくなりすぎる。削がねば必ず魔の国に手を伸ばそうとするだろう。魔法の国を挟んでいるが、今回の一件で思ったより頼りにならないことが分かった。混乱している今しかない」
「国王を暗殺するんですか?無理なんじゃ?」
「心当たりが1人いる。ダークエルフの凄腕だ。連絡を取る」
「ほほう、お主が凄腕とまで言うか」
「ああ、魔の国から離れているが、場所は分かっている。上手くいくか分からんが、未熟者の妹がいるからそいつを利用する。そいつを頷かせた後に騎士の国に再び入る。異存は?…無い様だな。では解散」
角の生えた者から、目が三つある者など様々な者達が席を立っていくが、話を進めていた男は褐色の肌に銀の髪を持つ男であった。
◆◆
地下深く
「ふっふっふ。いい、いいぞ。大蛇とやらが暴れてくれたおかげで、我らが神も刺激された」
「はい竜司祭様」
「これで忌々しき神々と、地上を這う鱗無き者どもを抹殺して、我々が再び地上に舞い戻るのだ」
一見2足歩行している人型だが、良く見ると体には鱗がびっしりとあり尻尾もある。そして顔は、蜥蜴の様な、鰐の様な顔であった。…あるいは…
「もう少し…もう少しで目覚められる。我らが神、竜よ!」
司祭が見上げる先には、大きな大きな鱗の塊が少しずつ動いているように見えた。
◆
魔法の国 最高魔導士執務室
かなり広い執務室にも関わらず、部屋中に置かれた本や何か分からない魔道具も幾つかあるため、狭く感じる執務室に魔法の国における最高の地位、最高魔導士の肩書を持つ老魔法使いエベレッドが今回の大蛇騒動の被害と騎士の国に混乱が予想されるとの報告書を見ていた。
「頭が痛い」
「はい。これほどの被害に魔法が効かぬ生物がいるとは…それに連絡が」
「それもあるな…この騒動、儂に連絡無しじゃったのよなあ。耳に入ってたら他のやりようもあったんじゃがなあ。まあ、竜なんぞが出てこなかっただけマシかの」
「竜…ですか…?実在するのですか?」
目を瞑りながら椅子に深く座るエベレッドと、隣の秘書が会話をしていた。
「おるとも。神々もな。まあ、儂くらい歳を取っていたらそういう経験くらいある。見たり出くわしたり」
「なんとまあ、その時はどうされたのです?」
「うむ。こりゃいかんと逃げ出した。無理無理あんなの」
「エベレッド様でも…。ということはその竜は今も?」
「いや…」
老魔法使いは昔を思いだす。
あの天を思いのままに操った風の怪物が、更なる"怪物"に叩き落された光景を…。
「そういえばさきほど、他にも頭痛の種があるようなことを」
黙り込んだエベレッドに気を使って別の話題を出す秘書であったが、それもエベレッドが黙り込んでしまった原因が遠回りに絡んでいた。
「…うむ。こういう荒れた時代には色々噴出するんじゃよ…。機と見てな。不満やら野心やらが。今回の一件、そうならなければいいが…」
「なるほど」
(そうなると出て来るんじゃよなあ…あの男が…。昔の様にあの男が大陸中を駆け回るような事態になって欲しくないんじゃが…。儂の胃と地図職人のためにも。いらんことして出くわした奴は知らん。大人しくぶっ飛ばされるといい)
竜が叩き落された地点がどうなったかを思い出しながら、エベレッドは独り言ちる。
◆
「名前…名前…。男の子用と女の子用を2つずつ…。いやわかってからでいいか?」
今日も平和である。
◆
いつかのやらかし
空を飛んでいる竜を叩き落そうと両手を合わせて振り下ろすと、竜が爆散。そのまま空気の塊と飛び散った強固な体の一部が地上に激突し、巨大なクレーターを作ることとなった。
魔物辞典
"大竜巻"、"風竜":ハリ
東部の未開領域山岳地帯にて休眠状態であったが、当時個人的に周囲を調査していた最高魔導士エベレッドの膨大な魔力を感知し覚醒。緑の体色、発達した翼が特徴で、辺り一面に複数の大竜巻を作りながら空へ飛翔するも、大地へと叩きつけられバラバラになってしまう。屍の一部はエベレットが交渉し持ち帰る。
「いやあ、あれは凄かったの。肉片だらけじゃったもの」最高魔導士エベレッド
「ようやく大陸が荒れそうになってるけどどうするの?」
「知れた事、種火を守り大火にする。我々の位階を上げるには更なる大火、更なる争いが必要だ」
「そうとも。今のままでは殺し過ぎると目立つ。単なる人を殺すだけでは微々たる強化だが、戦争となれば塵も積もればだ。それに強者もいるだろう」
「ほっほっほ。お主等効率が悪いのう。儂の様に死霊術を使えれば魂も活用できるというのに、死んだ瞬間の魔力しか取り込めんとは」
「うるさいわね骸骨ジジイ。私は私のやり方で"8つ目"に到達するのよ」
「お喋りは終わりだ。騎士の国に入り焚きつける。行くぞ」
共通点があった。
皆、祈りの国の最優先抹殺対象であるという共通点が…。
◆
???
明かりも灯らぬ部屋に、数人の男女が円卓に座っていた。年頃は様々で、年老いた者もいれば、子供の様な見た目の者まで様々であった。
「騎士の国と魔法の国に何があったか、大体の事は分かって来た。6つ相当の魔法も効かん大蛇の化け物とやりあったせいらしい」
「それほんとに蛇か?神話にいた竜とかじゃ?」
「冗談はおよし。竜が本当に実在したなら儂等は生まれてもおらんよ」
「夢がねえ婆さんだ」
「話を戻すぞ。その蛇が何故か死んでいた事、これは気にはなるが我々には関係ない」
「え?そんな化け物が死んでたんですか?」
「そうだ。千切れた尻尾だけがあったそうだ。話を戻すぞ、次は誰も口を挟むな。これによって騎士の国が揺らいでいる。多くの戦死者と勇者の死亡、次いで軍大臣の処刑。軍大臣については何があったか分からんが…。ともかく王権が揺らいでいるのだ、付け入る隙がある」
「そんじゃやるのか?」
「やる。騎士の国がこれ以上勢力を伸ばすと、人間種の勢力が大きくなりすぎる。削がねば必ず魔の国に手を伸ばそうとするだろう。魔法の国を挟んでいるが、今回の一件で思ったより頼りにならないことが分かった。混乱している今しかない」
「国王を暗殺するんですか?無理なんじゃ?」
「心当たりが1人いる。ダークエルフの凄腕だ。連絡を取る」
「ほほう、お主が凄腕とまで言うか」
「ああ、魔の国から離れているが、場所は分かっている。上手くいくか分からんが、未熟者の妹がいるからそいつを利用する。そいつを頷かせた後に騎士の国に再び入る。異存は?…無い様だな。では解散」
角の生えた者から、目が三つある者など様々な者達が席を立っていくが、話を進めていた男は褐色の肌に銀の髪を持つ男であった。
◆◆
地下深く
「ふっふっふ。いい、いいぞ。大蛇とやらが暴れてくれたおかげで、我らが神も刺激された」
「はい竜司祭様」
「これで忌々しき神々と、地上を這う鱗無き者どもを抹殺して、我々が再び地上に舞い戻るのだ」
一見2足歩行している人型だが、良く見ると体には鱗がびっしりとあり尻尾もある。そして顔は、蜥蜴の様な、鰐の様な顔であった。…あるいは…
「もう少し…もう少しで目覚められる。我らが神、竜よ!」
司祭が見上げる先には、大きな大きな鱗の塊が少しずつ動いているように見えた。
◆
魔法の国 最高魔導士執務室
かなり広い執務室にも関わらず、部屋中に置かれた本や何か分からない魔道具も幾つかあるため、狭く感じる執務室に魔法の国における最高の地位、最高魔導士の肩書を持つ老魔法使いエベレッドが今回の大蛇騒動の被害と騎士の国に混乱が予想されるとの報告書を見ていた。
「頭が痛い」
「はい。これほどの被害に魔法が効かぬ生物がいるとは…それに連絡が」
「それもあるな…この騒動、儂に連絡無しじゃったのよなあ。耳に入ってたら他のやりようもあったんじゃがなあ。まあ、竜なんぞが出てこなかっただけマシかの」
「竜…ですか…?実在するのですか?」
目を瞑りながら椅子に深く座るエベレッドと、隣の秘書が会話をしていた。
「おるとも。神々もな。まあ、儂くらい歳を取っていたらそういう経験くらいある。見たり出くわしたり」
「なんとまあ、その時はどうされたのです?」
「うむ。こりゃいかんと逃げ出した。無理無理あんなの」
「エベレッド様でも…。ということはその竜は今も?」
「いや…」
老魔法使いは昔を思いだす。
あの天を思いのままに操った風の怪物が、更なる"怪物"に叩き落された光景を…。
「そういえばさきほど、他にも頭痛の種があるようなことを」
黙り込んだエベレッドに気を使って別の話題を出す秘書であったが、それもエベレッドが黙り込んでしまった原因が遠回りに絡んでいた。
「…うむ。こういう荒れた時代には色々噴出するんじゃよ…。機と見てな。不満やら野心やらが。今回の一件、そうならなければいいが…」
「なるほど」
(そうなると出て来るんじゃよなあ…あの男が…。昔の様にあの男が大陸中を駆け回るような事態になって欲しくないんじゃが…。儂の胃と地図職人のためにも。いらんことして出くわした奴は知らん。大人しくぶっ飛ばされるといい)
竜が叩き落された地点がどうなったかを思い出しながら、エベレッドは独り言ちる。
◆
「名前…名前…。男の子用と女の子用を2つずつ…。いやわかってからでいいか?」
今日も平和である。
◆
いつかのやらかし
空を飛んでいる竜を叩き落そうと両手を合わせて振り下ろすと、竜が爆散。そのまま空気の塊と飛び散った強固な体の一部が地上に激突し、巨大なクレーターを作ることとなった。
魔物辞典
"大竜巻"、"風竜":ハリ
東部の未開領域山岳地帯にて休眠状態であったが、当時個人的に周囲を調査していた最高魔導士エベレッドの膨大な魔力を感知し覚醒。緑の体色、発達した翼が特徴で、辺り一面に複数の大竜巻を作りながら空へ飛翔するも、大地へと叩きつけられバラバラになってしまう。屍の一部はエベレットが交渉し持ち帰る。
「いやあ、あれは凄かったの。肉片だらけじゃったもの」最高魔導士エベレッド
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
存在感のない聖女が姿を消した後 [完]
風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは
永く仕えた国を捨てた。
何故って?
それは新たに現れた聖女が
ヒロインだったから。
ディアターナは
いつの日からか新聖女と比べられ
人々の心が離れていった事を悟った。
もう私の役目は終わったわ…
神託を受けたディアターナは
手紙を残して消えた。
残された国は天災に見舞われ
てしまった。
しかし聖女は戻る事はなかった。
ディアターナは西帝国にて
初代聖女のコリーアンナに出会い
運命を切り開いて
自分自身の幸せをみつけるのだった。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
Sランクパーティを引退したおっさんは故郷でスローライフがしたい。~王都に残した仲間が事あるごとに呼び出してくる~
味のないお茶
ファンタジー
Sランクパーティのリーダーだったベルフォードは、冒険者歴二十年のベテランだった。
しかし、加齢による衰えを感じていた彼は後人に愛弟子のエリックを指名し一年間見守っていた。
彼のリーダー能力に安心したベルフォードは、冒険者家業の引退を決意する。
故郷に帰ってゆっくりと日々を過しながら、剣術道場を開いて結婚相手を探そう。
そう考えていたベルフォードだったが、周りは彼をほっておいてはくれなかった。
これはスローライフがしたい凄腕のおっさんと、彼を慕う人達が織り成す物語。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました!
【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】
皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました!
本当に、本当にありがとうございます!
皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。
市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です!
【作品紹介】
欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。
だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。
彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。
【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc.
その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。
欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。
気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる!
【書誌情報】
タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』
著者: よっしぃ
イラスト: 市丸きすけ 先生
出版社: アルファポリス
ご購入はこちらから:
Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/
楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞
第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過
復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞
ファミ通文庫大賞 一次選考通過
真祖竜に転生したけど、怠け者の世界最強種とか性に合わないんで、人間のふりして旅に出ます
難波一
ファンタジー
"『第18回ファンタジー小説大賞【奨励賞】受賞!』"
ブラック企業勤めのサラリーマン、橘隆也(たちばな・りゅうや)、28歳。
社畜生活に疲れ果て、ある日ついに階段から足を滑らせてあっさりゲームオーバー……
……と思いきや、目覚めたらなんと、伝説の存在・“真祖竜”として異世界に転生していた!?
ところがその竜社会、価値観がヤバすぎた。
「努力は未熟の証、夢は竜の尊厳を損なう」
「強者たるもの怠惰であれ」がスローガンの“七大怠惰戒律”を掲げる、まさかのぐうたら最強種族!
「何それ意味わかんない。強く生まれたからこそ、努力してもっと強くなるのが楽しいんじゃん。」
かくして、生まれながらにして世界最強クラスのポテンシャルを持つ幼竜・アルドラクスは、
竜社会の常識をぶっちぎりで踏み倒し、独学で魔法と技術を学び、人間の姿へと変身。
「世界を見たい。自分の力がどこまで通じるか、試してみたい——」
人間のふりをして旅に出た彼は、貴族の令嬢や竜の少女、巨大な犬といった仲間たちと出会い、
やがて“魔王”と呼ばれる世界級の脅威や、世界の秘密に巻き込まれていくことになる。
——これは、“怠惰が美徳”な最強種族に生まれてしまった元社畜が、
「自分らしく、全力で生きる」ことを選んだ物語。
世界を知り、仲間と出会い、規格外の強さで冒険と成長を繰り広げる、
最強幼竜の“成り上がり×異端×ほのぼの冒険ファンタジー”開幕!
※小説家になろう様にも掲載しています。
「魔道具の燃料でしかない」と言われた聖女が追い出されたので、結界は消えます
七辻ゆゆ
ファンタジー
聖女ミュゼの仕事は魔道具に力を注ぐだけだ。そうして国を覆う大結界が発動している。
「ルーチェは魔道具に力を注げる上、癒やしの力まで持っている、まさに聖女だ。燃料でしかない平民のおまえとは比べようもない」
そう言われて、ミュゼは城を追い出された。
しかし城から出たことのなかったミュゼが外の世界に恐怖した結果、自力で結界を張れるようになっていた。
そしてミュゼが力を注がなくなった大結界は力を失い……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる