Black Rose

むらさきおいも

文字の大きさ
23 / 29

使命(鈴木)

しおりを挟む
俺がどんなに呼び掛けても虚ろな表情でソレを動かすのを止めない恭介くん…
というか止められないんだろう。

間違いなく何かされたに違いない…


「あっ…ぅ、ねぇ…っ、抱いてっ…」

「ダメだよっ!ダメっ!!」

「はぁ…っ、んな事言うなよぉっ!なぁ、あ…っ、んぅ…」


あともう少し…もう少しで救えるのに…っ!

これじゃあ救えるのが先か、恭介くんがおかしくなるのが先か、もういよいよ限界だ。

一先ず恭介くんを落ち着かせようとペットボトルの水の蓋を開け手渡すが、口の端から流れ出て水さえ上手く飲めないようだ。 

ペットボトルの口を恭介くんの口に持っていき飲ませるけど、それでも上手く飲めなくて仕方なく口に含んで口移しで飲ませ、それを何回か繰り返し一先ずほっとしたのもつかの間、首に手を回され唇がまた重なれば舌がねじ込まれる。


「ん…っ!?はぁ…っ、恭介くん…っ」

「はぁっ…おねがいっ…シて…」

「今日は報告があるの!だから…」

「もうそんなのいい…はぁ、はぁ…っ、光には会わない…っ」

「なんで?どうして!?光くんはっ…」

「会いたくねぇんだよっ!!こんな…っ、はぁ…っ」

「恭介…くん…っ、大丈夫だから。光くんは恭介くんの事、待ってるからっ!」

「…っ、嫌われたくねぇんだよ…助けてよ…お願い…っ」

「助けるっ!必ず助けるからっ!だからっ…」

「い…ま…今…助けて…っ、ゾクゾクしてっ…止まんねぇんだよ…っ、はぁ…はぁ…っ、助けてよぉ…お願い…っ」


腕を捕まれ虚ろな目で俺を見る恭介くんは、もう多分自分でも制御出来ないくらいに蝕まれている。

頭では嫌われたくないからこんな事はしたくないはずなのに、身体は快楽を求めてしまう…
解放しないと楽になれないんだ。

あの時もそうだった。
やっと救えると乗り込んだ時に目にした俺の大事な人も、俺の知ってる屈託のない笑顔で微笑むいつもの彼ではなくなっていたんだ…


「恭介くん…助けてあげるから、光くんを信じて…お願い!」

「わかったぁ…わかったからっ…早くぅ…っ!」


少しでも楽になれば、そしてこの後誰も相手しなくていいように時間いっぱい使って俺は恭介くんを解放した。

もう終わりにしよう。
この組織を俺の手でぶっ壊してやるんだ!


「ひゃっ、あ…っ!きもちいいよぉっ…」

「んっ、いっぱいしてあげるからっ…絶対助けるからっ!」

「んあぁっ、あぁっ、イクイクッッ!イッちゃう…ッッ!」


俺の手の中に吐き出された白濁を手早く処理すると、ビクビクと震え意識を飛ばした恭介くんをギュッと抱きしめた。

スヤスヤ眠る恭介くんのやせ細った体を綺麗にし、所々見られる跡に触れぐっと歯を食いしばる…


「ごめんね…」


そう呟きながら身体を綺麗に拭いて服を着せてやり、恭介くんの隣に寄り添い目が覚めるのを待った。


「…ん…っ」

「恭介くん…」

「あ…俺…っ」

「気分…悪くない?」

「あぁ…もうずっと悪いよ…」

「そう…だよね…」 

「光に…会えたの?」

「うん、傷も良くなってもう退院してる。やっぱり恭介くんの事探し回ってたみたいで、例のお店にいるところを捕まえて恭介くんの伝言伝えたよ…」

「そぉ…ありがとう…」


恭介は力無く俯きながらそう答えた。
本来なら喜ばしい事のはずなのに、もう会いたくないと叫んだ恭介くんを思い出すと胸が痛い。


「恭介くん。必ず助けるから…」

「あんたさ…なんでここまでしてくれるの…?」

「使命…だと思ってるから」

「使命?…なんで?」

「恭介くんは知らなくてもいい…でも必ず助ける。だから、絶対負けないで!」

「でも俺っ…もぅ…っ」

「光くんは待ってるよ…恭介くん…」


小さく頷いた恭介くんの手を握り、俺は多額の延長料金を支払いその場を後にした。

そろそろ本番だ。
今度こそ俺の手で…

必ずこの組織をぶっ壊す―――
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

優しい檻に囚われて ―俺のことを好きすぎる彼らから逃げられません―

無玄々
BL
「俺たちから、逃げられると思う?」 卑屈な少年・織理は、三人の男から同時に告白されてしまう。 一人は必死で熱く重い男、一人は常に包んでくれる優しい先輩、一人は「嫌い」と言いながら離れない奇妙な奴。 選べない織理に押し付けられる彼らの恋情――それは優しくも逃げられない檻のようで。 本作は織理と三人の関係性を描いた短編集です。 愛か、束縛か――その境界線の上で揺れる、執着ハーレムBL。 ※この作品は『記憶を失うほどに【https://www.alphapolis.co.jp/novel/364672311/155993505】』のハーレムパロディです。本編未読でも雰囲気は伝わりますが、キャラクターの背景は本編を読むとさらに楽しめます。 ※本作は織理受けのハーレム形式です。 ※一部描写にてそれ以外のカプとも取れるような関係性・心理描写がありますが、明確なカップリング意図はありません。が、ご注意ください

借金のカタで二十歳上の実業家に嫁いだΩ。鳥かごで一年過ごすだけの契約だったのに、氷の帝王と呼ばれた彼に激しく愛され、唯一無二の番になる

水凪しおん
BL
名家の次男として生まれたΩ(オメガ)の青年、藍沢伊織。彼はある日突然、家の負債の肩代わりとして、二十歳も年上のα(アルファ)である実業家、久遠征四郎の屋敷へと送られる。事実上の政略結婚。しかし伊織を待ち受けていたのは、愛のない契約だった。 「一年間、俺の『鳥』としてこの屋敷で静かに暮らせ。そうすれば君の家族は救おう」 過去に愛する番を亡くし心を凍てつかせた「氷の帝王」こと征四郎。伊織はただ美しい置物として鳥かごの中で生きることを強いられる。しかしその瞳の奥に宿る深い孤独に触れるうち、伊織の心には反発とは違う感情が芽生え始める。 ひたむきな優しさは、氷の心を溶かす陽だまりとなるか。 孤独なαと健気なΩが、偽りの契約から真実の愛を見出すまでの、切なくも美しいシンデレラストーリー。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる

結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。 冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。 憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。 誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。 鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。

敵国の将軍×見捨てられた王子

モカ
BL
敵国の将軍×見捨てられた王子

溺愛王子様の3つの恋物語~第2王子編~

結衣可
BL
第二王子ライナルト・フォン・グランツ(ライナ)は、奔放で自由人。 彼は密かに市井へ足を運び、民の声を聞き、王国の姿を自分の目で確かめることを日課にしていた。 そんな彼の存在に気づいたのは――冷徹と評される若き宰相、カール・ヴァイスベルクだった。 カールは王子の軽率な行動を厳しく諫める。 しかし、奔放に見えても人々に向けるライナの「本物の笑顔」に、彼の心は揺さぶられていく。 「逃げるな」と迫るカールと、「心配してくれるの?」と赤面するライナ。 危うくも甘いやり取りが続く中で、二人の距離は少しずつ縮まっていく。

泣き虫な俺と泣かせたいお前

ことわ子
BL
大学生の八次直生(やつぎすなお)と伊場凛乃介(いばりんのすけ)は幼馴染で腐れ縁。 アパートも隣同士で同じ大学に通っている。 直生にはある秘密があり、嫌々ながらも凛乃介を頼る日々を送っていた。 そんなある日、直生は凛乃介のある現場に遭遇する。

処理中です...