剣と魔法があっても一般人

ソ土ルク、

文字の大きさ
6 / 11

6、状況整理

しおりを挟む
「砂糖 利男さん、一先ず食事を食べて落ち着いたようなので改めてお話しといきましょう。 挨拶が遅れて申し訳ないですが、私の名前はビレッジと言います。 見張りをしてくれていた彼はサーチです。」


「改めて砂糖 利男です。 よろしくお願い致します。」


お互いに今更ながらの挨拶を行った所で俺はようやく今までの疑問をビレッジさんに訊ねる。


「ビレッジさん、まず最初にどうして言葉が通じるのでしょう? 先程サーチさんがビレッジさんを読んでる際の言葉は日本人と土下座しか聞き取れなかったですが、ビレッジさんの言葉は私が使っている言語と全く同じでした。」


「それに関してですが、私はこのムラーノの代表として教育を受けていた為、他の人々よりも教養があります。 また昔には日本と呼ばれる国から勇者様達が呼ばれ、魔王の討伐、国の再建からあらゆる発明等の偉業を果たしてきたそうです。 その影響から彼等の用いてた言語を後世まで受け継いでいこうと当時の皇帝閣下が決めて現代に繋がっているんです。」


「なるほど、その勇者達の子孫やその後に日本から来た人物はいるのですか?」


「勇者様達の子孫は親の圧倒的な成果のせいで、優秀でも周囲から認められなかったりすることが多く、それに伴って自ら命を絶ってしまう者があとを絶たなかったそうです。 それに嫌気が差した勇者様達はある時から姿を消し、今では子孫がいるのかも定かではない状況です。 また、勇者様達以外で日本から来た方々はいるそうですが、今も生きているかは分からないそうです。

かくいう私も知識として日本の方の言葉や特徴は知っていたのですが砂糖 利男さんが初めてです。」


そういって若干嬉しそうにするビレッジさん、俺は話を頭の中で整理しながら次の質問を考えていく。


「呼び名は利男で良いです、詳しく教えていただきありがとうございます! 他に聞きたい事がいくつかあるのですがよろしいでしょうか?」


「はい、私に答えられる事であれば。」


こうしてビレッジさんから基本となる事柄を聞いていく。


まず俺が今いるここムラーノはアナザー大陸の中にある地域であり、世界にはまだまだ知らない大陸が数多く存在するそうだ。

何故名前が無いのかは、そこが未踏破であり大陸があることは知っているが、詳しい情報が回ってこないからだそうだ。

まあ、それを知ったとしても俺が今出来ることはない。


次に月日。

日本と同じ365日で1年、1月、2月と基本日本と同じ仕組みになっているようでとても分かりやすい。


次に通貨。

これにはマルと呼ばれる単位が使われていて、これも日本円と同じで、違いがあるとすれば10万と100万の単位が追加され、1000から先の単位が全て硬貨として用意されている位だった。


次に一般的な言語と文字。

これはサーチさんが使っていた言語であり、グローバ語と言うそうだ。

軽く文字も見せてもらったが全く分からなかったので、これは勉強が必要だ。


次に季節。

これも日本と流れが同じそうだが、アナザー大陸内の位置により、雨が降りやすかったり、逆にあまり降らなかったりと大きく変わるそうだ。


次に魔物。

ここにたどり着く際にゴブリンと戦った事を告げると、それは不運でしたねと軽く言われてしまった。

俺としてはギリギリだったのだが、このアナザーではそれこそゴキブリを見たら倒すのと同じなのだろう。

それ以外にも定番のオークや、ドラゴン等もいるそうだ。

今のままでは絶対に会いたくないような奴らであるが、アナザーで生きるなら避けては通れない問題なのでいずれは解決していかなければと感じた。


最後に人種。

このアナザーには多種多様の種族が住んでおり、主に小説等に出てくる知識と変わらず、エルフは森に、ドワーフは鉱山に、希少種族は人目の付かない所にいる等分かりやすかった。

当然、人種が1番多いが過去にはわだかまりがあり、それを引きずる人々も多く、近年の問題になっているそうだ。


ここまで聞いた限りで感じた事は思ったよりも障害が多く無さそうで安心だった。

確かに魔物との戦闘に着いていけるか等不安もあるが、そこはなるようになるしかないだろう。


「ビレッジさん、色々教えてくれてありがとうございます。 そしてこれからですが、食事も頂いたのでまず何か恩返しをしたいです。 何か手伝える事はありませんか?」


「いえいえ、私としては勇者様達と同じ日本から来られた利男さんを手助けできただけ良かったと思っています。 ただ、少しばかり確認がございますのでこちらへ来ていただいても良いですか?」


俺は素直に頷くとビレッジさんの後に続いてテントを出ると、広いスペースに案内された。


「知識で学んだ日本では魔物がいなかったと伝え聞いています。 日本から来られた方々の特徴として、謎の存在に会って初めから力量が身に付いている方と、こちらの一般人よりも更に戦闘慣れしていない方に別れると聞きます。 先程のゴブリンとの戦闘の話を聞く限り、恐らく利男さんは後者だと思います。 ですので、今どのくらいの力量なのかを確認させて頂きたいと思います。」


そういうと、また魔法のような物を唱え、土で作られた剣を2本用意してくれた。

そのうちの片方を俺へと手渡し、距離を開ける。


「私は一先ず受けに回りますので、好きなタイミングで自由に攻撃してください。 それでは始めましょう。」


「私の為に配慮してくれてありがとうございます。 それでは胸を借りさせてもらいます。」


こうして俺は自分の力量を測る為、ビレッジさんとの模擬戦を開始した。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【もうダメだ!】貧乏大学生、絶望から一気に成り上がる〜もし、無属性でFランクの俺が異文明の魔道兵器を担いでダンジョンに潜ったら〜

KEINO
ファンタジー
貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。 ~あらすじ~ 世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。 そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。 しかし、その恩恵は平等ではなかった。 富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。 そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。 彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。 あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。 妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。 希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。 英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。 これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。 彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。 テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。 SF味が増してくるのは結構先の予定です。 スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。 良かったら読んでください!

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

ハズレスキル【地図化(マッピング)】で追放された俺、実は未踏破ダンジョンの隠し通路やギミックを全て見通せる世界で唯一の『攻略神』でした

夏見ナイ
ファンタジー
勇者パーティの荷物持ちだったユキナガは、戦闘に役立たない【地図化】スキルを理由に「無能」と罵られ、追放された。 しかし、孤独の中で己のスキルと向き合った彼は、その真価に覚醒する。彼の脳内に広がるのは、モンスター、トラップ、隠し通路に至るまで、ダンジョンの全てを完璧に映し出す三次元マップだった。これは最強の『攻略神』の眼だ――。 彼はその圧倒的な情報力を武器に、同じく不遇なスキルを持つ仲間たちの才能を見出し、不可能と言われたダンジョンを次々と制覇していく。知略と分析で全てを先読みし、完璧な指示で仲間を導く『指揮官』の成り上がり譚。 一方、彼を失った勇者パーティは迷走を始める……。爽快なダンジョン攻略とカタルシス溢れる英雄譚が、今、始まる!

現代ダンジョン奮闘記

だっち
ファンタジー
15年前に突如としてダンジョンが登場した現代の地球。 誰が何のために。 未だに解明されていないが、モンスターが落とす魔石はすべてのエネルギー源を代替できる物質だった。 しかも、ダンジョンでは痛みがあるが死なない。 金も稼げる危険な遊び場。それが一般市民が持っているダンジョンの認識だ。 そんな世界でバイトの代わりに何となくダンジョンに潜る一人の少年。 探索者人口4億人と言われているこの時代で、何を成していくのか。 少年の物語が始まる。

親友と婚約者に裏切られ仕事も家も失い自暴自棄になって放置されたダンジョンで暮らしてみたら可愛らしいモンスターと快適な暮らしが待ってました

空地大乃
ファンタジー
ダンジョンが日常に溶け込んだ世界――。 平凡な会社員の風間は、身に覚えのない情報流出の責任を押しつけられ、会社をクビにされてしまう。さらに、親友だと思っていた男に婚約者を奪われ、婚約も破棄。すべてが嫌になった風間は自暴自棄のまま山へ向かい、そこで人々に見捨てられた“放置ダンジョン”を見つける。 どこか自分と重なるものを感じた風間は、そのダンジョンに住み着くことを決意。ところが奥には、愛らしいモンスターたちがひっそり暮らしていた――。思いがけず彼らに懐かれた風間は、さまざまなモンスターと共にダンジョンでのスローライフを満喫していくことになる。

ダンジョンで有名モデルを助けたら公式配信に映っていたようでバズってしまいました。

夜兎ましろ
ファンタジー
 高校を卒業したばかりの少年――夜見ユウは今まで鍛えてきた自分がダンジョンでも通用するのかを知るために、はじめてのダンジョンへと向かう。もし、上手くいけば冒険者にもなれるかもしれないと考えたからだ。  ダンジョンに足を踏み入れたユウはとある女性が魔物に襲われそうになっているところに遭遇し、魔法などを使って女性を助けたのだが、偶然にもその瞬間がダンジョンの公式配信に映ってしまっており、ユウはバズってしまうことになる。  バズってしまったならしょうがないと思い、ユウは配信活動をはじめることにするのだが、何故か助けた女性と共に配信を始めることになるのだった。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜

KeyBow
ファンタジー
 間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。  何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。  召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!  しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・  いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。  その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。  上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。  またぺったんこですか?・・・

処理中です...