【完結】御令嬢、あなたが私の本命です!

やまぐちこはる

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外伝 リリアンジェラ

可愛いらしい王女はニヤリと笑う7 ─リリアンジェラ─

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リリアンジェラがカテナと貴族学院に通い始めた時、四歳上の長兄エルロールはスキップして二年早く卒業年度生に、双子の兄たちは三年上に在席していた。
初めての試験の成績発表は、当然一位のリリアンジェラとエルロールに対し、双子たちは合格スレスレと知り、リリアンジェラの心の炎が燃え立った。

「カル兄様メル兄様!今日から私がお兄様たちのお勉強を見て差し上げますわ!」

「「はあっ?何言ってるんだよリリ!三年下のお前に私たちの勉強がわかるわけがないじゃないか!冗談はやめろってハハハ」」

笑い飛ばした双子だが、リリアンジェラもニヤリと口角を上げ、言い放つ。

「冗談などではありませんわ。私、本当は学院で習うことはすべて事前学習で履修済なのですけど、お母様が一、二年でもカティや学友と楽しむ時間があった方がいいと仰るから通うだけですもの。私が卒業すると言えばいつでも卒業できることになっておりますのよ。だから遠慮なくお任せ下さいませ」




ちょっと言い包めれば授業をサボれた家庭教師たちと比べ、リリアンジェラは段違いに厳しい。
妹に教えられて勉強などやっていられるかと逃げ出した日には、怒髪天を突く様で私室の前に立ちふさがり、両脇に従えたリリの護衛たちに襟を掴まれ引きずられた。

長い定規を手にしたリリアンジェラは、兄たちが気を散らすとバシッ。

「いっ!なんだよリリ、ちゃんとやっているじゃないか」
「ちゃんと?」

リリアンジェラの眉尻がキューッと上がる。

「ちゃんとですって?それでちゃんとやっているというのですか?ちゃんとやっているというのはエル兄様のような方が言えるのですわ!」

フンっ!と息を吐き、目を細めて双子を見るリリアンジェラの視線が厳しくなる。

「さあ!背筋をまっすぐにお座りになって」

「「ええ?」」

面倒臭そうに、しかし妹のジワリと迫る怒りの視線はヤバそうだと、ゆっくり組んだ足を下ろそうとしたカルロイドに向けて。

バシッ!

「ひっ」

容赦する気のないリリアンジェラは、その机に定規を叩きつけ「早くなさいっ!」と叱りつけた。

「今日から毎日宿題を出して差し上げますわ!やらなかったらどうなるか、おわかりですわね」

ギラリッ!

可愛らしいはずのリリアンジェラの冷たい圧力に、勉強はやらないと決めていた双子王子も渋々最低限の宿題はやるようになったが。


その日から、せめて王族として恥ずかしくない程度の教養を!と考えるパリスやリリアンジェラと、これ以上勉強などしてたまるものか!と抵抗する双子王子の、こう言っては何だが程度の低い戦いが火蓋を落とされたのだった。
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