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「1585年末、パリ」
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「1585年末、パリ」
1585年末、オカやん号は、パリの街にいた。1584年に福井から日本を出た、信長たち五人を追って、バチカンに行ったのだ。ジョバンニ・ニコラオが日本に来る前に過ごしていたナポリで知り合ったジョルダーノ・ブルーノとの対面シーンに立ち会うつもりだった。
ニコラオによると、ジョルダーノ・ブルーノは1548年から1575年までナポリにいて、幼少期のニコラオに強い影響を与えていた。異端のドミニコ会の宣教師で、当時タブーとされていた地動説や地球外生命体の存在の可能性などを研究していて、バチカンからは目をつけられているが、新しい物好きな信長には最適な宣教師だとニコラオは強調した。何よりも、「見た目が信長に瓜二つ」と言うところに興味を持った。
福井を出てマニラへ。そこからインドに渡りシルクロードを通ってバチカンに来た信長一行は、バチカンにジョルダーノ・ブルーノが居ないことを知ることになった。バチカン本部の反感を買い、ローマに居られなくなったということで、放浪の旅に出て、パリに移ったとの情報を得た。また、フランシスコ・カブラルより面会の紹介状をもらっていたグレゴリウス13世の崩御もありバチカンに滞在する意味も薄まり、信長一行はブルーノを追いかけパリに来たということだった。
パリの中央部、シテ島のノートルダム大聖堂の前で、信長一行とブルーノが来るのを夏子と陽菜、オカやんツアーズの四人は待っていた。信長、光秀、蘭丸、弥助、ジョバンニの五人とブルーノが会ったとき、ブルーノがコートのフードを外すと、全員が信長と同じ顔のブルーノに驚いた。信長たちがブルーノに導かれ大聖堂に入る瞬間、メチャスキーが盗聴器を信長の上着のポケットにアスポート能力で送り込んだ。
夏子と陽菜はダッシュでオカやん号に戻り、スピーカーのボリュームを上げた。ジョバンニを通訳として、信長とブルーノの話は弾んだ。ブルーノ自身も自分と同じ顔の信長に驚いていた。ブルーノの口から語られるバチカンの状況は、グレゴリウス13世が亡くなった後、シクトゥス5世が就任したばかりで、今しばらくは、異端児扱いされているブルーノは、放浪生活が続く見込みだということだった。
次の教皇候補として名前が挙がっている、ウルバヌス7世とグレゴリウス14世のうち、コンクラーベでグレゴリウス14世が選ばれれば、ブルーノのことを受け入れてくれた先代と同じように、宗教と科学をバランスよく見てもらえるようになるであろうバチカンに戻るつもりだという。ここ、パリでも数学者のファブリツィオ・モルデンテの裁判に巻き込まれたので、近くドイツのマールブルク大学へ移る予定だとの事だった。
ブルーノの生きざまに共感した信長と同様に、信長の考え方を自分に重ねたブルーノは、この先、一緒にドイツに行くことにした。
「へーえ、顔が同じやと、考え方や気構えも似てるんかな?あんなに楽しそうに話す信長様、想像できへんかったわ。陽菜ちゃんは、ごっつくなって髭面の蘭丸さんの方が気になってるんかな?」
「いや、なっちゃんと一緒で、信長さんの性格が柔らかくなってるのを感じたわ。ブルーノさんとうまくいったらええのにな。」
「じゃあ、なっちゃん、陽菜ちゃん、次は1591年にブルーノたちがローマに戻ってくるから、そっちに行こか!」
「うん!でも、ちょっとだけパリの街散策したいな。」
夏子と陽菜が楽しそうに二人揃って言った。
1585年末、オカやん号は、パリの街にいた。1584年に福井から日本を出た、信長たち五人を追って、バチカンに行ったのだ。ジョバンニ・ニコラオが日本に来る前に過ごしていたナポリで知り合ったジョルダーノ・ブルーノとの対面シーンに立ち会うつもりだった。
ニコラオによると、ジョルダーノ・ブルーノは1548年から1575年までナポリにいて、幼少期のニコラオに強い影響を与えていた。異端のドミニコ会の宣教師で、当時タブーとされていた地動説や地球外生命体の存在の可能性などを研究していて、バチカンからは目をつけられているが、新しい物好きな信長には最適な宣教師だとニコラオは強調した。何よりも、「見た目が信長に瓜二つ」と言うところに興味を持った。
福井を出てマニラへ。そこからインドに渡りシルクロードを通ってバチカンに来た信長一行は、バチカンにジョルダーノ・ブルーノが居ないことを知ることになった。バチカン本部の反感を買い、ローマに居られなくなったということで、放浪の旅に出て、パリに移ったとの情報を得た。また、フランシスコ・カブラルより面会の紹介状をもらっていたグレゴリウス13世の崩御もありバチカンに滞在する意味も薄まり、信長一行はブルーノを追いかけパリに来たということだった。
パリの中央部、シテ島のノートルダム大聖堂の前で、信長一行とブルーノが来るのを夏子と陽菜、オカやんツアーズの四人は待っていた。信長、光秀、蘭丸、弥助、ジョバンニの五人とブルーノが会ったとき、ブルーノがコートのフードを外すと、全員が信長と同じ顔のブルーノに驚いた。信長たちがブルーノに導かれ大聖堂に入る瞬間、メチャスキーが盗聴器を信長の上着のポケットにアスポート能力で送り込んだ。
夏子と陽菜はダッシュでオカやん号に戻り、スピーカーのボリュームを上げた。ジョバンニを通訳として、信長とブルーノの話は弾んだ。ブルーノ自身も自分と同じ顔の信長に驚いていた。ブルーノの口から語られるバチカンの状況は、グレゴリウス13世が亡くなった後、シクトゥス5世が就任したばかりで、今しばらくは、異端児扱いされているブルーノは、放浪生活が続く見込みだということだった。
次の教皇候補として名前が挙がっている、ウルバヌス7世とグレゴリウス14世のうち、コンクラーベでグレゴリウス14世が選ばれれば、ブルーノのことを受け入れてくれた先代と同じように、宗教と科学をバランスよく見てもらえるようになるであろうバチカンに戻るつもりだという。ここ、パリでも数学者のファブリツィオ・モルデンテの裁判に巻き込まれたので、近くドイツのマールブルク大学へ移る予定だとの事だった。
ブルーノの生きざまに共感した信長と同様に、信長の考え方を自分に重ねたブルーノは、この先、一緒にドイツに行くことにした。
「へーえ、顔が同じやと、考え方や気構えも似てるんかな?あんなに楽しそうに話す信長様、想像できへんかったわ。陽菜ちゃんは、ごっつくなって髭面の蘭丸さんの方が気になってるんかな?」
「いや、なっちゃんと一緒で、信長さんの性格が柔らかくなってるのを感じたわ。ブルーノさんとうまくいったらええのにな。」
「じゃあ、なっちゃん、陽菜ちゃん、次は1591年にブルーノたちがローマに戻ってくるから、そっちに行こか!」
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夏子と陽菜が楽しそうに二人揃って言った。
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