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小大陸編
世界征服会議かな?
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海の国 会議室
「ユーゴ殿。よくぞいらしてくれた」
「これは国王陛下。身に余る光栄です」
「なんの。我々の恩人であり、海神の使徒である貴方なのだ」
海の国の会議室に、エルフ一行と入室したユーゴであったが、早速海の国の国王に挨拶をされていた。しかも、国王が直々に席を立ってまでであった。
その光景を海の国の大将軍は、今にも倒れそうな顔で見ていたが…。
「それで席の方だが、エルフの森の場所で構わんのですな?」
「ええ。あくまで出席しているだけですので」
もし海の国が気を効かせ過ぎて、とんでもない上座に座らされることを恐れたユーゴは、事前にドナートに連絡をして、エルフの森の一行と同じ席を用意して貰っていた。
実際先に手を打たねば、海の国の重鎮達を差し置いて上座に座るところであった。
「それでは皆様お揃いになった事ですので、船の国の国王、マルバン6世殿をお呼びしましょう」
会議に参加している主な者として、西海の覇者である海の国国王、祈りの国の事務方のトップにして、次期教皇とも目されている枢機卿ドナート、大陸北西部に位置するエルフの森の長老ビムが出席し、まさに大陸西部どころか、大陸全体に影響を与えかねないほどの集まりであった。
これが騎士の国の国王に伝われば、なぜ自分を呼ばないと叫ぶだろうが、騎士の国のライバルである魔法の国の方は、最高魔導士エベレッドが、参加者の一人を見て踵を返すだろう。
そして参加者の中に、エベレッドが踵を変える原因の男ユーゴと、エルフの老婆ドロテアが参加しており、ある意味で最も物騒な会議でもあった。
「船の国の国王、マルバン6世様とその御一行様が入室されます」
マルバン6世は白髪の長い老人であったが、彼に限らず、お付きの者も皆疲れ切った様な顔をしていた。
「ようこそお出で下さったマルバン6世殿。さあこちらへ」
そう言うと海の国国王は、自分の隣の席に案内した。
「かたじけない。しかし、情けない事に亡国の王です」
「何を御仰る。同じ海の男なのは見ればわかる。助け合うのは当然ですぞ」
「本当に…かたじけない」
今にも泣き出しそうなマルバン6世であったが、何とかこらえて席に着く。
「それでは会議を始めましょう」
会議が始まる。
「目下の問題は、船の国の方々の食料品です」
海の国の大臣が、今最も重要な件から切り出した。城の様な船の大船団だけあって、乗っている人数もかなりになる。
「それについてですが、船の上には畑や家畜もおり、今すぐ困窮する事はありません」
船の国の者が答える。
なんとこの船団は、畑や家畜を乗せており、ある程度の自給自足を成し遂げていた。
それに必要な真水も魔石で対処しており、備蓄もある。
「ですが、足りている訳ではありませんので、徐々に備蓄も目減りしていくかと…」
「そちらは、祈りの国である程度は賄えます」
「おお」
元々神の御膝元である祈りの国は、国内を魔物に荒らされる心配が無く、気象も安定していたので、不作とは無縁の国であった。
「しかし、それでも限界はあります」
「船の国の方々。現地の魔物はどの程度のものですかな?」
海の国の大将軍が質問する。国を追われた者達に言うのは酷なため、最初に言うのは避けていたが、いつまでも居座られる訳にもいかず、支援をするから出来れば小大陸を奪還して、帰ってもらいと言うのが本音であった。
「はい。多種多様で、動物から植物の様なもの、飛行する個体までいました。戦闘力自体は大した事はなく、普通の兵でも十分に戦える程でしたが数が多く、まるで濁流の様な群れで行動しているのです」
「お待ちを。その多種多様な魔物達が、群れて行動していると?」
「はい。我が小大陸でも昔はそのようなことはありませんでしたが、いつからか種に関係なく群れるようになったのです」
「ふーむ。数は分かりましたが、こちらと小大陸で、魔物の強さが違う可能性がありますからな…」
弱ければまだいい。しかし、もし大陸の魔物よりも小大陸の魔物の方が強ければ、奪還はほぼ不可能であろう。それだけの兵と補給をするならば、大陸総出になる様な事態であった。
「さて…。王太子殿下が筆頭戦力相当と言われておりまして、我が国には4人。小大陸全体では100人程がいました」
その言葉と共に立ち上がる若い金髪の男性。
彼はマルバン6世の孫にあたるが、父が魔物との戦闘で戦死し、唯一の王位継承者として戦場に立つことを禁じられて生き延びていた。
立ち上がった王太子を見て、ドナートが近くの後ろに座っているユーゴを見る。
(特級か勇者相当かと)
(やはり…)
流石にドナートも、勇者として現役を退いて久しいので、ユーゴに意見を求めたが、彼等の見立ては同じで、王太子を勇者か特級相当の実力者であると判断していた。
(そうなると、小大陸の戦力はそれほどこちらと変わりは…)
(はい。悪ガ、失礼。エドガーとカーク当たりの例外が居なければ、そう変わりはないかと)
進んでいる会議の傍らで意見を合わせる2人。
大陸側も100人よりは多いと言った程度で、そこまで大きな差がある訳でも無かった。
(いざとなったら私が行きます)
(え?い、いや、それはまた話し合いましょう)
会議は難民達をどうするかという問題が、最大の問題となっていた。
「ユーゴ殿。よくぞいらしてくれた」
「これは国王陛下。身に余る光栄です」
「なんの。我々の恩人であり、海神の使徒である貴方なのだ」
海の国の会議室に、エルフ一行と入室したユーゴであったが、早速海の国の国王に挨拶をされていた。しかも、国王が直々に席を立ってまでであった。
その光景を海の国の大将軍は、今にも倒れそうな顔で見ていたが…。
「それで席の方だが、エルフの森の場所で構わんのですな?」
「ええ。あくまで出席しているだけですので」
もし海の国が気を効かせ過ぎて、とんでもない上座に座らされることを恐れたユーゴは、事前にドナートに連絡をして、エルフの森の一行と同じ席を用意して貰っていた。
実際先に手を打たねば、海の国の重鎮達を差し置いて上座に座るところであった。
「それでは皆様お揃いになった事ですので、船の国の国王、マルバン6世殿をお呼びしましょう」
会議に参加している主な者として、西海の覇者である海の国国王、祈りの国の事務方のトップにして、次期教皇とも目されている枢機卿ドナート、大陸北西部に位置するエルフの森の長老ビムが出席し、まさに大陸西部どころか、大陸全体に影響を与えかねないほどの集まりであった。
これが騎士の国の国王に伝われば、なぜ自分を呼ばないと叫ぶだろうが、騎士の国のライバルである魔法の国の方は、最高魔導士エベレッドが、参加者の一人を見て踵を返すだろう。
そして参加者の中に、エベレッドが踵を変える原因の男ユーゴと、エルフの老婆ドロテアが参加しており、ある意味で最も物騒な会議でもあった。
「船の国の国王、マルバン6世様とその御一行様が入室されます」
マルバン6世は白髪の長い老人であったが、彼に限らず、お付きの者も皆疲れ切った様な顔をしていた。
「ようこそお出で下さったマルバン6世殿。さあこちらへ」
そう言うと海の国国王は、自分の隣の席に案内した。
「かたじけない。しかし、情けない事に亡国の王です」
「何を御仰る。同じ海の男なのは見ればわかる。助け合うのは当然ですぞ」
「本当に…かたじけない」
今にも泣き出しそうなマルバン6世であったが、何とかこらえて席に着く。
「それでは会議を始めましょう」
会議が始まる。
「目下の問題は、船の国の方々の食料品です」
海の国の大臣が、今最も重要な件から切り出した。城の様な船の大船団だけあって、乗っている人数もかなりになる。
「それについてですが、船の上には畑や家畜もおり、今すぐ困窮する事はありません」
船の国の者が答える。
なんとこの船団は、畑や家畜を乗せており、ある程度の自給自足を成し遂げていた。
それに必要な真水も魔石で対処しており、備蓄もある。
「ですが、足りている訳ではありませんので、徐々に備蓄も目減りしていくかと…」
「そちらは、祈りの国である程度は賄えます」
「おお」
元々神の御膝元である祈りの国は、国内を魔物に荒らされる心配が無く、気象も安定していたので、不作とは無縁の国であった。
「しかし、それでも限界はあります」
「船の国の方々。現地の魔物はどの程度のものですかな?」
海の国の大将軍が質問する。国を追われた者達に言うのは酷なため、最初に言うのは避けていたが、いつまでも居座られる訳にもいかず、支援をするから出来れば小大陸を奪還して、帰ってもらいと言うのが本音であった。
「はい。多種多様で、動物から植物の様なもの、飛行する個体までいました。戦闘力自体は大した事はなく、普通の兵でも十分に戦える程でしたが数が多く、まるで濁流の様な群れで行動しているのです」
「お待ちを。その多種多様な魔物達が、群れて行動していると?」
「はい。我が小大陸でも昔はそのようなことはありませんでしたが、いつからか種に関係なく群れるようになったのです」
「ふーむ。数は分かりましたが、こちらと小大陸で、魔物の強さが違う可能性がありますからな…」
弱ければまだいい。しかし、もし大陸の魔物よりも小大陸の魔物の方が強ければ、奪還はほぼ不可能であろう。それだけの兵と補給をするならば、大陸総出になる様な事態であった。
「さて…。王太子殿下が筆頭戦力相当と言われておりまして、我が国には4人。小大陸全体では100人程がいました」
その言葉と共に立ち上がる若い金髪の男性。
彼はマルバン6世の孫にあたるが、父が魔物との戦闘で戦死し、唯一の王位継承者として戦場に立つことを禁じられて生き延びていた。
立ち上がった王太子を見て、ドナートが近くの後ろに座っているユーゴを見る。
(特級か勇者相当かと)
(やはり…)
流石にドナートも、勇者として現役を退いて久しいので、ユーゴに意見を求めたが、彼等の見立ては同じで、王太子を勇者か特級相当の実力者であると判断していた。
(そうなると、小大陸の戦力はそれほどこちらと変わりは…)
(はい。悪ガ、失礼。エドガーとカーク当たりの例外が居なければ、そう変わりはないかと)
進んでいる会議の傍らで意見を合わせる2人。
大陸側も100人よりは多いと言った程度で、そこまで大きな差がある訳でも無かった。
(いざとなったら私が行きます)
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