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第13話
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楽しい時間を過ごしてエリーシャが離れに戻り、執務を始めるとアレンソアがやって来た。
できることなら顔を合わせたくないエリーシャは、俯いたまま書類を読み込んでいる。
「おい」
─顔を、上げたくないわ─
「おいっ、聞こえているだろう顔を上げろよ」
耳元に口を寄せ、アレンソアが怒鳴りつけるので、しかたなくエリーシャはアレンソアを見た。
「おい、トルソーとのダンスはまだ続けてるのか?一緒に夜会に行くつもりじゃないだろうな」
「は?何を仰ってるの?なぜ私が義弟のトルソー様と夜会に行くなんて思うのかしら」
眉を寄せ、顰めた顔でアレンソアが睨みつけている。
最初は怖かったその顔も、最近では見慣れてしまい、あっそうくらいのものになってしまったが。
「おまえ父上から何か聞いてないか」
エリーシャは初めてアレンソアに落ち着いて物を訊ねられたので、答えるより戸惑ってしまう。
「な、なにを?聞くって」
「例えば爵位の継承などについてとか」
「それはアレンソア様も聞かれておりますでしょ。次期伯爵として十分執務や社交を経験させてからと聞いておりますわ」
「十分ってどれくらいだ?は、早くなるとか」
エリーシャには質問の意図がわからない。
「なに?早くなるって?・・・ああ、アレンソア様の勉強が進むとか、お義父様が伯爵をやめたくなればと仰ってましたが?」
「父上が伯爵をやめたくなる?それはどういう時だ?」
「さあ。私にはお義父様のお気持ちを慮ることはできませんわ。知りたいなら直接伺ったらいかがです?」
それができるならエリーシャになど聞いていないと、アレンソアは不満気に舌を鳴らした。
できることなら顔を合わせたくないエリーシャは、俯いたまま書類を読み込んでいる。
「おい」
─顔を、上げたくないわ─
「おいっ、聞こえているだろう顔を上げろよ」
耳元に口を寄せ、アレンソアが怒鳴りつけるので、しかたなくエリーシャはアレンソアを見た。
「おい、トルソーとのダンスはまだ続けてるのか?一緒に夜会に行くつもりじゃないだろうな」
「は?何を仰ってるの?なぜ私が義弟のトルソー様と夜会に行くなんて思うのかしら」
眉を寄せ、顰めた顔でアレンソアが睨みつけている。
最初は怖かったその顔も、最近では見慣れてしまい、あっそうくらいのものになってしまったが。
「おまえ父上から何か聞いてないか」
エリーシャは初めてアレンソアに落ち着いて物を訊ねられたので、答えるより戸惑ってしまう。
「な、なにを?聞くって」
「例えば爵位の継承などについてとか」
「それはアレンソア様も聞かれておりますでしょ。次期伯爵として十分執務や社交を経験させてからと聞いておりますわ」
「十分ってどれくらいだ?は、早くなるとか」
エリーシャには質問の意図がわからない。
「なに?早くなるって?・・・ああ、アレンソア様の勉強が進むとか、お義父様が伯爵をやめたくなればと仰ってましたが?」
「父上が伯爵をやめたくなる?それはどういう時だ?」
「さあ。私にはお義父様のお気持ちを慮ることはできませんわ。知りたいなら直接伺ったらいかがです?」
それができるならエリーシャになど聞いていないと、アレンソアは不満気に舌を鳴らした。
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