剣と魔法があっても一般人

ソ土ルク、

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1、現状把握と人里を目指して

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突然だけれど俺の自己紹介をしよう。


砂糖 利男 (さとう としお) 25歳 童貞 インドア派。

極普通の家庭に生まれ、中学、高校、大学とおおよそ一般的とされる人達が通る道を問題なく通過し(名前を弄られるや変人と呼ばれるのは別として、、、)社会人でこれまた大きな目標や、夢があるわけでもなくファンタジー小説を読むのを日課にしている極普通の一般人として過ごしてきた。

そんな状態で友達やコミュニティが多く存在するわけでもなく、転勤の続く職場でたまに両親の元へ帰り、数少ない友達と遊ぶ生活を送り、将来に漠然とした不安と、楽観的思考が入り交じった生活を送っていた俺だが、小説では良くても実際に起きる現象として今の状況は流石に呆然として思考停止状態と少しの興奮状態になるのは仕方がないと思う。


今俺の目の前に広がるのは大きな草原。

それも、日本から出たことがない俺からすれば、想像しか出来なかったような緑の絨毯。

青空と照り続ける太陽、太陽の暑さを辛うじてまぎらわさせてくれる爽やかな風、ウサギに見える雲、もくもくと大きさだけは大きいわたあめのような雲、その他の様々な形をした雲、日頃見慣れた景色もあるが、どう考えた所で日本にこれだけ何も見当たらない一面が草原の景色を俺は知らない。


日本であれば、どんな田舎だろうと道路の類いはあるだろうし、もしそれも無いような田舎に住んでいたとしても、人の住んでいるであろう民家や、その人達が運営しているであろう畑や作物、自然に広がった山々や森と呼べるくらい広がった木々の集まりがあるはずだ。


重要な事なので2回言う。

俺が今立っている場所からは360度何処を見渡しても草原しか見えない。

太陽は俺の真上にあるので、もし日本と同じ状況であるなら恐らくは時間的に正午頃の最も日が高い時間だろう。

太陽が若干であるが、右に動いているので日本の常識に合わせると、東に草原、南に草原、西に草原、北の遥か先に(かろうじて形がわかる位の距離)にテントのような物が張られている。

恐らくあそこに向かえば言葉が通じるかは別として、人と出会えるだろう。


だが、ここで問題がある。

俺は今、家でまったりする服装で何故か靴を履いたままという意味のわからない状態でこの場にいる。

上着はこんな晴れてるにも関わらず長袖だし、ズボンはスウェット、靴はスニーカーと季節感とおしゃれ感0のスタイルだ。

勿論、所持金なんて無いし、こういう時に頼れる神様やチート能力や秘められた力等感じもしないし、会ってもいない。


つまり、現状を言葉にするのであれば、見知らぬ土地に準備も心構えも知識もなく放り出された一般人というのが最もしっくりくるだろう。

まあ、心構えに関してはファンタジー小説で散々見てきた状況ではあるので、出来ていない訳でもないし、なんならそうなったら良いなと考えてもいたから多少はヒステリックに叫び散らす程ではないが、流石に何の能力もない状態で喜んでられる程余裕があるわけでもない。


実際、先程から[ステータス!や、我に眠りし力よ!等]中二病満載な言葉を羅列しているが、効果があるはずも抜く回りには風の通る音しか聞こえない。

何故こうなったのか、俺はここに来る前何をしていたのか等、疑問には思うがその疑問が解決する事はない。

であれば、やれる事は人里と見られるテントに向かう他ない。

どっちにしろ、このままここで何もしなくても遠からず餓死するだろうし、こんないかにも[ファンタジーしてます!]のような世界で冒険者や魔物がいない筈もない。

どっちにしろ、ここで動かずに居れば待っているのは死だけだ。


もしかしたら死んだら全てが元に戻ったり、そのまま黄泉の国へ行ったりするかも知れないが、まさか自分自身で試したいとは思わないし、そこまで絶望している訳でもない。

色々考えたが、考えても現状を打破する術は見つからなかったので、まずは人里を目指すことにした。

こうして、利男の冒険の旅が始まった。

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