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道の整備に新たな施策
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新しい町への対応にも変化があった。
最低限ではあるが、一先ず生活できる程度には家が建ち、町らしくなった共存の町。
作物が実るには時間がかかり、食料調達が満足にいかない日もある。
衣服や洗剤、調理用具など細々としたものを入手する必要もある。
それまでは近隣の町へ調達に出かけていたが、行商人が町まで訪れるようになった。
町としてはまだまだ未完成な共存の町。
不足物が多いため、赴けば儲ける好機である。
しかし魔物も共に暮らすことを目的に作られた町。
関わるのが恐ろしいと尻込みしている者も多かった。
その意識が変革されたのだ。
移住とまではいかないが、仕事を求めて町を訪れる者もいる。
少しずつ町の交流範囲は広がっている。
町同士が交流しやすいよう、交通手段を整えようという話も出ている。
一般的には徒歩移動が基本である。
移動費を潤沢に用意できるか、個人で馬を所有している者でなければ、徒歩を選ぶ他ない。
そのうえ道は綺麗に舗装されているわけではない。
自然と踏み固められてできた道らしきものはあるが、それだけである。
凹凸はあり、降雨の後はぬかるみ、足が取られる。
人の行き来が長期間途絶えれば草木が生え、更に進みづらくなる。
魔物に襲われる心配もなくなった今こそ、道を整備し、人の行き来を活発化させたい。
王都周辺の道は石畳に舗装されている。
それを地方の道まで広げるのだ。
石材の調達・加工、運搬に舗装工事と、新たな仕事も作れる。
共存の町とを結ぶ道を優先的に舗装することとし、仕事が発注されていく。
交流活発化のため、馬車をより安価に利用できるようにもしたかったが、急に馬の数を増やせるわけではない。
代わりに魔物が牽引しようという話に。
魔物なら荷運びも手伝えるし、馬よりも意思疎通が図りやすい。
物々交換で成り立っていた魔物社会に、賃金が発生するようにもなった。
共存の町には魔物の家も建てられ、好んで人と同じ営みをする者も現れた。
環境や仕組みが整い、共存の町の生活もまとまってきた頃、王城の官吏に余裕が出始めてきた。
自然発生的にできたわけではなく、住民を募集して新たな町をつくるという試み。
新たに決める物事が多く、官吏は多忙を極めていた。
しかしそれもようやく落ち着きだし、王は次の施策を打ち出す。
孤児対策・支援である。
王と言葉を交わし、声明が出て解呪がされ、その間もずっと孤児の保護は私たちで行っていた。
食事を与え、根城に保護し、ジーグが教育を施していく。
ある程度健康を取り戻し、仕事ができると判断したら、手伝い程度でも仕事に就かせる。
そうやって、独り立ちさせやすそうな道筋を歩ませていた。
王は孤児の現状をワイセから度々聞き出しており、何も対応できていない現状に歯噛みしていたようだ。
国として、王として、対応に乗り出す。
この報告を受けてワイセはとても喜んでいた。
個人の活動では助けられる孤児は限られてしまう。
国としての対策が進めば、救われる孤児はぐんと増える。
王は孤児を受け入れる施設として、図書館を活用した。
小さな村だと無いところもあるが、大半の町村には図書館がある。
そこを活用すれば短い準備期間で対応を始められる。
孤児を保護した図書館には補助金を出し、孤児支援係を派遣する。
身の回りの世話や健康観察、教育などを施すのだ。
成長し職を得て、独りで生活できるようになれば、図書館から出して自活へと歩ませる。
そういう計画だ。
地方の小さな村であろうと孤児を保護できるように、各町村に1つ図書館があるよう整備する予定。
同時に、いつ孤児が来てもいいように食料や衣服を備蓄する倉庫も建てられる。
各図書館から迅速に報告を受けられるように魔具も配布することになった。
王が飛ばさせる小鳩をより簡便にしたものだ。
図書館の位置する町村名と、保護した孤児の数だけを伝えられる小鳩。
少ない魔力で素早く王城まで飛ばせるようにした。
魔具を作っている段階で、ふと国所有の地図に対して疑問が生じる。
果たして全町村を網羅出来ているのか。
魔物側として暮らしているダモンの村は当然のことながら載っていない。
加えて、ヘフテの村やズィレンデ・ズィリンダたち褐色肌の村も記載無しだ。
もしかしたら他にも国が認知していない辺境の村があるのかもしれない。
ダモンの村は魔王と話し合ってからどう対応するか決めるべきだが、ヘフテの村や褐色肌の村はどうするのか。
そもそも、人間と魔物で共存していこうという動きすら知らないかもしれない。
地図外の村の存在を告げると、王はそこも範囲に含めて対応していきたいと言った。
まあ当然の反応である。
王として管理している土地内に存在する村を無視はできまい。
最低限ではあるが、一先ず生活できる程度には家が建ち、町らしくなった共存の町。
作物が実るには時間がかかり、食料調達が満足にいかない日もある。
衣服や洗剤、調理用具など細々としたものを入手する必要もある。
それまでは近隣の町へ調達に出かけていたが、行商人が町まで訪れるようになった。
町としてはまだまだ未完成な共存の町。
不足物が多いため、赴けば儲ける好機である。
しかし魔物も共に暮らすことを目的に作られた町。
関わるのが恐ろしいと尻込みしている者も多かった。
その意識が変革されたのだ。
移住とまではいかないが、仕事を求めて町を訪れる者もいる。
少しずつ町の交流範囲は広がっている。
町同士が交流しやすいよう、交通手段を整えようという話も出ている。
一般的には徒歩移動が基本である。
移動費を潤沢に用意できるか、個人で馬を所有している者でなければ、徒歩を選ぶ他ない。
そのうえ道は綺麗に舗装されているわけではない。
自然と踏み固められてできた道らしきものはあるが、それだけである。
凹凸はあり、降雨の後はぬかるみ、足が取られる。
人の行き来が長期間途絶えれば草木が生え、更に進みづらくなる。
魔物に襲われる心配もなくなった今こそ、道を整備し、人の行き来を活発化させたい。
王都周辺の道は石畳に舗装されている。
それを地方の道まで広げるのだ。
石材の調達・加工、運搬に舗装工事と、新たな仕事も作れる。
共存の町とを結ぶ道を優先的に舗装することとし、仕事が発注されていく。
交流活発化のため、馬車をより安価に利用できるようにもしたかったが、急に馬の数を増やせるわけではない。
代わりに魔物が牽引しようという話に。
魔物なら荷運びも手伝えるし、馬よりも意思疎通が図りやすい。
物々交換で成り立っていた魔物社会に、賃金が発生するようにもなった。
共存の町には魔物の家も建てられ、好んで人と同じ営みをする者も現れた。
環境や仕組みが整い、共存の町の生活もまとまってきた頃、王城の官吏に余裕が出始めてきた。
自然発生的にできたわけではなく、住民を募集して新たな町をつくるという試み。
新たに決める物事が多く、官吏は多忙を極めていた。
しかしそれもようやく落ち着きだし、王は次の施策を打ち出す。
孤児対策・支援である。
王と言葉を交わし、声明が出て解呪がされ、その間もずっと孤児の保護は私たちで行っていた。
食事を与え、根城に保護し、ジーグが教育を施していく。
ある程度健康を取り戻し、仕事ができると判断したら、手伝い程度でも仕事に就かせる。
そうやって、独り立ちさせやすそうな道筋を歩ませていた。
王は孤児の現状をワイセから度々聞き出しており、何も対応できていない現状に歯噛みしていたようだ。
国として、王として、対応に乗り出す。
この報告を受けてワイセはとても喜んでいた。
個人の活動では助けられる孤児は限られてしまう。
国としての対策が進めば、救われる孤児はぐんと増える。
王は孤児を受け入れる施設として、図書館を活用した。
小さな村だと無いところもあるが、大半の町村には図書館がある。
そこを活用すれば短い準備期間で対応を始められる。
孤児を保護した図書館には補助金を出し、孤児支援係を派遣する。
身の回りの世話や健康観察、教育などを施すのだ。
成長し職を得て、独りで生活できるようになれば、図書館から出して自活へと歩ませる。
そういう計画だ。
地方の小さな村であろうと孤児を保護できるように、各町村に1つ図書館があるよう整備する予定。
同時に、いつ孤児が来てもいいように食料や衣服を備蓄する倉庫も建てられる。
各図書館から迅速に報告を受けられるように魔具も配布することになった。
王が飛ばさせる小鳩をより簡便にしたものだ。
図書館の位置する町村名と、保護した孤児の数だけを伝えられる小鳩。
少ない魔力で素早く王城まで飛ばせるようにした。
魔具を作っている段階で、ふと国所有の地図に対して疑問が生じる。
果たして全町村を網羅出来ているのか。
魔物側として暮らしているダモンの村は当然のことながら載っていない。
加えて、ヘフテの村やズィレンデ・ズィリンダたち褐色肌の村も記載無しだ。
もしかしたら他にも国が認知していない辺境の村があるのかもしれない。
ダモンの村は魔王と話し合ってからどう対応するか決めるべきだが、ヘフテの村や褐色肌の村はどうするのか。
そもそも、人間と魔物で共存していこうという動きすら知らないかもしれない。
地図外の村の存在を告げると、王はそこも範囲に含めて対応していきたいと言った。
まあ当然の反応である。
王として管理している土地内に存在する村を無視はできまい。
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