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第1章
七話
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薄暗い廊下や階段をどれだけ歩かされただろうか。目の前には重厚な扉があった。
「先程もご説明しましたが、今から三郎さんにはこの中に入って、魔石を取ってきて頂きます」
扉の前まで来ると、受付嬢は振り返ってそう言った。
「ふむ、確か札の材料にするのだったな?」
「はい。正確に言えば冒険者カードを管理する人工精霊を作製する為に、魔石に蓄積された一定量のマナが必要なのです。
各々の冒険者カードには、管理する人工精霊に応じたスキルが一つだけ付加されます。
当然、マナが多ければ強力な人工精霊となり、付加されるスキルも強力なものになります。
一応、奥の方に行く程、魔石に蓄積されているマナが多いとされています。
ただ、奥には侵入者を排除するガーディアンが配置されていますので、手に入れるには相当の苦労をしてもらう事になります」
「ほう」
「まあ、中にある魔石はどれも最低限のマナは蓄積されている筈ですので、あまり無理しないようにしてください」
「うむ、心遣い感謝致す」
微笑みを浮かべて説明です受付嬢に、三郎は頭を下げる。
「では、こちらを」
受付嬢からストラップのついたカードを手渡される。
「これは仮の冒険者カードです。一応、レベルは5に設定されています」
「ふむふむ」
「仮の物ですが、勿論レベルに応じた補正もかかっているのでご注意下さい」
「補正?」
「はい。冒険者の方々にはミッションを滞りなく進めて頂く為に、レベルに応じてステータスの補正をさせていただいています。
レベルが一つ上がる毎に、10%ずつ能力も上がります。
このカードの設定はレベル5ですので、ステータスが50%上昇します」
「身に付けるだけで強くなると言うことか?」
「そのように理解して頂いて結構です」
三郎は少し渋い顔をして、受け取った冒険者カードを懐に入れる。
すると、何か得体の知れないモノに包まれたような気がして、思わず身震いした。
「では、お気をつけていってらっしゃい」
受付嬢が壁にある石板に手を翳すと、扉が音もなく滑らかに開いていった。
三郎が潜ると、扉はまた音もなく閉じていく。
「さて、石を探すのじゃったな」
三郎がそう呟いた時、それまで懐の中でおとなしくしていたシローが地面に飛び降りた。
「わんわん!」
手近な壁の近くまで行くと、穴を堀始めた。
みるみる内に穴が深くなっていく。
「わん!」
一度吠えると、シローは何かをくわえて持ってきた。
三郎が受け取ると、それは掌に収まる程の大きさをした石だった。
「おぉ、拙者の為に見付けてくれたのか。ありがとうよ」
頭を撫でると、シローは甘えたような声を出した。
「さて、では戻るか」
「わん!」
「先程もご説明しましたが、今から三郎さんにはこの中に入って、魔石を取ってきて頂きます」
扉の前まで来ると、受付嬢は振り返ってそう言った。
「ふむ、確か札の材料にするのだったな?」
「はい。正確に言えば冒険者カードを管理する人工精霊を作製する為に、魔石に蓄積された一定量のマナが必要なのです。
各々の冒険者カードには、管理する人工精霊に応じたスキルが一つだけ付加されます。
当然、マナが多ければ強力な人工精霊となり、付加されるスキルも強力なものになります。
一応、奥の方に行く程、魔石に蓄積されているマナが多いとされています。
ただ、奥には侵入者を排除するガーディアンが配置されていますので、手に入れるには相当の苦労をしてもらう事になります」
「ほう」
「まあ、中にある魔石はどれも最低限のマナは蓄積されている筈ですので、あまり無理しないようにしてください」
「うむ、心遣い感謝致す」
微笑みを浮かべて説明です受付嬢に、三郎は頭を下げる。
「では、こちらを」
受付嬢からストラップのついたカードを手渡される。
「これは仮の冒険者カードです。一応、レベルは5に設定されています」
「ふむふむ」
「仮の物ですが、勿論レベルに応じた補正もかかっているのでご注意下さい」
「補正?」
「はい。冒険者の方々にはミッションを滞りなく進めて頂く為に、レベルに応じてステータスの補正をさせていただいています。
レベルが一つ上がる毎に、10%ずつ能力も上がります。
このカードの設定はレベル5ですので、ステータスが50%上昇します」
「身に付けるだけで強くなると言うことか?」
「そのように理解して頂いて結構です」
三郎は少し渋い顔をして、受け取った冒険者カードを懐に入れる。
すると、何か得体の知れないモノに包まれたような気がして、思わず身震いした。
「では、お気をつけていってらっしゃい」
受付嬢が壁にある石板に手を翳すと、扉が音もなく滑らかに開いていった。
三郎が潜ると、扉はまた音もなく閉じていく。
「さて、石を探すのじゃったな」
三郎がそう呟いた時、それまで懐の中でおとなしくしていたシローが地面に飛び降りた。
「わんわん!」
手近な壁の近くまで行くと、穴を堀始めた。
みるみる内に穴が深くなっていく。
「わん!」
一度吠えると、シローは何かをくわえて持ってきた。
三郎が受け取ると、それは掌に収まる程の大きさをした石だった。
「おぉ、拙者の為に見付けてくれたのか。ありがとうよ」
頭を撫でると、シローは甘えたような声を出した。
「さて、では戻るか」
「わん!」
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