不死の魔法使いは鍵をにぎる

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調査と治癒

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マーツェと共に王都へ繰り出し、ブルデの孫である三つ子に会えないか探しつつ情報を集める。


以前それらしき人物を見掛けたのは、新たな王に代わったときだった。
2、30年程前だろうか。

ざっくりとしか年齢は覚えていないが、おそらく90にはなっていないはずだ。
生きている可能性は充分ある。










「兄さんたちと交流あったのか?シュワーゼが死んだあとも」

「特区や王都で調べものをしていたときに会ったくらいだがな。向こうが絡んでくるんだ」




話を聞き出しているとき、食堂で昼を食べているとき、私を見つけては話しかけてきたブルデやレフラ。

付けだした面に何故か興味を持たれ、べたついた手でよく触ってきたブルデの子供。


孫の三つ子にはブルデの病床で会ったきりだが、ブルデに生き写しの人物を一度見掛けた。
おそらくあれだろう。




「ブルデそのままの風貌だったから、マーツェでもわかるはずだ」

「なるほど。それはわかりやすい。さっさと見つかればいいんだけど」




特区には入れないため、特区近くの王都をうろつくしかない。
そう簡単に会えるはずもなく、話を聞きまわるだけでこの日は終わった。




病的に臆病だった王から王位を譲られ、次の魔王に向けて防備を整えた娘の在位は長かった。
体の衰えを理由に娘も退位し、現在の王になって約30年。

前王の意思を引き継ぎ防衛力を高めていたため、魔物による街中の被害はまだ少ない。

現王に対する民からの評価は概ね高いようだ。



王の座に就いているのだから、魔王が誕生するに至った一連の事実は知っているはずである。

恐怖に駆られることなく冷静に対処しているようだが、延々と続く争いについてはどう考えているのだろうか。

魔王の考えに反して、過去がどうであれ民を傷つける魔王・魔物は排除すべきという考えだった場合はどう切り込んでいけばいいだろうか。


考えるべきこと、集めるべき情報、問題は山積みである。












拠点となる宿屋に戻り、食堂で宿代替わりの治癒を施していると、幾人か見覚えのある顔ぶれがいた。


勇者を目指していたが、魔王を倒せるほどの力はないと諦め、兵士として町を守っている者。
武器が破損し、一旦町に戻って護衛を務めながら武器代を稼いでいる者。

魔物被害を抑えるために討伐と治癒を施していたときに、他の町で治療した者たちだ。






「おや兄ちゃん。今度はこの町で治療かい」

「ああ。しばらく滞在するつもりだ」

「そりゃ助かるね。兄ちゃんがいるならどんな無茶でもできるな」

「馬鹿いうな。治せない傷だってある。腕や足が取れようが回収だけは忘れるなよ。物があればどれだけぐちゃぐちゃであろうと引っ付けられる」

「おうよ。任せとけ」



大口を開けて下品に笑い、食堂を後にしていく。



今までは被害の酷い地へ出向き治療を行っていたため、忙しなく次から次へと怪我人を見た。

しかしここは王都に近い大きな町。
治癒師はそれなりの数で配備されており、見知らぬ旅人よりも確実に信頼できる治癒師を頼る者のほうが多い。


たまたま食堂に居た兵士や勇者、以前に治癒したことのある者を見る程度で、大したことのない数だった。
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