54 / 126
第六章 父と特訓、筋肉アップのサマーバケーション(十五歳)
054 里帰り
しおりを挟む
ナターシャが引っ掛かった、ロマンチック詐欺事件。あまりにお粗末な顛末だったからか。それともお金を奪われる事がなかったからか。
思いの外、ナターシャは落ち込む事なく、無事期末試験を終える事が出来たようだ。
そして私達はついに、最上級生となる、五年生への進級が決まった。
進級が決まったということは、一ヶ月の夏休みに入る事にもなると言うことで。
「へー、今年はご両親とバカンスに行くんだ」
ナターシャは私と会話しながらも、家宝である魔法の鏡を、紫色をした、シルクの布に包み込んでいる。もはや休み前の儀式といった感じ。私にとっては、寂しさを感じる瞬間だ。
そんなナターシャの横顔を眺めつつ、私は首を横に振る。
「バカンスじゃないよ。父さんに魔法の腕を磨いてもらうだけ」
「あーそっか。ルシアのお父様って魔法のプロフェッショナルだっけ?」
「プロフェッショナルかどうかはわからないけど、でも強いと思う」
だからこそ私はこの夏、父の元で魔法の訓練を受ける事にした。
勿論そう思うようになったきっかけはルーカスだ。
少なくともあと一年。一緒に卒業したいとアリア校長先生に告げた手前、私にはその責任がある。
その為には、ルーカスがグール化しないよう、注意を払う必要がある。そして万が一、ルーカスがグール化しかけ、私を食べようとした時。
今の私では彼に勝てない。その事をまざまざと実感した私は、今回の帰省を決めたのである。
勿論この事は誰にも言ってない。周囲にはただ、帰省するとだけ伝えてある。だからこそ、ナターシャもバカンスだと思っていたわけだ。
「植物マニア君も一緒?」
「違うよ。私一人。ルーカスは学校に残って、マンドラゴラの生育を見守るってさ」
「あらら。前回は仲良く帰省したのに?」
「三日もいなかったけどね」
「なるほど」
納得した声をあげたナターシャは、鏡を小脇に抱える。
「じゃ、最後の長期休みに行ってくる。手紙書くから」
「うん。良い夏休みを」
ナターシャと私はお互い肩を抱き合う。そしてナターシャを見送った私は、ガランと静まる部屋に一人残された。
「いつもはベッドに顔を埋めちゃうところだけど」
私も明日、ローミュラー王国に出発する予定だ。
「さ、荷造りしなきゃ」
私は一人、いつの間にか増えてしまった荷物の仕分け作業に取り掛かるのであった。
***
父から指定されたのは、ローミュラー王国の王都にある、とある貴族の屋敷だった。
「灯台もと暗しとは、良く言ったものね」
私は学校所属のグリフォン。エルマーの背にまたがりながら下を見下ろし呟く。
高い石垣に囲まれた広大な敷地の中央にそびえる、華麗な屋敷。その建物は、石造りのファサードが真っ白に塗られ、屋根にはスレートの瓦が重なり合っている。屋敷の前には、整然と並べられた花壇が広がり、彩り豊かな花々が咲き誇っている。
「すごいお金もちそう。毎回テーブルマナーとか厳しかったらどうしよう」
目に飛び込む光景に、若干尻込みする私。
敷地内に入ると、樹木が生い茂る広い庭園が広がっている。中央には噴水が設置され、そこから水の音が静かに響いている。庭園を進むと、美しい花々に囲まれたロータリーがあった。
私はロータリー前でこちらに手を振る、見覚えのある人物の姿を発見する。
「エルマー、あそこに降りてもらえる?」
「キューン!!」
私の言葉に答えたエルマーは、ゆっくりと降下する。そして地面に足をつけた後、エルマーは忙しなく飛び立って行く。
帰省が重なるこの時期は、エルマーにとっては繁忙期。あっち、こっちへと引く手数多で大忙しなのである。
「ありがとう、エルマー」
私は飛び立つエルマーに声をかける。
「キューン」
私のお礼に嬉しそうな声をあげると、エルマーは翼を羽ばたかせ、あっという間に去って行った。
「ただいま戻りました」
「おかえりなさい、ルシア。元気そうで良かったわ!」
母はニコニコ顔で私の手を掴む。三人でひっそりと住んでいた時よりずっと、小綺麗な格好になった母。
背後に映る、立派な屋敷のせいもあり、貴族の御夫人といった感じに見える。相変わらず年齢不詳な可憐さを持ち合わせ、快活な雰囲気を全身から溢れ出している母。
(若い時にモテていたのがわかるような)
しかし、よくよく見るとほうれい線が増えている気がした。
(まぁ、一年ぶりだし)
私が成長する分、母は歳を取る。
それが正しい時の経ち方だ。
「ルシア。また背が伸びたんじゃないか?」
母の横に立っていた父が私の肩を抱く。隠しきれない気品ある佇まいを見せる父は、代わり映えのしない黒いスリーピースに身を包んでいる。
(まぁ、貴族の男性ってみんなこんな感じか)
もはやスリーピーススーツに、トップハット。それからステッキは男性の制服だ。
もしかしたら、一家の長となる男性は、決断疲れによる誤判断を防ぐため、わざと同じような服を着る事にしているのかも知れない。
私はいつだったか、ナターシャの鏡から教えてもらった話を思い出しながら、父の顔を見上げる。去年顔を合わせた時より、少し頬がこけているような気がしなくもない。
「もう背は伸びてないような」
「いいや、伸びた。母さんを追い越してるし、きっと来年は私を追い越すかもな」
父の冗談に母がクスクスと声をあげて笑う。
久しぶりの家族団らんの時間だった。
「ところでルシア。魔法学校生活はどう? 友達とは上手くやってる?」
母は去年と同じ事を尋ねてくる。
「楽しいし、友達とも上手くやってる」
(この前は詐欺師から救ったし)
流石にそれを母に告げると、大袈裟に心配する事がわかっているため、心で付け足しておくに留める。
「そう。なら安心ね。それで、ルーカス殿下とはどうなの?」
母は私の左手に視線を落とす。
「別に。変わらずって感じ」
「変わらずって、それじゃわからないわよ。それに手紙でも殿下との事は全然教えてくれないし」
母はぷくうと頬を膨らませた。
「じゃ、母さんは父さんとのことを全部、両親に報告してた?」
「それは……」
母がそっと視線をそらし、私は勝ちを確信する。
そもそもグール化し、自我を失いかけたルーカスに食べられそうになりました……なんてことは口が裂けても言えるはずがない。
「とにかく、特に何もない。お陰様で充実した学生生活を送れているってこと」
「……そうね。でも、もし困った事があったらすぐ相談しなさいよ。離れていても私達は家族なんだから」
「わかってるって」
私はコクリと首を縦に振った。
「さあ、今日は厨房を借りるお願いをしておいたから、腕をふるってご馳走を作るわ! だからルシアは父さんと部屋で休んでいて」
「うん」
我が家のムードメーカーである母が張り切って、屋敷の中に入っていく。
「まずは、お世話になっている方に挨拶をしておこう。私の可愛い娘だと紹介もしたいしね」
「うん」
両親を匿っている人物。王族派なのは間違いないが、一体どんな人なんだろうと緊張しつつ、私は地面に置いた鞄を持ち上げる。
すると即座にポーターらしき人物が現れ、私の手から鞄をエレガントに奪い去った。
「任せて大丈夫だ。彼が部屋まで運んでくれるから」
鞄を凝視したまま固まる私に、父が声をかける。
「お嬢様、腕を」
父がおどけた声と共に私に腕を差し出す。
「ありがとう、遠慮なく借りるわね」
私も父の冗談のノリに付き合う。
家族サービスの一環だ。
屋敷の中に入ると、豪華な装飾が施された玄関が迎えてくれた。白黒の大理石の床には、真っ赤な絨毯が敷かれている。その先には、天井が高く輝かしいシャンデリアが揺れていた。
「ここは誰の家なの?」
屋敷内の長い廊下を歩きながら、私はどんどん意気消沈していく。
何故なら、そこかしこに高そうな彫刻や絵画が飾られており、「これはただ者ではない」とひしひしと感じてきたからだ。
「ここは、モディリアーニ侯爵家だよ。ローミュラー王国内でも建国から貴族籍に名を連ねる家系で、父の時代は議会の議長を勤めていらした方だよ」
議会の議長と聞き、呑気に葉巻を吸いながら、マンドラゴラになった私の処分を率先して話し合う、ハーヴィストン侯を思い出す。
「モディリアーニ侯は父さんにとっていい人?」
侯爵という言葉に良い印象のない私は、思わず尋ねる。
「一度国を見捨てた私を呼び戻したのは彼なんだ。少なくとも国を思う気持ちだけは、間違いないと思っているよ」
良い人なのか、悪い人なのか。
微妙に判断に困る解答だ。
「父さんはその人を信じられる?」
より具体的な情報を入手するために、質問を変えてみる。
「信じるに値する人なんじゃないかな?」
(何故に疑問形?)
またもや絶妙に断言する事を避ける父。
「それに、私や母さんに何かあった時。モディリアーニ侯にはお前の後見人になってもらうよう、お願いしてあるんだ」
私がムッとした顔をしたのに気付いたのか、父が付け加えた。
「つまり、私とソフィアの大事な娘を預けるに値する人物だという事だ」
父はお得意の慈悲深い、優しい笑みを私に向ける。
「父さんと母さんに何かあるとか、例えでも聞きたくないんだけど」
私はこの世で想像するに、一番最悪な事を口にした父を、罰としてしっかりと睨んでおいたのであった。
思いの外、ナターシャは落ち込む事なく、無事期末試験を終える事が出来たようだ。
そして私達はついに、最上級生となる、五年生への進級が決まった。
進級が決まったということは、一ヶ月の夏休みに入る事にもなると言うことで。
「へー、今年はご両親とバカンスに行くんだ」
ナターシャは私と会話しながらも、家宝である魔法の鏡を、紫色をした、シルクの布に包み込んでいる。もはや休み前の儀式といった感じ。私にとっては、寂しさを感じる瞬間だ。
そんなナターシャの横顔を眺めつつ、私は首を横に振る。
「バカンスじゃないよ。父さんに魔法の腕を磨いてもらうだけ」
「あーそっか。ルシアのお父様って魔法のプロフェッショナルだっけ?」
「プロフェッショナルかどうかはわからないけど、でも強いと思う」
だからこそ私はこの夏、父の元で魔法の訓練を受ける事にした。
勿論そう思うようになったきっかけはルーカスだ。
少なくともあと一年。一緒に卒業したいとアリア校長先生に告げた手前、私にはその責任がある。
その為には、ルーカスがグール化しないよう、注意を払う必要がある。そして万が一、ルーカスがグール化しかけ、私を食べようとした時。
今の私では彼に勝てない。その事をまざまざと実感した私は、今回の帰省を決めたのである。
勿論この事は誰にも言ってない。周囲にはただ、帰省するとだけ伝えてある。だからこそ、ナターシャもバカンスだと思っていたわけだ。
「植物マニア君も一緒?」
「違うよ。私一人。ルーカスは学校に残って、マンドラゴラの生育を見守るってさ」
「あらら。前回は仲良く帰省したのに?」
「三日もいなかったけどね」
「なるほど」
納得した声をあげたナターシャは、鏡を小脇に抱える。
「じゃ、最後の長期休みに行ってくる。手紙書くから」
「うん。良い夏休みを」
ナターシャと私はお互い肩を抱き合う。そしてナターシャを見送った私は、ガランと静まる部屋に一人残された。
「いつもはベッドに顔を埋めちゃうところだけど」
私も明日、ローミュラー王国に出発する予定だ。
「さ、荷造りしなきゃ」
私は一人、いつの間にか増えてしまった荷物の仕分け作業に取り掛かるのであった。
***
父から指定されたのは、ローミュラー王国の王都にある、とある貴族の屋敷だった。
「灯台もと暗しとは、良く言ったものね」
私は学校所属のグリフォン。エルマーの背にまたがりながら下を見下ろし呟く。
高い石垣に囲まれた広大な敷地の中央にそびえる、華麗な屋敷。その建物は、石造りのファサードが真っ白に塗られ、屋根にはスレートの瓦が重なり合っている。屋敷の前には、整然と並べられた花壇が広がり、彩り豊かな花々が咲き誇っている。
「すごいお金もちそう。毎回テーブルマナーとか厳しかったらどうしよう」
目に飛び込む光景に、若干尻込みする私。
敷地内に入ると、樹木が生い茂る広い庭園が広がっている。中央には噴水が設置され、そこから水の音が静かに響いている。庭園を進むと、美しい花々に囲まれたロータリーがあった。
私はロータリー前でこちらに手を振る、見覚えのある人物の姿を発見する。
「エルマー、あそこに降りてもらえる?」
「キューン!!」
私の言葉に答えたエルマーは、ゆっくりと降下する。そして地面に足をつけた後、エルマーは忙しなく飛び立って行く。
帰省が重なるこの時期は、エルマーにとっては繁忙期。あっち、こっちへと引く手数多で大忙しなのである。
「ありがとう、エルマー」
私は飛び立つエルマーに声をかける。
「キューン」
私のお礼に嬉しそうな声をあげると、エルマーは翼を羽ばたかせ、あっという間に去って行った。
「ただいま戻りました」
「おかえりなさい、ルシア。元気そうで良かったわ!」
母はニコニコ顔で私の手を掴む。三人でひっそりと住んでいた時よりずっと、小綺麗な格好になった母。
背後に映る、立派な屋敷のせいもあり、貴族の御夫人といった感じに見える。相変わらず年齢不詳な可憐さを持ち合わせ、快活な雰囲気を全身から溢れ出している母。
(若い時にモテていたのがわかるような)
しかし、よくよく見るとほうれい線が増えている気がした。
(まぁ、一年ぶりだし)
私が成長する分、母は歳を取る。
それが正しい時の経ち方だ。
「ルシア。また背が伸びたんじゃないか?」
母の横に立っていた父が私の肩を抱く。隠しきれない気品ある佇まいを見せる父は、代わり映えのしない黒いスリーピースに身を包んでいる。
(まぁ、貴族の男性ってみんなこんな感じか)
もはやスリーピーススーツに、トップハット。それからステッキは男性の制服だ。
もしかしたら、一家の長となる男性は、決断疲れによる誤判断を防ぐため、わざと同じような服を着る事にしているのかも知れない。
私はいつだったか、ナターシャの鏡から教えてもらった話を思い出しながら、父の顔を見上げる。去年顔を合わせた時より、少し頬がこけているような気がしなくもない。
「もう背は伸びてないような」
「いいや、伸びた。母さんを追い越してるし、きっと来年は私を追い越すかもな」
父の冗談に母がクスクスと声をあげて笑う。
久しぶりの家族団らんの時間だった。
「ところでルシア。魔法学校生活はどう? 友達とは上手くやってる?」
母は去年と同じ事を尋ねてくる。
「楽しいし、友達とも上手くやってる」
(この前は詐欺師から救ったし)
流石にそれを母に告げると、大袈裟に心配する事がわかっているため、心で付け足しておくに留める。
「そう。なら安心ね。それで、ルーカス殿下とはどうなの?」
母は私の左手に視線を落とす。
「別に。変わらずって感じ」
「変わらずって、それじゃわからないわよ。それに手紙でも殿下との事は全然教えてくれないし」
母はぷくうと頬を膨らませた。
「じゃ、母さんは父さんとのことを全部、両親に報告してた?」
「それは……」
母がそっと視線をそらし、私は勝ちを確信する。
そもそもグール化し、自我を失いかけたルーカスに食べられそうになりました……なんてことは口が裂けても言えるはずがない。
「とにかく、特に何もない。お陰様で充実した学生生活を送れているってこと」
「……そうね。でも、もし困った事があったらすぐ相談しなさいよ。離れていても私達は家族なんだから」
「わかってるって」
私はコクリと首を縦に振った。
「さあ、今日は厨房を借りるお願いをしておいたから、腕をふるってご馳走を作るわ! だからルシアは父さんと部屋で休んでいて」
「うん」
我が家のムードメーカーである母が張り切って、屋敷の中に入っていく。
「まずは、お世話になっている方に挨拶をしておこう。私の可愛い娘だと紹介もしたいしね」
「うん」
両親を匿っている人物。王族派なのは間違いないが、一体どんな人なんだろうと緊張しつつ、私は地面に置いた鞄を持ち上げる。
すると即座にポーターらしき人物が現れ、私の手から鞄をエレガントに奪い去った。
「任せて大丈夫だ。彼が部屋まで運んでくれるから」
鞄を凝視したまま固まる私に、父が声をかける。
「お嬢様、腕を」
父がおどけた声と共に私に腕を差し出す。
「ありがとう、遠慮なく借りるわね」
私も父の冗談のノリに付き合う。
家族サービスの一環だ。
屋敷の中に入ると、豪華な装飾が施された玄関が迎えてくれた。白黒の大理石の床には、真っ赤な絨毯が敷かれている。その先には、天井が高く輝かしいシャンデリアが揺れていた。
「ここは誰の家なの?」
屋敷内の長い廊下を歩きながら、私はどんどん意気消沈していく。
何故なら、そこかしこに高そうな彫刻や絵画が飾られており、「これはただ者ではない」とひしひしと感じてきたからだ。
「ここは、モディリアーニ侯爵家だよ。ローミュラー王国内でも建国から貴族籍に名を連ねる家系で、父の時代は議会の議長を勤めていらした方だよ」
議会の議長と聞き、呑気に葉巻を吸いながら、マンドラゴラになった私の処分を率先して話し合う、ハーヴィストン侯を思い出す。
「モディリアーニ侯は父さんにとっていい人?」
侯爵という言葉に良い印象のない私は、思わず尋ねる。
「一度国を見捨てた私を呼び戻したのは彼なんだ。少なくとも国を思う気持ちだけは、間違いないと思っているよ」
良い人なのか、悪い人なのか。
微妙に判断に困る解答だ。
「父さんはその人を信じられる?」
より具体的な情報を入手するために、質問を変えてみる。
「信じるに値する人なんじゃないかな?」
(何故に疑問形?)
またもや絶妙に断言する事を避ける父。
「それに、私や母さんに何かあった時。モディリアーニ侯にはお前の後見人になってもらうよう、お願いしてあるんだ」
私がムッとした顔をしたのに気付いたのか、父が付け加えた。
「つまり、私とソフィアの大事な娘を預けるに値する人物だという事だ」
父はお得意の慈悲深い、優しい笑みを私に向ける。
「父さんと母さんに何かあるとか、例えでも聞きたくないんだけど」
私はこの世で想像するに、一番最悪な事を口にした父を、罰としてしっかりと睨んでおいたのであった。
0
あなたにおすすめの小説
つまらない妃と呼ばれた日
柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。
舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。
さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。
リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。
――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。
「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある
柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった
王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。
リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。
「わかりました。あなたには、がっかりです」
微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。
夫と愛し合った翌朝、一方的に離縁されました【完結】
星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
美しい公爵夫人マルグリートは、冷徹な夫ディートリヒと共に、王国の裏で密かに任務をこなす“悪女”。
だがある日、突然夫から離婚を言い渡される。しかもその裏には、平民の愛人の存在が──。
失意の中、王命で新たな婚約者・エルンストと結ばれることに。
どうやら今回の離婚再婚は、王家の陰謀があるよう。
「悪女に、遠慮はいらない」
そう決意した彼女は、華やかな舞踏会で王に真っ向から言い放つ。
「わたくし、人の家庭を壊しておきながら悪びれない方に、下げる頭は持っていませんの。
王族であられる前に、人におなりくださいませ。……失礼」
愛も、誇りも奪われたなら──
今度はこの手で、すべてを取り戻すだけ。
裏切りに燃える、痛快リベンジ・ロマンス!
⚠️本作は AI の生成した文章を一部に使っています。タイトル変えました。コメディーです。主人公は悪女です。
侯爵家の婚約者
やまだごんた
恋愛
侯爵家の嫡男カインは、自分を見向きもしない母に、なんとか認められようと努力を続ける。
7歳の誕生日を王宮で祝ってもらっていたが、自分以外の子供を可愛がる母の姿をみて、魔力を暴走させる。
その場の全員が死を覚悟したその時、1人の少女ジルダがカインの魔力を吸収して救ってくれた。
カインが魔力を暴走させないよう、王はカインとジルダを婚約させ、定期的な魔力吸収を命じる。
家族から冷たくされていたジルダに、カインは母から愛されない自分の寂しさを重ね、よき婚約者になろうと努力する。
だが、母が死に際に枕元にジルダを呼んだのを知り、ジルダもまた自分を裏切ったのだと絶望する。
17歳になった2人は、翌年の結婚を控えていたが、関係は歪なままだった。
そんな中、カインは仕事中に魔獣に攻撃され、死にかけていたところを救ってくれたイレリアという美しい少女と出会い、心を通わせていく。
全86話+番外編の予定
お好きになさって下さい、私は一切気にしませんわ
Kouei
恋愛
婚約者のクレマンド様は、いつも私との約束を破ってばかり。
理由は決まって『従妹ライラ様との用事』
誕生日会にすら来なかった彼に、私はついに告げた。
「どうぞ、私以外のご令嬢をエスコートするなり、お出かけするなり、関係を持つなり、お好きになさって下さい。私は一切気にしませんわ」
二人の想いは、重なり合えるのだろうか ……
※他のサイトにも公開しています。
そのご寵愛、理由が分かりません
秋月真鳥
恋愛
貧乏子爵家の長女、レイシーは刺繍で家計を支える庶民派令嬢。
幼いころから前世の夢を見ていて、その技術を活かして地道に慎ましく生きていくつもりだったのに——
「君との婚約はなかったことに」
卒業パーティーで、婚約者が突然の裏切り!
え? 政略結婚しなくていいの? ラッキー!
領地に帰ってスローライフしよう!
そう思っていたのに、皇帝陛下が現れて——
「婚約破棄されたのなら、わたしが求婚してもいいよね?」
……は???
お金持ちどころか、国ごと背負ってる人が、なんでわたくしに!?
刺繍を褒められ、皇宮に連れて行かれ、気づけば妃教育まで始まり——
気高く冷静な陛下が、なぜかわたくしにだけ甘い。
でもその瞳、どこか昔、夢で見た“あの少年”に似ていて……?
夢と現実が交差する、とんでもスピード婚約ラブストーリー!
理由は分からないけど——わたくし、寵愛されてます。
※毎朝6時、夕方18時更新!
※他のサイトにも掲載しています。
(完結)姑が勝手に連れてきた第二夫人が身籠ったようですが、夫は恐らく……
泉花ゆき
恋愛
蘭珠(ランジュ)が名門である凌家の嫡男、涼珩(リャンハン)に嫁いで一年ほど経ったころ。
一向に後継ぎが出来ないことに業を煮やした夫の母親は、どこからか第二夫人として一人の女性を屋敷へ連れてくる。
やがてその女が「子が出来た」と告げると、姑も夫も大喜び。
蘭珠の実家が商いで傾いたことを口実に、彼女には離縁が言い渡される。
……けれど、蘭珠は知っていた。
夫の涼珩が、「男女が同じ寝台で眠るだけで子ができる」と本気で信じているほど無知だということを。
どんなトラブルが待っているか分からないし、離縁は望むところ。
嫁ぐ時に用意した大量の持参金は、もちろん引き上げさせていただきます。
※ゆるゆる設定です
※以前上げていた作の設定、展開を改稿しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる