剣と魔法があっても一般人

ソ土ルク、

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10、冒険者講習会

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「こんにちは、ウンタのギルドへようこそ。 今回はどのような用件でしょうか?」


「はい、初めて、町に来たので、登録を、お願いします。」


「かしこまりました。 登録の際に、1000マルと本人の血液が一滴必要になりますが大丈夫ですか?」


「はい、よろしく、お願い致します。」


因みに1000マルは俺が倒したゴブリンや、ムラーノで手伝った際にもらったお金で用意できた。

出発前にはビレッジさんにいくらかもらったし、(出来れば使いたくないからまだ見てない。)しばらくの間は何とか暮らせるだろう。

因みに、10万マルがあれば1人でそれなりに不自由なく過ごせる。

ただ、これはあくまでも一般人で冒険者には武器の手入れや買い換えがあるので、20万マルで暮らすには問題なくなるくらいだ。

もちろん、良い装備を整えたりするには天井知らずにマルが必要だが、初めはそんなに深く考えなくても良いだろう。


1000マルと、スポイトのような道具で血を採ってもらい、登録が完了すると一枚のカードが作成される。

詳しくはわからないが、これも魔法の一種らしく、採取した血液を媒介にカードを作っているので、本人の判別が出来るため、身分証として使える。

これ以外にも、市役所みたいな所があり冒険者のように戦わない人達はそこで身分証を作成するそうだ。


「はい、これで登録が完了しました。 冒険者としての講習会もやりますので是非参加下さい。 そういった時間の無いかたはこの冊子を参考にしてください。 ランキングに関してはこの冊子や講習会でも説明しますので省きます。 何か質問はありますか?」


「講習会は、いつ、開催されますか?」


「丁度この後すぐに開催されるので、時間があれば参加下さい。」


「わかりました。 ありがとうございます!」


「今後も末永くよろしくお願いしますね。」


一瞬ドキッとした俺だったが、これは冒険者へのエールらしい。

ギルド側としては、冒険者には長く生きてもらい素材の提供や育成、治安維持等を担ってもらいたい。

また、冒険者側としては容姿の整った美形の受付嬢からエールを送られやる気が出てより一層力を付けていく。

中には暴走してしまい、ギルドを除名されたり、張り切りすぎてすぐに死んでしまう事もあるそうだ。

俺も1人だったら浮かれてそうなってもおかしくはなかったので、改めて気を付けようと思った瞬間だった。

因みに女性の場合は美形のイケメンが受付を担当するらしい。


サーチは受けた事がある内容なので、併設してある酒場で待ってるそうだ。

ギルドには定番の酒場があり、それなりに安く量もあるので冒険者になりたての新米には重宝するそうだ。

それ以外にも仲間集めの場として使えたり、騒いでも怒られないスペースとして打ち上げに人気なようだ。

その分、味や質に関してはお察しらしいので金が貯まった人からお気に入りの店探しで町へと出るそうだ。


俺はサーチと離れ、冒険者の講習会を受けに行く。

場所は同じギルド内の酒場と反対側の奥の扉の先で、中に入ると会議室のようになっていて、黒板のような鉄製の物が正面にあり、それが見えるようにあらゆる位置に椅子が木製の物でいくつも置いてあった。

ざっと50人は入れるスペースがあり、緊急依頼の召集やこういった講習会で使うそうだ。


俺はその中の椅子に適当に座り、冊子を眺めながら講習会が始まるのを待っていた。

それから何人か入ってきて疎らに席が埋まると、眼鏡を掛けた細身のイケメンが扉を閉め、黒板の前に立つ。


「新人の皆様初めまして。 講習会を担当するティーヤと言います。 早速ですが講習会を始めます。」


こうしてティーヤさんの講習会が始まる。

ティーヤさんは話すペースが丁度良く、聞きやすく理解しやすいように考えて喋ってくれていた為、メモとかは無かったが、すんなりと内容が頭に入ってきた。

細かい規定に関しては滅多に使わず、その時に冊子で確認すれば良いそうで大分省かれた。

まあ、細かい規定だけでライトノベルの半分位あったので、全て覚えられる筈もなかったんだけどな。

一先ず重要な所を纏めると


まず、冒険者の仕事クエストに関して

受け方は自由で、ギルドに張ってある依頼書を受付嬢に提出して受ける方法、依頼人から直接依頼される方法どちらでも良いそうだ。

当然前者は信頼できるので、報酬は問題なく貰えるが、手数料として元の金額からいくらか引かれている。

これはギルドを運営するのに必要な資金でもあるため、冒険者から文句はでない。

酒場が安いのもこれに含まれているそうだ。

そして、後者は言わずもがな騙される場合もあるし、報酬がいくらになっても文句は言えない。

ただし、情報共有は可能なので、そういった悪事をした人物は2度とギルドへも冒険者へも依頼できなくなるそうだ。


次にランキングに関して。

これは俺もやっていたように魔物を倒すと得られる力がどれ程貯まっているかを明確化したもので、基本的にはランキング上の人物に下の人物が勝つことはない。

理由は簡単で、身体能力そのものに差が出てしまうからだ。

例外としては、装備の品質の差で埋めた場合と技術を磨き続けた場合だ。

ただ、これにも限界はあり最高クラスの武器を持った素人がランキング上位に勝てるかと言われれば九分九厘負ける。

何故ならそもそも攻撃が当たらないから。

また、そこまで離れていると上位者の持つ雰囲気だけでも戦意を削がれる事もあるそうだ。


このランキングはカードにも記してあるが、正確な順位に関してはギルドで更新しないとわからない。

ただ、ギルドに入れば自動的に更新されるらしいので、余程の事がない限り、実力隠して悪用したりは出来なくなっているらしい。

因みに門番の確認の際にも更新がされるらしい。

理由は町中で潜伏されて同業者狩りのようなものを防ぐため。


そんな俺の今の順位は1億人中の9500万位。

何故こんな低いかは言うまでもなく、戦闘経験の無さと身体を鍛えてきて無いからだ。

全体の人数が少ないのは、これは冒険者として登録している人のランキングだからだ。

つまり、一般人は含まれていない。

決して全人口がこのくらいしかいないわけではない。

また、俺より下の人物は登録だけした一般人だったりする。

本人が公開するかは選べ、非公開にしておけばギルドや門番を除き、自分のランキングがばれる事はない。

公開して名を馳せるのも良いが、その分ランキング上下からターゲットにされる可能性もある。


ただ、同業者狩りは即座に指名手配と除名がされる。

これはカードに判別する機能が付いているそうなので、いざこざレベルや、模擬戦で効果が発動される事はなく、騙された場合は騙した側が除名される。

また、冒険者のランクを悪用した場合は教えた人物、悪用した人物どちらも死刑となる。

これにより、ギルドや門番の情報漏洩を防ぐ働きがある。

ただ、これにも抜け道はあり知る分には情報収集の一環として可能ではあるそうだ。

そんな信頼してもいないのに情報を渡す人物も、集める人物も周りからどう思われるのかは言うまでもない。

度が過ぎる場合はギルドからの警告や指名手配もありうるので、余計な事はしないに越したことはない。

例外は素行の悪い冒険者情報だ。

これはギルドも門番も共有を推奨しており、死刑にはならないが、町での生活が困難になるため、礼儀正しく過ごすのが1番良い。

間違った情報を意図的に流し情報操作するのは、問答無用で死刑になる。

おっかない制度が盛り沢山だ。


次ににカードの機能だ。

さっきの指名手配や除名を判断するもの。

カードを自分の体内の好きな所に仕舞えて、刻印として表示するおしゃれ要素。

持ち主死亡の際の自動消滅機能がある。

これにより、持ち運びが楽でランキングも過去の英雄が永遠とトップにいる状況がなくなるそうだ。


最後に冒険者のランクに関して。

冒険者として最も重要な判断項目はランキング。

ただ、ランキングは同時に最も隠さなければいけない個人情報でもある。

その為、開示しやすい方法としてランクが用意されている。

上位10名はUアルティメット、戦闘経験のない人達がH、そこを除いた戦闘経験の乏しい駆け出しの下位20%がG、Gを脱出した初心者がF。

そこからは10%毎にランクが上がっていき、基準としてE、Dが中級者、C、Bがベテラン、Aが達人、Sが人外となる。

Sで人外なのにUなんてどんな存在なのか想像も出来ない。

当然、ランクが上がれば上がるほど受けられる依頼は多くなるし信頼度も大きく上がる。

俺はGでサーチがEだがもうすぐDに上がりそう。

ビレッジさんはAよりのBだが、Aには到達できないと感じた位壁があるらしい。


ランクを上げるには当然ながら魔物を倒して力を付けていくしかない。

魔物の推奨ランク等は図鑑等で見られるが、人によって力を取り入れられる限界値はまちまちなので、あくまで強さの参照でしかない。

当然ランクの高い魔物を倒せば得られる力は多くなるが、ランクの違いは魔物にも適用されるので、自分から掛け離れたランクの魔物を狙えば死の危険性が爆発的に高まってしまうので、コツコツやるのが1番早い。

また、共闘した際は共闘した相手と力が分けられて吸収される。

これは例えばゴブリンの吸収限界が10だとしたら、2人で倒した場合、与えたダメージや戦闘への貢献によって0.7や0.3といった具合に配分されるらしい。


仕組みに関しては詳しく解明されていないそうだが、一説によれば、魔物に意思があるので自分が脅威となったものや、力を託したいと思った相手に力が流れるのではないかと言われている。

実際に、ランクの低い人物が運良く瀕死の竜に止めを刺したところ、最強クラスの存在の竜から取り入れた力はゴブリン位だったそうだ。

ラッキーは起こらないって事だ。

だからこそ、パーティーも成り立つんだろう。

倒した人が力を吸収出来るなら獲物の奪い合いや、内輪揉めが後を立たなくなるだろうと予想できるし、補助が得意な人物が一向に強くならないって事態にもなってしまう。


こうして1通りの説明を受け講習会は終了し、俺はサーチと合流するために酒場へ向かった。

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