13 / 212
第1章 異世界探索。
第三の猫、参上!! って、どこから?
しおりを挟む
「りゅうたろう、痛いってば!! よつば、それ食べちゃダメ!!」
次の目的地に向かって出発した私達は、途中の森でテントを張って休んでいた。
目的地といっても、具体的な場所が分かっているわけではない。
世界はやっぱり広いし、猫達は自由に移動しまくっている。
女神様にも把握しきれないらしい。
それでも猫の近くまでいけば、テイマーである私には気配が分かる。
多分、こっち……? という女神様のあやふやな情報にもとづき、オパール王国から東に向かっていた。
「東の方には、海があるんだねぇ」
コーヒーを飲みながら、マップを確認する。
りゅうたろうは私のひざの上に座ってくつろぎ、よつばはまた食べている。
……まさか、無限収納の中のご飯まで食べ尽くす気じゃないだろうな。
「さて、そろそろ出発しましょうか」
翌朝、テントをしまって再び歩き始めた。
森の中には魔物がいるかもしれないので、りゅうたろうには虎くらいの大きさになってもらっている。
よつばはキャットハウスの中だ。
無限収納とは別のスペースなので、よつばも好き勝手に食べたりは出来ない。
ちなみに、女神様はよつばのもふもふにまたしてもメロメロだ。
……その猫、あざといんだから騙されるなよ!!
しばらく歩いたけれど、まだ当分森の中を抜けそうにない。
りゅうたろうに警戒しているのか、魔物達も全く姿を見せない。
森の中なので、見えるのはうっそうと茂った木のみ。
「……平和だ」
平和すぎて、暇だ。
……もしかして、私、スローライフ向いてない?
少し、休憩を取ろう。
「あー、もふもふ最高」
横になった大きなりゅうたろうのお腹にもたれかかり、私はだらっと座った。
自分が腕枕されたいりゅうたろうは、少しだけ不満そうだ。
このソファーは人をダメにする……。
異世界って、素晴らしい。
「なんか、眠くなってきた……」
うとうととした瞬間、
「ぐえっ!!」
お腹の上に衝撃を感じ、私は目を覚ました。
「え、何?」
りゅうたろうはまだスピスピ寝ているから、魔物が襲ってきたわけではないだろう。
周囲を見回すと、とてとて足音を立てながら走っていく黒猫が見えた。
ビミョーにお腹が出ている中年太り風の体型。
何より、あのブサイクな走り方は。
「福助!!」
次の目的地に向かって出発した私達は、途中の森でテントを張って休んでいた。
目的地といっても、具体的な場所が分かっているわけではない。
世界はやっぱり広いし、猫達は自由に移動しまくっている。
女神様にも把握しきれないらしい。
それでも猫の近くまでいけば、テイマーである私には気配が分かる。
多分、こっち……? という女神様のあやふやな情報にもとづき、オパール王国から東に向かっていた。
「東の方には、海があるんだねぇ」
コーヒーを飲みながら、マップを確認する。
りゅうたろうは私のひざの上に座ってくつろぎ、よつばはまた食べている。
……まさか、無限収納の中のご飯まで食べ尽くす気じゃないだろうな。
「さて、そろそろ出発しましょうか」
翌朝、テントをしまって再び歩き始めた。
森の中には魔物がいるかもしれないので、りゅうたろうには虎くらいの大きさになってもらっている。
よつばはキャットハウスの中だ。
無限収納とは別のスペースなので、よつばも好き勝手に食べたりは出来ない。
ちなみに、女神様はよつばのもふもふにまたしてもメロメロだ。
……その猫、あざといんだから騙されるなよ!!
しばらく歩いたけれど、まだ当分森の中を抜けそうにない。
りゅうたろうに警戒しているのか、魔物達も全く姿を見せない。
森の中なので、見えるのはうっそうと茂った木のみ。
「……平和だ」
平和すぎて、暇だ。
……もしかして、私、スローライフ向いてない?
少し、休憩を取ろう。
「あー、もふもふ最高」
横になった大きなりゅうたろうのお腹にもたれかかり、私はだらっと座った。
自分が腕枕されたいりゅうたろうは、少しだけ不満そうだ。
このソファーは人をダメにする……。
異世界って、素晴らしい。
「なんか、眠くなってきた……」
うとうととした瞬間、
「ぐえっ!!」
お腹の上に衝撃を感じ、私は目を覚ました。
「え、何?」
りゅうたろうはまだスピスピ寝ているから、魔物が襲ってきたわけではないだろう。
周囲を見回すと、とてとて足音を立てながら走っていく黒猫が見えた。
ビミョーにお腹が出ている中年太り風の体型。
何より、あのブサイクな走り方は。
「福助!!」
186
あなたにおすすめの小説
【完結】愛猫ともふもふ異世界で愛玩される
綾雅(りょうが)今年は7冊!
ファンタジー
状況不明のまま、見知らぬ草原へ放り出された私。幸いにして可愛い三匹の愛猫は無事だった。動物病院へ向かったはずなのに? そんな疑問を抱えながら、見つけた人影は二本足の熊で……。
食われる?! 固まった私に、熊は流暢な日本語で話しかけてきた。
「あなた……毛皮をどうしたの?」
「そういうあなたこそ、熊なのに立ってるじゃない」
思わず切り返した私は、彼女に気に入られたらしい。熊に保護され、狼と知り合い、豹に惚れられる。異世界転生は理解したけど、私以外が全部動物の世界だなんて……!?
もふもふしまくりの異世界で、非力な私は愛玩動物のように愛されて幸せになります。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/09/21……完結
2023/07/17……タイトル変更
2023/07/16……小説家になろう 転生/転移 ファンタジー日間 43位
2023/07/15……アルファポリス HOT女性向け 59位
2023/07/15……エブリスタ トレンド1位
2023/07/14……連載開始
【完結】聖獣もふもふ建国記 ~国外追放されましたが、我が領地は国を興して繁栄しておりますので御礼申し上げますね~
綾雅(りょうが)今年は7冊!
ファンタジー
婚約破棄、爵位剥奪、国外追放? 最高の褒美ですね。幸せになります!
――いま、何ておっしゃったの? よく聞こえませんでしたわ。
「ずいぶんと巫山戯たお言葉ですこと! ご自分の立場を弁えて発言なさった方がよろしくてよ」
すみません、本音と建て前を間違えましたわ。国王夫妻と我が家族が不在の夜会で、婚約者の第一王子は高らかに私を糾弾しました。両手に花ならぬ虫を這わせてご機嫌のようですが、下の緩い殿方は嫌われますわよ。
婚約破棄、爵位剥奪、国外追放。すべて揃いました。実家の公爵家の領地に戻った私を出迎えたのは、溺愛する家族が興す新しい国でした。領地改め国土を繁栄させながら、スローライフを楽しみますね。
最高のご褒美でしたわ、ありがとうございます。私、もふもふした聖獣達と幸せになります! ……余計な心配ですけれど、そちらの国は傾いていますね。しっかりなさいませ。
【同時掲載】小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
※2022/05/10 「HJ小説大賞2021後期『ノベルアップ+部門』」一次選考通過
※2022/02/14 エブリスタ、ファンタジー 1位
※2022/02/13 小説家になろう ハイファンタジー日間59位
※2022/02/12 完結
※2021/10/18 エブリスタ、ファンタジー 1位
※2021/10/19 アルファポリス、HOT 4位
※2021/10/21 小説家になろう ハイファンタジー日間 17位
悪役令嬢に転生したので、ゲームを無視して自由に生きる。私にしか使えない植物を操る魔法で、食べ物の心配は無いのでスローライフを満喫します。
向原 行人
ファンタジー
死にかけた拍子に前世の記憶が蘇り……どハマりしていた恋愛ゲーム『ときめきメイト』の世界に居ると気付く。
それだけならまだしも、私の名前がルーシーって、思いっきり悪役令嬢じゃない!
しかもルーシーは魔法学園卒業後に、誰とも結ばれる事なく、辺境に飛ばされて孤独な上に苦労する事が分かっている。
……あ、だったら、辺境に飛ばされた後、苦労せずに生きていけるスキルを学園に居る内に習得しておけば良いじゃない。
魔法学園で起こる恋愛イベントを全て無視して、生きていく為のスキルを習得して……と思ったら、いきなりゲームに無かった魔法が使えるようになってしまった。
木から木へと瞬間移動出来るようになったので、学園に通いながら、辺境に飛ばされた後のスローライフの練習をしていたんだけど……自由なスローライフが楽し過ぎるっ!
※第○話:主人公視点
挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点
となります。
神獣転生のはずが半神半人になれたので世界を歩き回って第二人生を楽しみます~
御峰。
ファンタジー
不遇な職場で働いていた神楽湊はリフレッシュのため山に登ったのだが、石に躓いてしまい転げ落ちて異世界転生を果たす事となった。
異世界転生を果たした神楽湊だったが…………朱雀の卵!? どうやら神獣に生まれ変わったようだ……。
前世で人だった記憶があり、新しい人生も人として行きたいと願った湊は、進化の選択肢から『半神半人(デミゴット)』を選択する。
神獣朱雀エインフェリアの息子として生まれた湊は、名前アルマを与えられ、妹クレアと弟ルークとともに育つ事となる。
朱雀との生活を楽しんでいたアルマだったが、母エインフェリアの死と「世界を見て回ってほしい」という頼みにより、妹弟と共に旅に出る事を決意する。
そうしてアルマは新しい第二の人生を歩き始めたのである。
究極スキル『道しるべ』を使い、地図を埋めつつ、色んな種族の街に行っては美味しいモノを食べたり、時には自然から採れたての素材で料理をしたりと自由を満喫しながらも、色んな事件に巻き込まれていくのであった。
【完結】間違えたなら謝ってよね! ~悔しいので羨ましがられるほど幸せになります~
綾雅(りょうが)今年は7冊!
ファンタジー
「こんな役立たずは要らん! 捨ててこい!!」
何が起きたのか分からず、茫然とする。要らない? 捨てる? きょとんとしたまま捨てられた私は、なぜか幼くなっていた。ハイキングに行って少し道に迷っただけなのに?
後に聖女召喚で間違われたと知るが、だったら責任取って育てるなり、元に戻すなりしてよ! 謝罪のひとつもないのは、納得できない!!
負けん気の強いサラは、見返すために幸せになることを誓う。途端に幸せが舞い込み続けて? いつも笑顔のサラの周りには、聖獣達が集った。
やっぱり聖女だから戻ってくれ? 絶対にお断りします(*´艸`*)
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2022/06/22……完結
2022/03/26……アルファポリス、HOT女性向け 11位
2022/03/19……小説家になろう、異世界転生/転移(ファンタジー)日間 26位
2022/03/18……エブリスタ、トレンド(ファンタジー)1位
(完結)もふもふと幼女の異世界まったり旅
あかる
ファンタジー
死ぬ予定ではなかったのに、死神さんにうっかり魂を狩られてしまった!しかも証拠隠滅の為に捨てられて…捨てる神あれば拾う神あり?
異世界に飛ばされた魂を拾ってもらい、便利なスキルも貰えました!
完結しました。ところで、何位だったのでしょう?途中覗いた時は150~160位くらいでした。応援、ありがとうございました。そのうち新しい物も出す予定です。その時はよろしくお願いします。
【一秒クッキング】追放された転生人は最強スキルより食にしか興味がないようです~元婚約者と子犬と獣人族母娘との旅~
御峰。
ファンタジー
転生を果たした主人公ノアは剣士家系の子爵家三男として生まれる。
十歳に開花するはずの才能だが、ノアは生まれてすぐに才能【アプリ】を開花していた。
剣士家系の家に嫌気がさしていた主人公は、剣士系のアプリではなく【一秒クッキング】をインストールし、好きな食べ物を食べ歩くと決意する。
十歳に才能なしと判断され婚約破棄されたが、元婚約者セレナも才能【暴食】を開花させて、実家から煙たがれるようになった。
紆余曲折から二人は再び出会い、休息日を一緒に過ごすようになる。
十二歳になり成人となったノアは晴れて(?)実家から追放され家を出ることになった。
自由の身となったノアと家出元婚約者セレナと可愛らしい子犬は世界を歩き回りながら、美味しいご飯を食べまくる旅を始める。
その旅はやがて色んな国の色んな事件に巻き込まれるのだが、この物語はまだ始まったばかりだ。
※ファンタジーカップ用に書き下ろし作品となります。アルファポリス優先投稿となっております。
スローライフ 転生したら竜騎士に?
梨香
ファンタジー
『田舎でスローライフをしたい』バカップルの死神に前世の記憶を消去ミスされて赤ちゃんとして転生したユーリは竜を見て異世界だと知る。農家の娘としての生活に不満は無かったが、両親には秘密がありそうだ。魔法が存在する世界だが、普通の農民は狼と話したりしないし、農家の女将さんは植物に働きかけない。ユーリは両親から魔力を受け継いでいた。竜のイリスと絆を結んだユーリは竜騎士を目指す。竜騎士修行や前世の知識を生かして物を売り出したり、忙しいユーリは恋には奥手。スローライフとはかけ離れた人生をおくります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる