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三章 平和って良いですね
三十七話
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先ずはツクモの強化だ。
あまり悠長なことは出来ないけど、今は前衛二人がブラックハウンドと睨み合ってる状態だ。多少の時間的な余裕はある。と、信じたい。
悩んでる暇は無いな。今は火力が欲しい。レベルアップで得たSP6を【育成】で魔力に全部突っ込む。
レベルアップ時に4増えていたから、これで魔力は20になった。
「ちぅ!」
「新しい魔法が使えるようになったのか?」
「ちぅ!」
「よし、じゃあワイルドドッグにぶちかましてくれ。吉根達には当てないで」
「ちぅ!」
ステータスが上がった事で、新しい魔法が使えるようになったみたいだ。
すぐさま使うように指示をする。狙いはワイルドドッグ。先ずは数を減らしたい。
俺の声が聞こえていた前衛二人はちょっと位置をずらし、射線を開けてくれた。なかなか連携が取れてきているな。
「ちぅ!」
ツクモが両手で杖を持ち、一声鳴くと【送風】とは比べ物にならない勢いで、風が吹き荒れた。
まだ出していた【能力閲覧】の風魔法の欄に意識をやると、【突風】が追加されていた。MPは10も消費されるようだが、MPは140まで上がっている。それなりに連発は出来るな。
「ぎゃん」
近くに纏まっていた三体のワイルドドッグを纏めて吹き飛ばす。致命傷には至っていないが、かなりのダメージを与えれたようだ。
「ツクモっち、サンキュっス!」
「行くぞ!」
動揺するエネミーの隙を見逃す前衛二人じゃなかった。
ダメージで足元がふらつくワイルドドッグに駆け寄り、止めを刺していく。
「ヴォン!」
固まっていてはマズイと判断したのか、エネミー達は散開した。お互いの距離は【突風】の効果範囲をしっかり理解している距離だ。さすが犬だけあって賢いな。
しかし、それは犬系エネミーの強みである互いの連携を弱めてしまっている。
また、散開すると言ってもここは樹木が密集した森林だ。包囲を広げるにしても限界がある。
まあ、木を盾にされたらツクモの魔法も遮られてしまうんだけどね。
「ツクモは泉ヶ丘さんと天子田さんのカバーに入って」
「ちぅ」
今、満足に動けていないのは泉ヶ丘さんだ。天子田さんに担いで逃げてもらうにしても、そこを狙われたらマズイ。
ツクモは天子田さんの頭の上に移動して、近寄ってくるエネミーに杖を向けて牽制する。
吉根と市場君もそれを察して位置取りを少し変える。
俺を含めて三人で天子田さん達を護るような配置を取った。
「ヴォン!」
「ガウッ」
「来るっス」
ブラックハウンドが俺達にそれぞれ襲いかかってきた。
それを吉根は盾で弾き、市場君は戦斧を振り回して牽制、俺は棒でなんとか防ぐ。その隙を縫ってワイルドドッグ三頭がそれぞれ別の方向から、天子田さん達の方に向かう。
「きゃっ!?」
「ちぅ!」
だけど、そんな動きもツクモは見逃さない。【突風】で一匹ずつ迎撃していく。
「ミキ、しっかりしろ!」
「あ、うんゴメン」
自分の足元に飛ばされたワイルドドッグを蹴りつけて止めを刺すと、市場君は泉ヶ丘さんに一喝する。
その声に、動けなくなっていた泉ヶ丘さんも正気を取り戻す。
「ひゅー、流石っスね」
「うるさい、茶化すな」
市場君が吉根相手にツンデレぶりを発揮しているな。だけど、俺にはそんなパーティーの様子を暢気に眺めてる暇は無いのであった。
あまり悠長なことは出来ないけど、今は前衛二人がブラックハウンドと睨み合ってる状態だ。多少の時間的な余裕はある。と、信じたい。
悩んでる暇は無いな。今は火力が欲しい。レベルアップで得たSP6を【育成】で魔力に全部突っ込む。
レベルアップ時に4増えていたから、これで魔力は20になった。
「ちぅ!」
「新しい魔法が使えるようになったのか?」
「ちぅ!」
「よし、じゃあワイルドドッグにぶちかましてくれ。吉根達には当てないで」
「ちぅ!」
ステータスが上がった事で、新しい魔法が使えるようになったみたいだ。
すぐさま使うように指示をする。狙いはワイルドドッグ。先ずは数を減らしたい。
俺の声が聞こえていた前衛二人はちょっと位置をずらし、射線を開けてくれた。なかなか連携が取れてきているな。
「ちぅ!」
ツクモが両手で杖を持ち、一声鳴くと【送風】とは比べ物にならない勢いで、風が吹き荒れた。
まだ出していた【能力閲覧】の風魔法の欄に意識をやると、【突風】が追加されていた。MPは10も消費されるようだが、MPは140まで上がっている。それなりに連発は出来るな。
「ぎゃん」
近くに纏まっていた三体のワイルドドッグを纏めて吹き飛ばす。致命傷には至っていないが、かなりのダメージを与えれたようだ。
「ツクモっち、サンキュっス!」
「行くぞ!」
動揺するエネミーの隙を見逃す前衛二人じゃなかった。
ダメージで足元がふらつくワイルドドッグに駆け寄り、止めを刺していく。
「ヴォン!」
固まっていてはマズイと判断したのか、エネミー達は散開した。お互いの距離は【突風】の効果範囲をしっかり理解している距離だ。さすが犬だけあって賢いな。
しかし、それは犬系エネミーの強みである互いの連携を弱めてしまっている。
また、散開すると言ってもここは樹木が密集した森林だ。包囲を広げるにしても限界がある。
まあ、木を盾にされたらツクモの魔法も遮られてしまうんだけどね。
「ツクモは泉ヶ丘さんと天子田さんのカバーに入って」
「ちぅ」
今、満足に動けていないのは泉ヶ丘さんだ。天子田さんに担いで逃げてもらうにしても、そこを狙われたらマズイ。
ツクモは天子田さんの頭の上に移動して、近寄ってくるエネミーに杖を向けて牽制する。
吉根と市場君もそれを察して位置取りを少し変える。
俺を含めて三人で天子田さん達を護るような配置を取った。
「ヴォン!」
「ガウッ」
「来るっス」
ブラックハウンドが俺達にそれぞれ襲いかかってきた。
それを吉根は盾で弾き、市場君は戦斧を振り回して牽制、俺は棒でなんとか防ぐ。その隙を縫ってワイルドドッグ三頭がそれぞれ別の方向から、天子田さん達の方に向かう。
「きゃっ!?」
「ちぅ!」
だけど、そんな動きもツクモは見逃さない。【突風】で一匹ずつ迎撃していく。
「ミキ、しっかりしろ!」
「あ、うんゴメン」
自分の足元に飛ばされたワイルドドッグを蹴りつけて止めを刺すと、市場君は泉ヶ丘さんに一喝する。
その声に、動けなくなっていた泉ヶ丘さんも正気を取り戻す。
「ひゅー、流石っスね」
「うるさい、茶化すな」
市場君が吉根相手にツンデレぶりを発揮しているな。だけど、俺にはそんなパーティーの様子を暢気に眺めてる暇は無いのであった。
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