不死の魔法使いは鍵をにぎる

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シュワーゼの次

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シュワーゼが処罰されてから100年以上経っている気がする。
長かったな。


振り返った顔を見れば女だと分かった。
まだ幼さの強く残る少女だ。







少女となったシュワーゼは、こちらに駆け寄りながら軽く眉を寄せて文句を言ってくる。
興奮するとよく回る口が懐かしい。



「大変だった。苦労したんだよ。

ゲルハルトの家まで行ったことなかったからね。そもそも結界で隠してるんでしょう?場所を教えといて欲しいな。死んじゃう前にさ。

でもまた会えてよかったよね。ほんと良かった。私頑張った。この森を数日歩き回ったんだよ。魔物も多いし。

もうくったくたのベッタベタ」



色の黒い服を着ていて遠目では目立たないが、確かに黒ずんだ染みが点々と散っている。



「その面はどうしたの?面付けて生活してるのか?

あ、そうか。レフラに言われたから?顔が老けないって。でも人の記憶に残りやすくならないか?面を付けてるとさ。

逆に長生きだとばれそうな気がするんだけど」


「同一人物だと思われないように面は定期的に変えてる」

「なるほどね。それは良いね。簡単で効果も大きい。面も服装も変えちゃえば別人だもんね」



うんうん1人頷いてから勢いよく両手を合わせる。



「じゃあ情報共有しようか。無事再会できたことだし。話すことはたくさんあるでしょう?私は10数年だけど。ゲルハルトは100年近くだもんね。結界の中に入れてくれるか?」












確かに話すべきことは大量にある。


喋る木に会った。
師匠の殺人容疑が晴れた。
解呪方法を知った。
異形の者の村があった。


情報を共有して、新たな視点で指摘が欲しい。
私では気が付かなかった矛盾や発見が隠れているかもしれない。




しかし隠れた村で魔法教育を行う時間が迫っている。

時間をかけて築いた信頼。
何の断りもなく第三者を連れて行ってその信頼を壊すわけにはいかない。

元シュワーゼであるこの少女は連れていけない。













「情報共有したいのはやまやまだが、行くところがある。中で汚れでも落として休憩してろ。今までのことはノートにまとめてある。それを読んでいればいい」



今日の魔法教育は早めに切り上げよう。
戻ってきたらシュワーゼの話を聞いて、情報を突き合わせて。

事態がまた一歩動きそうな予感にほのかに高揚しつつ、少女を結界の中に引き入れる。



「そうだ。名前を聞いてない。今の名前はなんだ」

「そうだった。名乗ってないね。ごめんごめん。今はマーツェだよ」

「そうか。数時間で戻る。マーツェは大人しく待ってろ」

「はいはーい。大人しくしてます。空腹抱えて待ってますよ。何するのか知らないけど。行ってらっしゃい」

「ああ」



軽口を叩くマーツェを置いて、バウムのいる森まで転移した。
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