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五章 食べるんだ
九十話
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開発番号BSMー10。それは民間の冒険者で初めて脅威度6のダンジョンを攻略したパーティーが装備していた魔道鎧だ。
見た目は冷蔵庫に手足が付いたような形で、なんとも武骨な印象を受ける。開発の初期段階の発想としては単純なもので、ゴーレムに座席を付けて防御力を上げ、後衛職を安全に運用するというものだったらしい。
当初は体高5メートルを越えていたけど、現在は防御力だけではなく、小型化されて前衛職も使えるほどの高い機動性をも獲得している。
「やっぱりBSMー10は良いよな」
「そうっスね。ロマンがあるっス」
俺が読んでいた模型雑誌から顔を上げて呟くと、ハルトが深く頷いた。
既に登場から30年以上が経っていて、現役から遠ざかっているBSMー10だけど、俺達みたいな趣味人からは今でも人気がある。その証拠に、この機体は事あるごとにプラモデルがリバイブされているんだ。
そして、今回作るのがそのキットなんだ。ジオラマベース作りが一段落したから、その作例を見るために模型雑誌のバックナンバーを読んでいたんだ。
「この金属メッキが良いっスね。しかもアンダーゲートになってるのが嬉しいっス」
「ホントそれ。ゲートが表面に出てると処理するのがめんどくさいからね」
「そうっスそうっス」
「しかも、上野隊の部隊章のデカールも付いてる」
「あぁ、実際には現役の時には付いてなかったって話っスけどね」
「賛否が分かれてるよな、これ」
内容を確認しながらのトークが止まらない。
しかも、いつもより早口になってる自覚もある。それもまあ仕方ないよね。だって好きなんだから。
説明書にも一通り目を通して、さっそく組み立てようとしたところ、川上先輩からストップがかかった。
「どうしたんスか?」
「悪いんだけどさ、こっちから作ってくれないかな?」
差し出されたのは同じくBSMー10のキットだった。
ただし、俺達が組み立てようとしていた1/24ではなく、それより小さい1/43スケールだ。
「これは?」
「映研からの依頼品なんだよ。夏休み前に撮影に入りたいから大至急らしいんだ」
「え?それは映研が作るって話になったんじゃないんですか?」
「それがさ、やっぱりスケジュールが合わなかったらしいんだ」
話を聞くと、どうやら小道具係の人が風邪で寝込んでしまったらしく、作業に遅れが出ているそうだ。
それで泣き付かれたらしい。
「まあ、それなら仕方ないですね」
「むしろ、2つも作れてラッキーっス」
「良かった。遠景用だから、成型色仕上げで良いらしいからお願いね」
「分かりました」
「了解っス」
川上先輩は安堵した顔で息を一つ吐くと、1ダースのキットを置いて部室から出ていった。
思ったより積まれたキットを見た俺とハルトは、大慌てで作成に取り掛かるのだった。
見た目は冷蔵庫に手足が付いたような形で、なんとも武骨な印象を受ける。開発の初期段階の発想としては単純なもので、ゴーレムに座席を付けて防御力を上げ、後衛職を安全に運用するというものだったらしい。
当初は体高5メートルを越えていたけど、現在は防御力だけではなく、小型化されて前衛職も使えるほどの高い機動性をも獲得している。
「やっぱりBSMー10は良いよな」
「そうっスね。ロマンがあるっス」
俺が読んでいた模型雑誌から顔を上げて呟くと、ハルトが深く頷いた。
既に登場から30年以上が経っていて、現役から遠ざかっているBSMー10だけど、俺達みたいな趣味人からは今でも人気がある。その証拠に、この機体は事あるごとにプラモデルがリバイブされているんだ。
そして、今回作るのがそのキットなんだ。ジオラマベース作りが一段落したから、その作例を見るために模型雑誌のバックナンバーを読んでいたんだ。
「この金属メッキが良いっスね。しかもアンダーゲートになってるのが嬉しいっス」
「ホントそれ。ゲートが表面に出てると処理するのがめんどくさいからね」
「そうっスそうっス」
「しかも、上野隊の部隊章のデカールも付いてる」
「あぁ、実際には現役の時には付いてなかったって話っスけどね」
「賛否が分かれてるよな、これ」
内容を確認しながらのトークが止まらない。
しかも、いつもより早口になってる自覚もある。それもまあ仕方ないよね。だって好きなんだから。
説明書にも一通り目を通して、さっそく組み立てようとしたところ、川上先輩からストップがかかった。
「どうしたんスか?」
「悪いんだけどさ、こっちから作ってくれないかな?」
差し出されたのは同じくBSMー10のキットだった。
ただし、俺達が組み立てようとしていた1/24ではなく、それより小さい1/43スケールだ。
「これは?」
「映研からの依頼品なんだよ。夏休み前に撮影に入りたいから大至急らしいんだ」
「え?それは映研が作るって話になったんじゃないんですか?」
「それがさ、やっぱりスケジュールが合わなかったらしいんだ」
話を聞くと、どうやら小道具係の人が風邪で寝込んでしまったらしく、作業に遅れが出ているそうだ。
それで泣き付かれたらしい。
「まあ、それなら仕方ないですね」
「むしろ、2つも作れてラッキーっス」
「良かった。遠景用だから、成型色仕上げで良いらしいからお願いね」
「分かりました」
「了解っス」
川上先輩は安堵した顔で息を一つ吐くと、1ダースのキットを置いて部室から出ていった。
思ったより積まれたキットを見た俺とハルトは、大慌てで作成に取り掛かるのだった。
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