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第5話「カルシウムを補え!みんな大好きサーモンクリームコロッケ~その1~」
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第5話「カルシウムを補え!みんな大好きサーモンクリームコロッケ~その1~」
今日も夏子と陽菜は向日葵寿司のカウンターでランチを終えて、ゆっくりと「あがり」を飲みつつ、三朗と稀世にどうでもいい世間話をしてだべっている。「ガラガラガラッ」と引き戸が開くと、直がふたりを連れて入ってきた。ひとりは看護師の奥村みゆき、もうひとりは初めて見る若い「イケメン」だった。
ニコニコ商店街の関係者でない「イケメン」に夏子が真っ先に反応した。
「な、直さん、そ、そのイケメン誰ですの?わ、私、坂川夏子と言います。20歳、彼氏無しです。「どストライク」です。初めまして!気取らない性格なので「なっちゃん」って呼んでください。よろしく!」
突然立ち上がり、イケメンにあいさつした。
直が「やれやれ」という顔をして、イケメンに夏子と陽菜を紹介した。
「初めまして。京都で「こども食堂」を運営している、調理師で栄養士の相須満《あいす・みつる》と言います。18歳です。僕も気取らない性格なので「みつる」と呼んでください。」
イケメンの満が夏子と陽菜に会釈をした。みゆきの話によると、午前中に開かれた福祉配食での「栄養価とコスト」に関する研究会に出席し、みゆきと満が意気投合して、ニコニコ商店街での「こども食堂」と「高齢者配食」に興味を持ち、話を聞くために向日葵寿司を訪れたとの事だった。
「夏子と陽菜は邪魔やから、とっとと出て行ってええぞ!」
という直の嫌味に負けず、
「直さん、そんないけず言わんとってよ!私らもこども食堂のメンバーやん!」
と夏子と陽菜はその場に居座った。(あー、久しぶりの「イケメン」や。これは、何かのお導きやろ!)と夏子の目に「めらめらぽっぽ」と炎が灯った。
みゆきが満に、ニコニコ商店街での福祉配食の利用者の年齢分布表とメニューを見てもらったところ、「カルシウム」が圧倒的に不足していると指摘を受けた。また、カルシウムは吸収されにくい性質があるので、ビタミンDと一緒に摂取することが大切だとアドバイスを受けた。夏子と陽菜は真剣にメモをとり、満の話に耳を傾けている。
「満君、カルシウムは何に多く含まれてんの?あとビタミンDについても教えて?」
と夏子が満の興味を引くようにあざとく質問した。
「カルシウムをとろうと思ったら、ダントツは「干しエビ」ですね。続いて「牛乳」、そして「ししゃも」や「イワシの丸干し」です。野菜では「小松菜」。あとは大豆製品ということで「焼き豆腐」や「がんもどき」がカルシウム源としてはよいですね。ただ、カルシウムの吸収率は牛乳で約4割、魚介系で3分の1、野菜では2割弱です。ビタミンDを多く含むのは鮭、サンマ、まあじ、しらす、干しシイタケに卵ってとこですね。」
と満が答えると、陽菜がうなった。
「うーん、廃棄食材になりにくいものと単価の高いもんばっかりやな…。牛乳がええのは分かるけど、配食を考えたら紙パックの安い奴でも80円はするもんな。ビタミンDにしても鮭もサンマもめちゃくちゃ安くて一切れ、1匹で98円が底値やもん。150円の予算では厳しいもんばっかりやな。」
みゆきと直、三朗と稀世も黙り込んでしまった。
ふと、夏子が顔を上げ三朗に尋ねた。
「三朗兄さん、この店の魚って、ほとんど兄さんがさばいてるんやろ?サーモンの背びれや腹びれの小骨や鯵の骨ってどうしてはるんですか?」
「まあ、タイの骨は出汁とるのに使うけど、後はほとんど廃棄やな。」
と三朗が答えると夏子の目が光った。
「三朗兄さん、鯵の骨せんべいってあるけど、鮭の骨って食べられるんかな?」
「うん、確かにな。鯵の骨は塩コショウして油で揚げたら食べたられるわな。鮭の小骨は処理に時間がかかりすぎるからちょっとしんどいと思うで。まあ、鯛の骨は人の胃では消化できへんっていうけど、サーモンやトラウト系の骨は食べられるわな。ただ、子供や年寄りには食べにくいんとちゃうかな?」
夏子と三朗がいくつかやり取りをして、背びれ、腹びれを落とした小骨にはまだ身が幾分残っていることとミキサーでペーストにすれば食べられることが分かった。稀世が「向日葵寿司」で出る廃棄骨は少量だが、スーパー宮崎の鮮魚コーナーであれば大量の廃棄骨が出るのではないかと電話をしてくれた。結果として、「柵」や「刺身」、「切り身」をとった後のサーモンの小骨や鯵の背骨が大量に廃棄されていることが分かった。陽菜が受け取りに行き、稀世がミキサーにかけてみた。小骨は見事に粉砕され、口や舌に引っ掛かることは無く、オレンジ色のサーモンペーストはしっかりと鮭の風味を残していた。夏子は再び考え込んだ。
「骨せんべいはそのまま食べてもええし、砕いてふりかけにしたらええわな!後は、サーモンのペーストで何を作るかやな!」
夏子が満にカルシウムはビタミンと違い「加熱」に強い事が分かり、サーモンの身のビタミンDでカルシウムの吸収を促進することを確認すると、あるレシピを提案した。
「すごい!なっちゃん、それ凄いわ!みゆきさんから、なっちゃんと陽菜ちゃんはお金かけんと「創意」と「工夫」で何でも作るって言ってたけど、ホンマやねんな!なっちゃんのレシピやったら1食100円、いや50円ですごくいいものができるわ!もし、迷惑でなかったら、なっちゃんと陽菜ちゃんが当番の日に一緒に調理に参加させてもらわれへんかな。うちのこども食堂のメンバーにも教えてあげて欲しいねん。
もしよかったら、夕方まで時間あるから、一緒にいろいろとなっちゃんと陽菜ちゃんが作ってきた「ローコスト」ご飯のことをもっと聞かせてもらわれへんかな!」
興奮した満が夏子の両手を握って顔を近づけ熱っぽく参加を申し入れた。(きゃっ!近くで見ると「長いまつげ」に「切れ長な二重」。「綺麗に通った鼻筋」に「小さな口」!うーん、私の理想のイケメンや!ここでいっちょカッコええとこ見せたら、もしかして…むふふ!)と妄想が膨らみ、真っ赤になって答えた。
「うん、全然OKやで。じゃあ、場所変えて、喫茶店でゆっくりお茶でもしながらお話しよか…。」
喫茶店に移り、今まで作ったレシピの話をした後は、お互いの個人的な話も盛り上がり、一気に距離が近づいた。
「なっちゃんや陽菜ちゃんみたいな人がいて、ニコニコ商店街の人は幸せやなー!あー、今日は、運命の日やなぁ!なっちゃん、電話番号教えてもろてもええかな?これからもちょこちょこ連絡させてもらいたいねんけど?あと、写真撮らせてもらってもええかな?」
と満がスマホを出したので夏子もスマホをテーブルの上に置き赤外線通信で電話とラインのアドレスを交換し、すましたよそいきの顔をして写真を撮られた。(えー、これはもしかしたらもしかするかもよ…。きゃー、ついに私にも春が来た!)陽菜の顔を見ると「なっちゃん!がんば!」とアイサインを返してきた。陽菜は気を利かせて「私、用事思い出したから、先に戻ってるわな!」と喫茶店を先に出た。
楽しいおしゃべりタイムを過ごし、夕方に満を駅まで見送ると夏子はスキップして西沢米穀倉庫にむかい、試作品づくりに取りかかった。鼻歌交じりに作った試作品を味見して(あー、満君も喜んでくれるかな?)と「はい、あーんして」とひとり芝居を楽しんだ。
そして夏子と陽菜がこども食堂を担当する日が来た。夏子が満と知り合ってから、毎日のように電話やラインをしていることを、向日葵寿司で稀世に報告しているのを耳にしていた直がまりあを連れて冷やかし半分で様子を見に来ていた。
続く
「サーモンクリームコロッケ」
今日も夏子と陽菜は向日葵寿司のカウンターでランチを終えて、ゆっくりと「あがり」を飲みつつ、三朗と稀世にどうでもいい世間話をしてだべっている。「ガラガラガラッ」と引き戸が開くと、直がふたりを連れて入ってきた。ひとりは看護師の奥村みゆき、もうひとりは初めて見る若い「イケメン」だった。
ニコニコ商店街の関係者でない「イケメン」に夏子が真っ先に反応した。
「な、直さん、そ、そのイケメン誰ですの?わ、私、坂川夏子と言います。20歳、彼氏無しです。「どストライク」です。初めまして!気取らない性格なので「なっちゃん」って呼んでください。よろしく!」
突然立ち上がり、イケメンにあいさつした。
直が「やれやれ」という顔をして、イケメンに夏子と陽菜を紹介した。
「初めまして。京都で「こども食堂」を運営している、調理師で栄養士の相須満《あいす・みつる》と言います。18歳です。僕も気取らない性格なので「みつる」と呼んでください。」
イケメンの満が夏子と陽菜に会釈をした。みゆきの話によると、午前中に開かれた福祉配食での「栄養価とコスト」に関する研究会に出席し、みゆきと満が意気投合して、ニコニコ商店街での「こども食堂」と「高齢者配食」に興味を持ち、話を聞くために向日葵寿司を訪れたとの事だった。
「夏子と陽菜は邪魔やから、とっとと出て行ってええぞ!」
という直の嫌味に負けず、
「直さん、そんないけず言わんとってよ!私らもこども食堂のメンバーやん!」
と夏子と陽菜はその場に居座った。(あー、久しぶりの「イケメン」や。これは、何かのお導きやろ!)と夏子の目に「めらめらぽっぽ」と炎が灯った。
みゆきが満に、ニコニコ商店街での福祉配食の利用者の年齢分布表とメニューを見てもらったところ、「カルシウム」が圧倒的に不足していると指摘を受けた。また、カルシウムは吸収されにくい性質があるので、ビタミンDと一緒に摂取することが大切だとアドバイスを受けた。夏子と陽菜は真剣にメモをとり、満の話に耳を傾けている。
「満君、カルシウムは何に多く含まれてんの?あとビタミンDについても教えて?」
と夏子が満の興味を引くようにあざとく質問した。
「カルシウムをとろうと思ったら、ダントツは「干しエビ」ですね。続いて「牛乳」、そして「ししゃも」や「イワシの丸干し」です。野菜では「小松菜」。あとは大豆製品ということで「焼き豆腐」や「がんもどき」がカルシウム源としてはよいですね。ただ、カルシウムの吸収率は牛乳で約4割、魚介系で3分の1、野菜では2割弱です。ビタミンDを多く含むのは鮭、サンマ、まあじ、しらす、干しシイタケに卵ってとこですね。」
と満が答えると、陽菜がうなった。
「うーん、廃棄食材になりにくいものと単価の高いもんばっかりやな…。牛乳がええのは分かるけど、配食を考えたら紙パックの安い奴でも80円はするもんな。ビタミンDにしても鮭もサンマもめちゃくちゃ安くて一切れ、1匹で98円が底値やもん。150円の予算では厳しいもんばっかりやな。」
みゆきと直、三朗と稀世も黙り込んでしまった。
ふと、夏子が顔を上げ三朗に尋ねた。
「三朗兄さん、この店の魚って、ほとんど兄さんがさばいてるんやろ?サーモンの背びれや腹びれの小骨や鯵の骨ってどうしてはるんですか?」
「まあ、タイの骨は出汁とるのに使うけど、後はほとんど廃棄やな。」
と三朗が答えると夏子の目が光った。
「三朗兄さん、鯵の骨せんべいってあるけど、鮭の骨って食べられるんかな?」
「うん、確かにな。鯵の骨は塩コショウして油で揚げたら食べたられるわな。鮭の小骨は処理に時間がかかりすぎるからちょっとしんどいと思うで。まあ、鯛の骨は人の胃では消化できへんっていうけど、サーモンやトラウト系の骨は食べられるわな。ただ、子供や年寄りには食べにくいんとちゃうかな?」
夏子と三朗がいくつかやり取りをして、背びれ、腹びれを落とした小骨にはまだ身が幾分残っていることとミキサーでペーストにすれば食べられることが分かった。稀世が「向日葵寿司」で出る廃棄骨は少量だが、スーパー宮崎の鮮魚コーナーであれば大量の廃棄骨が出るのではないかと電話をしてくれた。結果として、「柵」や「刺身」、「切り身」をとった後のサーモンの小骨や鯵の背骨が大量に廃棄されていることが分かった。陽菜が受け取りに行き、稀世がミキサーにかけてみた。小骨は見事に粉砕され、口や舌に引っ掛かることは無く、オレンジ色のサーモンペーストはしっかりと鮭の風味を残していた。夏子は再び考え込んだ。
「骨せんべいはそのまま食べてもええし、砕いてふりかけにしたらええわな!後は、サーモンのペーストで何を作るかやな!」
夏子が満にカルシウムはビタミンと違い「加熱」に強い事が分かり、サーモンの身のビタミンDでカルシウムの吸収を促進することを確認すると、あるレシピを提案した。
「すごい!なっちゃん、それ凄いわ!みゆきさんから、なっちゃんと陽菜ちゃんはお金かけんと「創意」と「工夫」で何でも作るって言ってたけど、ホンマやねんな!なっちゃんのレシピやったら1食100円、いや50円ですごくいいものができるわ!もし、迷惑でなかったら、なっちゃんと陽菜ちゃんが当番の日に一緒に調理に参加させてもらわれへんかな。うちのこども食堂のメンバーにも教えてあげて欲しいねん。
もしよかったら、夕方まで時間あるから、一緒にいろいろとなっちゃんと陽菜ちゃんが作ってきた「ローコスト」ご飯のことをもっと聞かせてもらわれへんかな!」
興奮した満が夏子の両手を握って顔を近づけ熱っぽく参加を申し入れた。(きゃっ!近くで見ると「長いまつげ」に「切れ長な二重」。「綺麗に通った鼻筋」に「小さな口」!うーん、私の理想のイケメンや!ここでいっちょカッコええとこ見せたら、もしかして…むふふ!)と妄想が膨らみ、真っ赤になって答えた。
「うん、全然OKやで。じゃあ、場所変えて、喫茶店でゆっくりお茶でもしながらお話しよか…。」
喫茶店に移り、今まで作ったレシピの話をした後は、お互いの個人的な話も盛り上がり、一気に距離が近づいた。
「なっちゃんや陽菜ちゃんみたいな人がいて、ニコニコ商店街の人は幸せやなー!あー、今日は、運命の日やなぁ!なっちゃん、電話番号教えてもろてもええかな?これからもちょこちょこ連絡させてもらいたいねんけど?あと、写真撮らせてもらってもええかな?」
と満がスマホを出したので夏子もスマホをテーブルの上に置き赤外線通信で電話とラインのアドレスを交換し、すましたよそいきの顔をして写真を撮られた。(えー、これはもしかしたらもしかするかもよ…。きゃー、ついに私にも春が来た!)陽菜の顔を見ると「なっちゃん!がんば!」とアイサインを返してきた。陽菜は気を利かせて「私、用事思い出したから、先に戻ってるわな!」と喫茶店を先に出た。
楽しいおしゃべりタイムを過ごし、夕方に満を駅まで見送ると夏子はスキップして西沢米穀倉庫にむかい、試作品づくりに取りかかった。鼻歌交じりに作った試作品を味見して(あー、満君も喜んでくれるかな?)と「はい、あーんして」とひとり芝居を楽しんだ。
そして夏子と陽菜がこども食堂を担当する日が来た。夏子が満と知り合ってから、毎日のように電話やラインをしていることを、向日葵寿司で稀世に報告しているのを耳にしていた直がまりあを連れて冷やかし半分で様子を見に来ていた。
続く
「サーモンクリームコロッケ」
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