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旅行編 水着でプール
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エラは絶対嫌だと喚いた。水着なんて自分は似合わない。胸の小ささを気にするエラ。
バックは水着を着てみたかったのだ。勿論今は冬、季節に合わないのはわかっている。それでも三人でプールに行きたかったのだ。
ウェイは自分に合った水着を探す。背中が隠れるような水着が中々ない。
こうしてエラは不満のまま、水着で国営のプールにやってきた。今は利用している人は少ない。
「エラ、可愛いから大丈夫だよ」
バックはそう言うが、エラは水着にトラウマがあった。
「昔、元彼にからかわれたのよ」
「彼氏なんていたの?」
バックはエラの恋人事情に興味を示す。エラは話し始めたからには話さなければならないかなと感じた。
「あ、話すのが嫌ならいいよ?」
「大丈夫よ、中学一年生の時に告白されて付き合ってた人がいるの」
エラは話す、中学一年の時告白され、中学三年の夏頃まで付き合っていた男の子がいた事を。
エラは人当たりがいいから人気が高い。だが高嶺の花なのか告白する人は意外といないそうだ。
だがその男の子は勇気を出して告白したそうだ。その勇気を讃えて付き合ったエラ。
「あなた、偉そうですわね」
「ちょっと、口を挟まないでよウェイ」
そうやってデートもする中、恋人として過ごしていたのだが、中学三年の頃事態が一変する。
「水着姿を見せたくてプールデートしたのよ。そしたら何て言ったと思う? 『エラは相変わらず胸が小さいね』って言ったのよ? 更にその後『胸大きい方が好みだな』って言ったのよ! はっ倒して、着替えて帰ったわ。その後別れ話して、友達に戻ったわ。今は目も合わせるし会話もするけど、まぁ最低ね。それ以来学校の水着さえも着るの嫌なの! 体のラインが出るものは嫌よ!」
無理矢理着させられた水着を今にも脱ぎそうな勢いのエラ。
「それは辛かったね。でも本当にエラの水着姿美しいよ。その男の見る目がなかっただけだよ」
「……本当に?」
「うん、すごく似合ってる。素敵だよ」
バックの率直な感想に、照れるエラ。そして自分が着ている水着を見回す。
「でもちょっと露出多すぎない?」
「ワタクシのチョイスですわ。美しさが映えましてよ」
そう言いながらスクール水着という名の大きく肌が隠れて体のラインが見える水着を着るウェイはやってきた。
「ちょっとウェイ、それはないんじゃない?」
「どうしてですの? 肩まで背中が隠れる特注品でしてよ」
「私にはこんな露出度高い水着着せておいて……まぁいいけど」
バックは二人の様子に笑い、プールに入る。飛び込みは危険だから禁止だ。
「冷た……くはないね。温水プールなんだね」
バックが水の中を泳ごうとするが、なかなか上手く泳げない。
「ワタクシが泳ぎを教えて差し上げましょう」
バックに泳ぎを教える間に、周囲の確認をしてやってきたシャルにエラは感嘆の声をあげる。
「すごく似合ってますよ! シャル!」
「ありがとうございます。エラもよく似合っていますよ」
「でも多分この中で一番似合っているのはバックかも」
ウェイに泳ぎを教わりながらプールを楽しむバックの水着は黒の紐ビキニだ。エラはあれは着れないなと思いながら、自分の着させられたリボンデザインの水着を見た。
シャルは三角ビキニだ。スタイルのいいシャルによく似合っている。
まぁ一番のダークホースはウェイだが。ピッチリ体のラインが出る競泳用の水着にも近い肩まで背中を隠すその特殊な水着は、数少ないプール利用者の注目を浴びている。
エラはシャルに尋ねる。
「逆に危険なんじゃないですか? 注目を浴びすぎて」
「人の目が集まる所ではプロの殺し屋は基本的に襲ってきません。注目は集めた方が安全ですよ」
「それに注目をわざわざ浴びるような人間はターゲットではないという思考にもさせますわよ」
ウェイがバックに泳ぎを教えながらやってくる。
「聞こえてたの?」
「ワタクシ、地獄耳ですの」
「何? 何の話? わっぷ」
泳ぎの練習から立とうとしたバックはバランスを崩す。それを立たせてウェイは言う。
「力を抜いて浮くのですわよ。力みすぎですわ」
それを聞いてプカプカ浮いてみるバック。プールを楽しみ尽くす。
「競争しない? ウェイ」
「いいですわよ、ですが護衛とハンデとしてバックを背負ってあなたに勝ってみせますわ」
「言ったわね? 私、泳ぐの得意よ?」
バックを背負ったウェイはいつでもいけると言う。
「待って待って待って! 私まだそんなに泳げないのに!」
「大丈夫ですわよ、リラックスしてくださいませ」
「じゃあ、よーいドン!」
バックを背負ったウェイは凄い勢いで泳いでいく。エラも必死に食らいつくがどんどん離される。ウェイがゴールと決めた所に着いた時にはエラはまだ半分だった。
「ウェイ凄いね。私全然苦しくなかったよ」
「それはそうですわ。人を救助する時の必須ですわよ」
「どんだけ超人なのよ。弱点ないの?」
「ふふふ、ワタクシ何でもできましてよ」
エラがウェイの弱点を探ろうとしていると、シャルがエラにこっそり耳打ちした。
「それ本当? シャル」
「確かな情報です。今夜試してみますか?」
エラはニヤリと笑って頷いた。
「少し準備してきます。ウォータースライダーで楽しんできてください」
シャルが席を外している間、ウォータースライダーまで登っていく三人。
「バックはワタクシと一緒に降りますわよ」
「大丈夫だよ、子供じゃないんだから」
「念の為ですわよ」
ウェイがバックに抱きついて滑り落ちていく。それにエラが続いた。着水してはしゃぐバック。
「楽しいね! 楽しい!」
「また今度来ようよ」
エラの言葉を聞いてピタリと止まるバック。
「そうだね、また今度ね」
その言葉は乾いてるようにも聞こえたがエラは気にしなかった。
シャルが帰ってきて今日はホテルに泊まることになった。
バックは水着を着てみたかったのだ。勿論今は冬、季節に合わないのはわかっている。それでも三人でプールに行きたかったのだ。
ウェイは自分に合った水着を探す。背中が隠れるような水着が中々ない。
こうしてエラは不満のまま、水着で国営のプールにやってきた。今は利用している人は少ない。
「エラ、可愛いから大丈夫だよ」
バックはそう言うが、エラは水着にトラウマがあった。
「昔、元彼にからかわれたのよ」
「彼氏なんていたの?」
バックはエラの恋人事情に興味を示す。エラは話し始めたからには話さなければならないかなと感じた。
「あ、話すのが嫌ならいいよ?」
「大丈夫よ、中学一年生の時に告白されて付き合ってた人がいるの」
エラは話す、中学一年の時告白され、中学三年の夏頃まで付き合っていた男の子がいた事を。
エラは人当たりがいいから人気が高い。だが高嶺の花なのか告白する人は意外といないそうだ。
だがその男の子は勇気を出して告白したそうだ。その勇気を讃えて付き合ったエラ。
「あなた、偉そうですわね」
「ちょっと、口を挟まないでよウェイ」
そうやってデートもする中、恋人として過ごしていたのだが、中学三年の頃事態が一変する。
「水着姿を見せたくてプールデートしたのよ。そしたら何て言ったと思う? 『エラは相変わらず胸が小さいね』って言ったのよ? 更にその後『胸大きい方が好みだな』って言ったのよ! はっ倒して、着替えて帰ったわ。その後別れ話して、友達に戻ったわ。今は目も合わせるし会話もするけど、まぁ最低ね。それ以来学校の水着さえも着るの嫌なの! 体のラインが出るものは嫌よ!」
無理矢理着させられた水着を今にも脱ぎそうな勢いのエラ。
「それは辛かったね。でも本当にエラの水着姿美しいよ。その男の見る目がなかっただけだよ」
「……本当に?」
「うん、すごく似合ってる。素敵だよ」
バックの率直な感想に、照れるエラ。そして自分が着ている水着を見回す。
「でもちょっと露出多すぎない?」
「ワタクシのチョイスですわ。美しさが映えましてよ」
そう言いながらスクール水着という名の大きく肌が隠れて体のラインが見える水着を着るウェイはやってきた。
「ちょっとウェイ、それはないんじゃない?」
「どうしてですの? 肩まで背中が隠れる特注品でしてよ」
「私にはこんな露出度高い水着着せておいて……まぁいいけど」
バックは二人の様子に笑い、プールに入る。飛び込みは危険だから禁止だ。
「冷た……くはないね。温水プールなんだね」
バックが水の中を泳ごうとするが、なかなか上手く泳げない。
「ワタクシが泳ぎを教えて差し上げましょう」
バックに泳ぎを教える間に、周囲の確認をしてやってきたシャルにエラは感嘆の声をあげる。
「すごく似合ってますよ! シャル!」
「ありがとうございます。エラもよく似合っていますよ」
「でも多分この中で一番似合っているのはバックかも」
ウェイに泳ぎを教わりながらプールを楽しむバックの水着は黒の紐ビキニだ。エラはあれは着れないなと思いながら、自分の着させられたリボンデザインの水着を見た。
シャルは三角ビキニだ。スタイルのいいシャルによく似合っている。
まぁ一番のダークホースはウェイだが。ピッチリ体のラインが出る競泳用の水着にも近い肩まで背中を隠すその特殊な水着は、数少ないプール利用者の注目を浴びている。
エラはシャルに尋ねる。
「逆に危険なんじゃないですか? 注目を浴びすぎて」
「人の目が集まる所ではプロの殺し屋は基本的に襲ってきません。注目は集めた方が安全ですよ」
「それに注目をわざわざ浴びるような人間はターゲットではないという思考にもさせますわよ」
ウェイがバックに泳ぎを教えながらやってくる。
「聞こえてたの?」
「ワタクシ、地獄耳ですの」
「何? 何の話? わっぷ」
泳ぎの練習から立とうとしたバックはバランスを崩す。それを立たせてウェイは言う。
「力を抜いて浮くのですわよ。力みすぎですわ」
それを聞いてプカプカ浮いてみるバック。プールを楽しみ尽くす。
「競争しない? ウェイ」
「いいですわよ、ですが護衛とハンデとしてバックを背負ってあなたに勝ってみせますわ」
「言ったわね? 私、泳ぐの得意よ?」
バックを背負ったウェイはいつでもいけると言う。
「待って待って待って! 私まだそんなに泳げないのに!」
「大丈夫ですわよ、リラックスしてくださいませ」
「じゃあ、よーいドン!」
バックを背負ったウェイは凄い勢いで泳いでいく。エラも必死に食らいつくがどんどん離される。ウェイがゴールと決めた所に着いた時にはエラはまだ半分だった。
「ウェイ凄いね。私全然苦しくなかったよ」
「それはそうですわ。人を救助する時の必須ですわよ」
「どんだけ超人なのよ。弱点ないの?」
「ふふふ、ワタクシ何でもできましてよ」
エラがウェイの弱点を探ろうとしていると、シャルがエラにこっそり耳打ちした。
「それ本当? シャル」
「確かな情報です。今夜試してみますか?」
エラはニヤリと笑って頷いた。
「少し準備してきます。ウォータースライダーで楽しんできてください」
シャルが席を外している間、ウォータースライダーまで登っていく三人。
「バックはワタクシと一緒に降りますわよ」
「大丈夫だよ、子供じゃないんだから」
「念の為ですわよ」
ウェイがバックに抱きついて滑り落ちていく。それにエラが続いた。着水してはしゃぐバック。
「楽しいね! 楽しい!」
「また今度来ようよ」
エラの言葉を聞いてピタリと止まるバック。
「そうだね、また今度ね」
その言葉は乾いてるようにも聞こえたがエラは気にしなかった。
シャルが帰ってきて今日はホテルに泊まることになった。
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