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3話

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読書三昧の日々をおくっております。
私、全人生の内で一番幸せを今てに入れました。
何の不安もなくただ本を楽しむ日々。
充実していて、幸せ過ぎてもう死んでも…いやもう死んだから死ななくてもいいけど、それくらい幸せ。

お母さんもお父さんも交代で家の書斎で仕事をしてくれている。前よりも家族と過ごす時間が増えた。
お母さんと魔法薬について教えてもらったり、お父さんが今研究してる魔力の属性抽出?についてお話聞いたり…
お父さんの説明は難しすぎて理解が追い付かないけど、将来は私も研究者になりたいなって思う。
だって本を読んで検証して、論文書いて本になるって凄くない??
趣味が仕事って前世ではごく一部の人しか手に入れられない幸せだったけど、ここでは違う。本に魔法…それが仕事になるなら是非ともしたい。
魔法の仕事なんていくらでもあるし、本が絡む仕事も多い。

1ヶ月ほどで専門用語以外は読み書き出来るようになった。
最近ではシャルナーは私の隣にいてもすることがないからといって、仕事に戻ってる。

「ライナは誰に似たんだろうな?こんなに小さい頃から勉強した記憶は私にはないが」

「お父さん、私勉強してないよ?本読むの好きなだけ」

最初は読める字が増える度に喜んでくれた両親が不信がってる気がする。
そりゃ、3歳ちょいの子が大人が読むような本を静かに読んでるのだ。気味悪いよねー。
もう少し我慢するべきだったかなと思うけど…読める字が増えて、知らない世界が広がっていく楽しさを手放せなかった。
ここは…惚けて知らないふり。

「その本の内容分かるのかライナ?」

「???」

首をかしげてニコっとしておく。

「文章読むの楽しいよー」

内容はあくまで分かってません。文章読むのが楽しい盛りの女の子です。って設定で!!

「そうか。文章読むのが楽しいのか」

「うん」

今読んでるのはこの国の歴史と同じ大陸にある国との関係について書いてある本だ。
3歳が理解できたら恐い内容である。

日々読書をしながら知識を蓄えているが、もちろん魔力のコントロールについてもしっかりと練習している。
お腹がグルグルするのは何とかトイレに駆け込まなくてよくなった!!
これ大事だよね!魔力を意識するだけでトイレに行かないとダメな子とかイタ過ぎるから。

慣れると魔力が何処にあるか分かりやすくて助かってる。
が、動かすのは難しい…
本で読んだ知識によると、体には存在する魔力の内で動かすことが出来る量は、多い人で全体の20%くらいで、平均に5~10%動かせたらいいみたい。
それくらい、お腹の所にある魔力を動かすのは難しい。なかなかお腹の中心部から離れてくれないのだ。
お腹の真ん中に磁石があって、回りに砂鉄がどっさりある。何とか動かそうとしても磁石に引っ張られてサラサラと中心に戻っていく。そんな感じ…
魔法を発動させるには、魔石を装備する手まで動かさなくちゃダメなのに。
胸元辺りまでかろうじて持っていけるかどうかって辺りをうろうろしてる。

が、取り敢えず動かせるようにって練習してたら中心の磁石を回すイメージで砂鉄をグルグル回せるようになった。
もう私のイメージ的に魔力じゃなくて磁石と砂鉄になっちゃってるよ。

魔石は5歳の誕生日に魔力測定をして魔力を認められると国から貰えるらしい。後1年ちょっとだからそれまでには魔力を手にまで動かせるようになるぞー!!

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4歳の誕生日が過ぎて5歳までのカウントダウンが始まった。
といっても私の生活は変わらない。

ご飯、読書、ご飯、読書、ご飯、魔力コントロールの練習

最近変わった事と言えば…
お母さんとお父さんが仕事が忙しくて研究所に行く日が増えた事くらい。
部署も部門も違う研究所所属の両親だが、合同研究をしているらしい。そうなると2人で家にいるよりも、2人で設備の整った所で研究した方が捗るだろう。
私は寂しいとかだだっ子はしないし、行ってらっしゃいと2人を見送る。
元の歳を考えても両親よりかは精神年齢は上だからね‼上だよね?上なはず!

「ライナ様。今日はお外に行きましょう。お散歩も楽しいですよ。」

そう後これ!外に出たがらない私をシャルナーは連れだそうとする。買い物に出かける時はお供するようにしてるが、それ以外の時は断固拒否。
健康に悪い?そんなわけない、心がこんなにも満たされていて健康に悪いわけがない!
それに重い本を運んで、手が届かない本のためにおもっきりジャンプもしてる。
そして、読書は庭の日が当たる所でしているのだ!
この小さい体で分厚い本を持って日に5往復はしている。運動不足とは言わせない。
魔力コントロールの練習と一緒に柔軟体操もしている。完璧過ぎる。
なのにシャルナーは私を外へと出したがる。解せぬ。

早く5歳にならないかなー
そんな事を思いながらシャルナーの声をBGMに今日も庭で本を読む。

外で散歩。同じ年頃の子と遊ぶ。
精神年齢高い私には無理だ…
現実逃避ではない。本が好きだから本を読んでるのだ。読書は趣味ですから。
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