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メルディ国編
15 獣人ですヨ
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断り文句を色々考えていると、突然、兵士の一人が飛び込んできた。
一応、見た目おばあちゃんだし、今回の事件のきっかけになった重要人物だからって、兵士長と差しで話す為、ギルド内にある貴賓室の様な部屋に来てたんだよね。貴賓室と言う事から分かる様に、ちゃんと上質っぽいソファやテーブルが常備された部屋である。
その部屋のソファにのんびり座って、兵士の誰かが淹れたであろうお茶まで出て……普通に緑茶が出てきた時は驚いた。ホント、この世界の時代設定とか文化とか、元の世界と比較すると妙だね。うん、変だ。
まあ、そんな風にお茶しちゃっていたとこに飛び込んできた若い兵士――兵士長も見た目は若いけど――は、何故かバタバタと手を振り回し。
「隊長! 大変ですっ! ユキヒョウのネスフィルが来ましたっ!」
「何っ!?」
あれ、隊長? 兵士長じゃないの? 兵士とか騎士とか、階級が良く分かんないわー。
それにしても、どっちも見た目が若いから、片方が偉そうで片方が敬語って微妙に違和感あるなぁ。
なーんて関係ない事を考えているうちに、その名前(?)を聞いた兵士長改め隊長は立ち上がり、兵士へ詰め寄る様に話し始めた。
「本当かっ!?」
「はいっ! 今、ギルドに来て、何があったのかと周りに聞いてます!」
「分かった! 申し訳ありませんが、少しだけお待ち下さい」
前半は兵士に、後半はあたしに言うと、隊長は大慌てで駆け出し、兵士もそれに続いた。
うーん……ユキヒョウ? の、えーと……? あ、ネスフィル? それ誰?
『ユキヒョウのネスフィル』
希少種であるユキヒョウの獣人の男性。現在26歳。今年、成長が止まったばかり。
Aプラスランクの冒険者で、Sランクに上がるのは時間の問題と言われている。
へぇ……結構凄い人が来たんだね。どうしてここに? ――は? 冒険者なんだからどこ行こうが自由?
……あっそう。何か、マルの投げやり感がアップしてる気がする……。
じゃあ、どうしてあの隊長達は慌ててたのかは分かる?
Bプラスランク以上の冒険者はその強さから一目置かれる? 今回の護送の協力依頼にでも行ったんじゃないかって?
……Aプラスランクを雇えるほど、ここの兵士ってお金あるの?
え? どうせ国が出すから大丈夫? ……なるほどね。
うん? そう言えば、ここの兵士ってそんな強くないの? 冒険者に協力依頼するなんて……。
あ、ピンキリ。納得。
ティーカップ――湯呑みじゃないのが不満――に注がれた緑茶を飲みつつ、マルと会話しながらまったり待つ。
はぁ……何か、この世界で初めてのんびりしてるねぇ……お願い事は面倒だけど。
それなら、さっさとここから消えればいいと思うかもしれないが、この部屋、ギルドの中にあるから逃げようものならどこかで兵士に必ず会ってしまう。面倒だけど逃げられないんだよねぇ。
そうして。時間的に5分か10分くらい待っていると、消えた隊長と共に一人の男性が入ってきた。
その顔を見た瞬間、あたしは呼吸困難に陥りそうなほど驚いた。
けっ、ケモ耳があるぅーーーーーーーーーーーっ!!!
ちょっと黄色味掛かった灰色の髪に埋もれるようにして見える小型の三角形な耳。基本的な色は髪と同色のようだけど、先の方が黒くなっている。
ふ、ふかふかな毛に覆われた耳が時々ピコピコ動くのが可愛らしいんですけどぉっ!
あれ、猫ねこネコ! 猫の耳っ! あの形といい、ピコピコ具合といい、絶対にそう! はうぅ。
え? 気色悪い?
うるさいっ! あたしだって女だ。可愛いもの好きで何が悪い! 猫好きで悪いかっ!!
マルと遣り合いながらもあたしの視線が猫耳に固定されていると気付いたのか、ちょっと大きな手がその耳を隠す。
むむむ、何故隠す――と、手を持ち上げた当人を見てあたしは首を傾げた。
ふわっふわな黄色味掛かった長めの灰色の髪を後ろで一つに結び、くっきりしたアーモンド形の灰黄色の瞳はちょっとだけ釣り目。鼻筋は通っており、肌は白い。顔は普通に人間で、猫耳があるけど、髪の色と相まって似合っている。見た目は今まであたしが出会った中では断トツ一位なイケメンである。
一見すると優男っぽいのに、体つきは結構がっしりしていて身長は高め180くらいはありそう。うーん……細マッチョ系? 多分、だけど。RPGとかで考えると、魔法使い系ではなく、戦士系って感じの見た目。
服装は……時代がおかしい。な・ん・で! 軍服なの? 余計な装飾を取り払い、かなりシンプルにはしているけど、形は海兵隊とか海軍でよく見られる詰襟型の軍服。色は紺。他に鎧とか付けてる気配なし。魔物とかと戦うんだよね? 大丈夫なのかって思う。
腰には帯剣ベルトがあり、うーん……? 何か違和感を感じる剣が差してある。
で。そんな細マッチョに似合わないモノが軍服の裾から見え隠れしている。
うん。言わずと知れた尻尾。猫――と考えると違和感しかない、太く長い尻尾。全体的にちょっと長めな毛に覆われている。
で、そんな男があたしを睨んでいる。はて? 何故?
マルが看破魔法を使わない所を見るに、彼はマル基準なあたしの敵認定はされていないという事だろう。
それなのに、初対面で睨まれる意味が解らん。
ジッと灰黄色の瞳を見ていると、彼はスッと目を伏せ、溜め息を吐いた――って失礼だな。
「オレは、ユキヒョウの獣人であるネスフィル。あんたは?」
うん? 自己紹介? って、あ、この人がユキヒョウのネスフィルなんだ。獣人って、ホントに獣人って姿をしてるんだねぇ。王道、乙。
って、ちゃんと名乗ってる人を放置しちゃマズイか。偽名だけど、名乗るよー。
「あたしはリジー。一応、人間」
多分、おそらく、きっと……人間だよね? 異世界召喚されて種族とか変わってないよね?
あ、マルが呆れた様に『当然です』とマレットに表示してる。良かったよかった。
「何故、一応?」
そこツッコムなぁーーーっ!
もう、何て答えればいい? ……とか思った時、ネスフィルの横に立つ隊長が目に入った。ああそう言えば……あたし、変人扱いされてたっけ……じゃあ、それを利用しようか。
「変人だろうと言われたからね」
隊長がギョッとして、視線をあっちこっちにさ迷わせる。うん。自分が言った自覚あるんだね。くそう。睨み付けたる。
で、あたしのどうでもいい感じの答えを受け取ったネスフィルは。
「そうか。なるほど」
へ……? 納得するの?
あれ? もしかして、あたしが隊長を睨んでいるのに気付いてない……?
ん? えー? 戦士系じゃないの? あたしの見立て違い?
でも、剣差してるし、あたしが凄い人って言った時、マルは肯定――というか、否定してなかったよね?
それなのに、あれぇ? この空気に気付かないの?
何か微妙に……この人、
もしかして
天然、入ってますか?
一応、見た目おばあちゃんだし、今回の事件のきっかけになった重要人物だからって、兵士長と差しで話す為、ギルド内にある貴賓室の様な部屋に来てたんだよね。貴賓室と言う事から分かる様に、ちゃんと上質っぽいソファやテーブルが常備された部屋である。
その部屋のソファにのんびり座って、兵士の誰かが淹れたであろうお茶まで出て……普通に緑茶が出てきた時は驚いた。ホント、この世界の時代設定とか文化とか、元の世界と比較すると妙だね。うん、変だ。
まあ、そんな風にお茶しちゃっていたとこに飛び込んできた若い兵士――兵士長も見た目は若いけど――は、何故かバタバタと手を振り回し。
「隊長! 大変ですっ! ユキヒョウのネスフィルが来ましたっ!」
「何っ!?」
あれ、隊長? 兵士長じゃないの? 兵士とか騎士とか、階級が良く分かんないわー。
それにしても、どっちも見た目が若いから、片方が偉そうで片方が敬語って微妙に違和感あるなぁ。
なーんて関係ない事を考えているうちに、その名前(?)を聞いた兵士長改め隊長は立ち上がり、兵士へ詰め寄る様に話し始めた。
「本当かっ!?」
「はいっ! 今、ギルドに来て、何があったのかと周りに聞いてます!」
「分かった! 申し訳ありませんが、少しだけお待ち下さい」
前半は兵士に、後半はあたしに言うと、隊長は大慌てで駆け出し、兵士もそれに続いた。
うーん……ユキヒョウ? の、えーと……? あ、ネスフィル? それ誰?
『ユキヒョウのネスフィル』
希少種であるユキヒョウの獣人の男性。現在26歳。今年、成長が止まったばかり。
Aプラスランクの冒険者で、Sランクに上がるのは時間の問題と言われている。
へぇ……結構凄い人が来たんだね。どうしてここに? ――は? 冒険者なんだからどこ行こうが自由?
……あっそう。何か、マルの投げやり感がアップしてる気がする……。
じゃあ、どうしてあの隊長達は慌ててたのかは分かる?
Bプラスランク以上の冒険者はその強さから一目置かれる? 今回の護送の協力依頼にでも行ったんじゃないかって?
……Aプラスランクを雇えるほど、ここの兵士ってお金あるの?
え? どうせ国が出すから大丈夫? ……なるほどね。
うん? そう言えば、ここの兵士ってそんな強くないの? 冒険者に協力依頼するなんて……。
あ、ピンキリ。納得。
ティーカップ――湯呑みじゃないのが不満――に注がれた緑茶を飲みつつ、マルと会話しながらまったり待つ。
はぁ……何か、この世界で初めてのんびりしてるねぇ……お願い事は面倒だけど。
それなら、さっさとここから消えればいいと思うかもしれないが、この部屋、ギルドの中にあるから逃げようものならどこかで兵士に必ず会ってしまう。面倒だけど逃げられないんだよねぇ。
そうして。時間的に5分か10分くらい待っていると、消えた隊長と共に一人の男性が入ってきた。
その顔を見た瞬間、あたしは呼吸困難に陥りそうなほど驚いた。
けっ、ケモ耳があるぅーーーーーーーーーーーっ!!!
ちょっと黄色味掛かった灰色の髪に埋もれるようにして見える小型の三角形な耳。基本的な色は髪と同色のようだけど、先の方が黒くなっている。
ふ、ふかふかな毛に覆われた耳が時々ピコピコ動くのが可愛らしいんですけどぉっ!
あれ、猫ねこネコ! 猫の耳っ! あの形といい、ピコピコ具合といい、絶対にそう! はうぅ。
え? 気色悪い?
うるさいっ! あたしだって女だ。可愛いもの好きで何が悪い! 猫好きで悪いかっ!!
マルと遣り合いながらもあたしの視線が猫耳に固定されていると気付いたのか、ちょっと大きな手がその耳を隠す。
むむむ、何故隠す――と、手を持ち上げた当人を見てあたしは首を傾げた。
ふわっふわな黄色味掛かった長めの灰色の髪を後ろで一つに結び、くっきりしたアーモンド形の灰黄色の瞳はちょっとだけ釣り目。鼻筋は通っており、肌は白い。顔は普通に人間で、猫耳があるけど、髪の色と相まって似合っている。見た目は今まであたしが出会った中では断トツ一位なイケメンである。
一見すると優男っぽいのに、体つきは結構がっしりしていて身長は高め180くらいはありそう。うーん……細マッチョ系? 多分、だけど。RPGとかで考えると、魔法使い系ではなく、戦士系って感じの見た目。
服装は……時代がおかしい。な・ん・で! 軍服なの? 余計な装飾を取り払い、かなりシンプルにはしているけど、形は海兵隊とか海軍でよく見られる詰襟型の軍服。色は紺。他に鎧とか付けてる気配なし。魔物とかと戦うんだよね? 大丈夫なのかって思う。
腰には帯剣ベルトがあり、うーん……? 何か違和感を感じる剣が差してある。
で。そんな細マッチョに似合わないモノが軍服の裾から見え隠れしている。
うん。言わずと知れた尻尾。猫――と考えると違和感しかない、太く長い尻尾。全体的にちょっと長めな毛に覆われている。
で、そんな男があたしを睨んでいる。はて? 何故?
マルが看破魔法を使わない所を見るに、彼はマル基準なあたしの敵認定はされていないという事だろう。
それなのに、初対面で睨まれる意味が解らん。
ジッと灰黄色の瞳を見ていると、彼はスッと目を伏せ、溜め息を吐いた――って失礼だな。
「オレは、ユキヒョウの獣人であるネスフィル。あんたは?」
うん? 自己紹介? って、あ、この人がユキヒョウのネスフィルなんだ。獣人って、ホントに獣人って姿をしてるんだねぇ。王道、乙。
って、ちゃんと名乗ってる人を放置しちゃマズイか。偽名だけど、名乗るよー。
「あたしはリジー。一応、人間」
多分、おそらく、きっと……人間だよね? 異世界召喚されて種族とか変わってないよね?
あ、マルが呆れた様に『当然です』とマレットに表示してる。良かったよかった。
「何故、一応?」
そこツッコムなぁーーーっ!
もう、何て答えればいい? ……とか思った時、ネスフィルの横に立つ隊長が目に入った。ああそう言えば……あたし、変人扱いされてたっけ……じゃあ、それを利用しようか。
「変人だろうと言われたからね」
隊長がギョッとして、視線をあっちこっちにさ迷わせる。うん。自分が言った自覚あるんだね。くそう。睨み付けたる。
で、あたしのどうでもいい感じの答えを受け取ったネスフィルは。
「そうか。なるほど」
へ……? 納得するの?
あれ? もしかして、あたしが隊長を睨んでいるのに気付いてない……?
ん? えー? 戦士系じゃないの? あたしの見立て違い?
でも、剣差してるし、あたしが凄い人って言った時、マルは肯定――というか、否定してなかったよね?
それなのに、あれぇ? この空気に気付かないの?
何か微妙に……この人、
もしかして
天然、入ってますか?
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