十六夜の月

むらさきおいも

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龍二の部屋の写真

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もう大分、この生活に慣れてきたある日の事。

テストで学校が早く終わって、特になんの用もなかった俺は、真っ直ぐ龍士りゅうじの待つ家に帰った。

いつものように、ドアノブに手をかけ扉を開けようとしたが、鍵が閉まっていて開かない。

もしかしたらまだ寝てるのかも…と、貰っていた合鍵を初めて使って家に入ると、部屋は真っ暗で「ただいま~」と声を上げても返事もない。

いつも出迎えてくれるはずの龍士が居ないことに少し不安を感じながらも、自分の部屋に入り荷物をおろし龍士の部屋をそっと覗いて見たが、そこにも龍士の姿はなかった。

どっかに出かけてるのかもしれないし、夕飯までには帰ってくるだろうと龍士の部屋の扉を閉めようとした時、ふと棚の上の写真が目に入った。

女の子とのツーショット写真…もしかして彼女!?

だけどここ2週間位でそんな素振り全く見せないし、もっとよく見てみたくて部屋の中に入り写真立てをそっと持ち上げた。

制服…?女子高生かな…?
龍士も今よりだいぶ若い。
昔の写真か…


「斗亜…?」


背後から俺の名前を呼ぶ声にドキッとして振り返ると、部屋の明かりがついて入り口に立っていた龍士と目が合った。


「…っ、おかえり」

「おぅ、今日は早いんだな?」

「あ…ごめんっ…なさい…あの…っ」

「ん?あぁ、写真?」

「や、それもそうだけど…勝手に部屋入ったりして…」

「いいよ?別に。だって、一緒に住んでんだからさ?」


だとしても、他人の部屋に勝手に入られたら普通いい気はしないだろう。

なのに龍士は気にする素振りもなく荷物を置いてベットに座ると、空いてる隣をポンポンと叩き隣に座るように促してきたから、俺は慌てて写真立てを棚の上に丁寧に戻して龍士の隣に座った。

そして一応何でここにいたかを説明しないとと思って、龍士に何か言われるより先に口を開いた。


「あのっ、帰ってきたら龍士いなくて…っ、こんなの初めてだったからまだ寝てるのかな…と思って…それで…っ」

「俺の事、探してたの?」

「うん、そしたら写真が見えたから」

「そっか」

「龍士の…彼女?」


聞いていいのか迷ったけど隠してる感じもしないし、もしいるならいるで二人の邪魔にならないようにしなきゃって思って、思い切って聞いてみたけど、龍士からの答えは俺が想像してたものとは全く違ったものだった。


「あぁ、え…っと、妹…」

「妹?」

「うん、そう…妹。もう死んじゃったけどね…」

「え…っ」


龍士には妹がいた…
だけどもういない。

新しく聞けた龍士の家族の話は、とっても悲しいものだった。
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