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一章 変身
8話
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「私、リコラって言います。E級の錬金術師です。よろしくおねがいします………グスッ」
力強く俺を引っ張ってギルドから連れ出したリコラと名乗る女性は、涙目になりながら自己紹介している。
あれからマリーさんという受付嬢が走ってきて、リコラの頭を叩いてその凶行を止めたのだった。
力ずくで振り払うのも躊躇われたし、本当に助かった。
因みにマリーさんとはさっき俺を担当していた受付嬢だ。
「リコラさん、手続きはちゃんとしなきゃダメですよ。それに他の人が受付している時に後ろから覗き込むのはマナー違反ですよ」
「ごめんなさい」
「それに今日はもう遅いから、出発は明日になさい。焦っても良いこと無いわよ」
「はぁい、わかりました」
おかしなことに、ゴーレムコア採取のクエストを受注するというのは既に決定事項のようだ。
マリーさんに促されて一度受注窓口に戻り、臨時パーティーとして登録し、クエストを正式に受注した。
そこまでの流れが鮮やかすぎて、俺が拒否する隙は無かった。
「じゃあ、明日の7時に西門で待ってます」
「わかりました。明日はよろしくお願いします」
「はい、ではこれで」
一連のドタバタを終えたと思い、俺はひっそりため息を吐いた。
女性にグイグイ来られて、ガラにもなく緊張していたようだ。
「ユースケ様、こちら宿舎の鍵になります」
「あ、ありがとうございます」
そう言えば、泊まる部屋をお願いしてあったな。
バタバタして忘れていた。
料金は千ゼニダ。基本的に素泊まりのようだが、かなり安いな。
明日は一応日帰りのつもりなので、取り敢えず一週間部屋を押さえておいて貰う。
鍵を貰って部屋に入る。
中は3畳程の広さで、そこに木で出来た寝台があるだけ。
そこに持参のマントか毛布を敷くか、寝袋で寝るそうだ。
ザ、シンプル。
風呂やトイレは勿論無い。
トイレは共同、風呂は一応敷地内に井戸があるので、そこで水浴びをするみたいだ。
安さにはやはり相応の理由があるんだな。
「そう言えば毛布が無いな。夕飯までに時間はあるし、散策がてら買い物にでも行こうかな」
俺は荷物を置くと、宿舎を出て商店街に向かうのだった。
力強く俺を引っ張ってギルドから連れ出したリコラと名乗る女性は、涙目になりながら自己紹介している。
あれからマリーさんという受付嬢が走ってきて、リコラの頭を叩いてその凶行を止めたのだった。
力ずくで振り払うのも躊躇われたし、本当に助かった。
因みにマリーさんとはさっき俺を担当していた受付嬢だ。
「リコラさん、手続きはちゃんとしなきゃダメですよ。それに他の人が受付している時に後ろから覗き込むのはマナー違反ですよ」
「ごめんなさい」
「それに今日はもう遅いから、出発は明日になさい。焦っても良いこと無いわよ」
「はぁい、わかりました」
おかしなことに、ゴーレムコア採取のクエストを受注するというのは既に決定事項のようだ。
マリーさんに促されて一度受注窓口に戻り、臨時パーティーとして登録し、クエストを正式に受注した。
そこまでの流れが鮮やかすぎて、俺が拒否する隙は無かった。
「じゃあ、明日の7時に西門で待ってます」
「わかりました。明日はよろしくお願いします」
「はい、ではこれで」
一連のドタバタを終えたと思い、俺はひっそりため息を吐いた。
女性にグイグイ来られて、ガラにもなく緊張していたようだ。
「ユースケ様、こちら宿舎の鍵になります」
「あ、ありがとうございます」
そう言えば、泊まる部屋をお願いしてあったな。
バタバタして忘れていた。
料金は千ゼニダ。基本的に素泊まりのようだが、かなり安いな。
明日は一応日帰りのつもりなので、取り敢えず一週間部屋を押さえておいて貰う。
鍵を貰って部屋に入る。
中は3畳程の広さで、そこに木で出来た寝台があるだけ。
そこに持参のマントか毛布を敷くか、寝袋で寝るそうだ。
ザ、シンプル。
風呂やトイレは勿論無い。
トイレは共同、風呂は一応敷地内に井戸があるので、そこで水浴びをするみたいだ。
安さにはやはり相応の理由があるんだな。
「そう言えば毛布が無いな。夕飯までに時間はあるし、散策がてら買い物にでも行こうかな」
俺は荷物を置くと、宿舎を出て商店街に向かうのだった。
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