Black Rose

むらさきおいも

文字の大きさ
2 / 29

舎弟

しおりを挟む
電話をかけるとそいつは直ぐ様電話に出た。 

(はい)

「はぁっ…ひかるっ…ちょっと迎えに来てくんない?」

恭介きょうすけ?どこにいるの?)

「東町のドンキの交差点近く…」

(…んなとこで何してんだよ)

「いいだろ…っ!とにかく早く来いって!」

(…わかったよ)


高校の時、俺がこいつを助けてやってからというもの、卒業した後もこうやって俺のそばにいる。

俺の言う事は絶対で、俺の言う事なら何でも聞いてくれる、賢くて可愛くて従順な俺の犬。

そして切っても切れない、俺とアイツを繋ぐ黒い絆―――


・・・・・


高校時代、周りに敵なしだった俺はポケットに手を突っ込み幅をきかせながら歩いていると、道を塞ぐように他校のヤツらが女を人質に揉めている所にたまたま出くわした。

普段なら無視して通り過ぎるところだがここらは俺らの縄張りだし、よくよく見るとやられてんのは自分とこの制服を着ている。

完全にイキってた俺は、どうせ暇だし退屈しのぎに丁度いいと、わざとそいつらに突っ込んで行ったんだ。


「んだ?テメェ」

「お前らこそ何?ここどこだか分かってんの?邪魔なんですけどぉ?」

「あぁ?やんのかコラ」

「あはっ、やる?俺強いよ?」

「女がどうなってもいいのか!」

「え?何それ…脅しのつもり?俺には全く関係ないからどうぞご自由にぃ~」


ただ憂さ晴らしがしたいだけの俺にとって、知らない女がどうなろうと知ったことでは無い。

だがその時、女を必死に守っていたのか、同じ制服のボロボロの男が声を上げた。


「やっ…やめて!そいつだけでも助けて下さいっ!」

「ん?君の彼女?」

「妹…お願い…します…」

「ふぅん…妹ね。いいよ助けてやっても…あ、じゃあその代わりこれから俺の言う事、何でもでも聞いてくれる?」

「…っ、わかった、聞くから…っ!」

「んふっ、了解♡」


それからというもの、俺の横にはいつも光がいる。

最初は都合の良いように使い、その場限りで使えなくなったら捨てようと思っていたのだが、約束を忠実に守り俺の言う事を何でも聞いてくれる光を、俺は次第に気に入り信頼し手放せなくなっていたんだ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

優しい檻に囚われて ―俺のことを好きすぎる彼らから逃げられません―

無玄々
BL
「俺たちから、逃げられると思う?」 卑屈な少年・織理は、三人の男から同時に告白されてしまう。 一人は必死で熱く重い男、一人は常に包んでくれる優しい先輩、一人は「嫌い」と言いながら離れない奇妙な奴。 選べない織理に押し付けられる彼らの恋情――それは優しくも逃げられない檻のようで。 本作は織理と三人の関係性を描いた短編集です。 愛か、束縛か――その境界線の上で揺れる、執着ハーレムBL。 ※この作品は『記憶を失うほどに【https://www.alphapolis.co.jp/novel/364672311/155993505】』のハーレムパロディです。本編未読でも雰囲気は伝わりますが、キャラクターの背景は本編を読むとさらに楽しめます。 ※本作は織理受けのハーレム形式です。 ※一部描写にてそれ以外のカプとも取れるような関係性・心理描写がありますが、明確なカップリング意図はありません。が、ご注意ください

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ

BL
鍛えられた肉体、高潔な魂―― それは選ばれし“供物”の条件。 山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。 見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。 誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。 心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。

休憩時間10分の内緒の恋人チャージ(高校生ver)

子犬一 はぁて
BL
俺様攻め×一途受け。学校の休み時間10分の内緒の恋人チャージ方法は、ちゅーとぎゅーの他にも内緒でしています。

泣き虫な俺と泣かせたいお前

ことわ子
BL
大学生の八次直生(やつぎすなお)と伊場凛乃介(いばりんのすけ)は幼馴染で腐れ縁。 アパートも隣同士で同じ大学に通っている。 直生にはある秘密があり、嫌々ながらも凛乃介を頼る日々を送っていた。 そんなある日、直生は凛乃介のある現場に遭遇する。

鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる

結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。 冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。 憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。 誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。 鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。

敵国の将軍×見捨てられた王子

モカ
BL
敵国の将軍×見捨てられた王子

処理中です...