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メルディ国編
55 ツンデレじゃないヨ
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延々と続く噴水庭園――もとい、大神殿の(多分)前庭。
憩いの場として開放されているのか、時々人の姿を見掛ける。最も、見掛ける人、見掛ける人、みんながみんな、これまで通過してきた村や町の人々と比較してもかなり良い身なりをしている事から、金持ちの商人か貴族ではないかと思う。
うん。『そういう系の人にしか会わない』って事は、この大神殿にいるのはマルの言う通り、相当な俗物であると推察できる。うわー……絶対に関わりたくない。
まあ、マップに丸が表示されない――つまり、あたしが現状関わる事はないようなので大丈夫だろう。……多分。
それにしても……遠い。体感的に既に1時間は歩いている気がするが、多分大神殿だと思われる宮殿――相変わらずこの世界の表現はややこしい――の影が大きくはなったが、まだ辿り着く気配はない。あー……テント内で使用している魔力スノボ? ――いや、魔力スケボー? ――が切実に使いたい。
ああそういえば……この世界の1時間は、元の世界と同じ60分ではないようだ。これも感覚的な問題だけど、1時間経つまでが滅茶苦茶長く感じられる。大体、約1.5倍くらいはある気がする。
『リジーと同じ世界と思われる召喚された者が言うには、1時間が100分あるそうです』
ひゃっ!? いや、どうやって計測したんだとかツッコミ入れたい所だけど、その情報は何となく合っている気がする。
つまりあたしは、延々と黙って100分――1時間40分も歩き続けていたって事か……。なんか、すっごく時間を無駄にしている気がしてきた。
――ん? あれ? 確か、この世界の1日は20時間……つまり、20×100で1日が2000分。
元の世界は1日が24時間、24×60で1440分……こっちの世界の方が時間的には560分、約9時間から10時間、多い事になる。
で、この世界における基本睡眠時間は、約8時間。800分。元の世界の約13時間分……寝過ぎ……。
最も、活動時間も約12時間、1200分で、元の世界の20時間分――って、働き過ぎだよね!?
よくよく考えてみると、あたしってばこの世界に来てから随分と働き者になってたんだ……。
とか考えているうちに着いた。どうも考え事をしているうちに、元の世界の癖か早足になっていたようだ。
さて、目の前に大神殿(多分)があるんだけど……うん、普通に豪華な宮殿だ。
中には一応誰でも入れるようで施錠はされていない。気にせずに入って直ぐのエントランス部分が……多分、礼拝堂、かな?
『違います』
え?
『ただの出入り口――リジーの考えた通り、ただのエントランスです』
は? これで!?
2階分はありそうな高い天井には緻密だが豪華な装飾が施され、一部に明り取り用のステンドグラスの窓がある。夜間は魔法で明かりを灯すのだろう豪華なシャンデリアが天井にいくつかぶら下がっていた。
正面には祭壇、その上には形式美なのか燭台がいくつか。祭壇の奥の部分には宗教画っぽい物が掛けられており、1階相当分の左右の壁には等間隔に扉が設置され、奥に繋がっている様だ。
2階部分の壁には立派な石像が立ち並び、中に入ってきた人達を見守っている――というより、全ての石像の視線が出入り口の方に集まっている事から、品定めしている様な気がしてくる。
本当にこれが……ただのエントランス?
以前のマルの説明からすると、この石像が神々の像なのだろう。
右と左に其々8体ずつ、正面の宗教画の左右に1体ずつ、全部で18体の石像がある。――つまり、この世界には18の神が存在するって事かな? ……半分以上があたしに加護を付与しているってどうかと思うが。しかも超絶過保護。
『違います』
へ?
『ここの像には、表裏神、獣神、竜神がいません』
あー……それはまた……今まで出会った犯罪者共と同系統って事ですか……。
『そして、今は既に存在しない召喚神がいます』
……ん? つまり、現在の神の数は18+3-1で、20?
『20神で間違いありませんが、この神殿内に全ての神の像がある訳ではない、しかも無駄があると知って欲しかっただけです』
やれやれ……俗物だらけの大神殿は、其々の神が司るモノに対しての認識が不十分、と。
『魔人国や獣王国の神殿以外、ほぼそんな感じです』
……逆に、魔人族や獣人達、凄いね……ちゃんと全神揃えているんだ……。
『いえ。魔人国や獣王国の神殿は、召喚神がいません』
それって、正しいって事だよねっ!?
『そうとも言います』
おいっ!? なんというか……マルの拘る部分がよく分かんない……。というか、召喚神への当たりがきつくない?
『其々、何を司る神が存在するかは、いずれリジーも知る時が来ると思いますので、今は説明を省きます』
……知る時が来る?
『いずれ、全ての神の加護を――』
要らんっ!!!!!!
《そんな事を言わないでくれないか》
――は?
《そうですよ、リジー。貴女には、全ての神が注目しているのですから》
《そうだ、受け入れてくれ》
《貴女の持つ色々な『力』は、私達にとって、とても新鮮ですからね》
《どーしても注目しちまうんだよなぁ》
《何より、行動が面白いしなっ!》
《そうそう。周りを色々引っ掻き回すのに》
《逆に自分も振り回されたりして面白いですよ~》
《面白い事は大歓迎だぞ!》
……なに、この、声? マルとも念話とも違うのに、頭の中で会話が成り立っている?
《ん。リジーに加護を与えてる神が、話してる》
《うるさくてすまないな》
……最後の2人はもしかして……獣神と表裏神?
《ん。おれ、獣神》
《表裏神。どうして分かった?》
いや……他の神々と違って、あたしの事を気に掛けてる感じだったから。
今までの過保護具合からすると、そうかなぁと。
《ちょっと待って下さい!? 最高神である私に真っ先に気付くべきではないですか!?》
《あらあら。自己紹介しないといけませんわね。わたくし、幸運神ですわ。宜しくお願いしますね~》
《時空神だ》
《私は魔術神。リジーとは色々とお話したいと思っていたのです》
《おう! 俺は闘神だ!》
《俺様は竜神だ! 赤竜王が世話になってるな!》
《はいは~い。オレは技工神だよ~》
《うふふふふふ。わたしは資源神ですよ》
《農商工神だぞ~》
……。
なんというか……神獣達もそうだけど、神々も結構キャラ濃いんだけど!?
しかも一斉に話すものだから、其々の声が重なり合ってマジうるさい!!
《ん》
《お前達、順番に話すという事はできないのか》
《《《そんな事言ってたらリジーと話せなだろう!》でしょう!》だろっ!》
また一斉に叫んでるよ……しかもその理由はどうなんだ!?
しっかし……冷遇されちゃってた表裏神が最も常識神――ただし会話に限る――ってどうよ……。
《リジー。わたくし達がこうして貴女と会話できるのは極僅かな時間に限られています》
《加護と、貴女の魔力と、私達神の魔力と、魔力を多く含んでいるもしくは心を込めて制作された神の像10体以上。最高の条件が揃っているというのに、この穢れた空間では、どんなに頑張っても会話をするのは5分が限界なのです》
《《《焦る理由が分かるだろう!?》でしょう!?》だろ!?》
……そうか。
……つまり、5分間だけ我慢してコレを放置してたら静かになるんだ。
あ、もしくは獣神や表裏神とだけ会話するとか?
《酷くないかっ!?》
《酷いですよ!?》
《酷いぞっ!!》
《いえ、もう……リジーらしいとしか言えませんよ》
《……》
取り敢えず、一斉に話すものだから、どの言葉が誰だかさっぱりだよ。
《……おれも、分からない?》
《我も分からぬか?》
いや、流石に獣神と表裏神は分かる。
《なぜ!?》
いやだって、他の神とタイミングが被らないから、理解出来ない方がおかしい。
《……。――って、あ!? こんな事を話しているうちに、時間が!?》
《あらあら。残り少ないわね~》
《リジー。1カ月の間に準備が整い、神殿エリアが解放される》
《そうしたら、神殿エリアに来て下さい。そこでなら、私達ともっと話す事が出来ます》
え? こんなうるさいのと話さなきゃダメ?
《リジー! お前に説明しなきゃいけない事がかなりあんだよ!》
《だから来いっ!》
えーと……闘神や竜神が説明するの?
いや! 魔術神が説明する!!
《《……》》
《ぶくくくく》
……。
それにしても、会話なの?
神々の過保護っぷりからすると、直接会って話すとか言われると思ってた。
《そうできたらいいのだが……》
え? イヤなんだけど?
《……リジー……》
いやだって。過保護な人達と会うのって、更に過保護が爆発しそうで怖くない?
《わ、私達とて、過保護を抑えようと頑張ってはいるのだっ!》
《でもぉ……リジーに何かあると、つい、手が出ちゃって~》
《自分達の持つ力でリジーの役に立てるならと、つい、な》
マジで、心の底から過保護過ぎなんですがっ!?
《リジー。私達がどうして貴女に対してだけこの様な態度なのか、今はまだ説明出来ません。時期がくれば話したいとは思っています。だから、どうか、テントの神殿まで来て下さい》
……。
《リジー。貴女を待っています》
はぁ……分かった。
解放されたら、行く。
《よかった……待っている》
《もう、時間も残り少ないですね~》
《キリがいいから、ここまでにするか》
あ、ちょっと待って。言わなきゃいけない事があったの忘れてた。
《??》
えーと、その……。
……加護、ありがとう。
なんだかんだ言ってはいるけど、感謝してる。
ありがと。絶対の味方がいるって、心強い、よ?
《《《《《《《《《!?!?!?!?!?!?》》》》》》》》》
う……。
《《《《《《《《《リジーっ!!》》》》》》》》》
ああ、もう、うるさい、うるさいっ、うるさーーーーーいっ!!
《――リジー》
……なに、表裏神。
《ゆっくり話せるのを、楽しみにしている》
《ん。また、ね》
うん……。
獣神の言葉を最後に、頭の中で繋がっていた何かが切れた感覚がする。
多分、神々との強制通話が終わったのだろう。
それにしても……神って騒がしいんだね……。
って……。
ううう……ちょっと恥ずかしいっ!!
憩いの場として開放されているのか、時々人の姿を見掛ける。最も、見掛ける人、見掛ける人、みんながみんな、これまで通過してきた村や町の人々と比較してもかなり良い身なりをしている事から、金持ちの商人か貴族ではないかと思う。
うん。『そういう系の人にしか会わない』って事は、この大神殿にいるのはマルの言う通り、相当な俗物であると推察できる。うわー……絶対に関わりたくない。
まあ、マップに丸が表示されない――つまり、あたしが現状関わる事はないようなので大丈夫だろう。……多分。
それにしても……遠い。体感的に既に1時間は歩いている気がするが、多分大神殿だと思われる宮殿――相変わらずこの世界の表現はややこしい――の影が大きくはなったが、まだ辿り着く気配はない。あー……テント内で使用している魔力スノボ? ――いや、魔力スケボー? ――が切実に使いたい。
ああそういえば……この世界の1時間は、元の世界と同じ60分ではないようだ。これも感覚的な問題だけど、1時間経つまでが滅茶苦茶長く感じられる。大体、約1.5倍くらいはある気がする。
『リジーと同じ世界と思われる召喚された者が言うには、1時間が100分あるそうです』
ひゃっ!? いや、どうやって計測したんだとかツッコミ入れたい所だけど、その情報は何となく合っている気がする。
つまりあたしは、延々と黙って100分――1時間40分も歩き続けていたって事か……。なんか、すっごく時間を無駄にしている気がしてきた。
――ん? あれ? 確か、この世界の1日は20時間……つまり、20×100で1日が2000分。
元の世界は1日が24時間、24×60で1440分……こっちの世界の方が時間的には560分、約9時間から10時間、多い事になる。
で、この世界における基本睡眠時間は、約8時間。800分。元の世界の約13時間分……寝過ぎ……。
最も、活動時間も約12時間、1200分で、元の世界の20時間分――って、働き過ぎだよね!?
よくよく考えてみると、あたしってばこの世界に来てから随分と働き者になってたんだ……。
とか考えているうちに着いた。どうも考え事をしているうちに、元の世界の癖か早足になっていたようだ。
さて、目の前に大神殿(多分)があるんだけど……うん、普通に豪華な宮殿だ。
中には一応誰でも入れるようで施錠はされていない。気にせずに入って直ぐのエントランス部分が……多分、礼拝堂、かな?
『違います』
え?
『ただの出入り口――リジーの考えた通り、ただのエントランスです』
は? これで!?
2階分はありそうな高い天井には緻密だが豪華な装飾が施され、一部に明り取り用のステンドグラスの窓がある。夜間は魔法で明かりを灯すのだろう豪華なシャンデリアが天井にいくつかぶら下がっていた。
正面には祭壇、その上には形式美なのか燭台がいくつか。祭壇の奥の部分には宗教画っぽい物が掛けられており、1階相当分の左右の壁には等間隔に扉が設置され、奥に繋がっている様だ。
2階部分の壁には立派な石像が立ち並び、中に入ってきた人達を見守っている――というより、全ての石像の視線が出入り口の方に集まっている事から、品定めしている様な気がしてくる。
本当にこれが……ただのエントランス?
以前のマルの説明からすると、この石像が神々の像なのだろう。
右と左に其々8体ずつ、正面の宗教画の左右に1体ずつ、全部で18体の石像がある。――つまり、この世界には18の神が存在するって事かな? ……半分以上があたしに加護を付与しているってどうかと思うが。しかも超絶過保護。
『違います』
へ?
『ここの像には、表裏神、獣神、竜神がいません』
あー……それはまた……今まで出会った犯罪者共と同系統って事ですか……。
『そして、今は既に存在しない召喚神がいます』
……ん? つまり、現在の神の数は18+3-1で、20?
『20神で間違いありませんが、この神殿内に全ての神の像がある訳ではない、しかも無駄があると知って欲しかっただけです』
やれやれ……俗物だらけの大神殿は、其々の神が司るモノに対しての認識が不十分、と。
『魔人国や獣王国の神殿以外、ほぼそんな感じです』
……逆に、魔人族や獣人達、凄いね……ちゃんと全神揃えているんだ……。
『いえ。魔人国や獣王国の神殿は、召喚神がいません』
それって、正しいって事だよねっ!?
『そうとも言います』
おいっ!? なんというか……マルの拘る部分がよく分かんない……。というか、召喚神への当たりがきつくない?
『其々、何を司る神が存在するかは、いずれリジーも知る時が来ると思いますので、今は説明を省きます』
……知る時が来る?
『いずれ、全ての神の加護を――』
要らんっ!!!!!!
《そんな事を言わないでくれないか》
――は?
《そうですよ、リジー。貴女には、全ての神が注目しているのですから》
《そうだ、受け入れてくれ》
《貴女の持つ色々な『力』は、私達にとって、とても新鮮ですからね》
《どーしても注目しちまうんだよなぁ》
《何より、行動が面白いしなっ!》
《そうそう。周りを色々引っ掻き回すのに》
《逆に自分も振り回されたりして面白いですよ~》
《面白い事は大歓迎だぞ!》
……なに、この、声? マルとも念話とも違うのに、頭の中で会話が成り立っている?
《ん。リジーに加護を与えてる神が、話してる》
《うるさくてすまないな》
……最後の2人はもしかして……獣神と表裏神?
《ん。おれ、獣神》
《表裏神。どうして分かった?》
いや……他の神々と違って、あたしの事を気に掛けてる感じだったから。
今までの過保護具合からすると、そうかなぁと。
《ちょっと待って下さい!? 最高神である私に真っ先に気付くべきではないですか!?》
《あらあら。自己紹介しないといけませんわね。わたくし、幸運神ですわ。宜しくお願いしますね~》
《時空神だ》
《私は魔術神。リジーとは色々とお話したいと思っていたのです》
《おう! 俺は闘神だ!》
《俺様は竜神だ! 赤竜王が世話になってるな!》
《はいは~い。オレは技工神だよ~》
《うふふふふふ。わたしは資源神ですよ》
《農商工神だぞ~》
……。
なんというか……神獣達もそうだけど、神々も結構キャラ濃いんだけど!?
しかも一斉に話すものだから、其々の声が重なり合ってマジうるさい!!
《ん》
《お前達、順番に話すという事はできないのか》
《《《そんな事言ってたらリジーと話せなだろう!》でしょう!》だろっ!》
また一斉に叫んでるよ……しかもその理由はどうなんだ!?
しっかし……冷遇されちゃってた表裏神が最も常識神――ただし会話に限る――ってどうよ……。
《リジー。わたくし達がこうして貴女と会話できるのは極僅かな時間に限られています》
《加護と、貴女の魔力と、私達神の魔力と、魔力を多く含んでいるもしくは心を込めて制作された神の像10体以上。最高の条件が揃っているというのに、この穢れた空間では、どんなに頑張っても会話をするのは5分が限界なのです》
《《《焦る理由が分かるだろう!?》でしょう!?》だろ!?》
……そうか。
……つまり、5分間だけ我慢してコレを放置してたら静かになるんだ。
あ、もしくは獣神や表裏神とだけ会話するとか?
《酷くないかっ!?》
《酷いですよ!?》
《酷いぞっ!!》
《いえ、もう……リジーらしいとしか言えませんよ》
《……》
取り敢えず、一斉に話すものだから、どの言葉が誰だかさっぱりだよ。
《……おれも、分からない?》
《我も分からぬか?》
いや、流石に獣神と表裏神は分かる。
《なぜ!?》
いやだって、他の神とタイミングが被らないから、理解出来ない方がおかしい。
《……。――って、あ!? こんな事を話しているうちに、時間が!?》
《あらあら。残り少ないわね~》
《リジー。1カ月の間に準備が整い、神殿エリアが解放される》
《そうしたら、神殿エリアに来て下さい。そこでなら、私達ともっと話す事が出来ます》
え? こんなうるさいのと話さなきゃダメ?
《リジー! お前に説明しなきゃいけない事がかなりあんだよ!》
《だから来いっ!》
えーと……闘神や竜神が説明するの?
いや! 魔術神が説明する!!
《《……》》
《ぶくくくく》
……。
それにしても、会話なの?
神々の過保護っぷりからすると、直接会って話すとか言われると思ってた。
《そうできたらいいのだが……》
え? イヤなんだけど?
《……リジー……》
いやだって。過保護な人達と会うのって、更に過保護が爆発しそうで怖くない?
《わ、私達とて、過保護を抑えようと頑張ってはいるのだっ!》
《でもぉ……リジーに何かあると、つい、手が出ちゃって~》
《自分達の持つ力でリジーの役に立てるならと、つい、な》
マジで、心の底から過保護過ぎなんですがっ!?
《リジー。私達がどうして貴女に対してだけこの様な態度なのか、今はまだ説明出来ません。時期がくれば話したいとは思っています。だから、どうか、テントの神殿まで来て下さい》
……。
《リジー。貴女を待っています》
はぁ……分かった。
解放されたら、行く。
《よかった……待っている》
《もう、時間も残り少ないですね~》
《キリがいいから、ここまでにするか》
あ、ちょっと待って。言わなきゃいけない事があったの忘れてた。
《??》
えーと、その……。
……加護、ありがとう。
なんだかんだ言ってはいるけど、感謝してる。
ありがと。絶対の味方がいるって、心強い、よ?
《《《《《《《《《!?!?!?!?!?!?》》》》》》》》》
う……。
《《《《《《《《《リジーっ!!》》》》》》》》》
ああ、もう、うるさい、うるさいっ、うるさーーーーーいっ!!
《――リジー》
……なに、表裏神。
《ゆっくり話せるのを、楽しみにしている》
《ん。また、ね》
うん……。
獣神の言葉を最後に、頭の中で繋がっていた何かが切れた感覚がする。
多分、神々との強制通話が終わったのだろう。
それにしても……神って騒がしいんだね……。
って……。
ううう……ちょっと恥ずかしいっ!!
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