『2次元の彼R《リターンズ》~天才理系女子(りけじょ)「里景如志(さとかげ・しし)のAI恋愛事情~』

あらお☆ひろ

文字の大きさ
27 / 36
第2話「2次元の彼R《リターンズ》」

③ 「AI快撥」

しおりを挟む
③ 「AI活用」

 如志がコンビニからワインを買って戻ると、舞久利が如志を寝室に連れ込んだ。
「如志ちゃん、「これ」あげるから今晩頑張りや!弾嗣に任せとったら「あかん」と思ったから、私は如志ちゃんに託すわ。
 1週間も同棲してて、「何も」無いなんてあんたら生物学的におかしいで。「玉無し」の弾嗣に期待してもしゃあないから、今買ってきたワイン飲んだら、如志ちゃんが弾嗣を押し倒すんやで!「初体験」が「騎乗位」っていうのも最近は普通やからな!
 私は超「気遣いの人」やから、今日は「処女と童貞」の2人の為に気を遣って帰ったるわ。「佐藤二郎」さんとのチャットは次回に置いとくわな。あほの弾嗣でも「やる気」になる下着とコスに着替えるんや。えっと、これとこれと、うーん、ちょっと攻めてこれやな。無事に「やったら」ラインちょうだいよ。じゃあ、グッドラック!」
と如志のベッドの上にクローゼットの棚から、舞久利が買ってくれたセクシーな黒の上下の下着と、薄目のブラトップとレディースショートパンツを出しながら一方的に言い残すと、如志の右手に3枚のコンドームを握らせ帰っていった。

 (えっ、私がコンビニに行ってる間に舞久利さんと弾嗣君の間で何があったの?)と舞久利を見送った後、舞久利の用意した衣装に着替えることなく、恐る恐る弾嗣に「弾嗣君、私が出かけてる間に舞久利さんとなんかあったの?」と尋ねると、
「全然わかりません。この1週間の話をしたら、いきなり「中坊か!」って怒られたんです!何が「地雷」だったのかわかりません。如志さんに戻りの時間を連絡せずにお風呂上がりの現場に鉢合わせしちゃったことと、洗濯の時に如志さんの下着を見ちゃったって話をしただけなんですけどね…。」

 あっけらかんと話す弾嗣を見て(あー、やっぱり舞久利さんは、「H」な事を考えてたんだろうな。私たちがそういう関係じゃないことが納得いかなかったから「頑張れ!」って「これ」を…。)と思うと、一気に血圧が上がり顔が赤くなった。
 それを見た弾嗣は、「どうしたんですか?顔真っ赤ですよ!コンビニまで急いでいったんで「酔い」が回っちゃったんじゃないですか?冷たい烏龍茶入れましょうか?」といつも通りの気遣いを見せてくれた。如志は話を逸らそうと思い、弾嗣が手にしているタブレットに話を振った。
「ううん、大丈夫。ところで、この間からそのタブレットずっと修理してるけどもう3日もかかってるじゃない?見た感じ、7、8年前の古いモデルだと思うんだけど、修理するより買い替えた方が早いんじゃないの?」

 「はい、8年前、中2の誕生日にお父さんが買ってくれたタブレットなんです。スペック的にはもうダメダメなんですけどね。引っ越しの時に段ボール箱ごと落としちゃって…。新しいタブレットは買ってるんですけどお父さんの形見なんで…。変なこと言いますけど、お父さんとの思い出の品ってこれしか残ってないんでなかなか捨てられないんです。変なこと言いますけど、僕をいつも守ってくれてるような気がして…。」
 少し照れながら説明する弾嗣に、「それなら捨てられないわよね。弾嗣君が大事にしてるから、きっとお父さんも喜んでくれてると思うわよ。」と言葉をかけると、「コンドーム」は屑籠に捨てた。

 翌日、ネットニュースで如志と弾嗣が現在関わっている「大阪CPTS」と「厚生労働省」の共同開発を行っている医療系AIの中で2つのソフトが効果をあげているという記事が挙げられていた。
 一つはAIが、ネットサーチを行い、公開されているSNSの中から「自殺信号」を探し出すプログラムだった。京都のNPOの臨床心理士の「心尾世夢こころお・よむ」から、
「世の中には、「悩み」を相談できずに一人抱え込んで「最悪」の結果を選択する人がいるの…。心に抱えた「重いモノ」を吐露するのは、昔は「日記」だったんで家族くらいしか気づくことはできなかったんだけど、今はかすかな希望を求めてSNSに書き込んで救いの手を待つ人が多いの。
 けど、そう言った人はフォロワーも少ないし、「後ろ向き」な「呟き」を好んで読む人もいないんで、閲覧されることなくその呟きは埋もれてしまって誰からも「救いの言葉」が届くことが無いのよ。里景さんのプログラムでそういう「自殺信号」をキャッチすることができれば、AIカウンセリングに誘導して、いくつもの「命」を助けてあげられると思うんだけどできないかな?」
と言われたのをきっかけに作ったものだった。

 もう一つは。生成AIチャットが心に刻まれた深い「トラウマ」を解消する臨床実験に効果が出ているという内容の記事だった。「DV」や「いじめ」や「セクハラ・パワハラ」等で病んだ心の持ち主に対するカウンセラーの絶対数が足りないことから、カウンセリングを生成AIに置き換え、「患者」が患者のニーズに応えた「先読み生成AI」とチャットを繰り返すことで「トラウマ」を解消できる臨床例が多数認められ、更なるプログラム開発に予算が認められたという内容だった。
 
 その記事が掲載された当日、大阪CPTSに如志に対する取材依頼があり、事務長は「これでまた「我が校」の名前が売れますよ!里景先生、もちろん取材は受けていただけますよね。ボーナスは張り込みますので、よろしくお願いしますね!」と断れない雰囲気で話は進められてしまった。



今日のおまけは「快撥」先生と弾嗣です!





「快撥」先生を描くのは楽しいヾ(o´∀`o)ノワァーィ♪
しおりを挟む
感想 37

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

とある男の包〇治療体験記

moz34
エッセイ・ノンフィクション
手術の体験記

お茶をしましょう、若菜さん。〜強面自衛官、スイーツと君の笑顔を守ります〜

ユーリ(佐伯瑠璃)
ライト文芸
陸上自衛隊衛生科所属の安達四季陸曹長は、見た目がどうもヤのつく人ににていて怖い。 「だって顔に大きな傷があるんだもん!」 体力徽章もレンジャー徽章も持った看護官は、鬼神のように荒野を走る。 実は怖いのは顔だけで、本当はとても優しくて怒鳴ったりイライラしたりしない自衛官。 寺の住職になった方が良いのでは?そう思うくらいに懐が大きく、上官からも部下からも慕われ頼りにされている。 スイーツ大好き、奥さん大好きな安達陸曹長の若かりし日々を振り返るお話です。 ※フィクションです。 ※カクヨム、小説家になろうにも公開しています。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

四代目 豊臣秀勝

克全
歴史・時代
アルファポリス第5回歴史時代小説大賞参加作です。 読者賞を狙っていますので、アルファポリスで投票とお気に入り登録してくださると助かります。 史実で三木城合戦前後で夭折した木下与一郎が生き延びた。 秀吉の最年長の甥であり、秀長の嫡男・与一郎が生き延びた豊臣家が辿る歴史はどう言うモノになるのか。 小牧長久手で秀吉は勝てるのか? 朝日姫は徳川家康の嫁ぐのか? 朝鮮征伐は行われるのか? 秀頼は生まれるのか。 秀次が後継者に指名され切腹させられるのか?

罪悪と愛情

暦海
恋愛
 地元の家電メーカー・天の香具山に勤務する20代後半の男性・古城真織は幼い頃に両親を亡くし、それ以降は父方の祖父母に預けられ日々を過ごしてきた。  だけど、祖父母は両親の残した遺産を目当てに真織を引き取ったに過ぎず、真織のことは最低限の衣食を与えるだけでそれ以外は基本的に放置。祖父母が自身を疎ましく思っていることを知っていた真織は、高校卒業と共に就職し祖父母の元を離れる。業務上などの必要なやり取り以外では基本的に人と関わらないので友人のような存在もいない真織だったが、どうしてかそんな彼に積極的に接する後輩が一人。その後輩とは、頗る優秀かつ息を呑むほどの美少女である降宮蒔乃で――

処理中です...