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招集

1話

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 「はぁ~眠たい」

 頭を掻きながら、ベットから立ち上がりリビングにあるイスに座る。今日は日直。いつもより早く学校に行って教室の鍵やら花の水やりなどをしなければならない。めんどくさい。正直、教室の鍵ぐらい一番早く学校についた人が開ければいいじゃないか。俺みたいに夜遅くまでゲームしている人にとっては大変だ。「ならなんで早く寝ないんだ?」そう突っ込む人がいるだろうが今は突っ込まないでくれ。メンタルがズタボロになる。

 「早くご飯食べなさい!」

 お母さんがめっちゃ怒鳴っている。朝からよくそんな声が出るな。仕方なく俺はパンとお母さんが作った卵焼きを食べる。量が少ないためすぐ食べ終わる。制服に着替えて歯磨きをする。

 「見て、この服昨日お母さんに買ってもらったの」
 「めっちゃ可愛い」

 この声は女の子。どこだっ?どこに小学生が?歯磨きを高速で終わらせ少女を探す......居た。洗面台にある窓から少女を発見する。くそ。今日が日直じゃなければもっと可愛い笑顔が見れたのに......小学生の帰る時間はだいたい16時。教室の鍵を閉めた後にダッシュで帰ってこればぎり間に合う。いや、先生や友達を教室から早く追い出せば普通に間に合う。よし俺のプランは完璧だ。「はっはっは!」思わず笑みがこぼれるとはこのことですね。俺は小学生を見ながら自分の支度をしていると、ドンドンドン。お母さんが洗面台の方に近づいてくる。やばい、今何時だ?俺は自分のスマホを見て今の時間を確認する。7時20分。やばいやばいやばい遅れる遅れる。これ絶対怒られるやつだ俺は急いで寝ぐせを直してネクタイをつけているときに、ガラガラガラとドアが開かれる。

 「早く学校に行きなさい。遅れるよ」
 「はい。今すぐ行きます」

 急いでネクタイをつけてカバンを持ち玄関へ行き靴を履く。

 「いってきます」
 「いってらっしゃい」

 そんな短いやり取りを終え学校へ向かう。
 学校には自転車で行く。家から学校までの距離は3kmないぐらいだ。近くもなく遠くもない。だが俺の家は山のふもとにあるため行きは、下り坂があって比較的平坦な道が多いため楽だが、帰りは上り坂なため大変だ。今日はいつもより早く帰って小学生たちの帰りを待つため体力を残しておかなければ。俺は近くにあるコンビニへ行く。店内に入り、飲み物と今日は弁当がないのでサンドイッチを買う。買ったものを自転車のかごに入れて学校へ向かう。


     *


 学校に着く前に俺が通っている学校、神代高校を紹介したいと思う。神代高校は私立の学校で、今年で創立150年を迎える伝統ある高校だ。一見どこにでもありそうな高校だが、俺がこの高校を選んだ理由は制服にある。そう!この学校は......ミニスカートである!
 ミニスカは肌が多く露出するためエロい。女子高生の太ももやふくらはぎを堪能できるとても良い高校である。しかも黒タイツが許されている。冬など寒い季節はタイツを履く人が非常に多い。そのため黒タイツが好きな(俺含め)キモオタ軍団が女子の席の近くになったら、教科書を見るふりして女子を見ていたりする。そうこの学校は女とキモオタとイケメンとフツメンが集まる普通の学校だ。
 そうこうしているうちに学校に着き、自転車を駐輪場に止める。野球部が朝からめっちゃ走っている。体育館の方からもボールの音だったり、掛け声が聞こえる。俺はつくづく思う。
                
                     帰宅部最高ー!

 朝練ないし午後練もない。日直の時以外は早起きしなくていいし、早く家に帰ってゲームやり放題。俺は本当に思う。

                     帰宅部最高ー!
 
 俺は下駄箱に着きスリッパに履き替え、職員室に向かう。職員室までは少し距離がある。教室がたくさんあり、学生たちが主に授業を受ける学生棟、職員室や事務室などがある職員棟、のふたつに分かれている。俺のクラスは学生棟2階の端っこにあるため少し遠い。俺は前を歩いている男についていき職員室に行く。

 途中、吹奏楽部の楽器の音がうるさかったが職員室に着いた。前の男が職員室に入り10秒もしないで出てくる。俺はその男とすれ違った時にその男のカバンにぶら下がったメメちゃんのアクリルキーホルダーが目についた。お前もメメちゃん(アニメのキャラクター)推しかーーーーーー!!友よ!俺は心の中で男と腕を組む。メメちゃん推しは少ないため本当にうれしい!話しかけてメメちゃんを語り合いたいが、俺にはそんな度胸がないため話しかけれず、男は鍵を持って去っていく。また会えたらその時に勇気を振り絞って話しかけてみよう。じゃあな心の友よ...いつか会うその時まで......職員室に入り鍵をとって教室に向かった。


 
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