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パネサのお気に入りのお風呂
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「今から行うのは空間指定です」
「箱のような空間を認識しましたね? その角を光らせます、光はあくまでイメージです」
順番は自由に決めてOKだそうだ。
ところで、全スキルの基本となる空間認識を取得していないけど、別のスキルを取得したので空間認識はもういいの?
と思ったら、「ダネルは先ほどの訓練の続きをします」と言われた。
エルネスがこちらを見たので、指サインで「黙れ!」と先に言った。
パネサと一緒にハーラートの方に向かう。
途中でカクコーが寝そべって牧草を食んでいた。
周りは牧草が刈り取られている。
ハーラートは夕食の準備をしている。
箱車から地面に向かって布の屋根が付けられていた。
その下にテーブルと椅子、それに焚火。
串に刺さった肉が焙られている。
「やあ、パネサ」とハーラート。
俺も名乗って挨拶をした。
「少しうるさいかもしれないけどカクコーの辺りで訓練をしたいの、いいかしら」
「構いませんよ、これを飲みながら見学します」
とカップをかかげた。
ハーラートは口笛を吹いた。
音が広がらずに遠くまで届く、特殊な吹き方だ。
ハンターは仲間への合図で使う。
カクコーは立ち上がってハーラートが指した方に歩いて行った。
亜空間を維持する訓練。
亜空間を出現させて、パネサの動きを真似る。
手足を振ってステップ、要するにダンスだ。
亜空間は維持しなければならないが、無理です。
揺れが大きくなって消える。
1時間程したら「続きは明日ね」と皆のところに戻る。
戻ってきたら、皆凄い集中力だ。
邪魔をしないように静かに見守る。
ジーヌのリングが光った、そしてエルネス。
しばらくするとメリシテのリングも光った。
取得した人の順番が空間認識と同じだ。
パネサに尋ねると、属性の強弱がスキル取得に影響を与えるらしい。
今日の訓練は終わりで、着替えを持って集合。
テントにもぐりこみ、リュックから着替えを取り出して肩掛けカバンに詰めた。
それから、まとまって奥の森の方に歩く。
テントの中にはランタンが掛けてあるので、ひとつひとつのテントは明るい。
だからテントの周りは明るいが、少し離れるとその光も届かない。
「この辺りでいいかしら」
パネサは、顔の傍で指を立てて亜空間と言った。
周囲が少し明るくなった。
ジーヌとメリシテが歓声を上げた。
前には、ボンヤリとした灯りの傍に野天風呂がある。
振り返ると同じものが、でも形は違う。
「お気に入りから選んだ2つよ」
お気に入りから選んだ?
どういうこと?
「どちらがいい?」そう聞かれて、ジーヌとメリシテは温泉を往復した。
1つは白濁で、1つはトロトロしたお湯。
少し悩んで、白濁を選んだ。
じゃぁ分かれてということで、それぞれの温泉の方に移動した。
「1時間後に集合です、10分前にリングで知らせるから。ではごゆっくり」
と言われた途端にゴツゴツした岩の小山が風呂の間に出現した。
まぁ当然ですね。
身体を撫でると、トロトロのお湯だ。
「はぁ~」とため息。
「そういえばパネサは亜空間って言ったよね、ダネルの覚えたのと同じじゃない?」
「今のところ目の前に小さな空間を重ねただけ、レベルが上がると空間も広くなるみたい。だけど、この野天風呂は意味が判らない」
と言ってお湯の手触りを確かめた。
そして食事前のテーブルの一件を話した。
空を見上げると、星がまたたいている。
空間が揺らいでいるのか。
「箱のような空間を認識しましたね? その角を光らせます、光はあくまでイメージです」
順番は自由に決めてOKだそうだ。
ところで、全スキルの基本となる空間認識を取得していないけど、別のスキルを取得したので空間認識はもういいの?
と思ったら、「ダネルは先ほどの訓練の続きをします」と言われた。
エルネスがこちらを見たので、指サインで「黙れ!」と先に言った。
パネサと一緒にハーラートの方に向かう。
途中でカクコーが寝そべって牧草を食んでいた。
周りは牧草が刈り取られている。
ハーラートは夕食の準備をしている。
箱車から地面に向かって布の屋根が付けられていた。
その下にテーブルと椅子、それに焚火。
串に刺さった肉が焙られている。
「やあ、パネサ」とハーラート。
俺も名乗って挨拶をした。
「少しうるさいかもしれないけどカクコーの辺りで訓練をしたいの、いいかしら」
「構いませんよ、これを飲みながら見学します」
とカップをかかげた。
ハーラートは口笛を吹いた。
音が広がらずに遠くまで届く、特殊な吹き方だ。
ハンターは仲間への合図で使う。
カクコーは立ち上がってハーラートが指した方に歩いて行った。
亜空間を維持する訓練。
亜空間を出現させて、パネサの動きを真似る。
手足を振ってステップ、要するにダンスだ。
亜空間は維持しなければならないが、無理です。
揺れが大きくなって消える。
1時間程したら「続きは明日ね」と皆のところに戻る。
戻ってきたら、皆凄い集中力だ。
邪魔をしないように静かに見守る。
ジーヌのリングが光った、そしてエルネス。
しばらくするとメリシテのリングも光った。
取得した人の順番が空間認識と同じだ。
パネサに尋ねると、属性の強弱がスキル取得に影響を与えるらしい。
今日の訓練は終わりで、着替えを持って集合。
テントにもぐりこみ、リュックから着替えを取り出して肩掛けカバンに詰めた。
それから、まとまって奥の森の方に歩く。
テントの中にはランタンが掛けてあるので、ひとつひとつのテントは明るい。
だからテントの周りは明るいが、少し離れるとその光も届かない。
「この辺りでいいかしら」
パネサは、顔の傍で指を立てて亜空間と言った。
周囲が少し明るくなった。
ジーヌとメリシテが歓声を上げた。
前には、ボンヤリとした灯りの傍に野天風呂がある。
振り返ると同じものが、でも形は違う。
「お気に入りから選んだ2つよ」
お気に入りから選んだ?
どういうこと?
「どちらがいい?」そう聞かれて、ジーヌとメリシテは温泉を往復した。
1つは白濁で、1つはトロトロしたお湯。
少し悩んで、白濁を選んだ。
じゃぁ分かれてということで、それぞれの温泉の方に移動した。
「1時間後に集合です、10分前にリングで知らせるから。ではごゆっくり」
と言われた途端にゴツゴツした岩の小山が風呂の間に出現した。
まぁ当然ですね。
身体を撫でると、トロトロのお湯だ。
「はぁ~」とため息。
「そういえばパネサは亜空間って言ったよね、ダネルの覚えたのと同じじゃない?」
「今のところ目の前に小さな空間を重ねただけ、レベルが上がると空間も広くなるみたい。だけど、この野天風呂は意味が判らない」
と言ってお湯の手触りを確かめた。
そして食事前のテーブルの一件を話した。
空を見上げると、星がまたたいている。
空間が揺らいでいるのか。
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