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「ネットいじめ」
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「ネットいじめ」
莉子は泣きながら、なぜ自分がそんな目に遭わないといけないのか理解できないと身の潔白を主張した。クラスの友人から「裏グループラインに莉子さんの事が出てるって噂になってるよ。」と教えてもらうまで莉子は「裏グループ」に参加することはなく、根も葉もない誹謗中傷を受ける理由もわからないという事だった。
まりあは莉子に許可を得て、稀世、夏子、陽菜を同席させた。学院の裏事情に詳しい陽菜が数十存在する学院の裏グループ事情をまりあ達に説明した。特定教師を誹謗中傷するグループが複数存在したり、特定生徒を貶めるような卑劣な書き込みが並ぶ「裏グループ」の具体例を示した。
「ほとんど、これは「いじめ」ですわね。自分の名前が出ないことをいい事に、ある事ない事を書き込んでますね。これは由々しき状況ですわね…。はぁ…。」
稀世がため息をつくと、まりあが夏子に耳打ちした。夏子はまりあの問いかけに即答した。
「まあ、書き込み主を特定することは難しくないですよ。北大路さんに私の「偽アカウント」を招待してもらえばすぐにわかります。そのためには…、」
と莉子に聞こえないように夏子は返事をした。
夏子からその手法を聞き、まりあは莉子に何を求めているのかを尋ねた。
「莉子さん、残念ながら「ネットいじめ」に対して生徒会でできることはそう多くありません。ここのグループに参加して「擁護」することでさらなる陰湿ないじめや誹謗中傷が起こらないとも限りません。
ただ、この「嘘」の発信者を特定して、過ちを正す努力はしていきます。この案件、私たちに任せていただくことはできますかしら?」
莉子は藁をもすがる気持ちでまりあ達生徒会を頼るしかなかった。まりあの「ここ数日の静観」と「調査の一任」を条件にスマホをいったん夏子に預けた。夏子は生徒会長室から一度退出するとパソコンに莉子のスマホのデータを移送し、クローン携帯のアプリを仕込んだ。
約1時間の話し合いは終わり、莉子は丁寧に頭を下げ生徒会室を後にした。
「あ゛―っ゛、「いじめ案件」はけったくそ悪いなぁ!学院内にそんなもんがあるって知っただけでも今日の晩御飯がまずくなるってもんや!」
4人だけになったことでまりあの言葉遣いが一気に汚くなった。
「なっちゃん、莉子ちゃんのスマホのコピーを作ってたけどそれで何が分かんの?ハッキングで発信者を特定できるん?」
稀世が夏子に問いかけると、特定の為にはいくつかの方法があるが書き込みコメントで最初の発信者や同調者に向けて「ウイルスを仕込んだ画像データやリンクアドレス」を送り付け発信元のIPが把握できれば、サーバーを通して潜り込むことができるとの事だった。
夏子は日本の携帯電話でのネット環境の脆弱さについて簡単に説明すると莉子のクローンスマホを操作し始めた。
最初に夏子の「裏アカ」をライングループに招待した。夏子の「裏アカ」名の「でかパイX」には皆が失笑したものの、スマホとパソコンを接続し次々と策を凝らしたネタを作り、夏子が最初に加工写真を投稿したアカウント「ふーりん」と「もしかしてA組のR・Kじゃない?(。´・ω・)?」と書き込んだアカウント「ポコ」あてに投稿を投げかけた。
「ふーりんさん、ポコさん、ホテル内の自撮り動画ゲット!なかなかのヴィッチぶりだよー!もうエロエロでまいっちゃう!(〃艸〃)ムフッ。下記アプリは無料なんでダウンロードして動画は見てね!ヾ(*´∀`*)ノ」というコメントと併せて投稿した。
すぐに「既読」マークが付きその横の閲覧済みの人数が一気にアップしていく。その推移をまりあ達はノートパソコンの画面で確認している。
「どひゃー、みんな暇人やねんな。私はスマホはあんまり開かへんからこんなにみんなの反応があるとは思えへんかったわ。」
とまりあが呟く間に「でかパイXさん、アプリ入れたけどどうやって動画見るの?」、「動画が開きませーん!」とコメントが書き込まれていく。
その中に「ポコ」のコメントもあった。「プレイ動画って本物?ダウンロードしたんだけど動画の開き方が分かりません。使い方教えてください。(。-人-。) 」と書き込まれた後、「お願いします」と書かれた有名アニメキャラクターのスタンプが送られてきた。
「よっしゃ、釣れたで!後は、このグループでこのアプリをダウンロードしたやつを拾い出すで!数十人が登録しよったみたいやから15分程下さいねー!」
と夏子はパソコンの画面を切り替えた。
「おまけ」
莉子は泣きながら、なぜ自分がそんな目に遭わないといけないのか理解できないと身の潔白を主張した。クラスの友人から「裏グループラインに莉子さんの事が出てるって噂になってるよ。」と教えてもらうまで莉子は「裏グループ」に参加することはなく、根も葉もない誹謗中傷を受ける理由もわからないという事だった。
まりあは莉子に許可を得て、稀世、夏子、陽菜を同席させた。学院の裏事情に詳しい陽菜が数十存在する学院の裏グループ事情をまりあ達に説明した。特定教師を誹謗中傷するグループが複数存在したり、特定生徒を貶めるような卑劣な書き込みが並ぶ「裏グループ」の具体例を示した。
「ほとんど、これは「いじめ」ですわね。自分の名前が出ないことをいい事に、ある事ない事を書き込んでますね。これは由々しき状況ですわね…。はぁ…。」
稀世がため息をつくと、まりあが夏子に耳打ちした。夏子はまりあの問いかけに即答した。
「まあ、書き込み主を特定することは難しくないですよ。北大路さんに私の「偽アカウント」を招待してもらえばすぐにわかります。そのためには…、」
と莉子に聞こえないように夏子は返事をした。
夏子からその手法を聞き、まりあは莉子に何を求めているのかを尋ねた。
「莉子さん、残念ながら「ネットいじめ」に対して生徒会でできることはそう多くありません。ここのグループに参加して「擁護」することでさらなる陰湿ないじめや誹謗中傷が起こらないとも限りません。
ただ、この「嘘」の発信者を特定して、過ちを正す努力はしていきます。この案件、私たちに任せていただくことはできますかしら?」
莉子は藁をもすがる気持ちでまりあ達生徒会を頼るしかなかった。まりあの「ここ数日の静観」と「調査の一任」を条件にスマホをいったん夏子に預けた。夏子は生徒会長室から一度退出するとパソコンに莉子のスマホのデータを移送し、クローン携帯のアプリを仕込んだ。
約1時間の話し合いは終わり、莉子は丁寧に頭を下げ生徒会室を後にした。
「あ゛―っ゛、「いじめ案件」はけったくそ悪いなぁ!学院内にそんなもんがあるって知っただけでも今日の晩御飯がまずくなるってもんや!」
4人だけになったことでまりあの言葉遣いが一気に汚くなった。
「なっちゃん、莉子ちゃんのスマホのコピーを作ってたけどそれで何が分かんの?ハッキングで発信者を特定できるん?」
稀世が夏子に問いかけると、特定の為にはいくつかの方法があるが書き込みコメントで最初の発信者や同調者に向けて「ウイルスを仕込んだ画像データやリンクアドレス」を送り付け発信元のIPが把握できれば、サーバーを通して潜り込むことができるとの事だった。
夏子は日本の携帯電話でのネット環境の脆弱さについて簡単に説明すると莉子のクローンスマホを操作し始めた。
最初に夏子の「裏アカ」をライングループに招待した。夏子の「裏アカ」名の「でかパイX」には皆が失笑したものの、スマホとパソコンを接続し次々と策を凝らしたネタを作り、夏子が最初に加工写真を投稿したアカウント「ふーりん」と「もしかしてA組のR・Kじゃない?(。´・ω・)?」と書き込んだアカウント「ポコ」あてに投稿を投げかけた。
「ふーりんさん、ポコさん、ホテル内の自撮り動画ゲット!なかなかのヴィッチぶりだよー!もうエロエロでまいっちゃう!(〃艸〃)ムフッ。下記アプリは無料なんでダウンロードして動画は見てね!ヾ(*´∀`*)ノ」というコメントと併せて投稿した。
すぐに「既読」マークが付きその横の閲覧済みの人数が一気にアップしていく。その推移をまりあ達はノートパソコンの画面で確認している。
「どひゃー、みんな暇人やねんな。私はスマホはあんまり開かへんからこんなにみんなの反応があるとは思えへんかったわ。」
とまりあが呟く間に「でかパイXさん、アプリ入れたけどどうやって動画見るの?」、「動画が開きませーん!」とコメントが書き込まれていく。
その中に「ポコ」のコメントもあった。「プレイ動画って本物?ダウンロードしたんだけど動画の開き方が分かりません。使い方教えてください。(。-人-。) 」と書き込まれた後、「お願いします」と書かれた有名アニメキャラクターのスタンプが送られてきた。
「よっしゃ、釣れたで!後は、このグループでこのアプリをダウンロードしたやつを拾い出すで!数十人が登録しよったみたいやから15分程下さいねー!」
と夏子はパソコンの画面を切り替えた。
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