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一章 変身
6話
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「C級のクエストって思ったより少ないんですね」
「えぇ、この辺りはあまり強い魔物がいませんので、難易度的にもD級の方々で間に合うことが多いので………」
俺がファイルをめくりながら尋ねると、受付嬢は気まずそうな顔でそう答えてくれた。
そういえば、ここに来るまでの道のりでも結局一匹も魔物が出てこなかったな。
「ただ、最近………」
「ちょっとどういう事!?」
受付嬢が話の続きを口にしようとした時に、発注窓口から女性の怒鳴り声が聞こえてきた。
「マッドゴーレムのコアなんて、せいぜいD級でしょ!?それがなんでC級になるのよ!!」
どうやら声の主は自分が発注しようと思っていた依頼のランクが想定より高かった事に憤慨しているようだ。
各窓口は衝立で仕切られていて姿は見れないが、かなり必死になって職員に食い下がっているようだ。
まぁ、ランクが一つ違えば予算は当然跳ね上がるので、気持ちは分かる。
「マッドゴーレムってそんなに厄介なんですか?」
「いえ、そうではないんです」
受付嬢は苦笑を漏らしながらそう答える。
「実はマッドゴーレム自体はそんなに強くはないのですが、棲息しているダンジョンへ行く途中にアルケニーとその眷属が巣食ってしまいまして」
「なるほど、そのアルケニーが厄介なんですね」
「ええ、今回は眷属の数も相当多いという報告が上がってますので、騎士団とも合同の討伐を協議しているところなのです」
「そうなんですねぇ」
手元のファイルを見ると、確かにゴーレムコアの収集がある。
受付嬢に聞くとアルケニーの掃討はBランクのクエストらしいが、ダンジョンに行く途中で散発的に出てくる眷属程度ならC級でも対応可能という判断みたいだ。
それでもアルケニー自体が襲ってくるリスクもあり、この町を拠点とする数少ないC級冒険者達は、このクエストに消極的なんだそうだ。
しかも、ゴーレムの討伐も武器の消耗が激しい上に実入りが良くないらしいので、余計に人気がないみたいだ。
「どうしようかな」
俺は時折聞こえてくる「納期がぁ」とか「予算がぁ」という声を聞きながら、しばし悩むのだった。
「えぇ、この辺りはあまり強い魔物がいませんので、難易度的にもD級の方々で間に合うことが多いので………」
俺がファイルをめくりながら尋ねると、受付嬢は気まずそうな顔でそう答えてくれた。
そういえば、ここに来るまでの道のりでも結局一匹も魔物が出てこなかったな。
「ただ、最近………」
「ちょっとどういう事!?」
受付嬢が話の続きを口にしようとした時に、発注窓口から女性の怒鳴り声が聞こえてきた。
「マッドゴーレムのコアなんて、せいぜいD級でしょ!?それがなんでC級になるのよ!!」
どうやら声の主は自分が発注しようと思っていた依頼のランクが想定より高かった事に憤慨しているようだ。
各窓口は衝立で仕切られていて姿は見れないが、かなり必死になって職員に食い下がっているようだ。
まぁ、ランクが一つ違えば予算は当然跳ね上がるので、気持ちは分かる。
「マッドゴーレムってそんなに厄介なんですか?」
「いえ、そうではないんです」
受付嬢は苦笑を漏らしながらそう答える。
「実はマッドゴーレム自体はそんなに強くはないのですが、棲息しているダンジョンへ行く途中にアルケニーとその眷属が巣食ってしまいまして」
「なるほど、そのアルケニーが厄介なんですね」
「ええ、今回は眷属の数も相当多いという報告が上がってますので、騎士団とも合同の討伐を協議しているところなのです」
「そうなんですねぇ」
手元のファイルを見ると、確かにゴーレムコアの収集がある。
受付嬢に聞くとアルケニーの掃討はBランクのクエストらしいが、ダンジョンに行く途中で散発的に出てくる眷属程度ならC級でも対応可能という判断みたいだ。
それでもアルケニー自体が襲ってくるリスクもあり、この町を拠点とする数少ないC級冒険者達は、このクエストに消極的なんだそうだ。
しかも、ゴーレムの討伐も武器の消耗が激しい上に実入りが良くないらしいので、余計に人気がないみたいだ。
「どうしようかな」
俺は時折聞こえてくる「納期がぁ」とか「予算がぁ」という声を聞きながら、しばし悩むのだった。
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