Black Rose

むらさきおいも

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Xデー(光)

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あれから暫く鈴木さんと連絡を取りながら、その日が来るのを待った。

そしてやっと準備が整ったと連絡があり、終わり次第すぐ連絡するから今日は念の為家から出ないでね、とだけ言われていて気持ちを落ち着けようと部屋の中を行ったり来たりしていた。

だけどいてもたってもいられず、コンビニくらいならいいだろうと気を紛らわすために近所のコンビニに向かった。

そして恭介が吸ってたタバコを買い外に出ると、ちょうど携帯が震えて表示を確認すると鈴木さんからの着信で、俺は慌てて電話に出た。


「もしもしっ、鈴木さんっ?恭介は!?」

(うん、仲間が無事保護して病院に運んだよ。アイツらの組織は全て潰したから…もう大丈夫)

「はぁ…良かったぁ…っ」


俺はその場に座り込み、人目もはばからず泣き崩れた。


「鈴木さん…ありがとう。怪我とかしてない?」

(うん、大丈夫!ちょっとドジっちゃったけど…今から俺も病院に行くから光くんも来れる?)

「はいっ、行きます」


そして直ぐさまタクシーを捕まえ、恭介のいる病院へ向かった。

恭介にやっと会える。
会ったらすぐにでも抱きしめたいと思う反面、鈴木さんから聞いた様々な事を思い出すと少し怖かった。

もし、恭介がいつもの恭介じゃなかったら?
変わり果ててしまった恭介を、俺は受け入れられるだろうか…

不安を抱きながらも病院に着くと指定された病室へと向かい、入口に立っている強面のお兄さんに恐る恐る名前を告げると、思っていたよりすんなり通してくれた。

そして中に入ると鈴木さんが点滴に繋がれ静かに眠る恭介の手を握り、目をうるませていた。


「恭…介…っ」

「あっ、光くん!」

「あの…恭介は…」

「うん、かなり衰弱してて…色々と手当が必要だから暫くは入院になるって。ごめんね、光くん。助けるって言ったのに…こんなっ…」

「ううん、ありがとう。恭介を助けてくれて…」

「手…握ってあげて?」

「うん…あっ、鈴木さん…!?腕…っ」

「あぁ、ちょっとドジっちゃって…」


鈴木さんは平気そうに笑いかけてくれたけど、腕には包帯が巻かれ肩から吊るされていて、現場がどんなに危ない場所だったのかを思い知らされた。


「怪我…酷いの?」

「ううん、大したことないから…俺の事よりほら、恭介くんのそばにいてあげて…」


鈴木さんは座っていた椅子を俺に譲ってくれると、すっと席を外した。

そして、俺は恐る恐る手を伸ばし恭介の手を握ると、前より細くなった白い腕にいくつもの跡や痣を見つけ絶望した。

これは…働かされていた時受けた暴力や、薬物の痕…

恭介の目が覚めた時、俺はこの状況を全て受け入れることが出来るだろうか…

恭介…お願い!
俺の事、まだ好きでいてくれてるよね!?
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