『相思相愛ADと目指せミリオネラ突如出演の激闘20日間!ウクライナ、ソマリア、メキシコ、LA大激戦!なっちゃん恋愛小説シリーズ第3弾!』

あらお☆ひろ

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「逆襲そして撤退」

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「逆襲そして撤退」

 舩阪は一瞬考えこんだが、即、「なっちゃん、水爆弾まだ一発残ってたやんなぁ。督戦隊の装甲トラック上の指示将校にかましたって!」と叫んだ。「ぴん!」と来た夏子は、「おっしゃーっ!味方を撃つような悪い奴には「ごちそう」したらなあかんよな!」と急速反転をかけ、「どストライク」で最後の「悪臭ボンバー」を命中させた。指揮者は、もんどりうってトラックから転げ落ち、機銃手もトラックを飛び降りて逃げ出した。北にむかって攻撃をかけていた兵たちは、背後からの銃撃が止まったことに気づき、督戦隊がいなくなったことを確認すると兵たちは東の滑走路や南に向けて逃げ出した。その状況を把握した羽藤が無線を入れた。
「坂川さん、よくやってくれました!敵は退却しだしました。この作戦は成功しますよ!」

 「あたぼうよ!私がたてた作戦やで!ギャハハハ!」とエンドルフィン全開の夏子がどや顔で叫んだ。「おっ、悪魔のなっちゃん発動してるんか?まあ、助かったわ!あと一缶入れたらこっちも出発やから、合流地点に向かってや!」と稀世の声が入った瞬間、爆発音が夏子のヘッドセットのイヤホンから響いた。
「稀世姉さん!なに、今の音?なんか爆発したん?」
夏子の問いに、「何か、大砲で撃たれてる!がおっ!」と稀世の声を最後に無線が途切れた。夏子はドローンを南に飛ばすと二台の戦車が倉庫ハンガーから出てくるのが映った。「あかん、T―62とT―54や!戦車同士ならどうってことないポンコツやけど、この状況では圧倒的な戦力差になってしもた!」と舩阪が絶望的な声をあげた。
 
 現場では、エイノとハンスが周辺に煙幕を焚き、実弾のグレネードランチャーを撃ち込むが40ミリの榴弾は、半世紀以上前の物とはいえ前面装甲100ミリを超える戦車には全く効き目がない。煙幕のおかげと旧式の戦車であるがゆえに光学式の直接照準なので直撃弾は受けないが徐々に着弾点が近づいてくる。
「もう、弾がない!ここは放棄だ!羽藤隊長は、民間人三名を連れて退去してください!ここは、我々が時間を稼ぎます!」
エイノが叫ぶと、羽藤が稀世と直を呼び、耳元で指示を出した。「了解!」と稀世は給油中のタンクをハンスに渡すと「ハンスさん、あんたのかっこいい白いマフラー借りるで!」とハンスの首元のいざという時に止血帯にするという6メートルの長さの晒のマフラーを解き受け取ると「1.2メートルっていったらこんなもんかな?さらに倍に伸ばして2.5メートルでええか。」と長さを合わせて二つ折りにした。
「えーっと、このワインボトルは720ミリリットルのフルボトルやから500グラム。発泡スチロールが入ってるから、ガソリン満タンでも合わせて1キロってとこやな。1.2メートルのワイヤーで4キロのハンマーで60メートル飛ぶねんから1000メートルは飛ぶやろ!まずは試験投てきやな。じゃあ、直さん、火をつけてんか!」

 直は「モロトフカクテル」のコンドームを抜き去ると瓶口から飛び出たガソリンが染み込んだウエスにライターで火をつけると、2.5メートルの折り返し点にボトルを挟み込んだ。
「いくでー!そーれ!」
の掛け声とともにハンマー投げの要領で頭上で三回転させた後に身体を四回転させ「でりゃーっ!」の掛け声とともに、前方からくる戦車にむかってワインボトルを投げた。一発目は戦車の100メートル手前に着弾し、一瞬の赤い炎の後、発砲スチロールが燃えるときに出る黒い煙が戦車の前方を覆いだした。
 何が起こったかわからない二台の戦車の操縦手は一度前進を止めた。「しめた!今ので感覚は掴んだ!直さん、次、行くで!」と第二投目は、少し前に止まっている一台の戦車の操縦席の前の「ペリスコープ」に命中した。慌てた前方のT-62が一気に後進をかけたので後方のT―54の前方と衝突した。
 三投、四投、五投、六投と直がボトルをセッティングしては稀世が回転し投げ続けた。追加で投げた四投の内、二発が命中した。慌てた戦車兵たちはハッチから飛び出すととっとと南の方角に逃げていった。
「うーん、稀世さん凄すぎますね。せめて目隠しになればと思ったんですけど、1000メートルの距離で六投で三発命中ですか…。最新式のグレネードランチャー以上の命中精度ですね…。」
と感心する羽藤に「隊長、給油終わりました!即、撤退しましょう!」とハンスの声がかかった。
 直が、「念のため」と追撃に来ていた二台の戦車の排気筒マフラーに小麦粉と水と生卵を割って放り込んだ。稀世がそれを手伝った。「一志、これでええねんな?」と直が羽藤に声をかけると羽藤は「直師範OKです!もう一台もお願いします。」と言い、エイノと共に戦車に乗り込むと、格納庫に向けて、T-62の115ミリ滑空砲とT―54の100ミリライフル弾の残弾50発以上を撃ち込み、攻撃機、ヘリコプター、装甲車両等の追撃戦力を完全に無力化し、最後に弾薬庫を射撃し地上100メートルの爆炎がすっかり暮れたウクライナの夜空に立ち上った。ちょうど、T-54、T-62も排気筒マフラーから焼けたパンケーキの香りが漂い二台の戦車はエンストした。

 夏子と陽菜は2キロ先で立ち上った爆炎に不安を覚えた。そこに、麦畑を押しのけてセシルの乗るピックアップトラックが入ってきた。持ち込んだ装備はそのままにして、戦闘服を脱ぎ再び私服に着替え直すと、舩阪は助手席に、夏子と陽菜は後部座席に乗り込んだ。
「セシルさん、さっきの爆発なんやったんやろ?途中で無線が使われへんようになってしもてんけど、凄い爆発音が続いてたやん。」
と自動翻訳機を介して夏子が質問をすると、
「あんたのとこのKIYOが「モロトフカクテル」投げまくって、戦車二台やっつけたとさ!アグネス・マチルダも大概だけど、チームニコニコも凄いな。もちろん、ミス夏子とミス陽菜の活躍もモニターしてたよ。日本の民間人義勇兵六人でロシア軍の基地一つぶっ飛ばして、機密たっぷりの情報戦車両二台盗んでトンズラって凄いスクープだな!」
と上機嫌で返してきた。

 ウクライナ時間で10月5日午前0時、昨日の廃工場で夏子と陽菜、舩阪は別動隊と合流した。ぴょんぴょんと跳ねながら稀世とハイタッチを繰り返す夏子と陽菜の姿をジャリルは目を細めてカメラに収めていた。そこに、自由ウクライナ義勇大隊からの差し入れのケータリングが届き、パーティーが始まった。
 パーティーの間に「クラスハ4」は農業用資材運送トラックに偽装され、M149MA1は、通信隊の技術者が来て、内部の通信機材や外部アンテナをばらし、パン工場のマークの入った10トン車で運び出していった。
 そこまで撮影が終わると、ジャリルとセシルはお互い使っていたカメラとニコニコメンバーが装着していた小型のウェブカメラとドローンから送られてきた画像を受信していたノートパソコンをハンス大尉に手渡した。少し、酔いの回った夏子が「おい、謝礼の「50万ドル」忘れんなよ!」とエイノ少佐に絡むと、「OK!ノープロブレム!」と言い残し、現場を去った。
 残された八人は、宴会が終わると次々と床に就いた。夏子はジャリルと昨夜と同じように表に出た。二人きりになったとたんに、ジャリルが夏子を抱きしめた。
「なっちゃん、君は素晴らしい。最初は、なっちゃんの事が心配で心配でたまらなかった…。けど、過去最高の難易度の課題をいともたやすく達成して、全くの無傷。なっちゃんは「女神」だし、君の仲間も「なっちゃんに仕える神の使徒」かもしれない。」
「うん、まあ私らはいつもこんなもんや!ジャリルは危ない目に遭えへんかったか?稀世姉さんや直さんと違って、ジャリルは「普通の人」やねんから無理してケガしてへんか心配やってんで…。」
と囁くと、ジャリルの柔らかい唇が夏子の唇に重ねられた。(あぁ、野宿やなくて、ここがホテルやったら、最後までいってしまうところやのになぁ…)夏子は少し残念な気持ちもあったが、ジャリルの優しい口づけをゆっくりと楽しんだ。倉庫の中から稀世と直がニヤニヤして覗いていることに二人は気づいていなかった。
 
 朝午前5時、エイノとハンスが検閲および修正の終わった動画のSDカードを持って倉庫に現れた。ウクライナの国防相がキーウで昼食に招待してくれると言うので朝食も取らずザポリージャから軍用ヘリに乗り、キーウの東28キロに位置する「ボルィースピリ国際空港」に到着した。
「ここって、昨年2月24日の開戦時に一度はロシア軍に占拠されたとこ?スペースシャトルをおんぶして飛ぶ「ムリーヤ」っていう世界で一番大きな飛行機が壊されたんやろ?」
と稀世が質問をすると、舩阪が
「それは「アントノフ国際貨物空港」の方ですね。An―225ムリーヤっていう世界唯一の大型貨物機が戦火の巻き添えになってしまいました。こっちは旅客空港なので大きな損害は受けてないはずですよ。」
と解説を加えた。
 同じ空港でも昨晩の炎に包まれたメリトポリ空軍基地に対して、戦時とは思えない落ち着きと賑わいを見せるギャップに稀世は「やっぱり戦争はしたらあかんねんな…。」と呟いた。直が、「昨日の一件で少しでもこの不幸な戦争が終わることを祈ろうや。さあ、昼はどんなごちそうが出るんかな?」と直がつとめて明るく稀世に声をかけた。

 ボルィースピリ国際空港から政府所有のハイヤー三台に分乗してニコニコメンバー六人と、ジャリルとセシル、そしてエイノとハンスはヴェルホーヴナ議事堂にむかった。途中、何か所かミサイルやドローン攻撃で壁に穴が開いたり、崩れたビルを見かけたが概ね平和な街を抜けていった。
 「ねえ、この間のWWEのレセプションやないけど今日の国防大臣との昼食会はドレスコードは大丈夫なんやろか?」という陽菜の問いに直が「大丈夫やろ。なんせ大統領がいつもTシャツやからな。カラカラカラ。」と笑って返した。
 議事堂に着くと、屈強なSPと兵士に囲まれた国防相が笑顔で迎えてくれた。ゴージャスな食事会場に通されると、コース料理の形式で料理が次々と運ばれてきた。「ジャガイモ」、「豚肉」、「鯉」が中心となるウクライナ料理だったが、どれも美味しくいただいた。前菜の時のビールはわざわざ日本製を用意してくれていた。サーロと言う「豚の脂身の塩漬け」が非常によくあった。
 魚料理は食べ慣れない「鯉」であったが、昨日二回またいだドニエプル川で獲れたものと聞くと味はひとしおだった。肉は「がっつりとした豚」の煮込む料理が提供された。「ウクライナ料理」は「熱の料理」と言われるように、最初に出たサラダとサーロ以外は全て、「煮込み」か「焙り」か「焼き」料理だった。
 途中、日本のニュースでもおなじみのひげにTシャツ姿の大統領が「リモート」で挨拶してくれた。ミサイル攻撃による「暗殺」を防ぐために居場所は「非公開」と聞いていたので仕方なかった。どこで間違えて伝わったのかわからないが、夏子と陽菜を大統領の「前職」と同じ「コメディアン」と思い込んでいたようで、大統領の発言は夏子を少し不機嫌にさせたが、大統領の感謝の言葉に夏子を除く全員が恐縮した。
 
 あっという間に楽しい食事会が終わり、国防相からサプライズでボルィースピリ国際空港からロサンゼルスまでの直行便のファーストクラスのチケットが八枚用意された。予定より一日早い帰国なので機内で「ロマネコンティ」も「ドンペリニヨン」も飲み放題と聞かされ、夏子と陽菜と稀世は大喜びした。
 国防相が握手をし、「戦争が終わったら、平和になったウクライナに遊びに来てください。」とあいさつをして退席すると、エイノ少佐が夏子と陽菜に50万ドルの「バンク・オブ・アメリカ」の小切手を手渡してくれたが、振出人の部分には付箋が貼られていた。羽藤が小切手を確認すると、夏子と陽菜は小切手とスマホで写真を撮り、ジャリルのカメラに笑顔で収まった。
「では、私たちの獲得した50万ドルは一旦、ADのジャリルさんにお預けしまーす!」
とカメラを構えるジャリルに手渡すシーンでロケは終わった。
 エイノ少佐とハンス大尉は羽藤に丁寧に礼を済ますと、夏子と陽菜をハグして、ニコニコメンバーの六人とジャリルとセシルの似顔絵の入った八層のマトリョーシカとウクライナの土産物屋で人気だというロシアのプーチン大統領の顔の印刷されたトイレットペーパーをお土産に持たせてくれたが、マトリョーシカだけ受け取った。行き場のなくなったトイレットペーパーは、視聴者へのお土産プレゼントという事でジャリルが持ち帰ることになった。

 エイノ少佐とハンス大尉に見送られ、12時間半の「戦士の休息」を大量の高級酒と共に楽しむつもりが、飲み慣れない高級酒のチャンポンに離陸後3時間で、夏子と陽菜はエチケット袋の友となり寝込んでしまう。その横で、稀世と直はボウリングができるほどのボトルを並べていった。
 ジャリルは夏子に毛布をかけてやると、セシルと何やら話し出した。酔いと時差ボケにかかった夏子の目に、難しい顔をしてジャリルの話を聞くセシルの顔が入ってきた。何やら不安を感じたが、この四日間の疲れもあり、自然と眠りに落ちていった。



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