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「ソマリアの海賊」
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「ソマリアの海賊」
10月7日午後7時、ニコニコメンバーはソマリランド共和国のベルバラ港にいた。まずはロサンゼルスからパリのシャルル・ド・ゴール空港でエール・フランス航空に乗り換え、日本の海上自衛隊も拠点としているスエズ運河出入り口の人口100万人弱のジブチに入国した。ジブチ国際空港からは陸路でソマリランドに入り、隣国エチオピアの輸出・輸入港として機能しているベルバラ港まで走って来た。現地を走る車は99%が中古の日本車で1980年代の車もこの国では現役で走っている。直と羽藤は懐かしそうに古いトヨタや日産の車を目で追っている。
ソマリランド共和国は国際法上認められた国家ではないため、日本との国交は無い。したがって、これらの日本車はかつてエチオピアやドバイに輸出された中古車のさらに「お古」である。
1960年7月にイタリア信託領とイギリス領土が同時に独立し、合併してできたのがソマリア共和国であり、そのソマリア共和国から1991年5月に旧イギリス領だったソマリア北部が「ソマリランド」を自称し、一方的に独立宣言をしたのが「ソマリランド共和国」のスタートである。西はジブチ、南はエチオピア、東をソマリアに囲まれた740キロの海岸線を持つこの国は世界銀行によると世界で四番目に貧しい国とされている。
1991年から1995年3月までは国際連合のソマリア活動が二期にわたり展開され、内戦の終結と再度のソマリア統一に動いたが、元々「イタリア」と「イギリス」と別々の国に統治されていた両国が再統一することなくうやむやになっているのが実際である。
昨今は旱魃に見舞われ、国の産業の三分の一を支える牛、羊、山羊、ラクダなどの畜産業も危機に瀕している。海に面してはいるが、国民の食卓に魚介類が上ることは少ない。
夏子たちは夕食を取るために港湾職員が使っているのであろう食堂に入った。セシルと羽藤は別行動でいない。
「あー、暑い!この間までの流行り病でつけてたマスクも大概やったけど、このブルカはそれ以上に暑いな!私と陽菜ちゃんなんか動くテルテル坊主やがな。私も稀世姉さんや直さんみたいに髪と耳と首だけ隠すヘジャブの方が良かったのになー!」
とブルカの被り物を取った。
「なっちゃんと陽菜ちゃんは「独身」ですから仕方が無いですね。街中では我慢してください。イスラムにはイスラムのルールがあります。ところで「てるてるぼうず」って何ですか?」
ジャリルが質問すると、陽菜がスマホを出して日本の「テルテル坊主」の画像を見せ、説明をつけ加えた。
「あー、「晴れ」を望む「お守り」みたいなものですね。ここソマリランドでは必要のないものですが。もうずっと旱魃ですからねぇ…。ここベルバラでも47.7度を記録したことがあるそうですよ。」
ジャリルは両人差し指で天を指し、その後、「×」印を作った。「ヘジャブ」と呼ばれるヘッドスカーフ姿の稀世と直は席に着くと「あー、ミッション終わるまで「ビール」も飲まれへんねんな。パリの空港でもっと飲んでおけばよかった…。」、「せやな…、わしは絶対にイスラム教徒にはなられへんな。」と愚痴りながらテーブルの水差しでグラスに水を注いだ。
六人で食事をとっていると、8時前に羽藤とセシルが戻ってきた。「なんか情報は掴めたん?」と稀世が尋ねると羽藤が「はい。今回の報酬の20万ドルの出先は海運会社や海運保険会社じゃなかったですね。セシルさんの情報が正しかったみたいです。」と答えると、直が「じゃあ、ほんまに居もせえへん海賊探しに行かなあかんのか?こりゃ、今回は「お題」未達成は決定やのう。」と呟いた。
ソマリア沖の海賊行為は外務省のホームページによると2009年から2011年までの、218件、219件、237件をピークにスエズ運河を貿易で利用する国々による自衛隊を含む各国海軍の海賊対処活動や民間軍事会社による商船への武装警備員の配備が進み、海賊等の事案は激減し、2015年以降は一桁で推移し、ソマリア沖、アデン湾に関しては2021年の1件の事件を最後に発生していないらしい。現在の海賊事件の発生場所はコンゴやリベリア等のアフリカ西岸部に移っている。
「ふーん、ジャリルさんどないすんの?せっかく大型のクルーザー手配したけど、三日間クルージングだけして、「海賊退治」の「取れ高ゼロ」で帰らなあかんかもしれへんなぁ?そうなったらジェフのボケに怒られへん?」
と夏子がジャリルを気遣った。
「まあ、そこは心配する必要はないです。ミス夏子、明日、早速「派手なドンパチ」がありますから。」
とセシルの同時通訳器の機械音声が食堂内に響いた。「へっ?」夏子は首を傾げた。
10月8日午前5時、ベルバラ港に停泊する50フィートの大型クルーザーのスイートルームで夏子と陽菜は目を覚ました。いつもの時差ボケ対策で、日の出とともに目を覚まし、熱めのシャワーを浴びた。夏子がシャワーを終わり、バスタオル一枚で部屋に出てきたとき、ノック音と同時に稀世とジャリルが飛び込んできた。
「きゃっ!」驚いた夏子がバスタオルを落とした瞬間、稀世は「おっ、こんな状況でも「Vゾーン」のお手入れは完璧やな!ジャリルさんに見せるためか?」と突っ込んだ後ろで、ジャリルの目は夏子の裸体にくぎづけになり「…ファンタスティック…、ジャスト・アイデアィル…」と呟いた。
夏子は真っ赤になってタオルを拾い上げ前を隠した。「えっ、ジャリル、今なんて言ったん?」と問いかけると、
「カラカラカラ、奇跡が起きかかっとるんかのう?こりゃ、今日にもソマリランドに雨が降るで!夏子の裸を見て「ファンタスティック」に「アイディアル」やとさ!」
と笑いながら直が入ってきた。直は、固まったままのジャリルに代わって丁寧に「アイディアル」は「ideal」のスペルで「理想」という意味や」と説明してくれ、「そないいう割に、ジャリルさん、「ココ」は反応してへんのう!大きくしたらんと、夏子に失礼やろ。」とジャリルの股間を撫でると 「きゃっ!」とジャリルが後ろに飛び去った。首をひねって固まる直の様子を見た稀世が笑いながら言った。
「直さん、セクハラで「賠償」求められてまうで。アメリカは訴訟大国やからな。」
夏子は隣のドレスルームに入ると白いビキニに着替え、上からパーカーを羽織ると、リビングに出た。少し遅れて、羽藤と舩阪とセシルが入ってきた。スイートの十二人掛けのソファーにわかれて座った。ジャリルはカメラを置き、スイッチを切った。
セシルの仕切りでミーティングが始まった。今日、昼前にはベルバラ港を出発し、アデン湾に向かう。昨晩のうちにCBSの「目指せ!ミリオネラ!」のブログでニコニコチームはアデン湾にむかいソマリランドに沿って沖合20カイリを東に向けて哨戒活動することがブログで公表されている。何から何まで極秘行動だったウクライナの時とは大きく違う。
作戦会議が進むと途中で羽藤と舩阪がゴルフバッグとバケツいっぱいのケチャップを持ってきた。「海に行くのになんでゴルフバッグなん?」とバケツを無視して陽菜が質問すると、舩阪がバッグの中から前後二か所に丸いグリップと引き金がついたグリップとその上に照準器が黒い筒を二本と流線型の弾頭を取り出し、テーブルに並べた。
「あー、PGP-7やー!懐かしいなー!三か月前に道頓堀で工事用のネット付きのフェンスで止めたった対戦車ロケット砲やな!」
と稀世が叫んだ。首をひねるジャリルに夏子が7月に大阪で起こった対テロリスト戦の顛末を説明した。陽菜は舩坂もマンホールで弾頭をはじいてたくさんの人を救ったことを自信満々に話した。
「信じられない…。」というジャリルを横目に「羽藤さん、舩坂君、これほんまもんなん?海賊退治に使う奴?」と稀世が尋ねると、羽藤から、「半分「あたり」で半分「はずれ」です。」と言われた後に「「本物」っていうところは「あたり」で「はずれ」っていうのは何に向かって撃つのかっていうのは未定です。」と舩阪が笑いながら言った。
「どういう意味?」夏子と陽菜が首をひねっていると、「そこは私から説明しましょう。」とセシルの自動翻訳機の機械音声が再び響いた。
午後1時半、クルーザーは波も穏やかなアデン湾を10ノットで東に向かって進んでいた。最上階キャビンで「海の上は自由でええのう!」と直が一日ぶりの「ビール」を楽しんでいる。夏子と陽菜と稀世は水着で船上プールを楽しんでいる。ジャリルはプールで遊ぶ三人をカメラで追っている。セシルはプール横のビーチチェアーに寝そべり、スマホをいじっている。操舵室はオートクルーズにしているので無人になっている。羽藤と舩阪はビールを楽しんでいる直の横で双眼鏡を構え沿岸方向を中心に索敵している。
階下のプールフロアからセシルが最上階の羽藤に叫んだ。英語で叫んでいるので夏子たちには何を言ってるのかわからないがプールサイドでジャリルが慌てているのはわかる。舩阪が駆け下りてきてプールの中の三人に大声で伝えた。
「陽菜ちゃん、海賊がやってくるで!稀世姉さんもなっちゃんも戦闘準備してくださいね!このまま直進していけば約十分後に接敵します。船上での格闘戦になりますんで滑らない靴に履き替えといてくださいね。くれぐれもビーチサンダルじゃだめですよ。」
午後1時40分、ニコニコチームが乗ったクルーザーの前方に発炎弾が二発打ち上げられているのが見えた。羽藤はオートクルーズを解除し、速度を落とした。まもなく青と白のチェッカーフラッグの国際救難旗をマストに掲げた船が見えてきた。操縦デッキに集まった八人の目の前にある無線機が鳴った。羽藤が無線を受けると、英語のメッセージが入ってきた。
夏子たちの横でジャリルが翻訳して内容を伝えてくれる。
「我々の船は、浸水中。動力は停止し、バッテリー残量もわずか。後、三十分も持たずに沈没します。どうか、乗組員を助けてください。…どうも海賊船ではなく、遭難船のようですね。一応、カメラは回し続けますね。皆さんのウエアラブルカメラもそのままにしておいてください。国際救助も番組的には「美味しい」場面ですのでご協力お願いします。あぁ、羽藤さんが救助に応じる旨、お返事されました。今から接舷するみたいです。向こうの人数は十五名だそうです。この船の定員は十五名ですから定員オーバーになりますが、放っておくわけにもいきませんもんね。」
ジャリルが説明し終わると、夏子と陽菜が口を押さえて笑いをこらえている。直は指をぽきぽきと鳴らし気合を入れている。稀世は「直さん、またマグネットボール借りるで。ロスに戻ったらリトルトーキョーの1ドルショップで買って返すから全部持っていかせてもらうで。」と笑顔だ。(えっ、みんなのこの表情って何?いったいこれから何が起こるの?)カメラを構えつつ、ジャリルは状況がつかめずオロオロした。
操舵室正面に徐々に船影が大きく見えてきた。羽藤はスロットルを絞り、減速した。お互いの船首を右舷側ですれ違わせた。
「500トンクラスですね。おっ、「豊栄丸」?日本船籍の漁船?何か聞き覚えが…。まあ、まずは「救助」が必要ですので、横づけして「敵船」…、いや「救難船」の乗組員をこちらに受け入れましょう。」
羽藤の言葉にジャリルの頭にクエスチョンマークがいくつも浮かんだ。セシルは最上階デッキにカメラを持って上がっていき、稀世と直は夏子と陽菜を引きつれて右舷デッキに降りていったのでジャリルもそれに続いた。リビングから舩阪がケチャップの入ったバケツを持って来てデッキの端に置いた。
午後2時クルーザーの三倍の全長がある大型漁船に横づけすると漁船から日本のロープが投げ下ろされた。舩阪が器用に船首と後部のロープポールにもやい結びで縛りつけると、赤黒く日焼けした船長帽をかぶった男が「ソーリー、ソーリー。アイム「バサム・ハムシュ」。セカンドキャプテン・オブ・ディス・シップ」と言いながら出てきて英語で話しかけてきた。ジャリルが「救援感謝します。もう三十分で沈没しそうなので取り急ぎ乗組員を受け入れてください。」と通訳をした。
側舷にたらされたロープを伝い、次々とイスラム教の男性衣装の白いガラベイヤに男性用帽子のタギーヤを被った男達がクルーザーに降りてくる。(えっ、この人たちって本当に漁船員?全然汚れてないし、船上でガラベイヤはあり得ないよね。普通、ズボンにゴム長靴よね?)と訳が分からずカメラを回し続けるジャリルのカメラのレンズに十人目の男の右手が覆い被さりモニター画面が真っ暗になると、その男がガラベイヤの中から拳銃を取り出し、ジャリルに突きつけ背後に周り腕を絞り、カメラのスイッチを切った。(えっ、銃?何?私人質になったの?)
「ストップ!ドント・ムービング!ビー・サイレント!」
とバサムの声が船上で響いた。「きゃー、怖いわー。」、「いや-、助けて―。」と抑揚のない夏子と陽菜の悲鳴に聞こえない言葉がジャリルの耳に届きふと前を見上げると、漁船の上にアサルトライフルを構える男二人と今朝、キャビンで見た対戦車ロケット弾のRPG-7を構える男が視界に入った。「がおっ、ミサイルなんて撃たないで。」と稀世の棒読みの言葉が出ると、最後に平べったい顔をした男がアサルトライフルのAK-47を肩に、パイレーツ・オブ・カリビアンのジャック・スパローのような帽子を被って出てきた。明らかに、アラブ系の顔ではないし、アフリカ系の顔でもない。
「ハーイ、ウエルカム・トゥー・ソマリランド!ウイ・アー・パイレーツ・オブ・アデン湾!マイネーム・イズ・マジャド・ハラビ。アイム・キャプテン・オブ・ザ・ディス・チーム。」
男が映画のように大げさに両手を広げて声をあげた。
「「湾」って日本語やんけ!どうせやったら「ベイ(※bay)」って言わんかい!雰囲気、めちゃくちゃやないかい!」
と直が文句を言うと、マジャドは不機嫌な顔になり
「ん、元気な人質がいますね…。じゃあ、わかりやすく日本語で説明しましょう…。文句言うと撃っちゃいますよ。」
と空に向けてAK-47を連射した。「カタタタタタ」と三秒間発射音が海に響いた。
「きゃぁ、撃たないで。」、「鉄砲、怖ーい。」、「撃たれたら死んじゃうー。」と夏子、陽菜、稀世が棒読みする。舩阪は笑うのを抑えるのに必死だ。
マジャド・ハラビと名乗る男も含めて十五名がクルーザーに乗り込んできた。マジャドとバサムを含めて三名がAK-47を持ち、一名がRPG-7を構え、ジャリルを確保している一名が拳銃を持っているのが確認できた。
マジャドが「全員、このデッキに集まってください。変なことをすると、本当に撃っちゃいますよ。私たちに引き金を引かさないでくださいねー。」と流ちょうな日本語で話した。羽藤もデッキに上がってきたがセシルは最上階でこっそりカメラを構えている。海賊たちはセシルには気づいていないようだ。
「はーい、日本人六人とアメリカ人のカメラマンだけですか?」と問うマジャドに「はーい」と元気に稀世が手を挙げた。緊張感のない稀世の態度に、マジャドはいぶしがったが、
「わかりました。私たちはアデン湾の海賊です。アメリカ人は手を出すと「軍隊」が出てきて怖いのですぐに釈放してあげます。日本人の六人は人質です。ジブチに日本の自衛隊がいますが、自衛隊はこれくらいの事では動かないですから私たちは安心ですねー!今から、身代金を要求しまーす。皆さんは、アメリカのテレビでいっぱい稼いでるって知ってますよー!自分たちの「命」にいくら払ってくれますかー?」
日本語でマジャドが自ら海賊を宣言した。
「この人たちに手を出さないでください。私はアメリカのCBS放送のスタッフです。あなたたちの要求は何なんですか!」
とジャリルが海賊たちに問いかけた。
10月7日午後7時、ニコニコメンバーはソマリランド共和国のベルバラ港にいた。まずはロサンゼルスからパリのシャルル・ド・ゴール空港でエール・フランス航空に乗り換え、日本の海上自衛隊も拠点としているスエズ運河出入り口の人口100万人弱のジブチに入国した。ジブチ国際空港からは陸路でソマリランドに入り、隣国エチオピアの輸出・輸入港として機能しているベルバラ港まで走って来た。現地を走る車は99%が中古の日本車で1980年代の車もこの国では現役で走っている。直と羽藤は懐かしそうに古いトヨタや日産の車を目で追っている。
ソマリランド共和国は国際法上認められた国家ではないため、日本との国交は無い。したがって、これらの日本車はかつてエチオピアやドバイに輸出された中古車のさらに「お古」である。
1960年7月にイタリア信託領とイギリス領土が同時に独立し、合併してできたのがソマリア共和国であり、そのソマリア共和国から1991年5月に旧イギリス領だったソマリア北部が「ソマリランド」を自称し、一方的に独立宣言をしたのが「ソマリランド共和国」のスタートである。西はジブチ、南はエチオピア、東をソマリアに囲まれた740キロの海岸線を持つこの国は世界銀行によると世界で四番目に貧しい国とされている。
1991年から1995年3月までは国際連合のソマリア活動が二期にわたり展開され、内戦の終結と再度のソマリア統一に動いたが、元々「イタリア」と「イギリス」と別々の国に統治されていた両国が再統一することなくうやむやになっているのが実際である。
昨今は旱魃に見舞われ、国の産業の三分の一を支える牛、羊、山羊、ラクダなどの畜産業も危機に瀕している。海に面してはいるが、国民の食卓に魚介類が上ることは少ない。
夏子たちは夕食を取るために港湾職員が使っているのであろう食堂に入った。セシルと羽藤は別行動でいない。
「あー、暑い!この間までの流行り病でつけてたマスクも大概やったけど、このブルカはそれ以上に暑いな!私と陽菜ちゃんなんか動くテルテル坊主やがな。私も稀世姉さんや直さんみたいに髪と耳と首だけ隠すヘジャブの方が良かったのになー!」
とブルカの被り物を取った。
「なっちゃんと陽菜ちゃんは「独身」ですから仕方が無いですね。街中では我慢してください。イスラムにはイスラムのルールがあります。ところで「てるてるぼうず」って何ですか?」
ジャリルが質問すると、陽菜がスマホを出して日本の「テルテル坊主」の画像を見せ、説明をつけ加えた。
「あー、「晴れ」を望む「お守り」みたいなものですね。ここソマリランドでは必要のないものですが。もうずっと旱魃ですからねぇ…。ここベルバラでも47.7度を記録したことがあるそうですよ。」
ジャリルは両人差し指で天を指し、その後、「×」印を作った。「ヘジャブ」と呼ばれるヘッドスカーフ姿の稀世と直は席に着くと「あー、ミッション終わるまで「ビール」も飲まれへんねんな。パリの空港でもっと飲んでおけばよかった…。」、「せやな…、わしは絶対にイスラム教徒にはなられへんな。」と愚痴りながらテーブルの水差しでグラスに水を注いだ。
六人で食事をとっていると、8時前に羽藤とセシルが戻ってきた。「なんか情報は掴めたん?」と稀世が尋ねると羽藤が「はい。今回の報酬の20万ドルの出先は海運会社や海運保険会社じゃなかったですね。セシルさんの情報が正しかったみたいです。」と答えると、直が「じゃあ、ほんまに居もせえへん海賊探しに行かなあかんのか?こりゃ、今回は「お題」未達成は決定やのう。」と呟いた。
ソマリア沖の海賊行為は外務省のホームページによると2009年から2011年までの、218件、219件、237件をピークにスエズ運河を貿易で利用する国々による自衛隊を含む各国海軍の海賊対処活動や民間軍事会社による商船への武装警備員の配備が進み、海賊等の事案は激減し、2015年以降は一桁で推移し、ソマリア沖、アデン湾に関しては2021年の1件の事件を最後に発生していないらしい。現在の海賊事件の発生場所はコンゴやリベリア等のアフリカ西岸部に移っている。
「ふーん、ジャリルさんどないすんの?せっかく大型のクルーザー手配したけど、三日間クルージングだけして、「海賊退治」の「取れ高ゼロ」で帰らなあかんかもしれへんなぁ?そうなったらジェフのボケに怒られへん?」
と夏子がジャリルを気遣った。
「まあ、そこは心配する必要はないです。ミス夏子、明日、早速「派手なドンパチ」がありますから。」
とセシルの同時通訳器の機械音声が食堂内に響いた。「へっ?」夏子は首を傾げた。
10月8日午前5時、ベルバラ港に停泊する50フィートの大型クルーザーのスイートルームで夏子と陽菜は目を覚ました。いつもの時差ボケ対策で、日の出とともに目を覚まし、熱めのシャワーを浴びた。夏子がシャワーを終わり、バスタオル一枚で部屋に出てきたとき、ノック音と同時に稀世とジャリルが飛び込んできた。
「きゃっ!」驚いた夏子がバスタオルを落とした瞬間、稀世は「おっ、こんな状況でも「Vゾーン」のお手入れは完璧やな!ジャリルさんに見せるためか?」と突っ込んだ後ろで、ジャリルの目は夏子の裸体にくぎづけになり「…ファンタスティック…、ジャスト・アイデアィル…」と呟いた。
夏子は真っ赤になってタオルを拾い上げ前を隠した。「えっ、ジャリル、今なんて言ったん?」と問いかけると、
「カラカラカラ、奇跡が起きかかっとるんかのう?こりゃ、今日にもソマリランドに雨が降るで!夏子の裸を見て「ファンタスティック」に「アイディアル」やとさ!」
と笑いながら直が入ってきた。直は、固まったままのジャリルに代わって丁寧に「アイディアル」は「ideal」のスペルで「理想」という意味や」と説明してくれ、「そないいう割に、ジャリルさん、「ココ」は反応してへんのう!大きくしたらんと、夏子に失礼やろ。」とジャリルの股間を撫でると 「きゃっ!」とジャリルが後ろに飛び去った。首をひねって固まる直の様子を見た稀世が笑いながら言った。
「直さん、セクハラで「賠償」求められてまうで。アメリカは訴訟大国やからな。」
夏子は隣のドレスルームに入ると白いビキニに着替え、上からパーカーを羽織ると、リビングに出た。少し遅れて、羽藤と舩阪とセシルが入ってきた。スイートの十二人掛けのソファーにわかれて座った。ジャリルはカメラを置き、スイッチを切った。
セシルの仕切りでミーティングが始まった。今日、昼前にはベルバラ港を出発し、アデン湾に向かう。昨晩のうちにCBSの「目指せ!ミリオネラ!」のブログでニコニコチームはアデン湾にむかいソマリランドに沿って沖合20カイリを東に向けて哨戒活動することがブログで公表されている。何から何まで極秘行動だったウクライナの時とは大きく違う。
作戦会議が進むと途中で羽藤と舩阪がゴルフバッグとバケツいっぱいのケチャップを持ってきた。「海に行くのになんでゴルフバッグなん?」とバケツを無視して陽菜が質問すると、舩阪がバッグの中から前後二か所に丸いグリップと引き金がついたグリップとその上に照準器が黒い筒を二本と流線型の弾頭を取り出し、テーブルに並べた。
「あー、PGP-7やー!懐かしいなー!三か月前に道頓堀で工事用のネット付きのフェンスで止めたった対戦車ロケット砲やな!」
と稀世が叫んだ。首をひねるジャリルに夏子が7月に大阪で起こった対テロリスト戦の顛末を説明した。陽菜は舩坂もマンホールで弾頭をはじいてたくさんの人を救ったことを自信満々に話した。
「信じられない…。」というジャリルを横目に「羽藤さん、舩坂君、これほんまもんなん?海賊退治に使う奴?」と稀世が尋ねると、羽藤から、「半分「あたり」で半分「はずれ」です。」と言われた後に「「本物」っていうところは「あたり」で「はずれ」っていうのは何に向かって撃つのかっていうのは未定です。」と舩阪が笑いながら言った。
「どういう意味?」夏子と陽菜が首をひねっていると、「そこは私から説明しましょう。」とセシルの自動翻訳機の機械音声が再び響いた。
午後1時半、クルーザーは波も穏やかなアデン湾を10ノットで東に向かって進んでいた。最上階キャビンで「海の上は自由でええのう!」と直が一日ぶりの「ビール」を楽しんでいる。夏子と陽菜と稀世は水着で船上プールを楽しんでいる。ジャリルはプールで遊ぶ三人をカメラで追っている。セシルはプール横のビーチチェアーに寝そべり、スマホをいじっている。操舵室はオートクルーズにしているので無人になっている。羽藤と舩阪はビールを楽しんでいる直の横で双眼鏡を構え沿岸方向を中心に索敵している。
階下のプールフロアからセシルが最上階の羽藤に叫んだ。英語で叫んでいるので夏子たちには何を言ってるのかわからないがプールサイドでジャリルが慌てているのはわかる。舩阪が駆け下りてきてプールの中の三人に大声で伝えた。
「陽菜ちゃん、海賊がやってくるで!稀世姉さんもなっちゃんも戦闘準備してくださいね!このまま直進していけば約十分後に接敵します。船上での格闘戦になりますんで滑らない靴に履き替えといてくださいね。くれぐれもビーチサンダルじゃだめですよ。」
午後1時40分、ニコニコチームが乗ったクルーザーの前方に発炎弾が二発打ち上げられているのが見えた。羽藤はオートクルーズを解除し、速度を落とした。まもなく青と白のチェッカーフラッグの国際救難旗をマストに掲げた船が見えてきた。操縦デッキに集まった八人の目の前にある無線機が鳴った。羽藤が無線を受けると、英語のメッセージが入ってきた。
夏子たちの横でジャリルが翻訳して内容を伝えてくれる。
「我々の船は、浸水中。動力は停止し、バッテリー残量もわずか。後、三十分も持たずに沈没します。どうか、乗組員を助けてください。…どうも海賊船ではなく、遭難船のようですね。一応、カメラは回し続けますね。皆さんのウエアラブルカメラもそのままにしておいてください。国際救助も番組的には「美味しい」場面ですのでご協力お願いします。あぁ、羽藤さんが救助に応じる旨、お返事されました。今から接舷するみたいです。向こうの人数は十五名だそうです。この船の定員は十五名ですから定員オーバーになりますが、放っておくわけにもいきませんもんね。」
ジャリルが説明し終わると、夏子と陽菜が口を押さえて笑いをこらえている。直は指をぽきぽきと鳴らし気合を入れている。稀世は「直さん、またマグネットボール借りるで。ロスに戻ったらリトルトーキョーの1ドルショップで買って返すから全部持っていかせてもらうで。」と笑顔だ。(えっ、みんなのこの表情って何?いったいこれから何が起こるの?)カメラを構えつつ、ジャリルは状況がつかめずオロオロした。
操舵室正面に徐々に船影が大きく見えてきた。羽藤はスロットルを絞り、減速した。お互いの船首を右舷側ですれ違わせた。
「500トンクラスですね。おっ、「豊栄丸」?日本船籍の漁船?何か聞き覚えが…。まあ、まずは「救助」が必要ですので、横づけして「敵船」…、いや「救難船」の乗組員をこちらに受け入れましょう。」
羽藤の言葉にジャリルの頭にクエスチョンマークがいくつも浮かんだ。セシルは最上階デッキにカメラを持って上がっていき、稀世と直は夏子と陽菜を引きつれて右舷デッキに降りていったのでジャリルもそれに続いた。リビングから舩阪がケチャップの入ったバケツを持って来てデッキの端に置いた。
午後2時クルーザーの三倍の全長がある大型漁船に横づけすると漁船から日本のロープが投げ下ろされた。舩阪が器用に船首と後部のロープポールにもやい結びで縛りつけると、赤黒く日焼けした船長帽をかぶった男が「ソーリー、ソーリー。アイム「バサム・ハムシュ」。セカンドキャプテン・オブ・ディス・シップ」と言いながら出てきて英語で話しかけてきた。ジャリルが「救援感謝します。もう三十分で沈没しそうなので取り急ぎ乗組員を受け入れてください。」と通訳をした。
側舷にたらされたロープを伝い、次々とイスラム教の男性衣装の白いガラベイヤに男性用帽子のタギーヤを被った男達がクルーザーに降りてくる。(えっ、この人たちって本当に漁船員?全然汚れてないし、船上でガラベイヤはあり得ないよね。普通、ズボンにゴム長靴よね?)と訳が分からずカメラを回し続けるジャリルのカメラのレンズに十人目の男の右手が覆い被さりモニター画面が真っ暗になると、その男がガラベイヤの中から拳銃を取り出し、ジャリルに突きつけ背後に周り腕を絞り、カメラのスイッチを切った。(えっ、銃?何?私人質になったの?)
「ストップ!ドント・ムービング!ビー・サイレント!」
とバサムの声が船上で響いた。「きゃー、怖いわー。」、「いや-、助けて―。」と抑揚のない夏子と陽菜の悲鳴に聞こえない言葉がジャリルの耳に届きふと前を見上げると、漁船の上にアサルトライフルを構える男二人と今朝、キャビンで見た対戦車ロケット弾のRPG-7を構える男が視界に入った。「がおっ、ミサイルなんて撃たないで。」と稀世の棒読みの言葉が出ると、最後に平べったい顔をした男がアサルトライフルのAK-47を肩に、パイレーツ・オブ・カリビアンのジャック・スパローのような帽子を被って出てきた。明らかに、アラブ系の顔ではないし、アフリカ系の顔でもない。
「ハーイ、ウエルカム・トゥー・ソマリランド!ウイ・アー・パイレーツ・オブ・アデン湾!マイネーム・イズ・マジャド・ハラビ。アイム・キャプテン・オブ・ザ・ディス・チーム。」
男が映画のように大げさに両手を広げて声をあげた。
「「湾」って日本語やんけ!どうせやったら「ベイ(※bay)」って言わんかい!雰囲気、めちゃくちゃやないかい!」
と直が文句を言うと、マジャドは不機嫌な顔になり
「ん、元気な人質がいますね…。じゃあ、わかりやすく日本語で説明しましょう…。文句言うと撃っちゃいますよ。」
と空に向けてAK-47を連射した。「カタタタタタ」と三秒間発射音が海に響いた。
「きゃぁ、撃たないで。」、「鉄砲、怖ーい。」、「撃たれたら死んじゃうー。」と夏子、陽菜、稀世が棒読みする。舩阪は笑うのを抑えるのに必死だ。
マジャド・ハラビと名乗る男も含めて十五名がクルーザーに乗り込んできた。マジャドとバサムを含めて三名がAK-47を持ち、一名がRPG-7を構え、ジャリルを確保している一名が拳銃を持っているのが確認できた。
マジャドが「全員、このデッキに集まってください。変なことをすると、本当に撃っちゃいますよ。私たちに引き金を引かさないでくださいねー。」と流ちょうな日本語で話した。羽藤もデッキに上がってきたがセシルは最上階でこっそりカメラを構えている。海賊たちはセシルには気づいていないようだ。
「はーい、日本人六人とアメリカ人のカメラマンだけですか?」と問うマジャドに「はーい」と元気に稀世が手を挙げた。緊張感のない稀世の態度に、マジャドはいぶしがったが、
「わかりました。私たちはアデン湾の海賊です。アメリカ人は手を出すと「軍隊」が出てきて怖いのですぐに釈放してあげます。日本人の六人は人質です。ジブチに日本の自衛隊がいますが、自衛隊はこれくらいの事では動かないですから私たちは安心ですねー!今から、身代金を要求しまーす。皆さんは、アメリカのテレビでいっぱい稼いでるって知ってますよー!自分たちの「命」にいくら払ってくれますかー?」
日本語でマジャドが自ら海賊を宣言した。
「この人たちに手を出さないでください。私はアメリカのCBS放送のスタッフです。あなたたちの要求は何なんですか!」
とジャリルが海賊たちに問いかけた。
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