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約束1
しおりを挟む「馨くん、こんどの週末、ヒマかな」
「えっ、俺、いつでもヒマだけど」
突然の待ち合わせだった。
夏休みに設けられた登校日。昼には用事が全て終わり、暑い中うんざりしながら馨は帰宅しようと靴を出したところだった。
既に静かになった校内。
一層早くなった自分の鼓動が、静かな辺りに響いてしまいそうで馨は固唾を呑む。
下駄箱に居合わせた瑠璃子はにっこりと笑って言った。
「じゃあ、あの小川で待ち合わせね」
「あ、ああ、うん。わかった。待たな」
あの小川、と言われて、馨はどの小川だろうと思いを巡らせた。
思い当たるのは一つだった。
手を振って廊下を去っていく瑠璃子に馨は手を振って応えた。
セーラー服の後ろ姿は、小さくなって、ゆらゆらと逃げ水の揺れる校庭の先に消えていった。
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