県立冒険者高等学校のテイマーくん

丸八

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二章 相棒です

十二話

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「なんかめっちゃ強かったですよ」


 部室で延々とゲート処理するためにヤスリがけしながら、実習であった事を話す。


「ブラックハウンドかな?たまに一階層でも見かけるよね」
「なんか先生もそんなこと言ってましたね。知ってるんですか?」
「ああ、本当は三階層に出るエネミーだよ。けっこう頭が良くってな、いやらしい戦いかたをするんだよ」
「へえ、オレも見てみたいな」


 いつも通り各々の作業をしながらの雑談だ。どうやら例のエネミーはブラックハウンドっていうワイルドドッグの上位種だったみたいだ。

 川上先輩と金屋先輩に対処方法なんかを聞いておく。

 これからもあのダンジョンを実習で使うから、知っておいて損はないだろう。



「そういえば、エネミーはテイム出来たのかい?」


 川上先輩が話題を変える。細かい作業で目が疲れたんだろう、眼鏡を外して目薬を差している。


「ダメでした。」
「そうか、残念だったね」


 俺は肩を竦めて答えると、川上先輩は慰めてくれた。


「でも、まだ初日でしょ?これからだよ」
「そうだな。エネミーなんて懐かなくて当たり前なんだからな」
「アハハ。本当そうですよね」


 金屋先輩が聞きようによってはテイマーってジョブを真っ向から否定するようなことを言うから、思わず笑ってしまった。

 笑われると思ってなかった金屋先輩は、なんかちょっと慌ててるのがまたおかしい。


「なあなあ。いっそ、ブラックハウンドをテイムしたらどう?」
「え?」


 急に吉根がとんでもない事を言い始めた。

 確かに一階層だと抜群に強いけど、どうなんだろ?


「お、良いかもしれんな、それ」
「でしょ?名案っスよね!」


 金屋先輩も吉根と一緒に盛り上がってるな。

 でも、いくらスキルだからってあんな狂犬みたいなのを従える事なんて出来るのかな?

 ただ、不利だと分かって撤退したように、状況判断も出来てたし頭も良さそうだな。

 他のエネミーは突っ込んでくるだけだったから、ちゃんと俺の言うことを聞くのか不安かも。


「候補としては考えておきます」
「お、やった!」
「テイム出来たらここにも連れてきてくれよ!」
「あ!」


 金屋先輩に言われて気付いたけど、エネミーをテイムしたらどうしたら良いんだ?

 寮で飼っても良いのかな?授業中は?

 餌とかもどうしたら良いのか分からないな。


「そういえば、テイムしたエネミーってどうすれば良いんですかね?」
「は?」


 金屋先輩は何も考えてなかったんだろう。ポカンとした顔をしている。

 そこに助け船を出してくれたのは川上先輩だ。


「ボクも分からないけど、白沢先生は小幡君がテイマーになったことは分かってるんだから、相談すればなんとかしてくれると思うよ」
「あ、それもそうですね」


 さすが川上先輩は頼りになるな。結局、具体的な事は解決出来てないけど、行動の方向性は分かったぞ。

 テイムが成功したら白沢先生に相談してみよう。

 さすがに雑談しすぎて集中力が切れてきたので、今日のヤスリがけは切り上げることにした。
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