十六夜の月

むらさきおいも

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斗亜との繋がり

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龍士りゅうじ、ありがとう…」

「いや、朝から体調悪そうではあったから。先に言っとけばよかったな。悪ぃ…」

「いや、思ってるより状況は良くないのかもな…」


俺には敦史あつしの言ってる状況が体調の事なのか家出の事なのかまでは分からなかったけど、どっちにせよこのままじゃ良くないには変わりない。

とりあえず空いてる部屋に運び布団寝に寝かせ、充彦みつひこが戻ってくるのを待った。

その間も斗亜とあくんはずっと苦しそうで、なんとかなんねぇもんかとまた腕を組み悩み始める。


「なぁ、敦史。こんな状態だしさぁ?暫く置いてやれねぇの?」

「うーん、そうなんだけど…」


あんなに可愛がってたような事言ってたのに、何がそんなに引っかかるのか…
家業とは別に、何か理由でもあるのか?

そこへ戻ってきたのは冷静な充彦ともう一人、充彦とは対象的に息を切らして部屋に駆け込んできたのは、俺らの怪我や病気を専門に見てくれる先生の助手をしてる真壁まかべさんだ。

見た目は大学生みたいだが、こう見えても立派なお医者様だ。
ちなみに歳は俺らよりちょっと上。


「はぁっ…、遅くなってすみません!今ちょうどノブさんが病院戻っちゃって俺しかいないんだけど…」

「あぁ、大丈夫。ただの風邪だろうけど、熱が高いからちょっと見てやって欲しい」

「えっ、この子!?」


うちの組には似つかわしくない普通の高校生くらいの男の子に真壁さんは明らかに困惑していて、それでも医者の本能なのか手際よく病状を確認していく。


「えっと、持病とか何も無いなら多分大丈夫だと思うけど…」

「昨日ずぶ濡れのままずっと外にいたんだよ…」

「あぁ、じゃあそれでかな?でもどうして子供が…あっ!あれ!?」


真壁さんも俺ら同様何かに気がついたのか、すぐ敦史に視線を移した。


「この子って…」

「うん、斗亜」

「えっ、じゃあやっぱりノブさん呼んで来た方がっ…」

「ん?なんでノブさん?」


真壁さんの言うノブさんとは、この組を面倒見てくれてる専属の闇医者だ。
この子とノブさんになんの関係が?


「えっ?だって斗亜くんはノブさんの息子さんでしょ?」

「「えーーーっ!?」」


知らなかったのは俺と充彦だけだったみたいで、俺と充彦は顔を見合せ驚いたまま時が止まってしまった。

そんな俺らに構うことなく、真壁さんは手際よく斗亜くんの看病続け、斗亜くんも少し落ち着いたのかそのまま眠ってしまい、熱は高いけど呼吸も脈も問題ないしという事で、とりあえず様子を見ることになった。


「真壁、暫く斗亜の事診ててくれる?」

「はい。分かりました」

「俺、ノブさんに連絡してくるわ」


そして俺らと斗亜くんを残し、敦史は部屋から出て行った。
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