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蛍火4
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祭壇に飾られた瑠璃子の笑顔を見ても、現実が追いついてこなかった。
最後に瑠璃子を乗せた車が走り去る時も、周囲の涙の理由も、理解はできても、実感がなかった。
だって、昨日、会ったじゃないか。
失くした実感を思い出そうとしたのか、馨の足は勝手にそこへ向かっていた。
両足は、鉛を吊るしたようだった。
普段意識もせずできたはずの、足を前に出すという簡単な動きさえ、重かった。
暗闇に揺れる灯りが見えた。
馨はゆっくりと歩いて近づいた。もう、走る余力などなかった。
「おっさん」
「馨くん、よかった」
提灯を顔まで上げて、掃除屋が手招きをしているのが見えた。
「もう会えないかと思ってた」
「僕もだよ」
そう言って、掃除屋は茂みの中に腰掛けた。
「なに?なにしてんの?」
「今回の仕事納め」
掃除屋は立ち上がるなり、提灯を消した。
「はい」
言って差し出す掃除屋のその掌から薄く漏れる淡い光。
「本当はこんな残暑の中、生き残れる子なんていないんだけどね」
馨は、掃除屋の手の中で微かに点灯を繰り返すそれを見た。
「さて、馨くん。準備はいいかな?」
掃除屋の言葉の意味を理解した馨は、掃除屋の顔を見た。
「これも、彼女の心残りなんだよ」
それじゃ、と言って掃除屋は閉じた掌を開いた。
ふわりと小さな光が、掃除屋の指先から舞い上がった。
最後に瑠璃子を乗せた車が走り去る時も、周囲の涙の理由も、理解はできても、実感がなかった。
だって、昨日、会ったじゃないか。
失くした実感を思い出そうとしたのか、馨の足は勝手にそこへ向かっていた。
両足は、鉛を吊るしたようだった。
普段意識もせずできたはずの、足を前に出すという簡単な動きさえ、重かった。
暗闇に揺れる灯りが見えた。
馨はゆっくりと歩いて近づいた。もう、走る余力などなかった。
「おっさん」
「馨くん、よかった」
提灯を顔まで上げて、掃除屋が手招きをしているのが見えた。
「もう会えないかと思ってた」
「僕もだよ」
そう言って、掃除屋は茂みの中に腰掛けた。
「なに?なにしてんの?」
「今回の仕事納め」
掃除屋は立ち上がるなり、提灯を消した。
「はい」
言って差し出す掃除屋のその掌から薄く漏れる淡い光。
「本当はこんな残暑の中、生き残れる子なんていないんだけどね」
馨は、掃除屋の手の中で微かに点灯を繰り返すそれを見た。
「さて、馨くん。準備はいいかな?」
掃除屋の言葉の意味を理解した馨は、掃除屋の顔を見た。
「これも、彼女の心残りなんだよ」
それじゃ、と言って掃除屋は閉じた掌を開いた。
ふわりと小さな光が、掃除屋の指先から舞い上がった。
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