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小大陸編
ソフィア
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海の国 白亜の船
「ここにソフィアが」
サンドラの娘、ソフィアを船から連れ出す事にした3人は、サンドラに案内されて船の一室の前に来ていた。
「ミリィ。娘をありがとうございます。ソフィア」
「ママ!」
サンドラが部屋に入ると、別のエルフの女性が、小さなエルフの少女と居り、その少女はサンドラの姿を見ると、駆け寄って抱き着いた。
「その娘がソフィアだね?」
「はい」
「おばあちゃんだ!」
ドロテアが続けて入ったが、その少女ソフィアはドロテアを見るなり、母と同じようにドロテアに抱き着いた。
「ソフィアこの人は」
「…ユギの姉だよ。そんなに似てないだろうに」
「おばあちゃんじゃないの?でも、おばあちゃんとそっくり。おねえちゃんだから?」
何処か困惑したようなドロテアの足に抱き着き、ソフィアは首を傾げながら見上げていた。
「ソフィア、よく聞いて。今からソフィアは、船を離れてドロテア様の住んでいる街へ向かうの」
「ママは?」
「ママは…。お仕事があるの。でもお仕事が終わったら、きっと迎えに行くから」
「え、でも。一緒じゃないの…?ふえ…」
母と離れ離れになるのだ。当然ソフィアは泣きだしそうになる。
「この婆もいるんだ。少し…おばあちゃんといよう」
「おばあちゃんほんと!?」
「ああ」
ドロテアはしゃがんでソフィアと目を合わせ、頭を撫でながら説得する。
幸い説得は成功しそうで、ソフィアは泣き止み嬉しそうにしている。
(予定には無かったけど、家に婆さんも泊めて、この子が慣れた頃にまたこっちに来させた方がいいな)
ユーゴは、ソフィアに最初は寂しい思いをさせるのは仕方ないと思ってたが、ドロテアの様子を見る限り、2人とも自分の家に泊めて、ソフィアが慣れた頃に、ドロテアがまたここに来ればいいと判断していた。
「ちょっとした旅行と思えばいい」
「おばあちゃんとりょこういってくるねママ!」
「娘をどうかよろしくお願いします」
ソフィアも納得したようで、むしろ嬉しそうにドロテアの手を握って母に報告する。
「ふん。何か来たね」
「そのようで」
「お二人とも?」
「おばあちゃん?」
さあ転移で出発しようとしていた時に、ドロテアとユーゴが突如海の方向を見て会話し、それをサンドラとソフィアの親子は、不思議そうに問いかける。
「招かれざる客というやつさ。坊や頼めるかい?」
「お任せあれ」
ウウウウウウウウ!!!!
「警報!?。ソフィア、ドロテア様と一緒にいるのよ!」
「マ、ママ…。おばあちゃん…」
突然船全体に耳障りな音が鳴り響き、サンドラは慌てて部屋を飛び出し、ソフィアは怯えたようにドロテアの手を強く握っていた。
「そんじゃ行ってくる」
「はいよ。安心しな、このおじさんが全部片付けるから」
「もうおじさんって言われても、否定できない歳になったなあ…」
サンドラに続いて、ユーゴも自分の歳にぼやきながら部屋を出て行く。
「お、おばあちゃん。あのおじちゃんだいじょうぶなの?」
「はん?フェッフェッ。あの坊やをどうにか出来る奴がいるなら、是非お目にかかりたいもんだね。嫁と子供は除くがね。フェッフェッフェッフェッ」
「やっぱりおばあちゃんだ!」
ドロテアは、ユーゴの心配という予想外な言葉に思わず笑ってしまったが、その笑い方はソフィアの大好きだった、おばあちゃんのものと全く同じであった。
◆
ウウウウウ!!!
「空からだ!あいつら追って来たんだ!」 「魔法使いは甲板に上がれ!」 「敵襲!敵襲!飛行型の魔物だ!」
「全く…。遥々海を越えてやって来たんかいな」
ユーゴは、めんどくさそうに髪を掻きながら甲板に上がると、海の向こうに視線を向ける。
まだほんの粒のようにしか見えないが、その粒は左右に大きく広がりながら港へと向かっていた。
「確かに数は多い…。というかキメラっていたんだ」
ユーゴが常人を遥かに超えた視力でその粒を見ると、粒一つ一つが数百を超える鳥型の魔物の集団であったのだが、頭部は獅子であった。
「港も騒がしくなってるし、早く終わらせよう」
港の海の国の兵士も異変に気がついたようで、気配が慌ただしく動いていた。
「せいや」
ほんの少しだけ体に力を入れて世界の法則の外に立つと、拳を粒の一つ一つに叩きつけた。…甲板に居ながら。
距離というルールを無視して放たれたその破壊の拳は、粒を構成している魔物達の中心辺りに着弾し、その圧倒的な暴力が引き起こした、魔風に巻き込まれた小鳥達を百に千に切り裂いていく。
「一旦家に帰って説明したら、すぐに戻ってこないといけないな」
これが最初で最後の襲撃とは限らないのだ。
ユーゴは、ドロテアとソフィアの事を家族に説明したら、すぐにここに戻って備える必要を感じていた。
「また出張だよ…。皆ごめん。コレット、クリス。パパも寂しいよ」
この襲撃で、小大陸へ原因を探しに行くのは確定したようなものだ。守るだけでは埒が明かず、根を絶たねばならない。
ユーゴは、前の海の国での騒動を遥かに超えそうな、今回の騒動を前に絶望していた。
「ここにソフィアが」
サンドラの娘、ソフィアを船から連れ出す事にした3人は、サンドラに案内されて船の一室の前に来ていた。
「ミリィ。娘をありがとうございます。ソフィア」
「ママ!」
サンドラが部屋に入ると、別のエルフの女性が、小さなエルフの少女と居り、その少女はサンドラの姿を見ると、駆け寄って抱き着いた。
「その娘がソフィアだね?」
「はい」
「おばあちゃんだ!」
ドロテアが続けて入ったが、その少女ソフィアはドロテアを見るなり、母と同じようにドロテアに抱き着いた。
「ソフィアこの人は」
「…ユギの姉だよ。そんなに似てないだろうに」
「おばあちゃんじゃないの?でも、おばあちゃんとそっくり。おねえちゃんだから?」
何処か困惑したようなドロテアの足に抱き着き、ソフィアは首を傾げながら見上げていた。
「ソフィア、よく聞いて。今からソフィアは、船を離れてドロテア様の住んでいる街へ向かうの」
「ママは?」
「ママは…。お仕事があるの。でもお仕事が終わったら、きっと迎えに行くから」
「え、でも。一緒じゃないの…?ふえ…」
母と離れ離れになるのだ。当然ソフィアは泣きだしそうになる。
「この婆もいるんだ。少し…おばあちゃんといよう」
「おばあちゃんほんと!?」
「ああ」
ドロテアはしゃがんでソフィアと目を合わせ、頭を撫でながら説得する。
幸い説得は成功しそうで、ソフィアは泣き止み嬉しそうにしている。
(予定には無かったけど、家に婆さんも泊めて、この子が慣れた頃にまたこっちに来させた方がいいな)
ユーゴは、ソフィアに最初は寂しい思いをさせるのは仕方ないと思ってたが、ドロテアの様子を見る限り、2人とも自分の家に泊めて、ソフィアが慣れた頃に、ドロテアがまたここに来ればいいと判断していた。
「ちょっとした旅行と思えばいい」
「おばあちゃんとりょこういってくるねママ!」
「娘をどうかよろしくお願いします」
ソフィアも納得したようで、むしろ嬉しそうにドロテアの手を握って母に報告する。
「ふん。何か来たね」
「そのようで」
「お二人とも?」
「おばあちゃん?」
さあ転移で出発しようとしていた時に、ドロテアとユーゴが突如海の方向を見て会話し、それをサンドラとソフィアの親子は、不思議そうに問いかける。
「招かれざる客というやつさ。坊や頼めるかい?」
「お任せあれ」
ウウウウウウウウ!!!!
「警報!?。ソフィア、ドロテア様と一緒にいるのよ!」
「マ、ママ…。おばあちゃん…」
突然船全体に耳障りな音が鳴り響き、サンドラは慌てて部屋を飛び出し、ソフィアは怯えたようにドロテアの手を強く握っていた。
「そんじゃ行ってくる」
「はいよ。安心しな、このおじさんが全部片付けるから」
「もうおじさんって言われても、否定できない歳になったなあ…」
サンドラに続いて、ユーゴも自分の歳にぼやきながら部屋を出て行く。
「お、おばあちゃん。あのおじちゃんだいじょうぶなの?」
「はん?フェッフェッ。あの坊やをどうにか出来る奴がいるなら、是非お目にかかりたいもんだね。嫁と子供は除くがね。フェッフェッフェッフェッ」
「やっぱりおばあちゃんだ!」
ドロテアは、ユーゴの心配という予想外な言葉に思わず笑ってしまったが、その笑い方はソフィアの大好きだった、おばあちゃんのものと全く同じであった。
◆
ウウウウウ!!!
「空からだ!あいつら追って来たんだ!」 「魔法使いは甲板に上がれ!」 「敵襲!敵襲!飛行型の魔物だ!」
「全く…。遥々海を越えてやって来たんかいな」
ユーゴは、めんどくさそうに髪を掻きながら甲板に上がると、海の向こうに視線を向ける。
まだほんの粒のようにしか見えないが、その粒は左右に大きく広がりながら港へと向かっていた。
「確かに数は多い…。というかキメラっていたんだ」
ユーゴが常人を遥かに超えた視力でその粒を見ると、粒一つ一つが数百を超える鳥型の魔物の集団であったのだが、頭部は獅子であった。
「港も騒がしくなってるし、早く終わらせよう」
港の海の国の兵士も異変に気がついたようで、気配が慌ただしく動いていた。
「せいや」
ほんの少しだけ体に力を入れて世界の法則の外に立つと、拳を粒の一つ一つに叩きつけた。…甲板に居ながら。
距離というルールを無視して放たれたその破壊の拳は、粒を構成している魔物達の中心辺りに着弾し、その圧倒的な暴力が引き起こした、魔風に巻き込まれた小鳥達を百に千に切り裂いていく。
「一旦家に帰って説明したら、すぐに戻ってこないといけないな」
これが最初で最後の襲撃とは限らないのだ。
ユーゴは、ドロテアとソフィアの事を家族に説明したら、すぐにここに戻って備える必要を感じていた。
「また出張だよ…。皆ごめん。コレット、クリス。パパも寂しいよ」
この襲撃で、小大陸へ原因を探しに行くのは確定したようなものだ。守るだけでは埒が明かず、根を絶たねばならない。
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